前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
不意に煙幕が断ち切られる様に晴れ、シュネーレプリカの騎士服の裾が僅かにはためいているのが見える、どうやら待つ事に飽きてしまったらしい
「君達、私は気が長い方で有る自信が有るけれど、些か その事に甘え過ぎでは無いかな? 仮にも私は君達の敵なのだよ? 決して君達の訓練教官などではない」
「マズイ、怒ってるっぽい」
「だろうな? ユウキ、悪い ログアウトしてくれ」
「分かりました、このままじゃ足手纏いですからね、じゃお先に」
「ごめんね? ユウキ君、待っててね」
【面布で顔は見えないけど、声色に少し怒りが滲んでいるな】
【んー? なんか聞き覚えの有る声に似てる気がするんやが】
【んな事より、アチラさん ヤル気やぞ?】
【せやな、まずは どう突破するかやな】
殆ど棒立ちの緩く構えたままでシュネーレプリカは 声色に怒りを滲ませて僕達へ忠告してくる、まさか意識を持ってるかつ喋るとは予想外だったので少し驚いてしまい、
ルール上、パーティメンバーを欠いてもチャレンジ失敗扱いにはならないので、ユウキをログアウトさせる事が最善策と言えるだろう、多分
ひとまず、ユウキを庇いながら戦う と言う不利な状況は回避出来たが、僕達がシュネーレプリカと戦うには厳しい事には変わりない
あとコメント欄の 聞き覚えのある声ってコメントだけど、僕も実は そう思っている、割と頻繁に聞いている気がするのだけどね?
まぁ今は シュネーレプリカとの戦闘に集中する事にしよう
「カナリア もう良い、ある程度は くっついたし・・・アチラさん も もう待つ気はない様だ
「分かった」
「漸くかい? 全く、君達は
鷹樹に言われ返事を返して治癒魔法の使用を停止し、シュネーレプリカを見据えると彼女は呆れた様な仕草をして、僕達へ殺気を送ってくる
肌を突き刺す様な殺気を浴びて、思わず身体が硬くなり鼓動が早くなってしまう、そして頬が緩む
なに、難しい事はない 僕は彼女を撃破する それだけの事だ
「やれやれ、なんで この状況で笑うかな この妹は」
「はは、それは鷹ちゃんもでしょ?」
「違いない、んじゃ・・・行くか」
「そうだね、行こうか」
僕が笑っている事に鷹樹がツッコミを入れてきたが、それは鷹樹も同じなので指摘し、覚悟を決めた鷹樹と拳を合わせてからシュネーレプリカへ突撃を敢行する
単分子ワイヤーによる斬撃を放つ為の動作は、居合の動作に類すると推測できる、つまり シュネーレプリカが斬撃を放とうとした瞬間に行動阻害出来れば勝機はある筈だ
「ん? なるほど、あの一合で これほどまで推測し対処するとは・・・でも、既に通った道なんだよ 君」
「え?・・・う・・・そ・・・」
「カナリア?! くそっ」
僕達が射程範囲で有る8mへ踏み込んだ瞬間、シュネーレプリカは居合の動作へ入ろうとしたので、お馴染みの障壁術である 障壁アンカーで 行動阻止を図り、動作が停止した瞬間 目論見が成功したと確信してフロッティを彼女へと向けた瞬間、どういう訳か 鈍い痛みを感じ 足にチカラが入らなくなり 崩れて地面に転がる
否、文字通り 僕はバラバラのパーツに切り分けられて地面に転がってしまい、驚愕している内に 視界が暗転し 気付いたらリスポーン部屋の固い寝台に寝ていて、僕は死亡した事を自覚する 負けたか 無念
寝台の上で身体を起こし縁に座り息を吐く、見事に負けてしまったなぁ まさに何をされたか分からなかった
まさか抜刀の動作をしなくてもワイヤーを操作出来るとは想定外だった、もしかしたら抜刀の動作すらブラフだった可能性が有るな
いやはや 完敗だ、潔く負けを認めよう