WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
瑛人「風太郎。」
風太郎「何だ?」
瑛人「その頬、どうした?まさか痴漢でもしたのか?」
風太郎「するわけねぇだろ。俺のことどう思ってんだよ。」
放課後の図書館。
風太郎と瑛人は一花と三玖、四葉の勉強を見ていた。
瑛人は風太郎の頬を見て、そう言った。
彼の頬には紅葉ができていた。
彼からの説明を聞くことにした。
カクカクシカジカ・・・
瑛人「それはお前が悪い。他にもっと良い言い方とかあっただろ。」
風太郎「くっ!と、取り敢えず!お前ら、もうすぐ何があるか知っているか?」
風太郎の質問に四葉が答える。
四葉「はい!林間学校です!」
四葉の答えに風太郎は彼女のリボンを掴む。
彼の顔は笑っているが、血管が浮かんでいるのが分かった。
風太郎「それはそれは随分と余裕お有りのようですね四葉さん?」
四葉「ひ、ひぃぃぃ?!御免なさいぃぃぃ!!」
風太郎は話を戻した。
風太郎「そう!中間試験だ!だが、このままではとてもじゃないが試験は乗りきれない!中間試験は国数英理社の五科目。これから一周間、徹底的に対策していくぞ!」
一花・四葉「え〜。」
風太郎「だから三玖も日本史以外を・・・」
瑛人「風太郎、お前よく見てみろ。本人は英語をやっているぞ。」
風太郎「ほ、本当だ。」
風太郎は意外そうな顔で彼女を見る。
瑛人はそんな彼女に頭を優しく撫でた。
三玖は顔を紅くしながら言う。
三玖「私もそろそろ本当に頑張ろうと思ったんだ。」
瑛人「よし、じゃあ頑張ろ!俺も頑張って手伝うからさ。」
三玖「うん・・・ありがとう・・・よろしくね・・・」
三玖が笑顔で答える。
風太郎(なぜか知らんがいい傾向だ・・・!三玖は瑛人に個人的でも教えてもらってるみたいだし!だが残り2人の点数はあのときのまま・・・俺はどうしたらいいんだ・・・)
三玖は瑛人から勉強を教えてもらっていることもあり、飲み込みが早く、意欲もあるので順調に進んでいる。
家でも自習をし、わからないところは電話やメールで瑛人に質問している。
もう基礎はだいたいできていて、このまま行けば赤点回避できるだろう。
だが一花と四葉は力はついてきてるが、そこまでいっていない。
五月は自習をしているみたいだが、要領が悪くわからないものはずっと考えている。
二乃はもはや勉強をしていない。
三玖以外は普通にピンチである。
この状態で雇い主に条件とか出されたら大変である。
とりあえずこの日は、下校時間ギリギリまで三人に勉強を教えるのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
瑛人「なーんであの状況で一人で帰れるんだ・・・」
三玖「フータローらしいけど・・・」
四葉「上杉さん来てくれなくて残念です・・・」
現在、瑛人たち駅前のお店でパフェを食べている。
風太郎は一人で帰り、残った者たちは少し不満げだ。
食べていると、三玖が瑛人にスプーンを向ける。
三玖「あーん。」
瑛人「あーん。」
三玖「どう?」
瑛人「うん、普通に食べるよりおいしい。ありがとう。」
三玖「よかった・・・もう一回やっていい?」
瑛人「うん。というかやって欲しい。」
瑛人・三玖「あーん・・・」
一花と四葉の前で普通にイチャイチャする二人がもう一度やろうとしたとき・・・
パシャ!
