WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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12話 愛だからこそ見抜ける

 

 

 

 

三玖「ねぇエイト。この前言ってた・・・~~~・・・なんだけど、この旅行でやろうと思う。」

 

瑛人「・・・わかった。気楽にやっといて。」

 

三玖「うん。頑張る。」

 

 

 

三玖が風太郎に何をしようとしてるのかは、これからわかること。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

瑛人「すみません〜。」

 

老人「・・・・・・」

 

 

 

瑛人と勝也は温泉旅行の旅館である場所へと、入って来た。

 

 

 

瑛人「中野さんと一緒に来た朝山と赤石ですけど・・・」

 

老人「・・・・・・」

 

 

 

瑛人は受付である老人男性に言ったが、老人男性からは一向に反応がしなかった。

 

 

 

瑛人「生きてるのか?」

 

勝也「不吉なこと言うな。」

 

老人「・・・・・・」

 

 

 

二人がそう会話をしていると、カウンターに部屋の鍵が老人男性によって置かれた。

 

 

 

瑛人「生きてた。」

 

勝也「当たり前だろ。」

 

瑛人「まぁ取り敢えず、顔面破壊神。」

 

勝也「そのネタはいつまで続く?!」

 

 

 

鍵を手にとって、勝也と共に部屋に向かった。

老人は前髪で隠れた目で、瑛人の背中を睨む。

 

 

 

老人「・・・なぜ、《あの子》の匂いがする・・・?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その夜、瑛人は三玖に会いたくなったので三玖に連絡を入れるが、返事は返ってこない。

瑛人は部屋を出てフロントへ向かった。

そこで見た光景は─────

 

 

 

老人「儂の孫に手を出すな─────殺すぞ。」

 

 

 

老人が風太郎を床に叩きつけ、それを五月?が見ていた。

 

 

 

瑛人「─────さっそく始めたのか。」

 

 

 

旅行はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

時は少し遡ること─────

旅館についた上杉家は温泉に入った。

暫くして三人は温泉から上がり、着替えの籠を見る。

そして、その籠の中に一枚紙が置かれていた。

 

 

 

『0時 中庭』

 

 

 

紙にはそう書かれていた。

おそらく、話があると言っていた五月が置いたのだろう。

そして0時近くになり、中庭に行こうとしたとき、丁度フロントで五月?と出会った。

だが、その五月?に─────

 

 

 

五月?「私達はもうパートナーじゃありません。この終止符を打ちましょう。」

 

風太郎「?!」

 

 

 

五月?に言われた風太郎は五月?の両肩に手を置き、彼女に問い詰めた。

 

 

 

風太郎「何言ってんだ?!説明をしろ!」

 

五月?「痛っ!」

 

 

 

風太郎は五月?を壁まで問い詰める。

その衝撃で五月?は少し、顔を歪む。

 

 

 

風太郎「父親に言われたのか?!何で今そんなことを─────」

 

 

 

風太郎はそう聞こうとした時─────突如、身体が宙に浮かぶ。

否、浮かばされた、と言った方がいいだろうか。

 

 

 

風太郎「─────!」

 

老人「─────」

 

 

 

少し、先程の老人男性の顔が見えた。

そして、そのまま風太郎は床に叩きつけられる。

 

 

 

老人「─────ワシの孫に手を出すな─────殺すぞ。」

 

 

 

─────風太郎はその言葉に数秒程、理解できなかった。

その光景を見た瑛人はその老人は五つ子の祖父だということが分かった。

 

 

 

瑛人「─────さっそく始めたのか。」

 

 

 

事を察した瑛人は、フロントから自室に戻っていった。

この場にいた五月?は、風太郎に詰め寄られた際に、足をケガしてしまったようだ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方、風太郎。

先程の五月?の言葉の真意を確かめる為に、五つ子の部屋へと向かって行った。

 

 

 

風太郎(クソ・・・何なんだあの爺さん・・・まさかの五つ子(あいつら)の祖父だと・・・?否、今は五月だ。説明をしてもらうぞ!)

 

 

 

階段を駆け上がって左に曲がった先には、マルオがいた。

 

 

 

風太郎「!お・・・お父さ─────」

 

マルオ「君にお父さんと呼ばれる筋合いはないよ。この先は僕の部屋と娘たちの部屋しかないが、何か用かな?」

 

風太郎「えー・・・五月さんに・・・」

 

マルオ「上杉くん。君には先の試験で娘たちを赤点回避させてくれた功績がある。依頼者としては、その願いはぜひ叶えてやりたいね。」

 

風太郎「!あ、ありが─────」

 

マルオ「しかし、父親としては眉をひそめざるを得ない。こんな夜中に娘たちの部屋に、男を入れてやる父親がいると思うかい?」

 

 

 

一瞬いけると思ったが、マルオはそんなに甘くなかった。

確かにそんな父親はいないだろう。

 

 

 

風太郎「嫌だなぁ。トイレですよトイレ。」

 

マルオ「トイレは向こうだ。」

 

風太郎「そうでしたね!」

 

 

 

苦し紛れの作戦もあっさりと破られた。

会うこともできなければ、携帯が充電切れなので連絡も取れない。

 

 

 

三玖「お父さん・・・」

 

マルオ「?なんだい、三玖君。」

 

 

 

そこで二人の元に三玖がやって来た。

 

 

 

三玖「実は、中庭で瑛人と話す予定なんだけど・・・」

 

マルオ「・・・・・・」

 

 

 

