WORLD ONE BRIDE GENESIS   作:マリービィ

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23話 クロノスタシス 後編

 

 

 

 

円「これって・・・!」

 

 

 

円は震えながら、彩からの手紙を読んでいた。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

お兄ちゃんへ

 

お兄ちゃん、もうすぐ誕生日だね。

お兄ちゃんに似合う色の石を見つけたよ。

お兄ちゃんは私の為に色々と無理にしていたから、心配をしていたんだ。

お兄ちゃん、ひすい色の石はね《幸福》って意味があるらしいんだ。

お兄ちゃんは幸せになってほしいから、その意味をこめてこれを贈ります。

 

そして、最後に。

お兄ちゃん、私の為に色々ありがとう。

これからも宜しくね。

誕生日、おめでとう!

 

 

 

妹より

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

─────彩は、隠していた。

自分の誕生日であるその日まで。

 

 

 

円「・・・あぁ・・・」

 

 

 

円は膝から崩れ落ちた。

涙がぼろぼろと伝い落ちては、カーペットに淡い染みを作った。

それは悲しみの涙ではなかった。

誰もいない背後から、妹の華奢で繊細な腕で、優しく、温かく、こんな兄を抱きしめてくれているような気がしたからだ。

 

 

 

円「あぁああぁあぁ・・・ああぁぁああぁ・・・!!」

 

 

 

ひとしきり泣いた後、円はすっと立ち上がった。

洗面所に向かい、鏡の前に立つ。

くすんでボサボサに荒れ広がった髪を整えていく。

そして、玄関の扉の外へと向かう─────

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

─────ガチャ。

 

風太郎「?!」

 

瑛人「一樹!」

 

 

 

外に出ていたら、そこには瑛人と風太郎、五つ子にマルオや勇也がいた。

ドドドドド!となだれ込むように、瑛人達は一目散に円のもとへ殺到した。

 

 

 

瑛人「一樹!大丈夫なのか?!」

 

 

 

円は申し訳無さそうに目を伏せると、

 

 

 

円「心配をかけて─────ごめん。」

 

 

 

深々と頭を垂れた。

当惑する瑛人達に、円は告げる。

 

 

 

円「彩の死の悲しみは、完全に癒えたわけじゃない─────だけど、彩は言うと思う。《お兄ちゃんなら、前を向ける。必ず、幸せを見つけられる》って。」

 

瑛人「一樹・・・!」

 

円「これからも、僕の仲間として─────側にいてほしい。」

 

 

 

その言葉を口にしたとき。

どこか胸のつっかえが取れたような気がした。

心に降り積もった悲しい深雪が、春の暖かい空気でゆるやかに溶けていくような。

そんな感じだった。

 

 

 

風太郎「始めっからそうだ!」

 

瑛人「そうだ!これからも宜しくな、一樹!」

 

 

 

彩の言った通り、また幸せを見つけられるかもしれない。

─────否、もう既に見つけたかもしれない。

彩、もう僕は、大丈夫だよ。

瑛人達となら、幸せになれるかもしれない。

 

 

 

円「これかも・・・宜しく!」

 

 

 

円は、吹っ切れた感じだった。

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUE・・・・・・

 

 

 

 






いよいよ次回でGENESISの物語、100話到達!
そして、その同時に第10章も終わります。
それでは、また次回。

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