WORLD ONE BRIDE GENESIS 作:マリービィ
円「これって・・・!」
円は震えながら、彩からの手紙を読んでいた。
お兄ちゃんへ
お兄ちゃん、もうすぐ誕生日だね。
お兄ちゃんに似合う色の石を見つけたよ。
お兄ちゃんは私の為に色々と無理にしていたから、心配をしていたんだ。
お兄ちゃん、ひすい色の石はね《幸福》って意味があるらしいんだ。
お兄ちゃんは幸せになってほしいから、その意味をこめてこれを贈ります。
そして、最後に。
お兄ちゃん、私の為に色々ありがとう。
これからも宜しくね。
誕生日、おめでとう!
妹より
─────彩は、隠していた。
自分の誕生日であるその日まで。
円「・・・あぁ・・・」
円は膝から崩れ落ちた。
涙がぼろぼろと伝い落ちては、カーペットに淡い染みを作った。
それは悲しみの涙ではなかった。
誰もいない背後から、妹の華奢で繊細な腕で、優しく、温かく、こんな兄を抱きしめてくれているような気がしたからだ。
円「あぁああぁあぁ・・・ああぁぁああぁ・・・!!」
ひとしきり泣いた後、円はすっと立ち上がった。
洗面所に向かい、鏡の前に立つ。
くすんでボサボサに荒れ広がった髪を整えていく。
そして、玄関の扉の外へと向かう─────
─────ガチャ。
風太郎「?!」
瑛人「一樹!」
外に出ていたら、そこには瑛人と風太郎、五つ子にマルオや勇也がいた。
ドドドドド!となだれ込むように、瑛人達は一目散に円のもとへ殺到した。
瑛人「一樹!大丈夫なのか?!」
円は申し訳無さそうに目を伏せると、
円「心配をかけて─────ごめん。」
深々と頭を垂れた。
当惑する瑛人達に、円は告げる。
円「彩の死の悲しみは、完全に癒えたわけじゃない─────だけど、彩は言うと思う。《お兄ちゃんなら、前を向ける。必ず、幸せを見つけられる》って。」
瑛人「一樹・・・!」
円「これからも、僕の仲間として─────側にいてほしい。」
その言葉を口にしたとき。
どこか胸のつっかえが取れたような気がした。
心に降り積もった悲しい深雪が、春の暖かい空気でゆるやかに溶けていくような。
そんな感じだった。
風太郎「始めっからそうだ!」
瑛人「そうだ!これからも宜しくな、一樹!」
彩の言った通り、また幸せを見つけられるかもしれない。
─────否、もう既に見つけたかもしれない。
彩、もう僕は、大丈夫だよ。
瑛人達となら、幸せになれるかもしれない。
円「これかも・・・宜しく!」
円は、吹っ切れた感じだった。
TO BE CONTINUE・・・・・・
いよいよ次回でGENESISの物語、100話到達!
そして、その同時に第10章も終わります。
それでは、また次回。