呪われた魔導師   作:カゲセンヨ

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第六話

『そいつらが言ってること全部合ってるよ~』

 

 

「(合ってる?…どの部分が?それよりユダの言葉遣いが…)」

ルル本人にはユダの豹変の原因に心当たりが無く,疑惑の念は目の前の機動六課の面々に向かう。

 

 

「すいません。ユダ…そのデバイスのメンテナンスで何か変更を加えましたか?」

 

 

「そ,そんなことしてないよ!」

自分たちが疑われていることを感じ,あわてて否定するなのは。

 

 

 

『いや,加えられてないよ~俺は元々はこんな感じだから~,

 今まで隠すのが面倒くさかったくらいだよ~』

ある意味でなのは達を擁護するように,ユダから事実が告げられる。

 

 

 

「や、やめて…やめてよ」

 

「言うんじゃない!」

 

 

 

「皆さんは…何を?(な,なんだ…どうなってる。)」

明らかに自分の身を心配している風に取れる目の前の人間の態度,

普段無機質ながらも,主人の事を案じているデバイスの人を小馬鹿にしたような発言。

この場の状況全てがルルを混乱させる。

 

 

 

『だから~そいつらが言ってることは本当のことなんだって~,

 お前騙されてたの~』

 

 

「やめろっ!!聞くな!ルル!!」

 

「言わないで!!」

 

 

「騙されて……?何が…?」

 

 

『今までのお前の人生の嫌なこと~全部俺が仕組んだことなんだよね~』

 

 

「………え…………何を……?」

 

 

『だから~

 親に罵られて,骨を一本一本折られたことも~

 親もシオンもお前を呪いながら死んだことも~

 ずっとお前に声を掛ける人がいなかったことも~

 管理局に入れなかったことも~

 ジュエルシードの暴走のとき助けた女の子から殴られたのも~

 病室の女の子の体を和らげた時に罵倒されたことも~

 魔獣と戦ってる人を助けたのに無視されたことも~

 膨大な魔力の一斉攻撃を受けたことも~

 助けた男の子がいきなりナイフで顔を刺してきたことも~

 火事場で救助活動してたらバインドされて置き去りにされたことも~

 寝床を作るたびに壊されてたことも~

 声を掛けられた時,疫病神欠陥人間クズなんて呼ばれたことも~

 村を災害から守ったのに,災害の原因にされて殺されかけた時も~

 感情を無いと気持ち悪いと周りの人からリンチにあったことも~

 お前は人間の価値がないと言われ続けたことも~

 何もしてないのに刺されたことも~

 ぜ~~んぶ俺の仕組んだことなんだよね~』

 

 

「やめて!……やめてよ……。」

 

「こんなの……ひどいよ………。」

 

 

「…え…………あ……え?

 (な……なん………分からない……

  えっと…ユダの様子がおかし……彼女らに操作されて……いやそんなことに意味は…

  まずい,彼女らに不信がられる…えっと…と、とにかくユダを助ければいいのか…)」

 

 

「あ……えっと………あの,デバイス……持って行っていいでしょうか?

 ご迷惑は本当に金輪際おかけしません。必要であればお金も可能な限り用意します。

 なんでもしますので…。」

 

 

 

「ル,ルル君っ……。」グスッ

 

「っ……………。」

涙を流す面々

 

 

 

「な,泣かないで…下さい……僕が何か悪いことをしたでしょうか?

 すいません。何かしたのなら謝ります。」

 

「(どうして泣くんだ…分からない。分からない。」)

 

 

 

『違うって~こいつらはお前を憐れんでるんだって~ 

 お前のことを上から目線で見て~騙されちゃって~かわいそ~な子~ってね~

 あとは~現実を受け入れられない~かわいそ~な子~かな~

 憐れむって自分が上じゃないとできない行為だからね~

 やっぱりお前は人間より下の生物だよ~』

 

 

「な,何言ってるんや!!」

 

「て,てめえ!!ふ,ふ,ふざけんなよ!!!」

あまりの発言に怒りの気持ちが込み上げてくる。

 

 

 

「(僕が人間より下なのは分かって…かわいそう?心配されてる?僕が?

  ありえない…夢?……いや夢はおかしい。じゃあ何がおかしい?

