前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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88. 御礼参り 4

 

 

 

僕は置物、僕は置物、と自己暗示を施しながら流れを静観していると

 

 

「ん? 少し待って頂戴、立花(たちばな)博士は女性よね? でもクローンは男性よ、私は自分の眼で見ているわ」

 

 

「言ったろう? 立花 夏月は転生者、つまり死んだ後に性別が反転しているんだ」

 

「・・・なるほど、再度出生したら2分の1だものね、性別が反転する事もある訳ね?」

 

「その通り、カヅキおばさんは元男、そしてクローンは男として精製されている訳だね」

 

 

僕とは関係ない立花博士の話なんだけど、僕自身元男の転生者と言う内容は少し居心地が悪い

 

それはそれとして、立花博士も元男だったのかぁ、女性にしては珍しい発想とデザインのガジェットを発表してた理由は、それなんだろうな、うん

 

 

「と言うのが前提の話で、ぼく は夏月(かづき)くん(仮)の研究記録や その他付随するデータを入手して本国に居る上から3番目の兄様に届ける お使いを任されてるって訳」

 

 

「概ね理由は分かったわ」

 

「サヤ、君は察しが良いから先に言っておくけれど、場合によっては夏月くん(仮)は生かして置けないから、暗殺する事になるかも知れないし、死ぬまで幽閉って事もある、何も問題がなくて定期監視で済むかも知れない、それを踏まえて ぼく は君に協力を要請したい」

 

 

「・・・そう」

 

 

ヘンリの説明を聞き、紗夜は頷いて思案を始める

 

これは法が云々とか、そんな簡単な話ではない、立花 夏月のクローンとはいえ産まれた命だ、それを自分が関与した結果、刈り取る可能性がのあるのだから悩まない筈がない

 

 

と、そこまで考えて、ふと思う

 

「ヘンリさん、その夏月くん(仮)って立花博士の生前の細胞をベースに培養して精製されているんですよね?」

 

 

「研究資料が無いから断言は出来ないけれど、多分 そう」

 

 

「あと魔力回路の有無は遺伝が95%ですよね?」

 

「うん、基本的には後天的に魔力回路が形成される事は無いね、手術とか手を加える場合は別として、だけど」

 

 

僕の質問にヘンリはサラッと答え、更なる質問にも答え『まぁその手術も余程腕が良くないと無理だけど』と言う

 

 

その言葉を聞き、僕は確信する この夏月くん(仮)は十中八九、真人間の純日本人スペックで、魔力も異能も有していないだろう、と

 

 

魔力や異能は身体由来の超常のチカラだ、魂の強度が魔力の量・濃度に関わりはするが、魔力を生み出す器官や貯める器官、全身に送る器官が無ければ行使出来ない

 

 

血液が骨髄で作られても血管と心臓が無ければ全身へ循環させられ無いのと同じ様に

 

 

「カナリアは小さいのに賢いね、ぼく の予想も純日本人スペックだと仮定しているよ」

 

 

「ヘンリさん、僕は高校生ですよ」

 

 

「はぇ? そうなの? ごめんねぇ」

 

 

「いえいえ、慣れてますから」

 

 

やっぱり年齢を勘違いされていた様で、ヘンリは少し驚いて謝罪してきたので、大丈夫と伝える

 

 

「・・・良いわ、協力する。お祖母様の凶行で世界が滅んだら目覚めも悪いし、私も身内として責任は取らないと、ね?」

 

 

「うん、ありがとうサヤ。早速で悪いのだけれど研究資料の在処については知ってる?」

 

「えぇ、本社の地下研究施設、あとお祖母様のセカンドハウスの地下にも研究室があるわ・・・多分夏月(仮)クローン技術関係はセカンドハウスの方ね、あそこのセキュリティは本邸の比では無いもの」

 

 

紗夜はヘンリに協力する事に決めた様で、そういう

 

漸く僕が置物をする時間が終わりに向かっている様になってきて良かった

 

 

本当、この件に関しては僕は部外者でしか無いしね?うん

 

 

「それじゃぁ、セカンドハウスの方を捜索してみようかな?」

 

「私に出来る事が有れば言って頂戴、可能な限り協力するわ。お祖母様にバレる前に終わらせないとダメだし」

 

「そうだね、この1週間が正念場かもね」

 

 

何をするか分からないけど、漸く解放されそうで良かった

 

 

場違い甚だしいからね、うん

 

 

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