WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
あれから、日にちはどんどんと過ぎていき、四葉も駅伝の大会を無事にやり遂げ、気が付けば2学期の終業式を迎えた、12月24日のクリスマスイブの夜。
この日は雪も降っており、文字通りホワイトクリスマスだった。
風太郎「メリークリスマス!ケーキはいかがですかー?」
風太郎はサンタの格好をして、新しくバイトを始めたケーキ屋《EVIVAL》の前で、客引きを行なっていた。
クリスマスイブという日なので、町中カップルや家族で多くの人が道を歩いている。
風太郎「ケーキいかが・・・はぁ。」
中々客が来ないことにため息をつきながらも、寒い中もうひと頑張りと自身を鼓舞したその時だった。
???「すんませ〜ん。」
風太郎「はい!・・・・・・!!!!!」
そこには、風太郎の見慣れた青年がいた。
瑛人「こんなところでやってたんだな。風太郎。」
風太郎「瑛人・・・!」
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瑛人「いやークリスマスにバイトとか悲しいもんだな。働いてるだけ偉いと思うけど。」
瑛人は店内に入って、さっきのとは別にケーキを頼んで食べていた。
風太郎はそれを複雑な顔で見ていた。
風太郎「何しに来たんだよ・・・」
瑛人「ただ単にケーキを食べに来たんだ。そしたら丁度、お前が働いているところを発見してな。」
嘘である。
実は瑛人は此処で風太郎が働いているということを知って、此処にやって来たのである。
風太郎「いいのかよ。クリスマスに三玖と一緒にいなくて。」
瑛人「・・・意外だな。お前がそこまで考えているなんてな。大丈夫だ。この後会う予定だし。」
風太郎「そうか・・・」
瑛人「あ、てかさ。このデカさ全開のケーキ、持って帰るのめんどいから配達してくんね?」
風太郎「はぁ?配達なんてやってないけど。」
風太郎が断ろうとしたとき、店長が風太郎に声をかける。
店長「もう店も閉める。こっちはもういいから行ってあげなよ。」
風太郎「はぁ!?店長!そんなこと・・・」
店長「男二人で頑張ってくれ。メリークリスマス。」
風太郎(・・・・・・このバイトも辞めよっかな。)
店長になにか変な勘違いをされた風太郎は、心の中で冗談を言いつつ、ケーキを運ぶことにした。
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ケーキをサンタ姿のままの風太郎に持たせて、二人は雪の中を歩いていた。
そして公園にたどり着き、二人はベンチに座る。
風太郎「で、本当は俺の働いている場所を知って来たんだろう?」
瑛人「鋭いな。」
風太郎「なんの用だよ。」
風太郎は瑛人に何で此処にいるのか、気になっていた。
瑛人「お前が俺のこと指名していた家庭教師の件、あれ断ったから。」
風太郎「・・・何でだよ。」
瑛人「正直俺は五人も見れん。一対五でやるってのは難しすぎる。それに俺はとある《任務》の依頼を受けていたから、暫く愛知県から離れていた。だから、早く三玖に会いたい。それだけだ。」
風太郎はてっきり瑛人が家庭教師を継いで、五つ子の面倒を見ていたと思っていた。
しかし彼は仕事で愛知県から離れ、五つ子の誰とも会っていなかった。
瑛人「ちゃんと心配しているなら、辞めずに近くで見ればいいじゃないか。」
風太郎「でも・・・」
瑛人「でもじゃない。心配してないやつはそんなことを言わないんだよ。何年お前と幼馴染として一緒にいたのか分かっているのか?」
風太郎「・・・流石、俺の幼馴染だな。もう、誤魔化すのも無理か・・・」
そう言うと、風太郎は諦めたように話し始めた。
風太郎「・・・俺は二度のチャンスをものにできなかった・・・次もうまくいくとは限らない・・・だったら、二度も失敗した俺よりも三玖を赤点回避させたお前に任せた方が、あいつらもついていくだろうし・・・お前には感謝してるさ・・・お前がいなければ、俺は一人も赤点回避させることはできなかった・・・」
瑛人「そうか・・・」
風太郎の言葉を聞いた瑛人は立ち上がり、風太郎の胸ぐらを掴んで持ち上げて、頬をぶん殴った。
風太郎は倒れこむが、すぐに立ち上がって瑛人の胸ぐらを掴む。
