前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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884. 1,095日の集約

 

 

冬の寒さも和らぎ、別れと出会いの季節へと移ろう3月 僕は いつもと変わらないルーティンをこなして、制服に袖を通す

 

高校3年間 着てきた訳だけど、ついに小さく感じる事もなくジャストフィットしたままだったなぁ、無念

 

姿見で変な所がないか確認してから自室を後にし、我が家の駐車場へ向かい いつもの様に収納魔法からz125proを取り出し跨る

 

 

「そういえば誕生日が比較的早い方だから z125pro(キミ)に乗って走った約3年なんだったね」

 

 

ヘルメットを被りグローブをはめて、ふと気付き呟いてz125proのタンクを撫でる

 

僕の誕生日は新年度が開始されて約1ヶ月後にやってくる関係で、比較的すぐに普通自動二輪免許を取得してz125proを購入し、それから登校の時に必ず乗ってきたから、高校生活約3年間をz125proと共に過ごしてきたと言っても過言では無いかも知れない

 

 

「ふふ、ガラでも無いかな」

 

 

独り言を呟きエンジンを始動させて我が家を後にする、見慣れた住宅街の景色、幾度も止まった十字路の停止線、澄み切った早春の空

 

 

「今日は良い日になりそうだ」

 

 

今日、僕は今世で3回目の卒業式へと向かう 道中 ガラにもなく感傷的になってしまっているけど、たまには良いよね?

 

いつも時間には余裕を持って登校する事にしているので、普段より少し時間をかけて登校したが、それでも余裕があるぐらいで斑鳩(いかるが)に到着する

 

 

「やぁ カナリア、ぼく だよ」

 

「おはようございます、ヘンリさん」

 

「ん、おはよう。ニナやシホが来る前にヘアセットをしてしまおう」

 

「ははは、良いですよ。争奪戦になる前に争いの芽を摘むって事で」

 

「流石カナリア、やはり天使」

 

「やっぱり大袈裟だなぁ」

 

 

z125proを収納魔法へ収納し教室へ向かうと、いつもより遅く到着したからかクラスメイトが大勢居て ヘンリが仁王立ちして待ち受けていて、そんな事を言ってきたので了承して、自分の席に座り ヘンリに髪をすいてもらう

 

高校入学した時は肩に掛からないぐらいの長さだったのに、今では腰に届くぐらい伸びているのだから 良く伸ばしたと思う、実際には 面倒で散髪しなかったのと 惜しむ声が多数・・・三鶴(みつる)紗夜(さや)、ヘンリや冬彩(かずさ)と言う面々の声が有って散髪していなかったと言うのもある

 

幸い、僕の世話をしたがる三男だったり マイマザーだったり 使い魔だったり 友達が多数居るお陰で そこまで苦労していないのが維持し続けた理由かな? 多分

 

 

「やっぱりカナリアの髪質は最強」

 

「視聴者の お陰ですね」

 

「ん、今度 配信で褒めておく」

 

「なんでヘンリさんが褒めるんです?」

 

「ぼく は カナリアの相棒だから?」

 

「まぁなら仕方ない無いですね」

 

 

僕の髪をすいて整えながら呟いたヘンリ へ尋ねると、そんな答えが返ってくる

 

この1年、アイドル活動を自粛していたから忘れがちだけど、僕とヘンリはユニットを組んでいて、一応 ニコイチで活動する様な雰囲気になっているから、ヘンリの言う事は間違っていない、多分

 

 

「あー!! ヘンリちゃん ズルい!! 協定違反だよ!?」

 

「やぁニナ、遅かったね? 協定違反? 知らないね早い者勝ちだろう?」

 

「むーーー」

 

「はいはい、教室で喧嘩しないしない、まだ髪をすいてるだけっぽし、結うなら左右で分けたら良いじゃん?」

 

「それだ」

 

「ハジメが言うなら仕方ない、ぼく も鬼では無いから それで妥協してあげるよ」

 

「だってさ」

 

 

なんというか 穏やかな時間が流れ、こう言うのも悪くないな と思っていると 遅れて登校してきたニナが ヘンリに髪をすいて貰っている僕を発見し、ヘンリに噛みつき ヘンリはドヤ顔で返す、なんで そんな 映画の悪役みたいな事をヘンリが言っているか分からないが、面白いから放置しておこう

 

この騒がしくも愛おしい時間は、今日が最後だから

 

 

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