前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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81. ロイヤル遭遇

 

 

 

鷹樹(たかき)の言葉に肩の荷が降りて軽くなって暫く鷹樹と座談会みたいな流れで配信を続けていると、獣 それも大型獣の咆哮の様な音が耳に入り、鷹樹との会話を止める

 

 

「聞こえた?」

 

「あぁ、俺にも聞こえた」

 

「主よ、カメラを12時として4時方向から聞こえておる」

 

「分かった、ありがとうワカモ」

 

 

【なんかスゲー鳴き声だったな】

【鷹樹が警戒してるから、イレギュラーか?】

【鷹樹、お兄ちゃん枠なの分かるけど、トレンチガンの前に立たない方が良いと思うぞ? 】

 

 

フロッティを展開して薄暗くなり始めた木々の奥へ銃口を向けつつ警戒する訳だが、鷹樹が僕の壁になろうとして射線に入ってきてしまう

 

 

「射線入ってる、もう少し左にズレて」

 

「おぉ、すまん」

 

「見える?」

 

「見えないが、居る」

 

 

視覚に頼らない索敵スキルを有している鷹樹の返答を聞き、僕も反響定位をフル活用する、咆哮を感知すれば大体の位置は分かるしね?

 

 

「この咆哮を上げる程のモンスターが1層に湧く筈無いんだが・・・」

 

 

「流石は鷹樹さん、若宮ダンジョンを知り尽くしてる」

 

 

「最深層の事はよく知らないけどな、俺は攻略派じゃないし」

 

 

【俺も結構配信見てるけど、聞いた事ないタイプの鳴き声だな】

【若宮ダンジョンで食材調達のスペシャリストの鷹樹が分からないとなると、やっぱりイレギュラー?】

【探索者の使い魔の可能性は?】

【それは全然有る】

 

 

 

僕は鷹樹と会話しつつ最近覚えた照明の魔法をフロッティの魔弾として生成し、居るであろう方向へ撃つ

 

人力で投擲した程度の速度で飛翔し、蒼髪の少女の姿が暗闇に数秒だけ現れる

 

 

「女の子?」

 

「・・・なぁ、あの子 探索者だな」

 

「そうだね、アイコンが探索者の奴だったし・・・ん?」

 

「なら、この咆哮は何なんだ? あの子は1人で此方に歩いてきてる」

 

「確かに・・・」

 

 

【モンスターじゃないのは分かったのに、謎が生まれたw】

【配信配慮で許可ない場合は黒ベタだからなぁ、誰だかサッパリだ】

【探索者なら何で咆哮聞こえるんだろな?w】

 

 

 

暗闇の中からお腹を抱えてヨタヨタと僕達の方へやってきて口を閉じているのに咆哮が聞こえる

 

「・・・随分と主張の激しい腹の虫だねぇ」

 

「おい」

 

「ごめんなさい」

 

 

Sorry, it's sudden and bad(ごめんなさい、突然で悪いのだけれど) Could you please share something to eat?(何か食べる物を分けて貰えないかな?)

 

 

「え、えーっと・・・」

 

「・・・リューネ語かぁ、俺は あんまり賢くないんだが」

 

 

【2人して困ってる】

【カナリアちゃんもダメかぁ】

【俺等もリューネ語ダメやん?そりゃダメよ、ましてカナリアちゃん学生やし】

 

 

思わず口から漏れた言葉を鷹樹にたしなめられ、すぐに謝罪すると蒼髪少女が僕達に何やらリューネ語で訴えてくるが、分からない

 

何か助けて欲しい事は理解したけど

 

 

それにしても見れば見るほど美少女だ、蒼の髪に紫の瞳、平時であれば愛嬌の有るであろう顔は、今はシオシオ ピカチュウみたいにシオシオしてるけれど

 

 

 

「あ・・・此処、日本だった・・・餓死しそうなので、ご飯を恵んで下さい。お願いします」

 

「それは大変、すぐ用意しなきゃ」

 

「だな、今作るから暫く待っててくれ」

 

 

【急に日本語話し始めたw】

【リューネから日本に遠征してきた探索者か、珍しい】

【お、ワカモ氏の尻尾をレンタルしてる、羨ましい】

 

 

僕達は彼女の言葉を聞き直ぐに行動を開始する、想定外のイレギュラー対策で食糧は4日分は有るので惜しみなく振る舞おう

 

 

そういえば鷹樹が知り合いの探索者からお裾分けて貰ったのを更にお裾分けして貰った何かの肉が有ったのを思い出し、とりあえず適度な厚さにスライスして鉄板で焼く

 

ほんとならスープとかの方が良いかも知れないけど、まずはお腹に物を入れた方が良さそうだからね、うん

 

 

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