前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
今更ながらパーティメンバーがヤバい事を思い出して軽く戦慄していると
「カナリアとユウキへの状態異常耐性付与を行うのは、私としても賛成だけれど、また
「いいえ、
「なら、安心かな? 男神なら邪神程 悪質な事はしない筈だしね?」
「ワカモさん、あまり言うと 女神が 拗ねますよ?」
「知らないよ、事実だし 拗ねさせておけば良いさ。 邪神の機嫌を取るのは男神の仕事だからね」
「ははは・・・」
不意に背後から声が聞こえたので振り向くと、いつもの巫女服でも着物でもなく和服ワンピースという少しラフな格好で、ヴェスタ神が禁固刑されているロッカーに脚を組んで腰掛けて、いつもの威厳出しのキャラ造りした口調ではなく、素の状態でイオン様と会話を始める
相変わらず優しげな雰囲気を纏ってはいるが、言葉の端々には少し棘の様な物を感じるのは気のせいだろうか?
「カナリア、私が此処に居る理由が気になるかも知れないけれど、単純に
私は彼等に雇われているし、今は自由時間だからね? こっちのトレーニー《ヴェスタ》の穴埋めはしなきゃなんだ、こう見えて私はデスクワークは得意なんだよ?」
「え? そうなんだ」
「ワカモさんの趣味趣向はカナリアさんに通ずる所がありますね? ヴェスタが送り出した後は、読書をしていた様ですし」
「学生時代は それなりに多忙だったし、当時 婚約者だった主人が あまり私を離したがらなかったからさ」
「それって、束縛なんじゃ?」
「ははは、一応は理由が有ったりしたんだけどね?」
僕が感じている疑問に気付いたワカモが、軽く説明をしてくれてイオン様が補足してくれ、僕としては聞き逃せない説明をワカモがしたので訝しみながら言うと、ワカモは笑う
「細かく説明すると色々と長くなるから端折るけれど、私は元々は主人の専属護衛をしていたんだ、初代婚約者は それはそれは 立派な
「なんだか、すごいシンデレラストーリーだね?」
「ははは、私自身も そう思うよ」
ワカモの説明?を聞いて 小学生以下の感想しか出てこなかったのだけど、なんだか この流れの話を聞いた覚えがある様な気がするな?
どこだろう? 僕 1人ではなくヘンリやニナもいた気が・・・あれ? リューネの美術館だったか、資料館だったかに有ったリューネ王国 近代史の展示品だ、多分
その時に見た シャルロットによるシンデレラストーリーと酷似している、その事に気付いてワカモを見ると
「君は自称する程 賢く無い訳では無いと思うよ? 今の説明で違和感に気付いたのだからね?」
「え? と言う事は作り話なの?」
「いや? 大幅に端折っていたり伏せていたりするけれど 事実だよ? 前に私はリューネ王国に連なる者と話したのは覚えているかな? 私はね? 元王妃なんだよ、君の知るシャルロットと同じ様にね」
「えーっと? つまり・・・並行世界線で、って事?」
「その通り、君になら本名を教えても良いけれど、そうすると縛りが発生してしまう可能性が有ってね? 魔玉収容が終わるまで我慢してくれるかな?」
「え? あ、うん。分かったよ」
転生者である僕は、並行世界が存在する事を潜在的に理解しているし、もはや異世界や並行世界の存在は有って当然と言うのが共通認識になりつつある
恐らくワカモは まだ僕に話していなかったり開示していない事が沢山あるだろう、それがワカモが己に課している縛りという奴なのかも知れない
まぁワカモの本名がなんであれ、ワカモはワカモだから これからも僕の無茶苦茶に付き合って貰いたいと思う