WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
ついに時が来た期末試験。
三玖「10分前だ。」
二乃「じゃあみんな、健闘を祈るわ。」
四葉「あれ?また上杉さんがいないよ?」
五月「らいはちゃんに電話ですって。」
一花「こんな時に?」
五月「きっと今じゃないといけないのでしょう。自身の携帯は充電切れなのに・・・私のものを借りていったほどですから。」
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学校の屋上。
風太郎は電話を切ったあと、青空を見ながら手すりにもたれかかった。
風太郎「一花、二乃、三玖、四葉、五月・・・お前等が五人揃えば無敵だ・・・頑張れ・・・それと、瑛人・・・後は頼んだぞ・・・」
風太郎は青空を見ながら、そう呟いていた。
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期末試験はあっという間に終わり、採点期間へと入った。
瑛人が帰り道を歩いていると、携帯に電話がかかってくる。
瑛人「三玖か?」
風太郎は携帯を見た。
そこには《非通知》と表示されていた。
瑛人「マルオさんか?」
瑛人はそう思いながら電話に出る。
マルオ『もしもし。朝山君かい?』
瑛人「はい、そうですが?」
やっぱりな、と思った瑛人。
瑛人「どうしたのですか?」
マルオ『ああ、さっそく本題に入ろう。先ほど、上杉君から電話があってな・・・』
そうして、マルオは今朝あったことを話し始めた。
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風太郎「今日をもって、家庭教師を退任します。」
らいはに電話すると嘘をついて、五月のスマホを借りた風太郎は、マルオに電話をしていたのだ。
最初は近況報告だったのだが、風太郎は突然辞めると言い出した。
風太郎「あいつらは頑張りました。この土日なんてほとんど机の前にいたと思います。しかし、まだ赤点は避けられないでしょう。苦し紛れの策を案じましたが、あんな物に頼らない奴らだってことはよく知ってます。」
苦し紛れの策とは、カンニングペーパーのことである。
マルオ『今回はノルマを設けてなかったと記憶しているが・・・』
風太郎「本来は回避できるペースだったんです。それをこんな結果にしてしまったのは、自分の力不足に他なりません。ただ勉強を教えるだけじゃだめだったんだ。あいつらの気持ちも考えてやれる家庭教師の方がいい。だから・・・朝山瑛人を次の家庭教師にしてください。」
風太郎は次の家庭教師に瑛人を指名した。
実際彼のおかげで、三玖は赤点を回避して、最近では一花と四葉もそれに近い点数を叩き出した。
一番の成績を出した三玖は、他の姉妹にも教える立場にいき、効率も上がった。
瑛人がいなければ一人も赤点回避できていなかったであろう。
瑛人は勉強以外のところでも色々と助けてくれた。
これからは瑛人が五人に教えるべきだと、この一週間で結論を出したのだ。
マルオ『・・・・・・朝山君には言ったのかい?」
風太郎「これから相談するつもりです。」
嘘である。
瑛人にこのことを言っても納得しないことなど、風太郎にもわかっている。
風太郎は黙っていなくなるつもりなのだ。
マルオ『・・・そうかい。引き留める理由はこちらにはない。君には苦労をかけたね。今月の給料は後ほど渡そう。』
風太郎「ええ、助かります。」
マルオ『では、失礼するよ。』
そう言って電話を切ろうとするマルオを風太郎が引き留める。
風太郎「あの・・・心配じゃないんですか?あいつらのこと・・・俺や瑛人だけじゃない・・・父親にしかできないことがあるんじゃないんですか?」
マルオ『僕も忙しい身でね。それに他人に家庭のことをどうこう言われたくはないな。」
風太郎「最近家に帰ったりとかは?」
マルオ『・・・・・・』
風太郎はマルオの言葉など聞く耳持たず、そのまま質問責めをする。
風太郎「知ってますか?二乃と五月がケンカして家を出ていったこと。」
マルオ『初耳だね。もう解決したのかい?」
風太郎「はい。」
マルオ『それならいい。教えてくれてありがとう。では。』
風太郎「・・・それだけですか?」
あまりにも淡々としすぎているマルオに風太郎が、少しイラッとしていた。
風太郎「何故ケンカしたのか気になりまそんか?あいつらが何を考え、何に悩んでるのか、知ろうとしないんですか?」
マルオ『・・・・・・』
マルオが黙っていたところを風太郎は謝罪をした。
風太郎「って、すみません。雇い主に向かって生意気言って・・・あ、もう辞めるんだった。」
すると次の瞬間─────
風太郎「・・・少しは父親らしいことしろよ!!!馬鹿野郎が!!!」
そう怒鳴り、そのまま通話を切った。
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瑛人「全く・・・彼奴は・・・」
マルオ『その様子は何も知らなかったようだね。』
瑛人「何も聞いてないですよ、彼奴からは。そもそも、そういう事態を招くことになってしまったのは、俺の責任です。」
マルオ『・・・どういうことだい?』
瑛人はマルオに説明をする。
あの時のことを・・・
マルオ『・・・あの話で喧嘩をした・・・ということなんだね。』
瑛人「はい。だから、俺を連れてきたことを風太郎は後悔しているんです。そのせいで、俺の責任になったことを風太郎は・・・」
マルオ『そうか・・・話を変えるが、家庭教師の件は・・・』
瑛人「無理です。三玖だったらいけますけど、残りの四人は難しいかと・・・」
瑛人は三玖だけだったらいけるが、残りの四人、つまり合計五人も面倒を見なければならない。
一対五は難しいところである。
瑛人「しかも父親らしいことを・・・ねぇ・・・彼奴も随分とお節介だな・・・」
マルオ『・・・僕は、父親らしいことをあの子達にできてるだろうか?』
瑛人「できてると思います。寧ろ、大切だからこそ贅沢な生活をさせているんですよね?俺にとっては、それだけで十分父親らしいと思いますよ。」
マルオ『そうか・・・』
瑛人「そもそも、いくら生徒の家だからといえ、家庭にいちいち首を突っ込むのもよくないと思っている。」
瑛人の言葉を聞いて、マルオは安心する。
マルオ『そう言ってもらえて、嬉しいよ。』
瑛人「そして家庭教師の件。俺はやりませんが、彼女達の答えで待ちます。マルオさんが父親として、彼女達を見守ってください。」
マルオ『分かった・・・朝山君・・・改めて、娘達を宜しく頼む。』
マルオは瑛人に託していた。
彼はそれを答えた。
瑛人「勿論・・・《黒獅子瑛人》ととして、三玖達を守り抜きます。」
彼のミッションがスタートに切る。
TO BE CONTINUE・・・・・・