前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
7月に突入し夏の香り漂う今日この頃、私は次男の結婚式へ参列しているカナリアの断り無く勝手に現界して闇属性の魔法である影渡りを用いて、影の中を泳ぎ人目を避け とある場所へ向かっている
影の中は障害物がないのでスイスイと移動が完了し、目的地で念の為に耳だけ影から出して索敵し、障害が居ない事を確認し影から出て周りを確認する
ゴテゴテとした物ではなく、シンプルに機能美を追求した内装の書斎の様で、デスクと本棚が並んでいて、デスクには今日会いに来た真子がゲンドウ座りで着座していた
「ごきげんようワカモさん」
「こんにちは、真子」
移動で多少乱れた着衣を整えて彼女へ住まいを正して飾らずに向き合う
「そろそろ来客が来るとは思っていましたが、まさか貴女とは」
「そうかな? まぁ君にはそうかも知れないね・・・用件は分かっているよね?」
「えぇ、理解しています。私の
私の言葉に静かに頷き、真子は答え 私はその返事に頷く
「それなら話は早い、研究資料をリューネへ渡すんだ、良いね?」
「言われずとも、元よりそのつもりです。夏月さんは・・・立花夏月という人間は歩く戦略兵器、その前世遺骸から採取した細胞を使っているとはいえ、夏月さんのクローンの存在が露見すれば誰がやってくるか、なんて予想がつきます。これでも私は
「・・・そっか、君は最初から分かっていたんだね? 」
「えぇ、今の所 貴女が来客であった事以外は、私が描いた道筋通りに事が進んでいます」
そう、真子は最初から、クローンを作成すればリューネや他国の調査員が来る事を分かっていた上で作成へ踏み切っている
「堂々としているのは、彼には異能が無いからかな?」
「もちろんです、2度と夏月さんを失う事態は避けねばなりません、元々純日本人である夏月さんに異能がある訳ないですし、何度も何度も念入りに検査し、無能力の真人間である事を確認しています」
「本当、君の一途さは篠原の血より
「しませんよ、両親共にお姉様と同じ、と鑑定書がありますし・・・まぁそんな事は今更どうでも良いのです」
本当に抜け目の無い計画の様で、念には念を入れて着実に事を進めて来ている様で、これは私が説得にくる必要も無かったみたいだ
「どうしますか? データ、貴女が持って帰りますか?」
「ううん、私は持って帰らないでおくよ、
「そうですか? 貴女は本当に義を重んじますね・・・後のことは
「ありがとう真子」
「構いませんよ、これも彼との未来の為です」
私が そう言うと真子は微笑み言う、本当に本心から言っているのだろう
「ヘンリについては分からないですが、紗夜は賢い娘ですし塩梅は難しいですが、まぁどうとでもなるでしょう」
「侵入を誘発させるよりは、招いてあげたら?」
「それもそれで有りではありますね、その方が身の潔白を証明出来そうですから」
そう、今回の件の要点はクローンを作成した事について、では無い
問題視されているのは、歩く戦略兵器である 立花 夏月のクローンである事である為、真子が作り出したクローン夏月が異能を有していない、と証明出来れば事足りるし丸く収まるのだ
だから、真子は無理に隠し通す必要も争う必要も無い
故に調査員を招き入れてしまえば良い、まぁだいぶ疑いの目は向けられるが、解析を担当するのはシンクだろうし、クローンが無能力と分れば放置と言う判断になるだろう、そう真子も踏んでいるに違いない