WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
次の日の朝。
林間学校最終日。
女子「おはよー。」
女子「今日どこ行く?」
女子「スキーでしょ。」
三日目のイベントはスキー、登山、川釣りの三種類の中からの選択制である。
もちろん、どれにも参加せずに寝てるやつもいる・・・・・・かもしれない。
そして夜はメインイベントのキャンプファイヤーが待っている。
女子「三玖ちゃん、おはよ。」
三玖「・・・・・・うん、おはよう。」
先に起きていたクラスメイトに軽いあくびをしながら、あいさつをする。
三玖は上半身を起こして、窓の外を見つめる。
三玖(午後は瑛人とキャンプファイヤーのダンス・・・)
三玖は幸せそうな顔をしながら、彼とのダンスを想像していたのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
勝也「さて〜いよいよ最終日だ。」
瑛人「あ、赤石先生。おはようっす。」
勝也「お、瑛人じゃないか。・・・ってお前は何をしているんだ?」
勝也は瑛人の行動を見ていた。
何やら大砲のような雪山である。
瑛人「大砲っすよ。では先生、撃つんで覚悟をしてください。」
勝也「か、覚悟・・・ま、まさかお前・・・?!」
そう、大砲の銃口は明らかに勝也の方へと向いていた。
瑛人「発射!!!」
ドカン!
ドオォォォォォォン!!!
勝也「ぐわあぁぁぁぁぁぁ?!!」
大砲に撃たれた勝也は、何処かへと大きく吹っ飛んでいった。
〜数分後〜
勝也「酷すぎるだろ?!」
帰ってきた勝也は右腕と左脚が大怪我を負ってしまい、包帯を巻かれていた。
勝也「雪玉だったから良かったものの、ガチの砲弾だったや俺はとっくに死んでるからな?!」
瑛人「良かったっすね〜。」
勝也「良くねぇわ!!」
相変わらず、自身の担任教師に対して酷すぎる。
しかもここ最近、瑛人の弄りが前よりも酷くなってきたような気がしてきた。
勝也「林間学校でも俺を弄るとは・・・本当に・・・どれだけ俺のこと弄るんだ・・・」
瑛人「卒業までずっとすね。」
勝也「やめてくれ!!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから暫くたった頃、瑛人は三玖達と合流し、四葉が提案した鬼ごっこをすることとなった。
鬼は四葉と二乃の二人である。
そして今、瑛人は二人に追いかけられていた。
二乃「捕まえてやるわ!」
四葉「ししし!」
瑛人「どっか隠れる場所とかないのか?」
瑛人はどうしようかと悩んだ時・・・
???「エイト。」
瑛人「ん?」
二人は瑛人を追い詰めた・・・と思っていたが、
四葉「あれ?いない?」
二乃「嘘?!何で?!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
瑛人「ふぅ・・・助かったよ、三玖。」
三玖「危なかった。捕まる所だった。」
かまくらの中に隠れていた三玖が、瑛人を自分の所に隠れさせた。
瑛人「此処のかまくら・・・もしかして、君が作ったの?」
三玖「ううん。元からあった。」
瑛人「そうなんだ。結構、温かいね。」
かまくらの中では雪で作られているのに、何故か温かった。
三玖「え、エイト・・・」
瑛人「ん?」
三玖「狭いから・・・あんまり動いちゃ駄目・・・」
瑛人「あ、御免!」
中には狭い空間であった。
その為、彼女の規則正しい心臓の音が聞こえていた。
瑛人「じゃ、俺は出るね。」
瑛人は外に出ようとした時、三玖は引き止めた。
三玖「待って。出るのも駄目。此処にいて。」
瑛人「三玖・・・」
恋人が上目遣いでそうお願いした。
そんな小動物のような感じの瞳に、断る男がいない。
