前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
フッカフカな高級ソファーにダメにされそうになったが、
「・・・この寝癖手強い」
「君、年に何回か そうゆう日があるよね」
「普段大したケアしてないからなぁ?」
「基本リンスインシャンプーだもんね」
「うん、面倒くさいし・・・手に負えないから、お風呂入る」
「了解」
そんな他愛ない会話をして
「これは壮観だ、ヘンリさんが推す訳だ」
「そうだね、これは素晴らしい」
このホテルは王都の外れに立っている理由、それは街並みを損なわない為だろう
歴史的価値の高い街並みが眼下に広がっていて、そういうのに興味がない僕でも目を奪われてしまうぐらいに美しいと感じる景色が見れてしまうのだ
そんな景色が見える窓際の席に座り、キャラメルマキアートを注文して飲みながらヘンリがくるのを、のんびりと待つ
「すまない、少し良いか?」
「うん? 僕達ですか?」
「なんでしょう?」
ちょっと窓の外に集中し過ぎて、僕達に近寄って来た人物に気が付かず、声をかけられて振り向くと、身なりがかなりしっかりした蒼髪蒼眼の美青年が、少し胡散臭い笑みを浮かべて立っていた
「君がカナリアちゃんかな?」
「・・・なんです? いきなり」
「申し訳ありませんが、どなたでしょう? 不審者に明かす身分は無いので」
美青年の問いに三鶴が怪訝な表情をして、いつでもヤレる様に体勢を整えながら返答すると、美青年は更に胡散臭い笑みを浮かべ
「それもそうだ、俺はシンク、ヘンリの兄貴だ。ほら蒼髪だろ?」
「・・・特別 蒼髪は珍しくないので」
「いやいや、リューネだとウチの一族しか居ねぇんだって、あホラ 少し前に撮った家族写真」
シンクの説明に返すと、どうやら髪色が同じで信じて貰えると思って居た様で胡散臭い笑みは消え、対応策を捻り出し始める
確かに日本では蒼髪は少し珍しい、でもオーシア・ベルカには普通に居るし、なんなら黒髪の方が珍しいまであるので、彼の兄妹証明は意味がない
そんな訳で見せられた写真なのだが、人数がそこそこ多くてヘンリを探すのに少し苦労する
アレ?ヘンリが無表情だ、何でだろ? 写真撮られるの嫌なタイプなのかな?
「えーっと・・・ホラ、ヘンリは此処で、俺は・・・あれ? あ、こっちだ」
「・・・何で今迷ったんです?」
「いや、普段はコンタクトなんだけど、この日は目の調子悪くてメガネだったから兄貴と被ってて」
「へぇぇ〜」
「いや、本当なんだって、俺等 三つ子なんだよ」
シンクの説明に納得がいかずに生返事を返すと、彼は言い
「・・・確かにリューネ王族に三つ子が居た筈」
「だろ? 信じてもらえたか?」
「仮に信じるとして、そのお兄様が妹に何の用ですか?」
三鶴の雰囲気が大分ピリつき始め、シンクへ尋ねる
「いや、何つーか・・・ヘンリと友達になる奴が現れたから、ちょっと好奇心で会いに来たんだよ」
「はぁ??」
「だから、ヘンリは少し特殊な存在だから友達出来た事なかったんだよ、なのに友達出来たってんで、どんな奴なのか好奇心が芽生えたんだ。俺は研究職で好奇心に弱くてさ?」
「はぁ??」
あぁなんか返答が下らないせいか三鶴が猫ミームみたいな顔と声になってしまっている
誰が予想出来るだろうか? 王族が末妹に友達出来たから見にくるなんてさ?
それにヘンリって36歳でしょ? 子供じゃないんだからさ?
そのお兄さんて事はシンクも30歳オーバーの良い大人なんでしょ? まぁ見えないけどさ?
好奇心で僕を見に来なくても良いんじゃないかな?