前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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99. れつごー 大教会 3

 

 

 

ゆっくり目を開けると、知らない天井と見慣れたイケメンフェイスの三男が見え、後頭部から伝わる感触で状況を把握する

 

 

「ありがとう三鶴(みつる)ちゃん」

 

「おかえり、カナリア」

 

 

僕の言葉に三鶴は微笑み頭を撫でながら言う

 

 

「ねぇ、確かにお願いしたのは僕だよ? でも何で膝枕なの?」

 

「それは・・・ほら、指定なかったから僕の好きにして良いって事でしょ?」

 

「うーん、シスコン」

 

「褒めても何も出ないよ、カナリア」

 

「褒めてないよ、三鶴ちゃん」

 

 

相変わらず少々僕を愛し過ぎてるシスコン三男に呆れてつつ、大人しく三鶴の膝を借りておく

 

実は幽体離脱の副作用で本調子では無いのだ

 

 

そんな訳で軽く顔を動かし周りを見てみると、三鶴を羨ましそうに見ているヘンリが見え、何で羨ましそうなのか不思議に思いつつ御神体の方へ眼を移すと、車椅子に座り御神体を見上げている黒髪ロングの人と、見覚えのある蒼髪の美青年の姿が見える

 

 

シンクは、わざわざ着替えて此処までやって来たのかな? 意外と暇何だなぁと思い少し無理矢理身体を起こして岩塩のカケラを口に含み聖水で流し込んで一息つく

 

 

「くく、なるほど、なかなか向こう見ずの性格をしている様だな」

 

 

シンクが車椅子を回すとキィィと車輪が鳴り、僕を金の瞳で見据えて車椅子の主がニヤリと笑みながら言う、そんな彼女の姿を見て僕の本能が彼女と戦うな と警笛を鳴らしてくる、下手をしなくても戦えば死ぬ、その事実を理解してしまう

 

 

「そう警戒しなくても、取って喰ったりはしない。これでも子供と身内には甘いと自負しているのでな」

 

 

「そう、大丈夫だよ? この人、目付きが悪くてカタギには見えないけれど、真っ当な人だから」

 

 

「ははっ言ってくれるじゃないか、グンジョウ」

 

 

「なんで嬉しそうなんですかね? カヅキおばさん・・・」

 

「グンジョウ? カヅキ? ・・・いや、まさか」

 

 

ニヤニヤと車椅子の主は笑みを浮かべて言ってくるが、全く信用していないのを見てか、左眼に走る縦一文字の傷跡を持つシンクと同じ顔の美青年が僕を安心させる為に保証してくれるのだが、正直2人のやり取りを見ていて どうでも良くなってしまった

 

なにせ、ガチでヤベー転生者筆頭とリューネ国王が目の前にいるからだ

 

 

「あぁ畏まらんで良い、私は死に損ないのババアだし、コイツはオフだからな」

 

 

「は、はぁ・・・」

 

 

「そんな死に損ないからのアドバイスを聞いてくれ、若い内から塩分過多は辞めておけ、中高年になって一気に身体にガタがくるぞ」

 

 

「あ、はい」

 

 

ヤレヤレと肩をすくめている陛下を横目に、悪役スマイルを浮かべている割にはマトモなアドバイスをしてくる立花博士に少し間抜けな返事を返すと彼女は静かに頷き

 

 

「お前の他者を助ける高潔な姿勢は賞賛に値するが、自分の命を軽く見積もる事は控えろ、お前が愛する人を心配する様に、愛する人もまたお前を心配し身を案じているのだからな」

 

 

「善処します」

 

 

「あぁ是非そうしてくれ、罪悪感で死にたくなるぞ?」

 

 

「・・・覚えておきます」

 

 

彼女の言葉には重さがあった、きっと実体験から得た教訓だろう

 

 

僕が誰かが傷付くのを嫌がる様に、誰かは僕が傷付くのを嫌がる、それは当然の事だろう、でも僕は その事を失念していた様だ

 

 

「カナリア、お前は素直な子だな? ウチの孫1号より大分可愛げがある」

 

 

「クオンは貴女に似たんだと思いますよ?」

 

 

「だろうな? 」

 

そう立花博士は言い笑う、こうしていると歩く戦略兵器とは思えないぐらい、少々目付きの悪い美女に見える

 

 

「ヘンリと友人になってくれて、ありがとうな? こればかりは私達ではヘンリへ授けられなかった」

 

 

「いえ、そんな大層な事では有りませんよ? 僕も誰も彼も受け入れるわけではないですし」

 

 

「そうか、ならば そう言う事にしておこう。戻るぞ グンジョウ」

 

 

「やれやれ人使いの荒いお義母様ですね」

 

 

なんかよく分からないが、立花(たちばな)博士は満足したのか陛下に車椅子を押させて帰って行った

 

 

なんだったんだろうか?

 

 

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