瑛人・三玖「?!!」
シャッター音が聞こえた。
そちらに視線を移すと、そこには此方に携帯のレンズを向けた一花がいた。
三玖「い、一花?!何してるの?!」
一花「いや~2人がすごいイチャイチャするから・・・反射的に?」
瑛人「一花、後でその写真をくれ。」
一花「了解!」
三玖「え、エイトまで・・・」
一花から写真を送られ、瑛人はそれを三玖に見せた。
瑛人「どう?」
三玖「は、恥ずかしい・・・」
三玖は紅くなった顔を両手で抑えた。
瑛人(可愛いな。)
四葉「まさに青春って感じだね!」
三玖「あうぅ・・・」
ブー・・・ブー・・・
瑛人「ん?御免、ちょっと出てくる。」
四葉「はーい、いってらっしゃい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
瑛人は店の外に出て、電話に出る。
瑛人「もしもし?」
風太郎『瑛人、今大丈夫か!?』
電話の相手は風太郎だった。
しかもなにやら慌てている。
瑛人「一回落ち着け。それから話してくれ。」
風太郎『す、すまん。』
瑛人「なんだよ。電話してくるってことは、よっぽどのことなんだな?」
風太郎『そ、そうだ!実は・・・』
そう言って風太郎は話し始めた。
先ほど、風太郎は五月から電話を渡され、それに出たところ、なんと相手は雇い主である五つ子の父親だった。
父親は風太郎と瑛人に条件を出したらしい。
その内容は・・・
風太郎『赤点の数に応じて俺たちのこれからを決めるらしい。』
瑛人「・・・・・・待ってどういうこと?」
風太郎『つまり・・・もしかしたら、クビなるかもしれない・・・』
瑛人「あ、そういうことか。何個以上だったらクビなんだ?」
風太郎『それはわからないが・・・少しでも多く取っておけば大丈夫だと思う・・・』
瑛人「なんで聞いとかねぇんだよ・・・まあお前の意見で合ってるか・・・」
風太郎『それとこれは・・・父親からのことじゃないんだが・・・』
瑛人「なんだ・・・?」
簡単にまとめると、五つ子の父親との電話を終えたあと五月と口論になってしまい、お互いに「絶対に教えない」「絶対に教わらない」と完全な仲違いをしてしまったのだ。
中間試験も近いというのに、最悪なタイミングである。
瑛人「バカじゃねぇの?お前。」
風太郎『う、す、すまん・・・』
瑛人「俺とお前はあいつらの家庭教師だろ?なんで生徒の五月と仲違いしてんだよ。しかも絶対教えないってさ・・・なんでんなこと言うんだよ。お前が言ったとおり、今は少しでも赤点回避が必要なんだ。仲違いしてる場合じゃないだろ?」
風太郎『本当にすまん・・・』
瑛人に言われて風太郎は反省する。
五つ子の父親に条件を出され、つい焦って感情的になってしまったのだろう。
だが、今は感情的になるより先に冷静に考えるべきである。
瑛人「はあ・・・条件の方は三玖たち三人に言っとく。三玖たちに協力してもらってできるだけ赤点回避するぞ。」
風太郎『いいのか・・・?』
瑛人「何が?」
風太郎『その・・・余計なプレッシャーになるんじゃ・・・』
瑛人「仕方ないだろ。誰かさんのせいでこんなことになったんだからな。」
風太郎「・・・・・・」
瑛人「それとこのことは絶対、二乃に言うなよ。」
風太郎『お、おう。わかった・・・』
二乃にとって風太郎と、特に瑛人は邪魔者でしかない。
その二人がいなくなるかも知れないと知れば、絶対邪魔してくるに違いないだろ。
瑛人「じゃ、俺は三玖たちに言ってくるから。さっさと五月と仲直りでもしてくれ。」
風太郎『お、おう・・・じゃあな・・・』
そう言って電話を切る。
瑛人「面倒臭いことが起きたな・・・だけど、三玖の為に頑張らないとな。」
瑛人はそう呟いた後、店の中へと入って行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
四葉「あ、お帰りなさーい。」
一花「遅かったね。」
三玖「何かあったの?」
瑛人「実は・・・」
瑛人は彼女達に先程のことを話した。
一花「お父さんも変なこと言うねぇ~。」
四葉「でも、頑張らないと!」
三玖「エイト、私頑張るから・・・」
瑛人「うん。俺もできるだけサポートするよ。」
瑛人と三玖はお互いに笑いかける。
瑛人「まあ今日からはとりあえず家で各自自習してくれ。てことで今日はお開きだ。」
瑛人の言葉で三人は立ち上がり、会計を済ませて店を出たのであった。
TO BE CONTINUE・・・・・・