WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
期末試験の結果
一花
国語:32点
数学:54点
英語:43点
理科:38点
社会:33点
合計:200点
二乃
国語:21点
数学:22点
英語:46点
理科:39点
社会:29点
合計:157点
四葉
国語:40点
数学:25点
英語:30点
理科:28点
社会:36点
合計:159点
五月
国語:45点
数学:29点
英語:38点
理科:70点
社会:28点
合計:210点
三玖
国語:48点
数学:42点
英語:32点
理科:56点
社会:81点
合計:259点
一花「やった♪赤点回避~。」
二乃「・・・なんか腹立つわね・・・」
五人は自宅で試験の結果を確認していた。
初めて赤点回避した一花は、ソファにふんぞり返ってご機嫌よく二乃と四葉、五月の三人を見下していた。
四葉「あはは、下がっちゃった・・・」
五月「あと少しだったのに・・・」
みんなそれぞれ言いたいことを言っていく。
三玖「言い訳しないで反省して。」
二乃「あんたも二回目の赤点回避で調子乗ってるでしょ!」
一花「丁度家庭教師の日だし、今日は期末試験の反省がメインだろうね。」
そう話していると、インターホンが鳴り響く。
一花「お、噂をすれば・・・」
三玖「エイトとフータローにしこたま怒られそう。」
四葉「だねー。」
二乃「なんで嬉しそうなのよ。」
赤点を取ってしまったにも関わらず、笑顔の四葉に二乃は聞く。
四葉「あはは、結果は残念だったけど、またみんなと一緒に頑張れるのが楽しみなんだ。」
それを聞いた二乃はムスっとしながらも、顔を少し赤くして照れている。
すると、インターホンを確認していた五月が振り返って口を開く。
五月「上杉くんじゃありませんでした。」
五人のもとに来たのは、風太郎でも瑛人でもなく、普段マルオの運転手をしている江端だった。
江端「失礼いたします。」
四葉「なんだー江端さんか。」
三玖「今日はお父さんの運転手お休み?」
一花「小さい頃から江端さんにはお世話になってるけど、家に来るとか初だよね。」
江端「ホホホ、何を仰る。私から見たら、まだまだ皆様小さなお子様ですよ。」
江端がやって来たことになんの違和感も見せない五人。
一花「フータロー君遅いねー。」
五月「江端さんはどうしていらしたのですか?」
五月が尋ねると、江端は少し深刻な顔をして口を開く。
江端「本日は臨時家庭教師として参りました。」
その言葉に全員が一瞬沈黙する。
一花「そ、そうなんだ。」
三玖「江端さん、元は学校の先生だもんね。」
二乃「彼奴等サボりか。」
四葉「体調でも崩したのかな。」
避けようとしているのか、本当に気づいていないのか、五人は少し焦りながらも話を続ける。
すると江端は再び深刻な顔をして口を開く。
江端「お嬢様方にお伝えせねばなりません。上杉風太郎様は家庭教師をお辞めになられました。」
五月「・・・・・・え。」
江端から発せられた言葉に五つ子は固まる。
江端「そこで新しい家庭教師が見つかるまで、私が務めさせていただきます。」
一花「待って待って。」
三玖「何かの冗談だよね。」
一花「もーずれた冗談やめてよー。」
この状況を飲み込めないのか、江言葉を否定しようとするが、江端は冗談など言っていない。
江端「事実でございます。旦那様から連絡がありまして、上杉様は先日の期末試験で契約を解除なされました。」
一花「・・・え・・・つまり・・・フータロー君、もう来ないの・・・?」
江端は黙りこんだ。それはつまり、そういうことなのだ。
四葉「じゃあ朝山さんは・・・」
三玖「エイト・・・何日か連絡取れないって言ってた・・・」
二乃「どういうことよそれ。」
三玖「私にも・・・よくわからない・・・」
江端「なお、旦那様は新たな家庭教師に朝山様を選んだのですが、《五人も面倒みれない》とお断りしたようです。」
三玖「エイト・・・」
三玖は俯いたまま、彼の名を呟き続ける。
二乃はもしやと思い、江端に尋ねる。
二乃「もしかして、今回はちゃんと条件があったわけ?」
江端「それは違うと思われます。上杉様は自分からお辞めになられたと伺っております。」
四葉「自分からって・・・」
三玖「フータローも・・・エイトもどうして・・・」
五月「そんなの納得できません。彼を呼んで直接話をします。」
姉妹が落ち込む中で、五月だけは諦めずにスマホを取り出して風太郎に連絡を取ろうとする。
だが・・・
江端「・・・・・・申し訳ございません。《上杉様のこの家への侵入を一切禁ずる》旦那様からそう伺っております。」
五月「何故そこまで・・・」
五月たちには、何故そこまでマルオが風太郎を拒絶する理由がわからない。
瑛人にも連絡が取れない状況で、五人はどうすることもできない。
そこで江端が声をかける。
江端「ホホホ、それでは時間もありません。授業を開始しましょう。臨時とはいえ、家庭教師の任を受けております。最低限の教育を受けていただかなければなりません。」
