WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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20話 白い藤の花言葉⑥

 

 

 

 

瑛人「ここままずっと、此処にいれたらいいな〜。」

 

 

 

冷たい空気は消え、暖かい空気へと変わった。

2月、3月、4月が過ぎて5月へと入った。

俺はそんな何気ない毎日に、居心地が良いと思い始めた。

 

 

 

ドクター「この部屋が気に入ったようで良かったよ。」

 

瑛人「─────違うよ。」

 

ドクター「え?」

 

 

 

この部屋は確かに好きだった。

だけど、何よりなのは─────

 

 

 

瑛人「此処にずっといたらさ─────僕はドクターとずっと一緒に、いれるからだよ。」

 

ドクター「瑛人・・・」

 

瑛人「ずっと一緒にいたいなぁ・・・」

 

ドクター「・・・・・・」

 

 

 

俺はこれまでのことを振り返りながら、話した。

 

 

 

瑛人「これからもね?色んなお話をして、沢山、勉強したいんだ。」

 

 

 

それを聞いたドクターは悲しそうな顔をしていた。

 

 

 

ドクター「瑛人─────一緒に行こう。」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

俺とドクターは廊下を歩いていた。

そして、俺は足を止めた。

 

 

 

ドクター「ん?どうしたの?」

 

瑛人「・・・だ・・・」

 

ドクター「え?」

 

 

 

俺は涙を溢れ出ていた。

そして、絞り出すように声を出した。

 

 

 

瑛人「─────もうお別れなんて、嫌だよ。」

 

 

 

俺は勘で感じ始めた。

もうすぐ、ドクターがいなくなるってことを。

 

 

 

ドクター「ど、どうして・・・?」

 

 

 

ドクターは震えた声で、そう言った。

 

 

 

瑛人「・・・この過ごしていた間でも、わかるよ。ドクターは何を考えているのか。」

 

ドクター「瑛人・・・ごめんね。大丈夫だよ。」

 

 

 

そう言ってドクターは、俺に抱きしめた。

ドクターの暖かい体に俺は、安心感があった。

 

 

 

ドクター「大丈夫だよ・・・いなくならない。」

 

 

 

ドクターはそう言ってくれて、俺は安心した。

これで大丈夫─────そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月5日。

その日、ドクターは室にいた。

真っ赤に照らす研究所。

ドクターは、死のうとしている。

 

 

 

瑛人「ドクター!ドクター!」

 

ドクター「御免ね・・・瑛人・・・お別れだ。」

 

瑛人「嫌だ!消えないで!ドクター!」

 

 

 

結局、ドクターは俺を裏切ったんだ。

いなくならないと言ったくせに・・・何で・・・何で・・・

 

 

 

ドクター「瑛人・・・最後に君に・・・言いたいことがあるんだ。」

 

 

 

ドクターは俺に向けて優しく言う。

 

 

 

ドクター「いいかい?僕の本名は─────」

 

 

 

ドクターは言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクター「─────青木三玖(あおきみく)なんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクターの本名は初めて聞いた名前だった。

 

否、思い出したんだ。

 

そして、俺は戸惑った。

 

何故なら、その名前は俺の恋人、三玖と同じ名前だった。

 

何で?どうして?

 

すると、そうやって混乱する俺に今度はドクターの記憶が入り始める。

 

 

 

マルオ「ドクター。失礼なんだが、本当に娘にドクターの名前にしても大丈夫なのか?」

 

 

 

マルオさんがドクターと会話をしている。

すると、ドクターは言った。

 

 

 

ドクター「いいよ。もうすぐ、僕は死ぬんだから。それに─────」

 

 

 

ドクターは言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクター「─────将来、彼女は瑛人の恋人になるんだからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かった。

 

すべてがやっと、分かった。

 

三玖の名前の由来は─────ドクターの名前からだったんだ。

 

ドクターは死ぬ前に、マルオさんに、自身の名前を彼の娘である三玖に授けたんだ。

 

すると再び俺の記憶に戻り、今、死のうとしているドクターが言った。

 

 

 

ドクター「君ならできるよ。だって、君なら世界を救える戦士の一人なんだから。」

 

 

 

その言葉で思い出した。

 

《未来》っていうのは・・・

 

ドクターのことだったんだ。

 

そして─────三玖のことでもあったんだ。

 

《未来》は別の読み方があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来(みく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

酒澤先生は恐らく、そう伝えたかったんだ。

 

そして、彼は・・・ドクターは光になって消えていった・・・

 

 

 

瑛人「ドクター!ドクター!ドクター!ドクター!ドクターァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

俺はひたすら、泣き叫んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんね、瑛人。

 

約束守れなくて。

 

だけど、何時かまた、会えるよ。

 

何故なら僕と君は

 

友達なんだから

 

 

 

さよなら、瑛人。

 

さよなら─────僕の大好きな友達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての記憶が一気に進んだ。

 

そして、ドクターの記憶が一柳円に授かる瞬間だった─────

 

 

 

瑛人のことは─────君に授けたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バアァァァァァァン!!!

 

三玖「?!」

 

一護「な、何?!」

 

 

 

誰もが、その光景を目に疑っていた。

そこには、凍りついたはずの青年が立っていた。

─────否、ただ立っていただけではなかった。

 

 

 

一護「な、何だ・・・そ、その姿は・・・?!」

 

 

 

そこにいたのは、金髪の髪をした青年・瑛人がいた。

 

 

 

瑛人【リオナ・クリューソス─────愛する人を守るために、そして、一樹を必ず助かる!絶対に諦めない!!!】

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 






ドクターの本名がついに明かされました…
これはオリジナルですが、ストーリー上では三玖の名前の由来はドクターからとっている、という設定にしています。
恐らく、驚かれた方がいるかと思います。

さて、いよいよ第10章もクライマックス。
それでは、また次回。

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