WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
バイク走行中。
二乃は風太郎の後に乗り、風太郎に掴まっているのだが、ノーヘル状態である。
そんなとき、二乃が口を開く。
二乃「あんたは用済みって伝えたはずだけど?」
風太郎「面倒くさいことに、人間関係ってのは片側だけじゃ進まないということだ。」
二乃「はぁ?なにそれ。ていうかこのバイク・・・」
二乃は自分たちが乗っている、バイクを見る。
風太郎「瑛人に借りたんだ。免許は出前のバイトしたときに取った。」
二乃「あそう。」
そんな感じで二人は会話を続ける。
もう二人の間には、最初の頃のような壁はない。
風太郎「知ってるかもしれないが、他の四人も試験合格した。」
二乃「え?試験が何!?風でよく聞こえない!」
そう言ったあと二乃の視界に、風太郎のポケットから出ている一枚の紙が入る。
二乃はその紙を手に取る。
二乃「これのこと?」
風太郎「あ!やめろ!見んな!」
風太郎が止めたときには、時すでに遅し。
二乃はその紙、風太郎の試験結果を見ていた。
二乃「・・・・・・あんた・・・」
上杉風太郎:試験結果
国語:93点
数学:97点
英語:95点
理科:92点
社会:91点
五計:468点
何時も満点だった風太郎が珍しく点数が落ちていた。
風太郎「一生の不覚・・・マジで恥ずい。」
二乃「・・・・・・私たちのせい?」
風太郎「ちげーよ、そんなこといいから飛ばすぞ。しっかり掴まってろ。」
二乃は微笑みながら腹に回す腕の力を強めた。
風太郎は速度をさらに上げて、バイクを走らせる。
風太郎「寂しくなるな・・・」
風太郎が呟いたそれを聞いた二乃は、目を見開く。
二乃「っていうか何で私だけノーヘルなのよ!」
風太郎「だってお前が行けって言うから・・・」
二乃「危ないじゃない!バイクの死亡率知らないの!?あんたのでもいいからよこしなさいよ!」
風太郎「わかったわかった!止めるとこ探すから暴れんな!」
二乃「全く・・・嫌になるわ・・・あんたはずっとそうだったわね・・・ホント最低、最悪。」
二乃の言葉が聞こえていないのか、はたまた言われすぎて相手しないのか、風太郎は反応しない。
二乃「あとは・・・そうね─────好きよ」
二乃がそう言ったあとも、バイクは夜道を走り抜けて行った。
ケーキ屋についた二人は店内へと入っていく。
四葉「上杉さーん!二乃を連れてきてくれたんですね。こっちですよ!」
ドアを通って右側にある奥のテーブルから、四葉が立ち上がって手を振っている。
だが風太郎は店長に呼ばれて厨房へと入っていった。
二乃はというと─────
二乃(言っちゃった言っちゃった!
風太郎は二乃に告白されたにも関わらず、これと言った反応を見せていない。
というかいつも通りである。
二乃「ふん・・・いいわ─────後でにしてあげる。」
とりあえず今は考えるのをやめ、他の姉妹が待っているテーブルに向かって行った。
五つ子「かんぱ〜い!!!」
風太郎・瑛人「乾杯。」
やっと姉妹が揃ったので五つ子と瑛人、風太郎は乾杯をした。
それから五人はケーキをシェアして食べたり、瑛人と三玖がイチャついたり、五月が先生になりたいと打ち明けたり、祝賀会は進んでいった。
そして二乃と一花が皿を片付けて、二乃は店長にお礼を言うために厨房へ、一花はトイレにそれぞれ向かって行った。
二乃「ご苦労様─────って店長さんは?」
厨房に入った二乃は、風太郎に労いの言葉を送ったあと店長のことを聞く。
風太郎「今奥に行った。」
二乃「あらそう・・・少し待とうかしら。」
店長を待つ間、二乃は風太郎の皿洗いを手伝っていた。
風太郎「悪いな。洗い物まで手伝ってもらって。」
二乃「ご馳走になったお礼だわ。」
風太郎「もう終わったし、店長には伝えておくから席で待ってろよ。」
二乃「そ、そうね!そうするわ!」
挙動不審になりながら出口へと歩いていく二乃。
ある程度進んだところで立ち止まり、口を開いた。
二乃「やっぱり、バイクで言ったこと、忘れてちょうだい。困らせちゃうのも当然だわ。突然すぎたもんね。少しアクセルを踏みすぎたみたい。何やってんだろ・・・」
風太郎「二乃──────なんのこと?」
風太郎の発言に二乃は数秒程、固まった。
そして、ようやく声を上げた。
二乃「ええっ!!?」
風太郎「心当たりがないんだが・・・つーかあの時風強かったから、聞き逃してたかも。」
二乃「なっ・・・なによそれー!!もういいわ!!」
戻ってきてから終始あっけらかんとしていたのは、こういうことだったのだろう。
二乃は風太郎の言葉に大きな声で文句を言ったあと、出口に早歩きで向かって行く。
しかし、同時に二乃は少し安堵をしていた。
二乃(なんだ・・・聞こえてなかったんだ。そもそもあいつにとって私たちは恋愛対象外。聞かれなくてむしろよかったわ!)
風太郎「二乃の奴、なんだったんだ・・・?」
風太郎はなんのことか、わからなかった。
そんなとき、後ろから足音が聞こえたので、店長だと思った風太郎は振り返って報告をしようとする。
風太郎「店長、全部片付けました─────」
二乃「─────あんたを好きって言ったのよ。」
そこにいたのは店長ではなく、戻ってきた二乃であった。
そして、今度は面と向かってハッキリと告白をした。
風太郎はこの状況に頭が追い付いていない。
風太郎「は・・・?え?何・・・?」
二乃「返事なんて求めてないわ。ほんとムカツク。対象外なら、無理にでも意識させてやるわ。あんたみたいな男でも好きになる女子が地球上に一人くらいいるって言ったわよね。 それが私よ──────残念だったわね。」
風太郎「・・・ッ・・・」
二人の顔はお互いに赤く染まっていた。
一花(二乃が・・・フータロー君を・・・)
一花はその様子を陰から聞いていたのであった。
TO BE CONTINUE・・・・・・
これにて四葉以外の五つ子の回は終わりました!
ここで三学期が終わりとなりますが、第9章はもう少し続きます。
残りの話は温泉旅館編となります。
それでは、また次回。