WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
現在、三玖は二乃が泊まっているホテルの部屋にいる。
二乃が前のホテルをチェックアウトした日、三玖はたまたまそれを目撃しており、今いるホテルにチェックインするところまで見ていたのだ。
そしてしばらく緑茶を飲みながら図々しく、くつろいでいた。
二乃「て、なに自分の部屋のようにくつろいでんのよ!」
三玖「遅い・・・」
盛大につっこむ二乃に三玖は全く動じることなく緑茶をすする。
二乃「この前は朝山と三玖、一昨日は上杉、今日は三玖。少しは一人にさせなさいよ。」
三玖「フータローとは何してたの?」
二乃「そうよ!聞いて驚きなさい!あいつ変装して騙してたのよ!」
二乃はそう三玖に訴えかける。
だが、三玖は、
三玖「なんだ。」
と驚かずにそのまま抹茶ソーダを飲む。
二乃「薄ーっ!!酷いんだから!もっと反応しなさいよ!」
予想以上に反応の薄い三玖に、二乃は文句を言うが、三玖は冷静に返す。
三玖「だって私たちがいつもしてることだし」
そうだけど、と二乃が思っていると、三玖はふと思い二乃に質問する。
三玖「もしかして、その変装してたフータローに惚れてたの?」
それを聞いたとたん、二乃の顔は赤く染まっていく。
二乃「な、なそ、そんなわけないでしょ!変なこと言わないでちょうだい!」
三玖「私とエイトのことは散々言ってたのに~?」
ニヤニヤしながら聞いてくる三玖に二乃は歯ぎしりする。
そして腹をくくったのか、顔を赤くさせたまま大声で三玖に言う。
二乃「ええそうよ!惚れてたわよ!あんときのあいつはあんたの彼氏なんかよりよっぽどカッコよかったわ!」
二乃はここで三玖が突っかかってくると思っていた。
が、そんなことはなかった。
三玖「ふーん・・・そのときのフータローがどれだけカッコよかったかわからないけど・・・私はエイトがいい。」
二乃「はぁ?よくあんなのを選ぶわね。あたしだったら絶対無理・・・」
三玖「なんとでも。」
二乃は三玖の突っかかってこないことに疑問を浮かべる。
二乃「・・・・・・さっきからそうだけど、何も言い返さないの?」
三玖「自由だから。」
二乃「は?」
三玖の言ってることに聞き返した。
三玖「私たちが誰を好きになるのも、私たち一人一人の自由。誰に言われても、変えるつもりはない。私はエイトが好き。」
三玖はそう二乃に言う。
二乃「・・・・・・あいつに言われたの?」
三玖「林間学校のとき教えてくれた。私たちは姉妹だけど一人一人違う人間。それぞれに《特別》がある。それを無理やり一緒にして《平等》にする必要はないって。どうせ違う道行くなら、《自由》にしたらいいって。」
瑛人に言われたことを三玖は二乃にそう言った。
二乃「・・・上杉とは真逆のこと言ってるわね。上杉は試験なんか関係なく、五人でいてほしいって言ってたわ。」
三玖「一緒だよ。エイトの言ってることも、フータローが言ってることも。」
二乃「はぁ?どこが一緒なのよ。」
三玖「エイトが言ってた。最後に別々の道を行っても、心が通じあっていれば、それはバラバラなんかじゃないって。でも、今の私たちはケンカして心もバラバラ・・・フータローが言いたいのは、考えとかそういうのじゃない、心を一つにしてほしいってことなんじゃない?」
三玖の言われたことに、二乃は重くのしかかる。
暫くして俯いた後、覚悟を決めたかのように顔を上げる。
二乃「やっぱり・・・そうよね・・・」
もうあの頃には戻れない。
五人同じ姿でいることはできない。
あの時から変わっていった。
現に今も三玖は緑茶、二乃は紅茶と好みも違う。
二乃「・・・いつまでも子どもじゃいられない・・・今を受け入れなきゃダメよね。」
そう言って二乃は立ち上がり、カバンからハサミを取り出して三玖に近づいていく。
三玖の顔からは血の気が引いていく。
二乃「三玖。あんたが、あんたから変わっていったんだから・・・あんたも・・・覚悟しなさい。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一方こちらは瑛人と風太郎達。
