前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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885. 卒業式の日

 

 

そんなこんなでニナとヘンリによる一悶着が有ったけど、それ以外に何のトラブルも無くヘンリが髪をすき終わった後に、ニナとヘンリ が短い作戦会議をして 左右を分けて僕の髪を結い始め、何というか生暖かい目が向いてきている気がする

 

 

「とうとう卒業だね」

 

「そうだね、私達の中でも進学先が違う子が居るしね」

 

「僕としては、僕に毎日会いたいが為に進路先を決める子がいなくて少し安心したよ」

 

「ははは〜 流石に そこまで無謀な子は居ないでしょ〜」

 

「え? いや待てよ? 確定で1人 決めた人が居たなぁ? なんだか僕の左側の髪をセットしている気がするなぁ? 」

 

「ふふん」

 

「素晴らしい程のドヤ顔だぁ」

 

 

今日は卒業式とあって、ゆっくりしたスケジュールの為 始業の鐘が鳴るまで時間が沢山あるからか、いつメンが僕の座る席を注視にたむろして話しをする中、ハジメが 少し 感慨深そうに呟いたので相槌を打つ と ヘンリが素晴らしいドヤ顔をしてくれる

 

いつメンの中で進路先が違うのがミコトとナナ、そして僕に合わせた猛者がヘンリだ

 

まぁ僕も 大した動機も無く大学受験しているから、ヘンリの事をとやかく言える立場では無いのだけどね?

 

 

「本当、色んな事が有ったよね」

 

「随分と愉快な3年間だったとは思うよ?」

 

斑鳩(いかるが)入学前に 突発性ダンジョンに遭遇して紗夜(さや)ちゃんにスカウトされたりね」

 

「カナリア、端折り過ぎて 紗夜が突発性ダンジョンの中で カナリアをスカウトした事になってる」

 

「まぁ出会いは突発性ダンジョンの中だし、そこは誤差と言う事で」

 

「ん、なら誤差としよう」

 

 

窓の外を眺めながらハジメが遠い目をして呟いたので相槌を打つと、ヘンリが珍しくツッコミを入れてきたので、返事を返すと 誤差と言う事になった、相変わらず僕に甘い

 

それから他愛ない話をしているとニナとヘンリによるヘアセットが完成し、予鈴の鐘が鳴り 隣のクラスである子が退去していくのを見送り、数分で担任の先生が入ってきて、これからのスケジュールを説明し 僕達は 高校生最後のホームルームを受ける

 

前世を含めて6度、幼稚園を含めると8度目の卒業に ガラにもなく感慨深い気持ちになってしまう

 

カナリアとして生を受け早18年、もう2ヶ月で19年も生きていれば 嫌でも この軽量コンパクトボディに慣れてしまうモノだ

 

小さな頃、何度か誘拐されそうにもなったし、今でもたまにヤバい視線を向けてくる 大きなお友達(変態)がいるけど、まぁいまでは笑い話だから良しとしよう

 

高校入試・・・そう、丁度 斑鳩の入試を受けた帰りに突発性ダンジョンに被災して、たまたま紗夜と出会い なんとも押しの強い勧誘でトントン拍子にステラ・アークに所属する事が決まった

 

 

「そういえば、最初は試作品のテスターって思っていたんだっけ?」

 

 

僕が配信者として活動するキッカケとなった出来事を思い出して、1番最初に紗夜が僕を騙した事を思い出して1人苦笑する

 

紗夜には感謝している、最初は確かに僕を欺いて配信者をさせたかも知れないけど、結果的に紗夜の先見の名 や 視聴者に恵まれた事で 僕はトップ配信者になる事が出来て、退屈せず 楽しく かつ 普通に仕事をするより楽にお金を稼ぐ事が出来ている・・・いや、僕が望んでいる以上の金額が稼げている事については不思議で仕方ないけれども

 

僕は幸せだ、前世では どこにでも居る くたびれた社畜会社員だった、別に不幸だと思ってもいなかったし、そこそこ生活には満足していた

 

死因は もう忘れしまったし、興味も無い 僕は もう転生し転性して五月七日(つゆり)カナリアとして人生を謳歌している

 

優しく僕に甘すぎる気がする家族、頼れる仲間と友達、そして天職

 

僕は もう満たされている、これ以上望む事が有るとすれば みんなが健康で幸せである事ぐらいだろう

 

僕は幸せだ

 

 

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