  …今日のユダがおかしい…

  でもさっき今まで騙してたって?…ということは

  今までのがおかしいのか…

  …………………そんなわけない。

  ユダを疑うなんてどうかしてる。

  落ち着け……ユダが今おかしいなら僕が何とかするんだ。

  今まで助けてもらってたんだ。今度は僕が助けなきゃ!!

  …そうだ!解析すれば悪いところは分かる。原因も推測できる。)」

 

 

「えっと…すいません。

 デバイス調子悪いみたいで……気にしないで下さい。

 (解析の間,時間を稼がないと…)」

 

 

「な,何かお困りのことはありませんか?

 僕はこれでもフリーの魔導師をしておりまして,

 管理局にも入れなかった者ですが…今まで依頼されたことは全てやり遂げております。

 食事一食分の御代で,人に迷惑のかからないことなら何でも致します。

 御代と言っても,お金じゃなくてもかまいません。

 もちろん僕が御迷惑をお掛けするような事をしてしまった場合,御代は頂きません。」

 

 

「(落ち着け…さっき何でもするって言ってたじゃないか…

  それに管理局相手に何を言っているんだ僕は……落ち着け落ち着け。

  もう少しだ,もうちょっとで…)」

 

 

『いつものセールストークか~

 報酬貰えたこと10年間で5回も無いじゃん~

 面白い行動をするもんだね~』

 

 

 

「「「「……………っ」」」」

機動六課の面々は何も言えずにいた。

ユダへの怒りよりも,ルルに何と声を掛けていいか,誰にも分からなかった。

 

 

 

「(気にするな…今のユダはどこかおかしいんだ。これで分かる……

  損傷…軽微…運用に異常なし………………………………

  汚染…異常なし……異常なし異常なし……異常なし……

  ……………………?)」

 

 

「………オールクリア……?」

 

 

「ルル君…………」

絞り出すようにルルに声を掛けるはやて。

 

 

 

「う……うそだ………うそだうそだ。何かの間違いだろ?ユダ」

ルルは周りへの対処も忘れ,直接ユダに話しかける。

 

 

 

『うそじゃないよ~確かに俺がお前が酷い目にあうように仕組んでたよ~

 お前が夜な夜な俺にばれないように泣いてたことだって~

 笑いをこらえるのが大変だったよ~』

 

 

「ち,ちがうよ。ユダはいつだって僕を助けて…」

 

 

『だから~それは下積みなんだって~

 今この状態が~俺がお前に仕組んだ~「一番酷い目」ってやつだよ~』

 

 

「そ,そんなわけない…ユダは僕を励ましてくれて……」

 

 

『あ~あ~理解力のないやつは面倒だね~君らから説明してあげてくれないかね~』

 

 

「ユダは……操られてるだけだ…じゃなければウィルスか何かで……

 いつものユダに…僕のデバイスにもどってくれよ」

 

 

『いや~さっき解析してたじゃん~

 それに,俺元々デバイスじゃないし~

 お前と周りに黒ローブ着てるように見せてただけだし~

 今まで戦ってきたのは~純粋にお前一人の力だよ~』

 

 

「ユダ……そんなこといわないでくれよ………

 お願いだ……僕は…………君と一緒じゃないと…生きていけない。」

 

 

『そういう行動をとるのか~

 生きていけないんだ~大変だね~

 じゃ~どうするの~ここで生きるのやめるの~?

 俺はどうでもいいけど~』

 

 

「…あ………ぅ………。」

「(整理しろ……ユダが改造を加えられた可能性……操られてる可能性…

  ウィルス……ユダが…本当のことをいっている可能性……解析……

  ………………………………………………………………………………

  ………………………………………………………………………………

  ………………………………………………………………………………

  ………………………………………………………………………………。)」

 

 

「ユダ……僕を助けてくれてたわけじゃなかったの?」

 

 

『だから~さっきからそう言ってるじゃん~』

 

 

「僕のことが………嫌いになったのかな…?」

 

 

『いや~最初から好きも嫌いもないな~

 でも今のお前の顔は好きかもな~ずっと観測したかったし~』

 

 

「僕を……見捨てる……のかな?」

 

 

『お前はとっくに世界中から捨てられてるよ~』

 