風太郎は五月を何とか説得をすることができ、四葉を陸上部から解放しようという手伝いをしている。
風太郎が四葉を引き付け、四葉に変装した五月が代わりに断るという作戦を決行した。
だが、髪の長さが違うと江場にバレ、絶体絶命なのだった。
江場「あなたは姉妹の誰かなのかな。なんでこんなことするの?」
五月が黙っていると、四葉が戻ってきてしまった。
四葉「お待たせしました。みなさんご迷惑おかけしました。」
女子「中野さん!」
女子「今度は本物ですよね・・・」
四葉「あはは、ちょっとしたドッキリでした。五つ子ジョーク。」
五月「四葉・・・」
なおも笑顔で接する四葉を五月は心配そうな顔で見ている。
江場「なんだ、冗談だったんだね。でも笑えないからやめてよ。中野さんの才能を放っておくなんてできない。私と一緒に高校陸上の頂点を目指そう。」
四葉「まあ、私が辞めたいのは本当ですけど。」
江場達「!!!」
自分勝手なことを言う江場とは裏腹に、四葉はいままでとは違う雰囲気で、いままで言えなかったことをさらっと言いのけた。
その様子に遠くで見ていた風太郎を含め、その場の全員が驚く。
よく見ると四葉の足の爪には、マニキュアが塗ってある。
江場「な、中野さん・・・?なんで・・・?」
四葉?「なんでって、調子のいいこと言って私のこと考えてくれないじゃないですか。そもそも前日に合宿決めるなんてありえません。マジ、ないわ。」
江場「はい・・・ごめんなさい・・・」
四葉の言葉に怖じけづき、江場はその場にドサっと膝をつく。
風太郎「ど、どういうことだ・・・?」
瑛人「ま、まさか?」
その四葉?の存在に、風太郎とずっととなりにいた四葉(本物)までもが驚く。
一花「ふぅ・・・間に合ったみたいだね。」
風太郎「お前が三玖を連れてきてくれたおかげで・・・」
風太郎は、姉妹の中で一番他の姉妹への変装が得意な三玖を連れてきてくれたと思っていた。
だがその三玖は一花の後ろからひょっこり現れる。
そのことに風太郎は混乱する。
しかし、瑛人は四葉?の正体に気付いた。
四人のもとに、五月と四葉?がやってくる。
瑛人「・・・やっぱりな・・・」
風太郎「五・・・四・・・一・・・三・・・まさか・・・」
一花「私がホテルに着いたとき、ハサミを持って三玖が立ち尽くしてたの。何か気持ちの変化があったんだね。二乃。」
四葉?はうさリボンをとり、黒い蝶のような2つのリボンをサイドにつける。
変わりに合宿を断ったのは、首もとまで髪を切った二乃だったのだ。
一花「そんなにサッパリいくなんて、もしかして失恋ですかー?」
二乃「・・・ま、そんなとこ。」
一花「キャー誰と~?三玖知ってる~?」
三玖「・・・・・・知らない。」
二乃「内緒よ。」
二乃は話にはしゃぐ一花を放っておき、風太郎に近づいて指をさす。
二乃「言っとくけどあんたじゃないから!わかったわね。」
それだけ言うと二乃は振り替えって、今度は四葉のもとにいく。
二乃「四葉、私は言われた通りやったけどこれでいいの?こんな手段取らなくても本音で話合えば彼女たちもわかってくれるわ。あんたも変わりなさい。辛いけどいいこともきっとあるわ。」
それを聞いた四葉は決心し、再び陸上部のところへ行こうとする。今度は自分の言葉で言うために。
三玖「二乃、五月・・・この前は・・・」
二乃「待って。謝らないで。あんたは間違ってない。悪いのは私。ごめん。あんたが間違ってるとすれば・・・力加減だけだわ。すごく痛かった。」
五月「三玖は何も悪くないです・・・私達もついカッとなってしまって・・・すみません。」
三玖「二乃・・・五月・・・」
二人は三玖を許してくれた。
瑛人(一件落着だな・・・)
風太郎(いつも通りに戻ってよかった・・・)
こうして、瑛人達と三玖の作戦は成功に終わった。
期末試験まで、あともうすぐ─────
TO BE CONTINUE・・・・・・
いよいよ期末試験編も佳境へ。
そして今更気付いたのですが、三玖以外の原作キャラの扱いが雑になってきてしまってるような気がしてきました。
それを防ぐ為、他の原作キャラを中心としたGENESISのスピンオフと言った外伝でも執筆しようかと思います!
タイミングは本章か次章、それか余裕がある時に執筆します!
それでは、また次回。