前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
ジェットストリームアタック作戦を敢行し3層最奥へ続く最後のチェックポイントを通過し、意味深な扉の蝶番4箇所へ素早くスラグショットを撃ち込んで飛び蹴りを入れて突入すると、物凄く嫌な予感がする空間となっていて、思わず足を止めてしまう
「・・・これは、今年もかな?」
「そうかもな?」
「居ますね」
【お? 最終戦か?】
【おかしいな? ボスは居ない筈なんだけど】
【今年もかぁ】
これまでとは打って変わり、石レンガ造りの空間が広がっていて 松明に火が灯る様に順番に灯りが灯り室内を照らし、中央に僕には見慣れた服を着て面布を着けて顔を隠してしる人物がいる
「なぁ? アレ、聖導教会の護衛騎士の制服だよな? 」
「だね? あの腰に帯びてる合口の長刀で透き通る雪を思わせる髪、僕は思い当たる人が居るんだけど?」
「奇遇だな? 俺もだ」
【いつもなら、もっと近寄るけど なんか妙に距離取るね?】
【教会護衛騎士? エリートやん】
【刃渡2mの長刀とか、扱いに困る奴】
「イクスヴェリア前枢機卿の腹心にして60年以上 護衛騎士を務め続けた伝説、シュネー・グランツ かな? 」
「おそらくな?
「そうだね、搦手を使う事が彼女の十八番だもんね」
【おいおい、とうとう護衛騎士まで複製すんのかよ、ダンジョン君】
【もう、なりふり構わなくなってきたな?】
【搦手の使い手? どう言うこっちゃ?】
僕と鷹樹の意見は一致し、目の前の階層ボス(仮)は 60年以上もの間、1度もミスを起こさずに護衛騎士を全うした伝説の護衛騎士 シュネー・グランツ
ベルカ帝国第280代皇帝の第八皇女 イクスヴェリアの護衛騎士を彼女が高等部へ入学した時から、一切合切の危険から守り続け 数年前 呆気なく睡眠中に息を引き取った
そんなシュネーについて実は、そう多くは知られていない
シュネーは、イクスヴェリアと同じ歳 か 少し歳が上である事、日本人と比べて高身長なベルカ人の内では珍しい150㎝代の小柄であった事、髪が透き通る雪の様な銀髪である事、常に布面をしていて素顔をイクスヴェリアや当時の皇帝と導師 そして伴侶と子供達 しか知らない事、得物が長刀である事、魔力保有量が一般人より少ない事、それを補う為の
噂だが、魔力や魔法によらない搦手を使うらしいが、定かではない ので かなり注意してシュネー レプリカと対峙する必要があるだろう
「どうする? 正直、正面から戦って勝てる気がしないだけど?」
「奇遇だな? 俺もだ」
「突っ立ってても仕方ないっすよ? オレが突っ込んで斬ります」
「あ、ユウキ君?! 」
「しゃーねぇ、カナリア お前はユウキのフォローだ、俺も突っ込む」
「分かった」
【ユウキ君の我慢が先に限界を迎えたかw】
【にしても、一切 動かないの不気味だなぁ】
【なんか嫌な感じだな】
シュネーを知っているだけに対処を決めあぐねている僕と鷹樹に痺れを切らしたユウキがルクスフリーデンを構えて シュネー・レプリカへと突撃してゆき、鷹樹が僕にフォローを命じて 自分も突撃していく
その背中を見ながら、僕達がボス部屋に侵入してから一切 身動きをせずに、僕達を見据え観察するだけに留まっていた事に不安を感じる
これまでイレギュラーで様々なボスと戦ってきたが、その悉くが そう簡単に勝てる相手ではなかった
去年戦った ターニャ レプリカや ニーナ レプリカは強かった、僕がサポートに徹してデバフをかけて漸くだったからね?
今回も、鎮め歌を使用する必要があるかも知れない