WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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8話 クリスマス・イヴの夜に

 

 

 

 

 

あれから、日にちはどんどんと過ぎていき、四葉も駅伝の大会を無事にやり遂げ、気が付けば2学期の終業式を迎えた、12月24日のクリスマスイブの夜。

この日は雪も降っており、文字通りホワイトクリスマスだった。

 

 

 

風太郎「メリークリスマス!ケーキはいかがですかー?」

 

 

 

風太郎はサンタの格好をして、新しくバイトを始めたケーキ屋《EVIVAL》の前で、客引きを行なっていた。

クリスマスイブという日なので、町中カップルや家族で多くの人が道を歩いている。

 

 

 

風太郎「ケーキいかが・・・はぁ。」

 

 

 

中々客が来ないことにため息をつきながらも、寒い中もうひと頑張りと自身を鼓舞したその時だった。

 

 

 

???「すんませ〜ん。」

 

風太郎「はい!・・・・・・!!!!!」

 

 

 

そこには、風太郎の見慣れた青年がいた。

 

 

 

瑛人「こんなところでやってたんだな。風太郎。」

 

風太郎「瑛人・・・!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

瑛人「いやークリスマスにバイトとか悲しいもんだな。働いてるだけ偉いと思うけど。」

 

 

 

瑛人は店内に入って、さっきのとは別にケーキを頼んで食べていた。

風太郎はそれを複雑な顔で見ていた。

 

 

 

風太郎「何しに来たんだよ・・・」

 

瑛人「ただ単にケーキを食べに来たんだ。そしたら丁度、お前が働いているところを発見してな。」

 

 

 

嘘である。

実は瑛人は此処で風太郎が働いているということを知って、此処にやって来たのである。

 

 

 

風太郎「いいのかよ。クリスマスに三玖と一緒にいなくて。」

 

瑛人「・・・意外だな。お前がそこまで考えているなんてな。大丈夫だ。この後会う予定だし。」

 

風太郎「そうか・・・」

 

瑛人「あ、てかさ。このデカさ全開のケーキ、持って帰るのめんどいから配達してくんね?」

 

風太郎「はぁ?配達なんてやってないけど。」

 

 

 

風太郎が断ろうとしたとき、店長が風太郎に声をかける。

 

 

 

店長「もう店も閉める。こっちはもういいから行ってあげなよ。」

 

風太郎「はぁ!?店長!そんなこと・・・」

 

店長「男二人で頑張ってくれ。メリークリスマス。」

 

風太郎(・・・・・・このバイトも辞めよっかな。)

 

 

 

店長になにか変な勘違いをされた風太郎は、心の中で冗談を言いつつ、ケーキを運ぶことにした。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ケーキをサンタ姿のままの風太郎に持たせて、二人は雪の中を歩いていた。

そして公園にたどり着き、二人はベンチに座る。

 

 

 

風太郎「で、本当は俺の働いている場所を知って来たんだろう?」

 

瑛人「鋭いな。」

 

風太郎「なんの用だよ。」

 

 

 

風太郎は瑛人に何で此処にいるのか、気になっていた。

 

 

 

瑛人「お前が俺のこと指名していた家庭教師の件、あれ断ったから。」

 

風太郎「・・・何でだよ。」

 

瑛人「正直俺は五人も見れん。一対五でやるってのは難しすぎる。それに俺はとある《任務》の依頼を受けていたから、暫く愛知県から離れていた。だから、早く三玖に会いたい。それだけだ。」

 

 

 

風太郎はてっきり瑛人が家庭教師を継いで、五つ子の面倒を見ていたと思っていた。

しかし彼は仕事で愛知県から離れ、五つ子の誰とも会っていなかった。

 

 

 

瑛人「ちゃんと心配しているなら、辞めずに近くで見ればいいじゃないか。」

 

風太郎「でも・・・」

 

瑛人「でもじゃない。心配してないやつはそんなことを言わないんだよ。何年お前と幼馴染として一緒にいたのか分かっているのか?」

 

風太郎「・・・流石、俺の幼馴染だな。もう、誤魔化すのも無理か・・・」

 

 

 

そう言うと、風太郎は諦めたように話し始めた。

 

 

風太郎「・・・俺は二度のチャンスをものにできなかった・・・次もうまくいくとは限らない・・・だったら、二度も失敗した俺よりも三玖を赤点回避させたお前に任せた方が、あいつらもついていくだろうし・・・お前には感謝してるさ・・・お前がいなければ、俺は一人も赤点回避させることはできなかった・・・」

 

瑛人「そうか・・・」

 

 

 

風太郎の言葉を聞いた瑛人は立ち上がり、風太郎の胸ぐらを掴んで持ち上げて、頬をぶん殴った。

風太郎は倒れこむが、すぐに立ち上がって瑛人の胸ぐらを掴む。

 