瑛人「そもそもあの無人像なスタミナは何だ・・・君達の五つ子とは思えない。」
三玖「私も、此処が無かったら捕まってた。」
二人はそんな風に苦笑いをしていた。
瑛人「さて・・・どうやって逃げ切ろうか・・・」
三玖「それなら・・・」
三玖はとあることを提案してきた。
三玖「そうだ!四葉にはハンデをもらおうよ。」
瑛人「ハンデ?」
瑛人はそう聞くと、彼女は首を縦に振る。
三玖「何か荷物を持ってもらって、足の速さを平等に。」
瑛人「確かに、その方が盛り上がるかもね。」
三玖「うん!じゃあ・・・」
瑛人「だけど、俺は好きじゃないね。」
三玖「え?」
瑛人はそうきっぱりと言った。
彼女は何で?と聞いてきた。
瑛人「君達五人には、元は同じく身体能力だったでしょ?五つ子だし。だったら、あの運動能力は四葉が後天的に身に着けたもの。」
三玖「そうだけど・・・」
瑛人「遊びで何言ってんの?って話だけど・・・その努力を否定したくない。」
三玖「・・・・・・」
瑛人はまるで自分の妹かのように、話していた。
瑛人「全員平等もいいけど、そこに至るまでを否定してちゃいけない。平等じゃなくて、公平に行こう。」
三玖「・・・・・・」
三玖は何を思ったのか、立ち上がる。
が、かまくらの中だということを忘れており、天井に頭をぶつけてしまった。
瑛人「だ、大丈夫?!」
三玖「うぅ・・・痛い・・・」
しかし怪我はしておらず、たん瘤だけで済んだ。
そして、二人はお互い笑いあった。
三玖「《公平に行こう》。」
瑛人「・・・本格的に俺も何言ってるんだろう・・・変なこと言ってしまった。外の空気を吸ってくる。」
二人はかまくらの中から出た。
三玖の顔は笑っていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
四葉「三玖と朝山さん見ーっけ!」
四葉が後ろから三玖にダイブして倒れる。
雪がクッションになって、ケガはない。
三玖「忘れてた・・・」
瑛人「そーいや俺たちかくれんぼしてたんだったな。」
四葉「ガーン!二人ともひどいです!しかもかくれんぼじゃなくて鬼ごっこですよ!」
二人が立ち上がって雪を払っていると、四葉の後ろから風太郎、二乃、マスクをした一花が現れる。
瑛人「すげーぼーっとしてるけど大丈夫か?」
風太郎「あ、ああ・・・」
風太郎の顔は赤くなっていて、呼吸も荒い。
汗の量も多く、フラついている。
四葉「二人も見つけたし、あとは五月を見つけるだけですね!」
瑛人「あいつ、まだ見つけてねぇのか?」
四葉「はい。捜したんですが、まだ見つけられてなくて。」
風太郎「・・・・・・!・・・瑛人!」
瑛人「ん?どした?」
風太郎「・・・事態は思ったより深刻かも知れない・・・」
ただならぬ雰囲気に、その場にいた全員が風太郎に注目する。
二乃「話、聞かせなさいよ。」
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二乃「・・・・・・遭難?」
風太郎「ああ。いくら広いゲレンデとは言え、俺たちがこれだけ動き回って会わないのは不自然だ。」
スキー場の地図を広げながら、風太郎は説明する。
三玖は一花に声をかける。
三玖「五月はスキーに行くって言ってたんだよね。」
一花「え・・・うん・・・もしかしたら、上級者コースにいるんじゃない?」
二乃「そこは私も行ったけどいなかったわ。」
誰も五月を見ておらず、話し合いの末に沈黙が訪れる。
そこで瑛人が口を開く。
瑛人「あいつのことだし、どうせフードコートとかでなんか食ってんじゃねぇの?遭難って決まったわけじゃないし。」
一花「・・・そうだね。私見てくるよ。」
瑛人の話を聞いて一花が走り出そうとしたとき、四葉が地図を見て何かに気づく。
四葉「あ、まだここ見てないかも。」