風太郎「何すんだ?!」
瑛人「言っただろ?今回は俺の責任だと。なのにお前はまた、自分の責任だと言いたいんか?今回はお前の失敗じゃねぇのに、何でそこまで責任を感じるんだよ!!お前のやりたいことは何だったのか、思い出してみろ!!」
瑛人は風太郎に怒鳴る。
瑛人に言われたことを思い出す風太郎。
風太郎「・・・五人全員を卒業に導くこと・・・」
瑛人「そうだろう・・・?それに丁度、いるしな。」
風太郎「え?」
瑛人が振り返り、風太郎もそちらに移す。
するとそこには、見慣れた五人の姿があった。
風太郎「・・・お前ら・・・」
五月「上杉君・・・」
一花「やっほー、久しぶり。」
四葉「上杉さん、水臭いです!」
二乃「っ寒!・・・たく、こんなとこでウジウジしてんじゃないわよ。」
三玖「フータロー・・・私たちはまだ諦めてない・・・だから、フータローも、たった二回で諦めてないでほしい。成功は失敗の先にある、でしょ?」
風太郎「!」
その言葉で風太郎は思い出す。
そうだった・・・俺は何で・・・
風太郎「でも俺は・・・お前達の家に禁止されて・・・」
一花「ふふ〜ん。それについては安心して。」
風太郎「え?」
四葉「私達の覚悟も見てください!」
風太郎「ちょっまっ?!押すな!」
一花と二乃、四葉と五月は風太郎を押して家へと向かう。
それを見た瑛人と三玖は会話をした。
三玖「ありがとう、エイト。」
瑛人「当然のことしただけだよ。君の為でもあるし。」
三玖「ふふふ。」
七人はそのまま、中野家へと向かって行った。
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一花「はい、着いたよ。」
風太郎「・・・へ?」
一花「ここが、私たちの新しい家。」
その後、姉妹に連れてこられたサンタ姿の風太郎は、目を見開いた。
そこにあったのは、小さなアパート。
一花はこれを《私たちの新しい家》だと言った。
風太郎「・・・どういう意味だ?」
一花「借りたの。私だってそれなりに稼いでるんだから。」
女優業でそれなりの収入を得ている一花が、今回の発案をし、このアパートの一室を借りることになったのだ。
一花「といっても未成年だし、契約したのは別の人だけど、事後報告だけど、お父さんにはもう言ったから。」
別の人とは、もちろん江端である。
一花「今日から私たちはここで暮らす。これで障害は無くなったね。」
一花が言っている事は、つまり《マンションに入るのが禁止ならば、他の場所ならOK》という理屈だ。
それを理解した風太郎が、驚愕する。
風太郎「嘘だろ・・・たったそれだけのために・・・あの家を手放したのか?」
四葉「関係ないですよ。」
四葉が言う。
四葉「大切なのはどこにいるかではなく、五人でいることなんです。」
四葉はそう風太郎に言った。
瑛人「で、どうするんだ?」
瑛人は風太郎に質問をする。
そして、風太郎は微笑みながら言った。
風太郎「・・・ふっ、もうそんなの決まったぜ・・・お前たちがその気なら・・・俺もやりたいようにやらせてもらう!」
それを聞いた五人は笑顔を見せる。
瑛人もそんな光景に微笑む。
一花「じゃあ、これは朝山君に渡すね。」
瑛人「おう、分かった。」
一花は瑛人に前のマンションのカードキーを五枚渡す。
瑛人は五枚あるか確認をし、そのまま大事に懐にしまった。
五月「さあ、早くあがってください!そした早くケーキを食べましょう!」
ケーキの箱を抱えた五月が目をキラキラさせながら、アパートの階段を駆け上がっていった。
残りの六人はそのまま彼女に追いかけて、《新しい家》であるアパートへと、入って行った。
こうして新しい環境で生活をする五つ子だったが、いつも通りの日常は戻ろうとしていた。
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???「さて、次の任務を与えるとしましょう。いいですか?」
隊長「は!」
???「期待、していますからね。フフフ・・・」
TO BE CONTINUE・・・・・・
本来は此処で期末試験編を終わるところなんですが、次回は原作キャラを際立ちさせる為に、原主である風太郎がメインとなる話を投稿しようかと思います。
終わり次第、第7章へと入って行きます!
それでは、また次回。