 

 

風太郎「何すんだ?!」

 

瑛人「言っただろ?今回は俺の責任だと。なのにお前はまた、自分の責任だと言いたいんか?今回はお前の失敗じゃねぇのに、何でそこまで責任を感じるんだよ!!お前のやりたいことは何だったのか、思い出してみろ!!」

 

 

 

瑛人は風太郎に怒鳴る。

瑛人に言われたことを思い出す風太郎。

 

 

 

風太郎「・・・五人全員を卒業に導くこと・・・」

 

瑛人「そうだろう・・・?それに丁度、いるしな。」

 

風太郎「え?」

 

 

 

瑛人が振り返り、風太郎もそちらに移す。

するとそこには、見慣れた五人の姿があった。

 

 

 

風太郎「・・・お前ら・・・」

 

五月「上杉君・・・」

 

一花「やっほー、久しぶり。」

 

四葉「上杉さん、水臭いです!」

 

二乃「っ寒!・・・たく、こんなとこでウジウジしてんじゃないわよ。」

 

三玖「フータロー・・・私たちはまだ諦めてない・・・だから、フータローも、たった二回で諦めてないでほしい。成功は失敗の先にある、でしょ?」

 

風太郎「!」

 

 

 

その言葉で風太郎は思い出す。

そうだった・・・俺は何で・・・

 

 

 

風太郎「でも俺は・・・お前達の家に禁止されて・・・」

 

一花「ふふ〜ん。それについては安心して。」

 

風太郎「え?」

 

四葉「私達の覚悟も見てください!」

 

風太郎「ちょっまっ?!押すな!」

 

 

 

一花と二乃、四葉と五月は風太郎を押して家へと向かう。

それを見た瑛人と三玖は会話をした。

 

 

 

三玖「ありがとう、エイト。」

 

瑛人「当然のことしただけだよ。君の為でもあるし。」

 

三玖「ふふふ。」

 

 

 

七人はそのまま、中野家へと向かって行った。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一花「はい、着いたよ。」

 

風太郎「・・・へ?」

 

一花「ここが、私たちの新しい家。」

 

 

 

その後、姉妹に連れてこられたサンタ姿の風太郎は、目を見開いた。

そこにあったのは、小さなアパート。

一花はこれを《私たちの新しい家》だと言った。

 

 

 

風太郎「・・・どういう意味だ?」

 

一花「借りたの。私だってそれなりに稼いでるんだから。」

 

 

 

女優業でそれなりの収入を得ている一花が、今回の発案をし、このアパートの一室を借りることになったのだ。

 

 

 

一花「といっても未成年だし、契約したのは別の人だけど、事後報告だけど、お父さんにはもう言ったから。」

 

 

 

別の人とは、もちろん江端である。

 

 

 

一花「今日から私たちはここで暮らす。これで障害は無くなったね。」

 

 

 

一花が言っている事は、つまり《マンションに入るのが禁止ならば、他の場所ならOK》という理屈だ。

それを理解した風太郎が、驚愕する。

 

 

 

風太郎「嘘だろ・・・たったそれだけのために・・・あの家を手放したのか?」

 

四葉「関係ないですよ。」

 

 

 

四葉が言う。

 

 

 

四葉「大切なのはどこにいるかではなく、五人でいることなんです。」

 

 

 

四葉はそう風太郎に言った。

 

 

 

瑛人「で、どうするんだ?」

 

 

 

瑛人は風太郎に質問をする。

そして、風太郎は微笑みながら言った。

 

 

 

風太郎「・・・ふっ、もうそんなの決まったぜ・・・お前たちがその気なら・・・俺もやりたいようにやらせてもらう!」

 

 

 

それを聞いた五人は笑顔を見せる。

瑛人もそんな光景に微笑む。

 

 

 

一花「じゃあ、これは朝山君に渡すね。」

 

瑛人「おう、分かった。」

 

 

 

一花は瑛人に前のマンションのカードキーを五枚渡す。

瑛人は五枚あるか確認をし、そのまま大事に懐にしまった。

 

 

 

五月「さあ、早くあがってください!そした早くケーキを食べましょう!」

 

 

 

ケーキの箱を抱えた五月が目をキラキラさせながら、アパートの階段を駆け上がっていった。

残りの六人はそのまま彼女に追いかけて、《新しい家》であるアパートへと、入って行った。

こうして新しい環境で生活をする五つ子だったが、いつも通りの日常は戻ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

???「さて、次の任務を与えるとしましょう。いいですか?」

 

隊長「は!」

 

???「期待、していますからね。フフフ・・・」

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 






本来は此処で期末試験編を終わるところなんですが、次回は原作キャラを際立ちさせる為に、原主である風太郎がメインとなる話を投稿しようかと思います。
終わり次第、第7章へと入って行きます!
それでは、また次回。

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