前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
やはりキャラ作りをしていたワカモの話を聞きつつ、慎重にトンネル入り口へと近付いて異常が無いか確認する
「ひとまずは何も無さそう?」
「そうだね、私の方でも索敵してみたけど 何の異常も確認出来ていない・・・だからこそ異常と言える、ヘンリ 何か感じるかい?」
「全然、何も 無さ過ぎる」
「ん〜 やっぱり、呼ばれてるのかなぁ? 」
周辺警戒しながらトンネル内の様子を見つつ呟くと、ワカモが反応しヘンリへ質問して彼女が答え、マリアが推測を口にする
んー やっぱりワカモの口調に慣れないなぁ、幸い声色は全く違うから聞き間違える事は無いけど、口調がマリアと似てるんだよなぁ
「やれやれ、その推測が正しければ 何事もなくボス部屋まで到達出来る筈、行ってみようじゃないか」
「そうだね、ワカモちゃん が本気を出せば 魔王の遺物相手でも秒殺だもんね」
「油断は禁物だけど、まぁ余裕かな?」
「流石ワカモ 頼りになる、母様の次に」
「君は本当にシャルロットが好き何だね? とても良い事だけれど」
「いぇーい」
そんな訳でマリアを先頭にトンネル内へ進入すると、前回と同様に最初は普通のトンネルだが、次第に崩落して瓦礫の山が増えて行き 死角が増える
まぁ僕を含めて 視覚に頼らない索敵スキルを有している人ばかりだから、あまり不利ではないけどね?
そして完全に瓦礫で行き止まりになっている地点に到達し、そこから脇道へ入り階段を登る
此処までは前回と同じだけど、再アタック開始して未だにモンスターとエンカウントしないから かなり不気味だ
それから順調過ぎる程に進み、前回バーゲストと戦闘したコロッセオ?みたいな場所も何も無くスルーで通り過ぎ、最奥であるボス部屋(仮)に到達する
「これは本格的に招き入れてる奴かも知れないね」
「なんとも不気味な」
「この際、誰を目的にしていても不思議ではないねぇ?」
扉の前でワカモ・ヘンリ・マリアが訝しみながら会話をしているのを、僕とガリューで見守る
こう言う推測とか考察は賢い人に任せるのが1番だからね? うん
「通常のダンジョンなら この先に居るのは前回と同じでニーナの筈だけど、此処までのお膳立てから推測すると ニーナとは別の存在が居る」
「そうなんだよねぇ、問題はソレが誰か という事、場合によってはワカモちゃんに任せっぱなしになっちゃうからね」
「最低でも母様・父様・おばさん は無い筈だけどね?」
「まぁまだ油断は出来ないけどね」
ワカモは肩をすくめて言い、ボス部屋の扉を開けて中へ入る
内装は前回と変わらず地下霊廟?の様な雰囲気で、祭壇の前に高級感漂う執事服を身に付けた赤髪の男性が姿勢良く立っていて、一目で魔の者だと本能で理解し、なんだか変な感じがする
なんというか、知り合いと似た匂いがする気がする
「お待ちしておりました お嬢様、貴女様の伴侶たる
「ふざけるな! ふざけるなよ?!! 1度のみならず、2度も 私の親友のツラしやがって! 私の親友を2度も侮辱しやがって!!」
「あ、ワカモ?!」
「あちゃー マジギレだ、これは止まらないね」
「仕方ない、ワカモは そう言う性格だから」
執事が ねっとり とした視線をヘンリに向けて言った瞬間に、ワカモの怒号が響き 執事へ向かって飛び出して行く
普段の彼女からは想像出来ない行動に驚いていると、マリアとヘンリは肩をすくめて 止める素振りも全く見えない、完全に見守る体勢だ
「あの加勢しなくて良いんですか?」
「あそこに? 無理無理、幾ら私達が上澄みとはいえ、ブチギレ状態のワカモちゃんの戦闘についていけないし、邪魔になるだけだよ」
「マリアの言う通り、ワカモに任せて見守るのが1番」
「えぇぇ・・・」
飛び出して行ったワカモの背中を見ながら2人へ尋ねるが、無理無理 と首を横に振り 見守る体勢を崩さない
どうやら、余程 危険らしい とりあえず僕も見守る事にしよう