四葉が指さして言った場所は、
一花「えっと・・・確か先生最初に言ってたよね。まだ整備されないルートで危険だから立ち入り禁止って・・・」
その言葉に、瑛人以外の一同が慌て始める。
三玖「本当にコテージにいないか確かめてくる。」
四葉「私先生に言ってくるよ。」
五月捜索のために、それぞれが動こうとすると何故か一花が止めようとする。
一花「ちょっと待って。もう少し捜して見ようよ。」
二乃「なんでよ?場合によってはレスキューも必要になるかも知れないのよ。」
二乃が一花の静止に疑問を投げかける。どうもさっきから一花の様子がおかしい。
一花「ほら、五月ちゃんもあんまり大事にしたくないんじゃないかな~って・・・」
瑛人「・・・・・・」
妹の緊急事態というときに、普通そんなこと言うだろうか。それ以上に、瑛人には一花が《何か隠している》ようにも見える。
二乃「大事って・・・呆れた・・・五月の命がかかってんの!気楽になんかいられないわ!」
一花「・・・・・・ごめんね・・・」
他の三人も心配しているのは同じなのだが、その気持ちが一番に出ている二乃だからこそ出た言葉である。
風太郎「・・・・・・どこにいる・・・五月・・・」
三玖「フータロー大丈夫?もう休んだ方が・・・」
とうとう三玖にもわかるほど、風太郎はフラつき、顔色を悪くいている。
そんな状態で、頭の中を回転させて、五月を見つけるために何かないか振り返る。
そして、あることに気づく。
二乃「もういい。私が先生を呼んでくるわ。」
風太郎「待ってくれ・・・!俺に心あたりがある・・・」
二乃「心あたりって・・・」
風太郎「大丈夫だ・・・恐らく見つかる・・・」
二乃「信じていいのよね・・・?」
風太郎「ああ・・・一花、ついてきてくれ。」
確信を得た目をして風太郎は推薦し、心当たりの場所に行こうとする。
瑛人「なら、俺と三玖はフードコート捜してくるわ。」
四葉「私は二乃とコテージ見てきます。」
風太郎「ああ、そうしてくれ・・・」
こうして三手に分かれて、五月を捜すのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
瑛人「やっぱいないか・・・」
フードコートを捜していた瑛人と三玖は、五月がいないことを確認すると外へと出る。
三玖「五月・・・見つかるかな・・・」
三玖は妹を心配して、不安が押し寄せてくる。
そんな三玖に、瑛人は優しく声をかける。
瑛人「大丈夫だよ。風太郎は何か確信を持ってあんなこと言ったんだと思う。」
三玖「確信・・・?」
瑛人「うん。だから、俺たちも捜してるけど、風太郎と一花が一番五月を見つけられる可能性が高いと思うよ。信じて見ようよ。」
三玖「うん・・・」
瑛人も憶測だが、五月の場所が少しわかった気がする。
瑛人の場合は推測に過ぎないが風太郎が確信を持ってるあたり、恐らくそうなのだろう。
その時に、三玖のスマホから着信音が鳴った。
三玖「・・・・・・一花?」
着信の相手は、一花と表示されていた。
もしかしたら、五月を見つけたのかもしれない・・・
そう思いながら、通話ボタンを押して、スマホを耳に当てた。すると、そこからは、信じられない声が、彼女の耳に聞こえてきた。
何故なら・・・・・・
五月「三玖!大変です!上杉君が・・・上杉君が!!」
三玖「い、五月!?なんで!?」
瑛人「!?」
今現在、全員が探しているはずの五月の声が、一花の連絡先から聞こえてきたのだから。
それは、問題を起こした末っ子が、新たな問題を引っ提げて戻ってきた瞬間だった・・・・・・
TO BE CONTINUE・・・・・・
次回で、林間学校編も終。
以降は以前にもお伝えした通り、いよいよ本格的に始動する章へと入っていきます!
それでは、また次回。