江端にそう言われ、五人はひとまず授業を受けることにした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
五人は机にむかって、江端が用意した問題をやっていた。
二乃「まったく、あいつらどういうつもりよ・・・」
四葉「私はまだ信じられないよ・・・」
一花「本人の口からちゃんと聞かないとね・・・誰か終わった?」
五月「私はもうすぐです。」
三玖「私も。」
一花「この問題、比較的簡単だよ。きっと!江端さんも手心加えてくれてるんだよ。」
一花は問題を見つめながら、そう言う。
二乃「そうね、前の私たちなら危うかった。自分でも不思議なほど問題が解ける・・・悔しいけど、上杉と・・・誰だっけ?」
四葉「朝山さんが忘れられてる!」
三玖「・・・エイトに文句言われながら勉強してたくせに・・・」
二乃「それを言うんじゃないわよ!」
そんな感じで問題を進めていき・・・
三玖「終わった・・・」
一花「私も~・・・」
三玖が一番に終わり、少し遅れて一花も終わらせた。
四葉「私はまだ・・・」
五月「私は最後だけです・・・」
四葉と二乃はまだ終わらず、五月が最後の問題をやっている。
三玖と一花は悪戦苦闘の三人を待っていた。
だがそのとき・・・
江端「ホホホ、その程度も解けないようであれば、特別授業に変更いたしますよ~。」
三玖「わ、私、採点してもらってくる!」
一花「三玖ずるい!私も!」
二乃「あんたたち抜け駆けするんじゃないわよ!」
四葉「裏切り者~。」
江端の言葉を聞いた三玖と一花はそそくさと、江端のもとに行った。
残された三人は歯ぎしりしながら問題を解くのに集中する。
五月が小さな声で四葉と二乃に話しかける。
五月「あの・・・カンニングペーパー、見ませんか?」
四葉「それって、期末の?」
五月が言ってるのは、四葉が言ったように期末試験の前に渡されたものである。
五月「はい。全員筆入れに隠したはずです。」
一花「おもしろそう。私も見よ。」
三玖「私も。」
戻ってきた三玖と一花と共に、三人はカンニングペーパーを取り出す。
四葉「いいのかな・・・」
五月「有事です。なりふり構ってられません。朝山君も言ってたでしょう?『バレねぇようにやれ』と・・・」
二乃「あんたも変わったわね・・・」
とりあえず五月の意見に賛成し、タイミングを見計らう。
そして江端が目を離したすきに、紙をめくって中身を確認する。
だが、中身を見た五月は固まってしまう。
五月「なんというか・・・私のはミスがあったみたいです・・・」
一花「じゃあ私の使お。」
五月のがダメならと、一花が自分のカンニングペーパーをめくる。
一花「えーと・・・安?」
一花の紙には『安易に答えを得ようとは愚か者め』と書かれていた。
一花「・・・・・・なーんだ。」
二乃「初めからカンニングさせるつもりなかったんじゃない。」
三玖「でも・・・フータローらしいよ。」
五月「ですが・・・どうしましょう。」
一花「待ってまだ何か・・・」
一花が紙をもう少しめくると『→②』となっていた。
二乃「私かしら。」
②ときたら二乃というのが姉妹の流れ。そう思い次は二乃がめくる。
二乃の紙には『カンニングする生徒になんて教えてられるか→③』と書かれていた。
二乃「自分で言ったんじゃない。」
四葉「繋がってる・・・!これ、上杉さんの最後の手紙だよ!」
三玖の紙には『これからは自分の手で掴み取れ→④』と書かれていた。
四葉の紙には『やっと地獄の激務から解放されてせいせいするぜ→⑤』と書かれていた。
四葉「・・・あはは、やっぱり辞めたかったんだ....私たちが相手だもん。当然といえば当然だよね・・・」
風太郎からのメッセージに落ち込んでしまう四葉だが、まだ五月の分が残っている。
二乃「最後五月だけど・・・五月?」
五月は顔を赤くして俯いていた。
五月の紙にはこう書かれていた。
『そこそこ楽しい地獄だった。じゃあな』
五つ子「・・・・・・」
四葉「私・・・まだ上杉さんと朝山さんに教えてもらいたいよ・・・」
三玖「私も・・・エイトだけじゃない・・・フータローにもまだ教えてもらってないこと、たくさんある・・・」
二乃「そうは言っても、彼奴はここに来られないの。どうしようもないわ。」
二乃の言った通り、風太郎がここに来ることができないのは変わらない。
どうすればいいのか・・・
ここで黙っていた一花が口を開く。
一花「みんなに・・・私から提案があるんだけど・・・」
一花は四人に説明する。それに四人は驚く。
四葉「え・・・」
二乃「それ本気・・・?」
一花「うん。ずっと考えてた。」
姉妹全員で相談し、意見がまとまったところで全員立ち上がり、江端の前に立つ。
江端「おや、どうなされました?」
一花「江端さんもお願い。協力して。」
五人の力強い眼差しを見て、江端は昔の彼女たちを思い出すと同時にどこか嬉しく思う。
江端「大きくなられましたな。」
TO BE CONTINUE・・・・・・