WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
一花「ごめん二人共・・・!私のやってきたことは許されることじゃないし、謝ってもダメだってこともわかってる。でも、みんなに謝りたいし、フータロー君にも謝りたいの!」
深々と頭を下げる一花を見て、二人はクスリと笑った。
二乃「確かに最初は腹立ったけど、もう誰もあんたのこと責めたりなんかしてないわよ。」
四葉「頑張って上杉さんに謝ろうよ!」
一花「二人共・・・ありがとう!」
そして昼休みが終わり、全国実力模擬試験後半戦へと入っていく。
風太郎「武田・・・受けて立ってやるよ。」
風太郎は武田に向かってそう言った。
武田「!・・・ははは!何を今更!当たり前さ、僕らは永遠の
二人はそうやりとりをして、教室へと戻って行く。
最後の教科を行なっている時の風太郎・・・
風太郎(・・・やべぇ)
突然、目眩に襲われてしまった。
今までの徹夜がここに来て響いてきたのだ。
風太郎(残り数問・・・なん、とか・・・)
風太郎はそのまま、次回がボヤけて机の上に突っ伏してしまう・・・
─────その時だった。
『お前の周りを見てみろ。そうすれば、お前はどういうことなのか分かるはずだ。』
風太郎(・・・・・・!!)
意識が遠ざかる寸前、あの言葉を思い出した。
そうだ。
俺は・・・
風太郎(一人で・・・やってるわけじゃ・・・ない・・・んだ・・・!)
残った問題を、風太郎は朦朧とする意識の中、最後の力を振り絞って書き続ける。
そして─────
風太郎(・・・よし・・・後は・・・たの・・・んだ・・・)
最後の文字を書いたところで、風太郎の試験の記憶はそこで無くなった。
江端「旦那様、先月行われた模試の結果が届きました。」
マルオ「ご苦労。」
五つ子の父マルオは、江端の運転する車の中で、タブレット端末で模試の結果を見ていた。
江端「お嬢様方は個人差はあれど、前年より大幅に成績を伸ばしております。」
マルオは指でスライドさせながら、姉妹たちの模試の結果を見ていく。
その中で、彼が注視していたのは・・・
江端「中でも三玖様の成長には、目を見張るものがございます。」
そこには、中野三玖:10位と書かれていた。
前代未聞の光景である。
江端「得意な教科はもちろん、苦手にしていた教科も、平均点に乗せるまでに成績を伸ばされました・・・これもひとえに──────」
マルオ「江端。」
言葉を続けようとした江端を、マルオが止めた。
彼自身も理解していた。
三玖が姉妹の中で一番成績を上げた理由を・・・しかし、大恩があるとはいえ、言葉にするのはまだ出来なかった。
江端「・・・申し訳ございません。ですが、家庭教師という選択は結果的に大成功だったと言えるでしょう。勿論、お嬢様方の努力あってのことです。武田様は8位でした。そして、上杉様ですが・・・」
江端はゆっくりと言った。
江端「─────全国一位、しかも満点でございました。」
マルオ「・・・・・・」
風太郎の結果のデータを見ていた。
マルオの顔は無表情だが、恐らく内心では動揺しているだろうと思われる。
マルオ「・・・まさか本当に一位になるとはね。」
江端「報告によれば、上杉様は最後の教科の際に、突然気を失うように寝てしまったと。試験勉強で根を詰めすぎていたのかもしれませんが、最後の力を振り絞ったようです。」
マルオ「・・・・・・」
風太郎は、最後の数問の文字が、やっと読める程のレベルにまで崩れていた。
それほどまでに限界を迎えていた彼が、この崩れた文字こそ、最後に足掻いた証だろう。
マルオ「全国一位とは、宣言通りのようだね。その覚悟─────見事だ。」
全国模試が終わり、一花は風太郎の元へとやってくる。
一花「あ、あの・・・フータロー君。」
風太郎「何だ?」
一花「えっと・・・その・・・」
一花は頭を下げた。
一花「あの時はごめんなさい!」
風太郎「・・・・・・」
一花「あの後、分かった。他の姉妹がフータロー君を取られたくなくて・・・しかも、幸せになっている三玖に嫉妬しちゃってて・・・だけど、それは駄目だと気づいたんだ。」
風太郎「─────」
一花「ごめんなさい!」
一花はただ、ひたすら謝った。
彼女は自身の妹達と風太郎を傷つけた。
だけど、そんな彼女に優しく言った。
風太郎「もう分かった。許すよ。」
一花「え?」
風太郎「その為に此処に来たんだろう?」
一花「う、うん・・・だけど、聞いてほしいことがあるんだ。」
風太郎「え?」
一花は言った。
一花「トランプの件は─────私なんだよ。それ以外は私じゃない。」
風太郎「・・・え?そんなのか?」
今回ばかりの一花の目は本気だと分かった。
前の時・三玖に変装をしている時の一花は、嘘をついていることがわかったが、今回は真面目の顔つきだった。
一花「トランプ以外は・・・私の妹の誰かだから。」
風太郎「え?ちょ、おい!待て!」
一花はそう言って、走り去った。
一花(四葉・・・フータロー君のこと、任せたよ。)
─────同時刻。
日本とは思えない、鬱蒼と茂る、背の高いセコイアの樹々の間を抜け、細い小径を森の奥深くまで進んでいくと────明かりの灯った、小さな小さな小屋に行き当たる。
その小屋の主・源一郎は目を瞑っていた。
源一郎「─────」
そしてやがて、源一郎はゆっくりと目を開けた。
源一郎「─────やはり、三玖君を除く五つ子姉妹と風太郎君はあの
源一郎は不明な言葉を続ける。
源一郎「もうすぐ─────彼等、
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Chapter11 END
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これにて、第11章も終。
本章は風太郎のメインの話でしたね。
さて、次回からがいよいよお待ちかねの修学旅行編です!
此処で何故、一花編をあのタイミングで出したのかと言うと、実はこの修学旅行編で書きたいことがあるからです。
そう、ギャグ展開というものを。
僕はこの五等分の花嫁にある旅行編では必ず、ギャグ展開だらけにしたい!という宿命があるからです(どんな宿命?)。
林間学校編も温泉旅行編でも例外ではないです。
皆さんも旅行に行く時、めちゃくちゃはっちゃけたい!と思いませんか?
作者もそう思い、この旅行編で必ずギャグしまくりたいんです!
まぁ、そんな感じで次回から修学旅行編でもギャグをしまくります!
それでは、また次回。