前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
そんなこんなでヘンリ+αと合流できた僕達兄妹はヘンリの先導のもと搭乗手続きをして荷物を預けて、空港内を少し徘徊したりラウンジなる所で腰を落ち着けたりする
その間、ユウカが威嚇の表情を僕達兄妹に向けてきたけど、ヘンリの言いつけを守り無言を貫いていたので、律儀な人なんだなぁ と思う
そんな訳で搭乗開始時間になったのでヘンリとユウカの後に続いてリューネ行きの旅客機へと通路を進んで行くと窓の外に姿が見えたので、写真を取っておく
さて、この世界において旅客機とはジャンボジェット機とか そんな飛行機ではなく、対飛行系モンスター装備がされた小型の浮遊航空艦の事を指す
簡単に言うと空を飛ぶイージス艦みたいな感じで、専属のヴァンツァー隊が護衛までしてくれるので、まぁまぁ安全が保障されている
まぁ内装はジェット旅客機とかと変わらないので悪しからず
「・・・あの、ヘンリさん?」
「どうかした? カナリア」
「半個室みたいな席なんですが・・・」
「そうだね?」
「ファーストクラスでは?」
「そうだよ?」
明らかに高そうな座席へ案内されたので、通路を挟んで隣のヘンリへ尋ねると、『なにを当たり前な』みたいな表情で返答が返ってきて、彼女に任せた事を少し後悔する
ヘンリはリューネの王女様で僕や
「恩人にはのしをつけて何倍返しする、カヅキおばさんに教わった」
「倍率がエグいんですってば・・・」
フンスと胸を張りヘンリは言うが、倍返しではなく乗返しなんですわ
何というか、加減が分からないらしい、いや気持ちは嬉しいけどね?
そんなやり取りをしていると添乗員に着席を促されたので大人しく席に座りシートベルトを手に持つ
毎回思うけれど、このシートベルト 嵌めづらいんだよなぁ
そんなこんな少し手こずりつつ装着し離陸を待つ
それから数分で旅客機は離陸し、浮遊航空艦特有の浮遊感を味わいシートベルト装着のランプが消えるのを待ってシートベルトを外し一息付く
「とりあえず規定の距離までは通常航行だね」
「あと1時間ぐらいですか?」
「そうだね、順調なら それぐらいかな?」
そんな会話をヘンリとし肩の力を抜く、少し長い航路なのだが一定の距離では安全の為、徐行運転になっているのである
まぁ大体5〜6時間でリューネの空港へ到着するから、結構速いとは思う
それから欠伸を噛み殺しながら面倒な夏期課題を可能な限り消化しておく、面倒な事は先に済ませておいた方が後々楽だと僕は学んだのだ
「カナリアは偉い」
「時間は有限ですから」
「ん、カナリアは賢い」
なんか僕を全肯定してる様な気がするヘンリに褒められて、少しやる気が出たので、ちゃちゃちゃーっと真面目に取り組みつつ斜め後ろから感じる突き刺さる様な気配を放つユウカは視界に映さない様にしておく、怖いし
そんな訳で10分の1ぐらい消化して、機内サービスで貰ったチョコケーキを食べてSAN値を回復させたりする
ずっとユウカの怨念を受け続けたら身が持たないしね?
それにしても美味しい、これは両親や兄弟、紗夜達にも食べさせてあげたいぐらいの美味しさだ
チャレンジした事はないけど、お菓子作りにも手を広げてみるべきだろうか? いや、あまり時間も取れなさそうだしな・・・少し悩む所だなぁ
あーでもキャンプ飯的なヤツは有りかも知れない、動画のネタにもなるし一石二鳥、うん悪くない
「美味しい?」
「はい、とっても」
「そう、良かった」
僕がチョコケーキを食べて幸せを噛み締めているとヘンリに尋ねられたので答えると、嬉しそうに微笑む
なんだろうか、姉気分に浸れて嬉しいってヤツ? 確かヘンリも末っ子だった筈だし、そうかも知れない
やはり一度は弟妹が出来る事を夢見たりするんだろう、多分