前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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66. 3者会議

 

 

 

若宮ギルド内ステラ・アーク事務所のミーティング区画に顔を突き合わせ真面目な表情をして座って居る人間が3人

 

 

カナリアが2層攻略で不在な事を狙って集まっている訳だが、CEOたる紗夜(さや)が切り出すのを待っている状態だ

 

 

俺としては予定も無いから良いが、あまりノンビリしていたらカナリアが帰ってくると思ってしまう

 

 

「・・・カナリアちゃん、私の予想を遥かに超える奔放さがあるわね?」

 

 

「まぁな、俺等男兄弟に囲まれて育ってるし、本人自身 身体を動かすのは嫌いじゃないし」

 

 

 

正直な所、カナリアは末っ子・・・しかも、俺と10も歳が離れている五月七日(つゆり)家 唯一の女児だから、少々甘やかしている事は否めない

 

 

まぁカナリアは聞き分けも良いし、本当に悪い事、してはならない事はしないし、人を困らせる類いのワガママも言わない

 

 

「元々好奇心が強いヤツだよカナリアは、誰かと一緒ならフラフラ自分本位には行動しないし、まぁ誰かストッパーを同行させるのも手だな」

 

 

「流石は実兄、カナリアちゃんの事を理解してるわね?」

 

 

「まぁな、約16年アイツの兄貴してんだぞ? 嫌でも分かるさ」

 

 

紗夜が少し茶化す様に言ってきたので、肩をすくめて返してやる

 

 

そう、俺は約16年 カナリアの兄貴をしてきたんだ

 

 

野郎だらけの五月七日家にカナリアがやってきた時は大騒ぎだったのを覚えている

 

 

親父も雀晴(すばる)三鶴(みつる)も狂喜乱舞だったし、母さんも喜んでいた

 

 

まぁ母さんの遺伝が強くて金髪碧眼なのは少し驚いたが、可愛い妹が出来たのは嬉しかった

 

 

今、思い返すとカナリアは全く手のかからない子だった と思う

 

 

玩具売り場を通っても、同年齢の子供の様に玩具をねだって泣き喚かないし、好き嫌いもしない、玩具も散らかしたままにしない・・・そんな幼児らしさが薄い幼児だった

 

 

そういえば親父が気紛れで見てた映画にハマって、映画のDVDとかは母さんにねだっていたっけ、それも常識の範囲内でだったけど

 

 

そんな俺と似ていない実妹の不思議な生態を思い出していると

 

 

「ストッパーの件なんすけど、ワカモちゃんじゃダメっすよね?」

 

 

「ダメだろうな、配信見てたら分かる様にワカモは基本的にカナリアの好きにさせてる」

 

 

「先輩がストッパーするのは?」

 

 

「却下、俺は俺のスケジュールもあるし、カナリアに付き合ってる時間が無い訳ではないが、時間が足らん」

 

 

 

渚がタブレットPCを操作しながら俺へ尋ねてきたので、包み隠さずに話す

 

 

ステラ・アークに所属して案件の整理を代行して貰っているとはいえ、所属前に受注した長期の案件とかも有るので、カナリアの世話ばかりもしていられない

 

それにカナリアは、実兄の俺じゃ気を使わな過ぎて多分、身の振り方を改めたりしない

 

 

「まぁ幸い表層エリアを攻略するまで、まだ幾らかの猶予は有るから、差し迫っての問題ではないな」

 

 

「そうは言っても、悠長にしていられないでしょう? なんで見知らぬ木の実を躊躇わずに食べるの? あの娘は」

 

 

「食い意地が張ってるのと、ダンジョンではアバターなのと聖女の特性として状態異常耐性が常時発動してる」

 

 

「・・・聖女特性、それ聞いてないのだけれど?」

 

 

「ん? そうなのか? しっかりしてる様に見えて割と適当な所あるしなぁカナリアは」

 

 

 

紗夜の言葉に そう返すとも言えない表情をする

 

 

「気付いてると思うがカナリアも基本的にはチカラこそパワーの脳筋だからな?何せフィジカル脳筋の父と信仰系戦闘民族の母の間に産まれて男兄弟に囲まれて育ってるからな」

 

 

「・・・そうね、えぇそうね」

 

 

何とも言えない表情のまま紗夜は頷く、大丈夫か? コイツ

 

 

ま、運が良ければカナリアのバディを務められるぐらいの探索者が見つかるさ・・・三鶴を勧誘するか?

 

 

あれ? そういや、アイツ 戦闘技能持ってたっけか?

 

 

まぁいい、あとで確認しよう

 

 

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