 

「……………そうか……そうだったな……」

 

「(そうだった………僕にしてはいい夢を見させてもらったんだな…

  ごめんなユダ,僕みたいな人間のデバイスになっちゃったからこんなことになったのかもな…

  あぁ違う僕は人間じゃなかった……

  こんなに傲慢だから皆からも見捨てられるんだよ…ユダからだって…)」

 

「(ユダとは……お別れだ……どうやって生きていこう……

  えっと……今迄通り人に迷惑を掛けないように…自分が助けたい人を助けて……

  それでいいってユダが……言ってた………

  たぶんこれは間違ってない。このことは間違ってない。)」

 

 

 

「あ,あの皆さん…差し出がましいお願いかとは思うのですが,

 僕のデバイスを…壊してもらえないでしょうか…。」

 

 

 

「っ……その…。」

急に話を振られる形になり,さすがのはやてもうまく言葉を返せない。

 

 

 

 

「(あ……違う……僕がお願い?……さっき傲慢な自分を恥じたばっかりで…

  本当に……何を言ってるんだ僕は…迷惑をかけてどうする………

  自分でやればいいんだ。彼女らの手を煩わすことなんてない。)」

 

 

「ご迷惑なら!…僕が持って帰ります。

 すいません。僕とは…関わりあわない方が…いい…と思います。」

 

 

「な、なんで!…そうやって人のことばかり考えるの…」

 

「そ,そうだよ。っ自分のこと…考えてもいいんだよ。」

 

ここまできても,自分達にかかる迷惑のことばかりを考えてるルルに対して

怒りや悔しさにも似た感情が沸き立つが,それはすぐに彼を気遣う気持に変わる。

 

 

 

「僕は………あの気絶した僕を助けてくれてありがとうございます。

 僕には…行くところがありまして…よかったらデバイスを返してもらえないでしょうか?

 この御礼は必ず致します。僕のできることなら何でもします。」

 

「(行くとこなんかない…ユダ…僕はいらない……いらない…いらない。

  迷惑…迷惑なんだ……そうだ母さんだって僕が生きてたら迷惑だって言ってたじゃないか…

  どうしたらいいんだ…ユダ……いつもユダが助けてくれた……

  でもユダは…考えるな……そうだ今までと同じことを…ユダがいなくたって。)」

 

 

ルルは笑顔で頭を下げる。

その表情に皆言葉が出なくなる。

 

 

「ル,ルルっ……。」

デバイスを持ったままずっと固まっていたヴィータが声を絞り出す。

 

 

「ルル君,あのね…ここにいていいんだよ。」

涙を堪えてルルに近づくなのは,そのまま抱き着こうとする。

 

 

「っ!!」

近づかれたことに気づき後ずさるルル

 

 

「…ルル君……。」

 

「ル,ルル……。」

 

 

「(殴られる?何かしちゃったのか…?何したんだ…。とにかく謝らないと。)」

 

「な,なんでしょうか?

何かまたご迷惑をおかけしたでしょうか?ごめんなさい。」

 

 

「落ち着いて…ルル君。

 私たちは絶対に貴方に危害は加えない。

 貴方を悲しませるようなことはしない。

 信じて…欲しいんだ。」

近づいたまま,ルルを落ち着かせるように,とてもゆっくりとなのはがルルに語りかける。

 

 

「(信じる?……悲しませるようなことはしない…。

  ………うそだ……うそだうそだうそだうそだ。

  父さんだって母さんだって…シオンだって…

  いままで関わった人は皆…

  それに……ユダだって…僕のこと嫌いになったんだ…

  僕は…………期待しちゃいけない

  この人は一瞬で僕を殺せる……怖い

  こわいこわいこわい……落ち着け…もうユダに頼れない…一人なんだ

  一人で生きていくんだ…自分で落ち着かなきゃ…)」

 

 

「え………えっと…………

 あの,大丈夫です。

 なんか心配してもらってますよね。

 ありがとうございます。

 このデバイスどうしたらいいですか?

