WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
研究員「ネビュラ所長ぉ〜、そろそろお昼にしましょうよぉ。」
此処は、
─────一つのれっきとした事実として。
ソルセリア・センチュリー帝国に生まれた人間は等しく、魔法を扱う力を持っていた。
とはいえ、その魔力の大きさは様々で、いわゆる平民が使えるのは、ちょっとした物体を動かしたり、小さな火や水を出して調理したりする程度のものだった。
当然、それだけでは生活を維持するのは難しい。
人間がそれにあぐらをかいていて良いはずがなかった。
魔法の力をより効果的に、効率的に活かし、国力をさらに高めるための《技術的進歩》を生み出すことが、《王立魔法研究所》の使命であった。
ネビュラ「待って・・・あと十五分ちょうだい。もう一歩、あと《何か》が足りないの。」
研究員「あと十五分って、わたし半刻前もそう言われて待ったんですけどぉ。飢え死にしちゃいますぅ。」
ネビュラ「大袈裟な・・・」
《所長》と呼ばれるにはいささか若すぎると思えるほどの少女が、うんうん唸りながら膨大な紙片にあふれた文机に向かっていた。
少女は齢十代の若さで、《人工太陽》を作るための学術論文を発表し、その人並外れた頭脳を王家に見初められて、三年前に設立された王立魔法研究所の所長に抜擢された奇才であった。
所属する研究員たちはたいていが彼女より年上だった。
だが、圧倒的な働きぶりゆえに、年上の彼らもネビュラには尊敬の意をこめて敬語を使った。
今、彼女に話しかけている女性研究員も例外ではなかった。
自分より四つも下の少女と話しているのに、彼女にとってはベテランの上司と話しているかのような感覚だった。
研究員「っていうか所長、ここ数週間ずっとその《陣》描いてますよね。なにに使う陣なんですかぁ?」
彼女の興味は、ネビュラが目を皿のようにして昼夜描いている、円形のとある《魔法陣》に向けられていた。
魔法陣にはいくつか《基本形》と呼ばれるテンプレートのようなものがあるのだが、魔導学院を修めた彼女が知る限り、どれにも当てはまらない、見たことがない陣だった。
ネビュラ「これは─────呪いを《裏返す》陣。」
研究員「のろい?」
文机に縫いつけられたように向かっていたネビュラは、そこでようやく顔を上げて、彼女を見た。
ネビュラ「《セレーネ》を知ってる?」
研究員「知ってますよぉ、そんなの常識です。終焉の月と呼ばれた全ての生物達に脅かす破壊神ですよね?」
呪いを裏返す、セレーネ。
そこまで勘のいいタイプではない彼女も、そこまで聞いて瞬時に彼女の真意を理解した。
研究員「呪いを裏返すって・・・まさか。」
ネビュラは言った。
ネビュラ「そう─────これはね、セレーネを《裏返して》浄化する─────XXXXXよ。」
哉汰「しゃあ!これでいいだろ?」
ソルセリア帝国の城・コスモス城。
コスモス城では、五人の青年達がとある作業をしていた。
その五人の内一人が、そう適当なことを言っていた。
圭「おい、哉汰。ちゃんと作業をしろ。」
哉汰「良いじゃねぇかよ、圭。」
圭「駄目に決まってるだろ。いいか哉汰。これは国民の
適当な作業をしていた青年・
彼は修行自体には前向きだが要領が良くちゃっかりした性格で、最短で結果を出そうとよく手を抜く。
そんな彼に注意をした青年・
彼は真面目なタイプであり、哉汰の適当な作業によく注意をしていた。
蛍「まぁまぁ、落ち着きなよ。二人共。」
そこで、二人の間に割り込んできた青年・
彼はマイペースな感じで、何時も作業が遅い方である。
圭「何時も遅れてきた奴が何言ってるんだ。今回は珍しく来たらしいが。」
蛍「ごめんごめんって。」
遥「は〜い!皆おっはよ〜!」
心愛「おはよう。」
そこで元気な青年・
遥は何時もこの五人の中で一番元気であり、元気のムードメーカーである。
心愛は圭と同様、勉強熱心で真面目タイプである。
哉汰「おう、二人共おはよう。」
圭「全員揃ったか。」
圭は自身を含め、五人全員いるか確認した。
そして、
圭「これからの作業と話すのは、終焉の月と呼ばれた破壊神・《セレーネ》について話す。」
TO BE CONTINUE・・・・・・