マルオは瑛人のことは勿論信頼をしているのだが、いくら彼でも夜に娘を行かせたくない。

しかし、マルオは親として彼女の願いを捨てるわけにもいかなかった。

 

 

 

マルオ「─────分かった。30分程、戻ってきなさい。」

 

三玖「!・・・ありがとう、お父さん。」

 

 

 

三玖は父親に許可をもらい、そのまま瑛人の元へと向かう。

 

 

 

風太郎「・・・じゃあ─────」

 

マルオ「君はダメだ。」

 

 

 

どさくさに紛れて部屋に行こうとしたが、しっかり阻止されるのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

中庭にやって来た三玖は瑛人を見つけ、合流することができた。

 

 

 

瑛人「30分程ね。分かった。」

 

 

 

二人はそう会話をして、改めて本題に入った。

 

 

 

瑛人「・・・さっきフロントにいた五月─────あれ三玖だよね?」

 

三玖「・・・うん。」

 

瑛人「やっぱり。」

 

 

 

瑛人の目は誤魔化せなかった。

彼は三玖への愛がある為、見分けることができる。

三玖以外の他の姉妹とは興味は無いというわけではないのだが、見分けることができない。

瑛人が以前から聞いていた。

昔、五つ子の祖父は、同じ姿の仲良し五つ子を見て喜んでいた。

だがある日、バラバラの格好で会ったところ、仲が悪くなったのでは?と思った祖父は倒れてしまったのだ。

それ以来、祖父の前では同じ姿でいるようにし、話し合いの結果五月の姿に決まったのだ。

 

 

 

瑛人「君達のお祖父さん、孫好きだねぇ。」

 

三玖「お祖父ちゃんは私達に甘いから。」

 

瑛人「そういえば、風太郎はどうだった?」

 

三玖「やっぱり私を五月と勘違いしてた・・・」

 

瑛人「だよねぇ・・・で、そういえば何があったの?」

 

三玖「実は─────」

 

 

 

三玖は瑛人に、風太郎が祖父に投げられるまでのことを話した。

 

 

 

瑛人「・・・・だいたいわかった。でもなんでそこまでしたの?」

 

三玖「・・・フータローは私たちを生徒としか見てない・・・」

 

瑛人「まあ、あいつは最初からそうだし。」

 

 

 

風太郎は勉強好きのお堅い真面目な青年なのだが、異性への恋愛感情というのは鈍いのである。

 

 

 

三玖「でも私たち姉妹の中には、フータローのことを想ってる子もいる・・・」

 

瑛人「・・・・・・」

 

 

 

無論その風太郎を想っている姉妹とは、一花と二乃のことである。

 

 

 

三玖「このままじゃ私たちはずっと教師と生徒のまま。だから一度、この関係を終わらせたかった。」

 

 

 

本来なら、普通に全員が変装してやるつもりだったのだが、ちょうどこの旅館に来たので、決行したのだ。

 

 

 

瑛人「なるほどね。そうやって回りくどい言い方したのも・・・」

 

三玖「うん。直接言ってもどうせ『教師と生徒で充分だ』とか言うから・・・」

 

瑛人「自分で考えさせるようにしたってことね。」

 

三玖「そう。フータローは頭がいいのに周りが見えてない・・・エイトと違って・・・」

 

 

 

先程も言ったが風太郎は堅い青年、しかし恋愛するどころか寧ろ学生の間でやるのは勉強の手遅れになる言う程、興味が無いのだ。

その為、三玖以外の他の姉妹達に悩ませてしまう。

 

 

 

瑛人「彼奴もバカだよな・・・本当にそろそろ分からせないと・・・」

 

三玖「このままじゃ、フータローは前に進めない・・・」

 

瑛人「・・・これは風太郎の課題だな。見分けろとは言わないが、自分の周りが見れるようになるのか・・・」

 

三玖「あとはフータロー次第・・・」

 

瑛人「じゃあとりあえずこの話はここで終わりだね。」

 

三玖「うん・・・」

 

 

 

と、話が終わってすぐに、瑛人と三玖はお互いに背中に手を回して抱き合う。

 

 

 

三玖「久しぶり・・・ずっとこうしたかった・・・」

 

瑛人「俺もだよ・・・愛してるよ、三玖─────大好き。」

 

三玖「私も・・・大好き─────愛してる。」

 

 

 

そう言って三玖は瑛人の顔を見上げると、目を閉じる。

瑛人もそれに応えて顔を近づけ、唇を重ねる。

 

 

 

三玖「・・・ん・・・久しぶり。」

 

瑛人「もっとしていい?」

 

三玖「うん・・・というか、もっとしてほしい・・・」

 

瑛人「・・・三玖の意志のままに。」

 

 

 

再び唇を重ねて、さっきよりも熱く、激しくキスをする。

しばらくして顔を離すと、二人の口からは糸が引いていた。

 

 

 

三玖「ありがとう、エイト。」

 

 

 

再び瑛人に抱きつき、瑛人も受け止めて頭を撫でる。

愛する者と一緒にいられる。

この子と死ぬまでずっと一緒にいたい・・・自分は改めてそう実感した。

そして、マルオとの約束の時間になり、二人は最後にキスをしてお互いの部屋に戻っていった。

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 






久しぶりの甘々なシーン・・・糖分を吐きながら書きました。
何処で終わらせるか迷った結果、長くしてしまいました。
申し訳ありません。
さて、第9章も残り3〜4話辺りで終わりとなります。
それでは、また次回。

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