 置いておいた方がいいなら置いて帰ります。

 邪魔なら持って帰ります。」

 

 

「ルル,お願いここにいて!」

 

「大丈夫です。信じてください!」

信じてもらえるよう皆必死に懇願する。

 

 

 

「(信じてください…そういって僕を殺そうとした人は3人はいたな。

  悲しかったけどあの時はユダが励ましてくれた…。

  もう…あきらめなきゃ。

  信じる?………ユダでさえ僕を嫌いになった。

  信じるってなに?

  信じるってなに?

  シンジルってなに?

  シンジルッテナニ?)」

 

 

「落ち着け!!」パシィ!!

シグナムがルルの頬を叩く音が響く。

 

 

「シグナム!」

はやてがシグナムを戒めるように声を掛ける。

 

 

「しかし,声を掛けるだけでは彼の心に届かない!!」

 

 

「そ,それはそうかもしれんけど……。」

 

 

「(殴られた…またリンチか…いつものことだ。

  これからずっとこうなんだろうな…

  ずっと……今までと同じ……

  ………………………………………

  ずっと……こうやって………

  人に迷惑を掛けつづけて生きていくんだろうな……

  ……………………………

  …………………

  …………

  ……。)」

 

 

「……死…ななきゃ……。」

 

 

「っルル君…言わないで!」

 

 

「僕に生きる価値がないなんて分かってる………

 そうだよ!!もっと昔に死んでればよかった!!

 そしたら,父さんだって母さんだってきっと幸せだったんだ!!

 いつか…人に笑ってもらえるかもなんて……

 そんなわけないのに……僕みたいな欠陥人間が……

 どうしてもっと早く気付かなかったんだろう……

 生きてるだけで迷惑なんだからいない方がいいに決まってるじゃないか!!

 ……違う……気付いてた……僕は……僕は…自分がただ…死にたくなかっただけだ…

 ユダに許してもらってたんだ………自分を甘やかせていたんだ……」

 

 

 

「(僕は…死ぬ。…その前に…父さんと母さんに……)」

 

 

「あかん!!皆!!ルル君を止めるんや!!」

 

 

「り、了解!」

「分かったよ!!」

デバイスを展開する機動六課面々

 

 

「………押し通る……邪魔する奴は…………ケガをしても知らない。」

ルルから向けられる今まで見たことのないような目つきと殺気。

 

「ケガはさせたくない……どうか来ないでくれ。」

 

 

「そんなわけにはいかないよ!!」

 

「あなたを止めてみせる!!」

 

「さっきは叩いてすまなかったな。私の剣で必ず貴様を救う!!」

 

「お前ちょっと落ち着いて話聞けよ。」

 

 

「…仕方ない。」

 

 

バリアで六課全員を囲み,その隙にドアから出ていくルル。

 

 

「こんなの!何秒ももたないよ!!」

 

「フォワードの皆はここに残って!!」

 

 

魔力で相殺しバリアを破壊,ルルを追いかける隊長たちとその場に残るはやてとフォワード陣。

 

 

「まぁ,捕獲自体は皆にまかせとけば大丈夫やろ。」

状況を把握し,指示を出すためにはやては指令室に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

施設の外の空中戦になる。

 

 

「(僕よりも速い人が多い……なんとか無傷で…足さえ止めればいいんだ…)」

 

…………………………………………………

……………………………………………

………………………………………

…………………………………

……………………………

 

ルルは戦いが始まってから,4対1ながらも,バリアで相手を囲み,

複数の敵と同時に相手をしないように戦うことで,10分以上もの間耐えていた。

しかし,なのはの砲撃,フェイトの機動力,ヴィータ,シグナムの接近戦は,

例え1対1だったとしても封じ込めるものではない。

 

徐々に,そして確実にルルは追い込められていた。

 

 

 

「ハァ…ハァ…。(皆………強い…。このままじゃ…。)」

 

「(バリアで囲っても皆魔力が高すぎて5秒も足止めできない…

  4人が追い付いて来てから50mも進んでいない。

  相手が全力じゃないから倒されていないだけだ…。いたぶるつもりか…。)」

 

 

一方追いかけているなのは達は消耗はしてないものの攻めあぐねていた。

 

 

「怪我させるわけにはいかないから全力を出せないのはそうなんだけど…」

 

「全力でできねーのは加減が難しいな!!」

 

「ヴィ,ヴィータちゃん怪我させちゃだめだよ…。」

 

 

