WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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22話 クロノスタシス 前編

 

 

 

 

4月4日。

この日は円の妹・一柳彩の葬式が開かれた。

昔、彼女と親しい友人や子供達、そしてその親達が来る為、大きな葬式で開かれることになった。

その親しかった人達は「あんな元気な子が・・・」「可愛くて明るかった・・・」など、全員悲しんでいた。

死因は関してはそれに関係していた人物以外には、誰も知らない、病気で亡くなってしまったというので終わった。

葬式にある棺の中には、豊かに眠っているように目を閉じた彼女の遺体があった。

そして、祭壇には可愛らしい笑顔で撮られた彼女の額縁があった。

 

 

 

男子「彩ちゃん・・・」

 

男子「僕・・・彩ちゃんが好きだったよ・・・」

 

男子「明るくて、優しくて、可愛かった・・・なのに何で・・・」

 

女子「寂しいよ・・・彩ちゃん・・・」

 

女子「ヒック・・・」

 

円「─────」

 

瑛人(円・・・)

 

 

 

円は虚ろな面持ちで、じっと彫像のように立ち尽くしていた。

泣くこともなければ、声を発することもない。

豊かに眠っているような彼女の遺体が入っている棺を、生気を失った眼差しで、ずっと食い入るように見つめていた。

するとそこで、円はくるり、と踵を返した。

 

 

 

瑛人「円!何処に行くんだ?」

 

 

 

雨が降っていた。

瑛人に呼び止められ、円は立ち止まった。

外に出て、彼の差した白い傘が、くるりと回った。

サァァァ・・・と静かにふりしきる雨にかき消えそうな声で、円は、

 

 

 

円「少し─────一人にしてほしい。」

 

 

 

円はそれから、家から顔を見せなくなってしまった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

円「─────」

 

 

 

泥の塊のようにソファにうずくまり、布団を頭からかぶって、ただじっと待っている。

何を待っているのか─────それはわからない。

葬儀の日からどれくらい時間が経ったのだろう。

ようやく自分が人間であることを思い出し、のろのろとテレビを点ける。

ああ、もう三日も経ったのか。

瑛人達はどうしているだろう。

正直なところ、葬儀の日の記憶はほとんどない。

あの日はずっと虚ろな気持ちで、色々な感情があいまいになっていた。

実際には三日だけだが、もう1年くらい瑛人達に会っていないような気さえしてくる。

 

 

 

円「・・・・・・」

 

 

 

円はそんな風に過ごしていたら、インターフォンが鳴っていた。

 

 

 

円「誰なんだろう・・・」

 

 

 

円は確かめて、外に出ていた。

もし、殺人鬼だったら殺されてもいいと思っていた。

そう思い、玄関の扉を開ける─────

 

 

 

男性「やぁ、久しぶり。施設振りにだね。」

 

 

 

─────しかし、そこには円には知っている男性であった。

その男性は、円と彩が施設でお世話になった男性だった。

 

 

 

円「何でしょうか・・・?」

 

男性「実は・・・君の妹さんがいなくなる前、彼女がこれを残してね。」

 

 

 

男性はそう言って、一つの箱と一枚の紙だった。

男性が去ったその後、円は読んでいた。

震えながら─────読んでいた。

 

 

 

円「これって・・・!」

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 

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