WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
三玖「え!?おじいちゃんが!?」
瑛人は三玖に説明をした。
夜に五つ子の祖父のところに三玖を連れて来てだとのことを。
瑛人「うん。夜に三玖を連れて来いって。」
三玖「そっか・・・」
瑛人「ごめんね。こっちで勝手に決めちゃって・・・」
三玖「大丈夫。私もおじいちゃんにエイトのこと紹介したかった。」
瑛人「ありがとう。じゃあ夜に連絡するね。」
三玖「うん。」
祖父との出来事を三玖に説明して、夜の予定を空けてもらった。
三玖は了承したのだが、心はとてもドキドキしていた。
─────そして夜。
風太郎「爺さん、いい加減教えてくれ。あいつらを見分けるコツとかないんですか?」
結局なんもわからなかった風太郎は、直接祖父にコツを聞いた。
そして返ってきた言葉は・・・
祖父「─────愛」
風太郎「!」
祖父「愛があれば見分けられる。」
風太郎(この人が発端か!)
四葉と五月が言っていた『愛があれば見分けられる』というのは、この人から姉妹の母親に、母親から姉妹に伝わったわけである。
祖父「・・・長い月日を経て・・・相手の仕草、声、ふとした癖を知ること。それはもはや愛と言える。孫を見分けると言ったな。それは一朝一夕ではできん。お主はなんのために孫を見分けたいんだ。見分けられるようになってお主がしたいことはなんだ。」
確かに瑛人には、三玖への圧倒的、絶対的、破滅的な愛があるため、さも当たり前のように三玖だけを見分けている。
祖父の話を聞くと、瑛人の凄さが伝わってくる。
口ではいつも大好きや愛してると言っており、あれが口先だけではなく、本当の愛だと改めて理解した。
風太郎(俺がしたいこと・・・)
瑛人「それは今のそいつじゃ導き出せねぇし、そいつが自力でやんなきゃいけない課題だ。」
風太郎と祖父が話しているところに、聞きなれた声が聞こえた。
風太郎「瑛人・・・それに─────」
祖父「─────三玖。」
風太郎「あーっと!今言おうとしたのに!先に言われちまったぜ!今言おうとしたのに!」
まぁ
瑛人「お祖父さん。約束通り、連れて来た。」
三玖「お祖父ちゃん・・・聞いてほしい・・・」
祖父「・・・・・・」
瑛人の横に立っていた三玖は、一歩前に出て真剣な眼で祖父に訴えかけようとする。
三玖「この人は、朝山瑛人。私の大好きな人で、私の恋人。おじいちゃんにも、紹介したかった。」
祖父「─────」
三玖「エイトは私にいろんなことを教えてくれてた。勉強も、料理も、勇気も、信じることの大切さも、前への進みかたも、教えてくれた。それだけじゃない。エイトは辛いとき、困ってるとき、楽しいとき、うれしいとき、悲しいとき、幸せなとき、いつもそばにいてくれた。そしてこれからも一緒にいてくれるって、約束してくれた。私も、この人のそばにいたいって思った。私のヒーロー。そんなエイトが好きになったの。人か人じゃないかなんて関係ない。私は朝山瑛人が好きだから・・・」
祖父「─────」
祖父はただただ、三玖の話を黙って聞いていた。
三玖「それに、エイトは姉妹の中から、私を見つけてくれた。」
祖父「!・・・本当か・・・?」
黙って聞いていた祖父が、前髪に隠れた目を見開き、反応した。
やはり家族以外が見分けるということが信じられないのだろう。
瑛人「そいつにも聞いてみろ。」
瑛人は風太郎を指差して、祖父もそれに合わせて風太郎の方に振り返る。
風太郎「は、はい。本当です。しかも、何度か・・・」
祖父「・・・・・・」
三玖「エイトは私を守るって約束してくれた。でもエイトはいつも危険な目に会ってる。だから私もエイトを守りたい。守られるだけじゃ、エイトとは一緒にはいられない。大好きな人を守って、これからも一緒にいたい。それが、私とエイトの約束だから。」
祖父「・・・・・・」
三玖の必死の訴えを聞いて、しばらく黙っていた祖父は、ゆっくりと歩きだした。
祖父「~~~。」
三玖「!!!」
三玖の耳元で何かを伝えた祖父。
それを聞いた三玖は顔を赤くして、目元に涙を溜める。
祖父「─────ワシの孫を頼んだぞ。」
瑛人「言われなくても。」
最後に瑛人にそう言って、祖父は歩いていってしまった。
風太郎「爺さん、なんて言ってたんだ?」
涙を溜めている三玖に、風太郎は直球で聞いてきた。
三玖「─────って。」
風太郎「え?」
三玖は涙を流しながら笑顔で言った。
三玖「─────『幸せになりなさい』って。」
風太郎「お、おう・・・よかったな・・・」
三玖「うん・・・本当によかった・・・」
瑛人「三玖・・・」
あまりのうれしさに、三玖は涙を流し続ける。
瑛人はそっと寄り添って、ハンカチで彼女の涙を拭う。
この光景を見て、風太郎は思った。
風太郎(これが・・・愛か・・・)
そう素直に思った。
そして、何かを見つける糸口を掴んだ。
TO BE CONTINUE・・・・・・