「すいません。失礼します。」
ルルが声を掛けドアから入ってきた。
「ル、ルル君っ!!」
「っ!!」
「おまえ…その傷……」
部屋に入ってきたルルを見た面々はまずその体に刻まれた傷の多さに驚いた。
元々綺麗な顔立ちをしているだろう頬には深くナイフで切られたような傷跡。
目の下にも切られた傷がある。両腕には無数の刃物の傷。
左腕から体にかけて酷いやけどの跡。右腕にまかれた包帯からは血が滲んでいる。
ズボンをはいているので足の全部は確認はできないが,足先隅々まで傷で埋め尽くされている。
「(傷?…今さら何を言っている…?)」
ルルは皆の発言を不信に思いながらも瞬時にユダと機動六課面々の間に立つ
「(大丈夫か?ユダ?)」
『(大丈夫です。御主人様。ありがとうございます。危ないところでした。)』
「(デバイスを展開しているのが1人…他の人も敵意があるのは間違いない…か。
くそっ!逃走ルートは…………落ち着け…まずは状況の確認と整理を…)」
「(な、なにこれ。ルル君の思考が入ってくる?)」
「(…ユダの仕業か……なんの真似だ…?)」
「(これがルル君の思考っちゅーことは,ヴィータの傷という言葉を正しく認識してる?
認識障害が無くなったんやな…傷が急に出てきたのはそういうことか…)」
緊張感のある雰囲気を壊すようにルルが笑顔を作り皆に話しかける。
「えっと、みなさん。僕のデバイスに不備があったでしょうか?
すいません。僕のデバイスだから…その……気に食わないのは分かるんですが…
なんとかそのままというわけにはいかないでしょうか?」
皆には彼の笑顔がとても痛々しく映る。
そして彼の姿へのショックとこの場の状況に飲まれ声が出せないでいる。
「(……やはり僕とは話をしてくれないか…)」
「…っ!ちがうよ!そうじゃないよ!!」
「(違う?……そのままではいけないということか?やはり分解を……?)」
「お願いします!!
僕は……皆さんが僕のことを…嫌っていることは重々承知しています。
僕の言葉に価値がないことも分かっております。
それでも……どうか…」
「(ユダ。大丈夫だ。絶対に守ってやるからな…命に代えても)」
『(はい!御主人様ありがとうございます)』
「て、てめぇふざけてんじゃねぇ!!」
「すいません!ヴィータさん……みなさんも…ふざけてるつもりは無いのです。
僕は…人に気持ちが分からず会う人会う人すべてに迷惑をかけてしまいます。
両親に生まれてきたことすら恨まれ,友人も一人も作れず,
やることなすこと全部裏目にでるような欠陥人間です。
詐欺師の甘い言葉に騙されたことも一度や二度ではありません。
魔導士としての才能も無いし,頭もよくない。
見た目も…こんなに醜い容姿です…本当に生きている価値の無い人間です。
それでも…ちゃんと生きていきたい…お願いします。ユダだけが…支えなのです。」
「いやっ!違うお前に言ったわけじゃっ!」
「か,価値の無いなんて言わないでっ!!」
「みんな君に恩返ししたいの!!」
「(恩返し?…なんのことだ?どう解釈すればいい…)」
この人たちは…いい人…なんだろうな。
僕がかかわっちゃいけない人達だ…僕が関わると今までみたいに迷惑をかける
できれば,この人達が僕を殺したくなる前に離れないと…
そんなことより今は,ユダの安全を…………)」
『(ありがとうございます。御主人様)』
「っこの!」
「こいついい加減に…!」
耐え切れずユダに攻撃を加えようとするヴィータ
「ヴィータ!!」
「ヴィータちゃん!!」
「やめて!」
ユダを庇ってヴィータの攻撃をうけるルル
「っぐ!!」
「なっ!?」
「はやい!」
間に入るのは間に合ったものの攻撃をまともに食らったルルは口から血を流していた。
「お願いします。僕が代わりに殴られます
僕はどうなってもいい。ユダの代わりに死ねと言うのであればそれでもかまいません。
ユダだけは壊さないでください、ユダがいなくなったら……僕は…生きていけない。」
「そ……そんなこと………」
「ルル…違うよ。君を傷付けるつもりなんてない…助けたいんだ。」
「(助けたい?…何をだ…よく分からないが…心配されている?
みんな優しい言葉を返してくれている…いつもなら「早く死ね」とか言われるのに…。
今まで何度かあった…油断するな…今のような時の方が危険だ。
……最悪の場合,殺されるかもしれない…。)」
「……ルル君…落ち着いて聞いてくれるかな?
私たちは,ルル君に絶対に危害を加えない。君の力になると約束する。
そのために…ルル君のデバイスをもっとよく知らないといけない。
だから私たちを信じて,デバイスを預けてもらえないかな?」
「(デバイス…ユダを彼らに預ける?メンテナンスとは違うのか?
やはり破壊を…?)」
「そんなに…そんなに僕が憎いですか?」
「ち,ちがうよ!」
「やはり僕の命では足りないでしょうか?何に使ってくれてもかまいません。
何でもします。人に…迷惑をかけるとこでなければどんなことだってするつもりです。」
「(ユダ…ごめん。君を助けられないかもしれない。僕のせいで…。
僕の…デバイスだから…僕が…こんな人間だから……)」
「お願いします!!何でもします!お願いします」
機動六課の面々に対して土下座をするルル。
「(どうしたらいい…ユダを助けるには……どうしたら…
今できることは命を差し出すこと…
それでも駄目なら…皆を怪我させてでもここから逃げる?…できるわけない…
大きな魔力を持つのが5人…ほかの4人も十分強い……
皆無傷で済ませることなんてできない…
…あきらめる…しかない。元々僕のわがままだ…そうだ…僕が我慢すればいい…
今までだって そうやってきた だいじょうぶ …だいじょうぶ)」
「ル、ルル君……っ」
「っ…違うんだよ……」
「(ユダ…ここから君を救い出せたら,君は褒めてくれるかな……ユダ)」
『いや~褒めないね~』
「「「「「なっ!!」」」」
「(…? どうしたんだ皆…ユダの念話に反応した?)」
「(ユダ,念話を皆に伝えているのか?)」
『御主人様に言わないといけないことがあってね~』
「お前,まさか…!」
「やめろっ!」
「(どうした,ユダ?)」
『そいつらが言ってること全部合ってるよ~』
次回で真実を知る予定です。
御指摘を受けて地の文を少し頑張ってみましたが、蛇足になってたらごめんなさい。
初投稿でここまで書いてきましたが,文章を書くのって難しいですね。
皆さんすごいです。