WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
紫音「何であなたは──────ドクターの能力を持っているの?」
紫音は険しい表情で、彼を睨む。
一樹「・・・何のことでしょう?」
紫音「惚けないで。今の能力はドクターの能
力─────何でその能力をあなたが持っているの?」
紫音はそう言いながら彼を更に睨みつく。
そして、一樹ははぁ・・・と溜め息をついた後に言う。
一樹「そうですね─────まずは僕の正体を明かしてあげますよ。」
一樹は言う。
一樹「僕は森谷一樹じゃない─────否、そもそもこの世には存在していない、と言ったほうがいいですね。」
紫音「何を言って─────」
一樹「森谷一樹は偽名です─────僕の本名は一柳円と言います。」
紫音「一柳・・・円・・・」
紫音は信じられない様子だった。
そして、一樹は苦笑いをしながら言う。
円「ま、驚きますよね。僕はドクターを受け継いで、このプロジェクトコネクトを再び、活動再開することとなったんですよ。」
紫音「活動再開?」
円「ええ─────ドクターの魂が僕の中に入ってきたのですよ。そして─────彼の過去にもね。」
すると、円は紫音に握手するかのように手を出す。
円「僕の手を掴んでください。」
紫音「──────」
紫音は彼の手を握る。
すると、彼から記憶が流れてきた。
その記憶は一樹でも紫音でもない。
─────ドクターの記憶だった。
紫音「これって・・・」
ドクターの今までの記憶がリバースしていく。
そして─────ついに辿り着く彼の過去。
そこには、彼の幼い頃と見慣れた《彼等》の姿があった。
円「巻き込んでしまった以上、ドクターは本心を伝えるのが怖かったのですよ。ドクターはあなたの為に自分の本心を伝えるのが。」
円は悲しそうに彼女にそう言った。
紫音はドクターの過去で全てが明らかになっていたことに、頭の中で色々と理解を整えていた。
紫音(つまり─────ドクターはこの為・昔あった瑛人君達を蘇らせるためにプロジェクトコネクトを活動開始させたっていうことなの・・・?ドクターが言っていた《彼等》って─────瑛人君達のことだったの?)
円「色々と混乱するかもしれませんが─────彼は瑛人をどうしてもこの世に誕生させたかったんですよ。瑛人の物語をハッピーエンドに迎えるまで。」
円の言葉を聞いて、紫音は顔をハッとする。
ドクターが言っていた言葉《ハッピーエンド》。
円「身勝手ですみません。ですが、これがドクターの夢なんです。」
そして円は瑛人に向く。
瑛人「え、えっと・・・」
円「御免。瑛人。」
瑛人「え?」
円は頭を下げながら、彼に謝罪をした。
円「君にとっては僕のこと友達だと思っただろうに、裏切ってしまう形になってしまって・・・」
円は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
もう、円は瑛人に殴られても拒絶されても仕方ないと思っていた─────
瑛人「──────否、寧ろありがたい。」
円「え?」
円が思っていた瑛人からの返しの言葉は予想外だった。
瑛人「俺の為に此処までやってくれたってことだろう?それにドクターもそうだったし、恨みはしない。」
円「瑛人・・・」
瑛人の言葉で円は救われたような気がした。
紫音はそれを微笑ましく思った。
紫音(瑛人君・・・やはりあなたは優しい子。流石、ドクターの子供だね。)
これで三玖防衛作戦は幕を閉じたのであった。
昔。
一人の男性が研究室を前までやって来た。
彼は《とある写真》を見ながら、昔のことを思い出していた。
ドクター「・・・・・・」
その男性・ドクターは無表情だった顔が優しい笑顔へと変わる。
ドクター「今でも覚えているよ。君達と出会いも、君達と過ごした日々も。独りぼっちだった僕に君達が救ってくれた。だから僕は、君達に恩返しする為に必ず、明るい未来を作ってあげるからね。」
そう言いながらドクターは研究室の中に入り、《とあるカプセル》の前まで来ていた。
ドクター「また会えたね─────瑛人。」
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Chapter8 END
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これにて第8章も終。
果たして、ドクターの正体とは一体…
次回からは第9章、三学期編が始まります。
久しぶりに原作通りの章となっていきますので、これからも本作と宜しくお願いします。
それでは、また次回。