「すごいな…。」

感心するシグナム。

 

「是非今度,同条件にて手合せ願いたい。」

 

「シ,シグナム…いまはそれどころじゃ…。」

 

 

 

「ルル君強いな~,というより巧いというべきやね。でも捕まえるんは簡単やな~」

作戦室で映像を見ながらはやてが指示をする。

 

「(フェイトちゃん,彼に近づいて離れないようにして

  攻撃はほどほどでええから,接近だけな)」

 

「(了解!)」

 

「(なのはちゃんは,フェイトちゃんに向けてちょっと強めの砲撃魔法。当てへんようにな。)」

 

「(えっ!?どういうこと?大丈夫なのかな?)」

 

「(フェイトちゃんは,その魔法気にせず,そのまま彼を気絶させて。

  たぶん,ルル君はその砲撃に気を取られるやろうから。)」

 

「(…なるほど。)」

 

「(いじわるだね。はやてちゃん)」

 

「(フフッ,あんな戦い方見せられたら弱点ぐらいすぐ分かるわ。

  あんまり褒められた作戦やないけど,根っからのお人好しには有効な作戦や)」

 

 

「じゃあ…フェイトちゃん!!」

 

「了解!!」

 

 

「くっ!!(一番速い子だ,接近戦か!?)」

 

 

「いっくよー!!ディバイーーン…バスターーー!!」

 

 

「(味方が接近してるのに砲撃してきた!何を考えている!?」

 

 

「っく!! おいっ!!後ろだ!!避けろ!!」

 

 

「くそっ!!まずいっ!!」

 

 

フェイトの方へ急加速するルル。

一方フェイトは砲撃を気にせず攻撃しようとしていたものの,まさか自分の方へ向かって来るとは思っていなかったため,攻撃は当たったが間合いが近すぎて十分なダメージを与えられず,そのまま近づかれ抱きかかえられてしまった。

 

わけのわからなかったフェイトだが,抱きかかえられていたのは一瞬ですぐに放り出されてしまった。

 

放り出したルルの元に降り注ぐなのはからの砲撃。

 

 

「なっ!?」

 

「えっ!?ちょ,ちょっと!!」

 

「なんやて!?」

 

なんとかバリアは間に合っているが,とても苦しそうな顔のルル。

いつもルルは相手の力を逸らすようなバリアの張り方をするが,今回はさすがに間に合わず,

なのはの砲撃に対して力対力の攻防を繰り広げるしかなかった。

そして魔力の出力の差は絶対的に劣っているのだ。

 

「ぐぅ……ううぅぅ……(まずい今他の人に来られたら…)」

 

 

ルルの気持ちとは裏腹に4人とも,いや映像を見ているはやてやフォワードを含めた皆,唖然として動けず,ただその光景を眺めていた。

 

 

「ゼェ…ゼェ……ッ……ヒュゥ………。」

 

なんとか砲撃を受け止めたルルは誰の目から見ても明らかに限界であった。

無理もない,元々限界に近かった状態から,完全な攻撃ではないとはいえフェイトの攻撃をまともに受け,なのはの砲撃を正面から防いだのだ。息も絶え絶え,フェイトの攻撃をまともに受けた左腕は力が入らないのかブラブラしており,目線は定まらず,目は虚ろ,今にも気を失いそうである。

 

 

「(砲撃が当たるかどうか気になってスキができるとは思っとったけど,

  まさか敵と認識しとる人まで助けるとは想定外や…。

  この子は…こうやって今まで戦ってきたんやろうか…。

  くそっ!うちはなんて作戦を言ってしもうたんや!!)

  なのはちゃん,フェイトちゃん,ごめん。作戦ミスやったわ!!」

 

「う,ううん。私も…びっくりしちゃって…」

 

 

「私が気絶させれてたら終わってたんだし…」

 

 

「でもどうするんだよ。こんな状態でこのまま攻撃続けるのか?」

 

 

「…ごめ………父……ん…母………。」

力無く落ちていくルル。

 

 

「ちょ,ちょっと!!」

 

「おい!!」

 

4人は一斉にルルの元へ向かい,一番近くにいたフェイトが受け止める。

ルルは気を失っていた。

 




次回は簡単な解説回にする予定。
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