WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
源一郎はアパートから出て、自身の家に帰宅をしようとする。
恐らく、紫音は治療をする魔力を使ったので、二日後までには戦えないだろう。
何故なら、治療をする魔力はかなり消費をするからだ。
紫音の治療魔力消費は彼女の身体にも影響が出る。
源一郎はそんな風に思い、戻ろうとした。
冬馬「彼奴等が従順で良かったな─────源一郎さんよ。」
ふと顔を上げると─────先回りしていたのか、探偵社の三人が道を塞ぐように立っていた。
源一郎「どうしたんだい?神妙な顔をして。」
冬馬「彼奴等の前ではあえて言わなかったが────今、俺にはいまいちピンときてないことがひとつだけある。それはまぎれもない赤松源一郎─────アンタのことだ。」
源一郎は戸惑った様子で身を固くした。
一方、冬馬は源一郎から一寸たりとも視線を逸らさない。
冬馬「源一郎さん─────アンタ、何か隠してないか?」
源一郎「─────」
冬馬「彼奴等に、自分の手の内は洗いざらい全てさらしたと、胸を張って言えるのか?」
源一郎「─────どういう意味かな?」
源一郎は少し気分を悪くしたように、トゲのある声音で言った。
冬馬は鼻を鳴らしながら肩をすくめ、
冬馬「アンタは話を聞く限り、
冬馬はそう問いかけて、源一郎は数秒程かかって答えを言った。
源一郎「私は彼らが罪のない市民を犠牲に
源一郎はそう答えるが、冬馬は呆れたように溜め息をつく。
冬馬「それは論点のすり替えだな。俺はアンタの正義感がどうこうの話をしているんじゃない。」
いつの間にか冬馬の口調は、詰問するような調子に変わっていた。
標的を目の前にした狼が見せるような、心の内まで見透かしたような鋭い視線が、源一郎を射抜く。
冬馬「ただ、教えてほしいだけなんだよ─────何故、彼奴等が戦わなければならない?彼奴等は何も知らないはずなんだぞ?」
源一郎「─────」
冬馬「アンタは《何らか》の為にやっている。その為に、彼奴等を《利用している》─────そう考えるざるをおえなかった。」
しばらくの間、どちらも口をきかなかった。
そこにあるのは、鉛のように重い静寂だけだった。
その静寂の中で、ただ冬馬と源一郎の視線だけが交錯していた。
冬馬「─────沈黙という選択肢。まあ、それもいいだろう。」
やがて、冬馬の方が引き下がった。
だが、彼があきらめたわけではないのは明らかだった。
差し迫ったこの状況で、事態を悪化させるようなことをわざわざ暴く必要はない。
いま真相を暴かなくても、アンタの寝首くらい、いつでも掻ける─────冬馬の瞳には、そんな脅迫めいた光が宿っていた。
冬馬「だが、その選択肢をとった以上、俺達アーニャ探偵社はアンタを信用しない。その選択は事態を悪化させるだけだ。身の振り方に気をつけておくことだな─────探偵社はいつでもアンタを見ているぜ。」
冬馬が踵を返し、歩き出す。
沈黙を守っていた彰人と七瀬が、その後に続く。
廊下に立ち尽くす源一郎を残して、カツ・・・カツ・・・と、足音が遠ざかっていく。
TO BE CONTINUE・・・・・・