WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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14話 五つ子⑤

 

 

 

 

あれから暫く経った。

彼女達・五つ子は高校生になり、そのまま《黒薔薇女子》の高等部に内部進学をした。

 

 

 

司会『黒薔薇女子、高等学校。陸上競技部の皆さん。インターハイ出場、お目出度う御座います!』

 

 

 

スポットライトの当たるステージの上に、長い髪の頭にリボンをした四葉はいた。

 

 

 

四葉(お母さん、見てる?私─────皆に褒められている。色んな人に必要とされている。姉妹の誰でもなく、私だからなんだよ!)

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ある日のこと。

三玖は心配そうに、四葉に声をかけた。

 

 

 

三玖「最近ずっと練習ばかりだけど・・・平気?勉強できてる?」

 

 

 

三玖は本心から、四葉を心配していた。

部活に時間を使い過ぎて、勉強が疎かになってしまっている彼女に・・・

このままでは四葉は・・・

 

 

 

三玖「良かったら、私が教えて─────」

 

四葉「私は皆と違う!!」

 

 

 

三玖は何か言おうとしたが、四葉の怒鳴り声でそれを遮った。

そして─────

 

 

 

四葉「一緒にしないで。」

 

 

 

四葉はそう冷たく言い放った。

彼女は完全に、他の姉妹よりも特別だと思ってしまった。

こうなった彼女は、もう誰にも止められなかった・・・

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

教師「追追試不合格。中野四葉さん─────貴方を落第とします。」

 

四葉「─────え?」

 

 

 

中年の女性教師にそう言われ、四葉は頭を真っ白になった。

 

 

 

四葉「嘘・・・ですよね?」

 

教師「─────嘘ではありません。」

 

四葉「だって!あんなに部活で結果を出したのに!この前だってバスケ部に─────」

 

教師「─────関係ありません。」

 

 

 

女性教師は四葉に睨みつけながら、怒りを露わにする。

 

 

 

教師「再三警告をしたはずなのに、あなたは多重入部をやめようとしませんでした。荷物をまとめなさい。」

 

 

 

女性教師はそう四葉に冷たく言い放ち、四葉は言葉を失っていた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

四葉「え?転校?」

 

 

 

四葉はあの後、マルオに呼び出され、理事長室へとやって来た。

内容は、退学ではなく転校であった。

 

 

 

マルオ「僕の知り合い理事を務める男女共学の学校だ。夏休み明けから、君はそこに通うこととなる。」

 

四葉「私・・・だけ・・・」

 

マルオ「引っ越しの必要がないのが幸いだ。家では姉妹で一緒にいられる。」

 

 

 

マルオの言葉は、途中から聞こえてこなくなった。

四葉の目の前が、真っ暗になっていく。

 

 

 

四葉(あれ・・・?私は特別なはずなのに・・・私がいる意味を作ろうとして、必死にやってきたけど─────私、なんで一人なの・・・?)

 

 

 

四葉は頭の中でそう延々と繰り返していた。

自分は特別で一番だと思っていたのに、いつの間にか自分の周りはいない。

 

 

 

四葉(一人になったら私はどうしたらいいの?どうしたら特別になれる?どこに進んでいいのかわからないよ・・・)

 

 

 

あの日出会った少年も、最愛の母も、部活の仲間達も。

全てが闇に呑み込まれていく・・・そう思っていたその時。

 

 

 

ガチャ

 

???「待って。」

 

四葉「?!」

 

 

 

聞き慣れた声が、理事長室に響き渡る。

四葉はその声の方に視線を移す。

そこには、自身の姉妹達がいた。

 

 

 

二乃「四葉が転校するなら─────アタシ達もついて行くわ。」

 

 

 

闇に呑み込まれようとした四葉に、自分が拒絶した姉妹達という光が手を差し伸べていた。

 

 

 

理事長「何を言っているんだ?!君達は試験を通過したはずだろう・・・?」

 

二乃「ええ。合格できたわ。カンニングしたお陰で。」

 

 

 

そう言って二乃はポケットから出し、それを理事長とマルオに見せた。

 

 

 

四葉「・・・・・・!」

 

理事長「そ、それは本当か?!」

 

一花「私達もでーす。」

 

 

 

他の三人もポケットから取り出し、カンニングペーパーだと思われる紙を出す。

それを見た四葉は絶句する。

 

 

 

四葉「皆・・・何で?」

 

二乃「アンタはどう考えてるか知らないけどね・・・アタシはアンタがいなくなるの絶対に嫌!」

 

四葉「!!!」

 

 

 

二乃の言葉に四葉は言葉を失う。

 

 

 

一花「何処に行くにも皆と一緒だよ。」

 

五月「それが、お母さんの教えですから。」

 

 

 

四人の起こした行動と言葉に、四葉は感情を抑えられなくなってしまい、その場に泣き崩れてしまった。

姉妹はそんな四葉に、皆で寄り添う。

 

 

 

四葉(お母さん─────お母さんが言ってたのは、こういうことだったんだね。もう誰が一番だなんて考えるのはやめよう─────私は皆のために生きるんだ。)

 

 

 

四葉はただただ、他の姉妹達への感謝をしていた。

これが─────これから彼女が自己犠牲になる瞬間の出来事だった。

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 

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