呪われた魔導師   作:カゲセンヨ

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第七話

はやての部屋になのは,フェイト,はやて,シグナム,ヴィータが集まっている。

 

 

「シャマル。彼の状態はどんなやろか?」

 

 

【はい,ルル君はあれからずっと寝続けています。

 魔力と体力の使いすぎと少し怪我を負ってはいますが,命に別状はありません。

 じきに目覚めると思います。】

 

 

「了解や。引き続き様子見といてや。」

 

 

【はい。分かりました。】

 

 

通信を切るはやて。

 

 

「ふぅ…まずは一安心やな…。」

 

 

「フォワードの皆は自分達の部屋に待機してもらってる。」

 

 

「うん。そのほうがええな。ありがとう。」

 

 

「じゃあ,あとは…あのデバイスについてだね…。」

 

 

「そうやね,そろそろ連絡があると思うんやけど…。」

 

 

「連絡?どういうこと?」

 

 

【こんにちは。】

スクリーンが開き,ユーノが映っている。

 

 

「「ユ,ユーノ(君)!」」

 

 

「無限図書館での調査依頼を出しててな。司書長さんに直接話してもらえることになったんよ。

 デバイスについて何か分かったんやろ?」

 

 

【そうだね。まずは…あれはデバイスじゃないよ。】

 

 

「…そういえば,あれがそう言っとったな。あれは何なんや?」

 

 

【あれはロストロギアだね。】

 

 

「「「「なっ!?」」」」

ユダの正体に驚きを隠せない面々。

 

 

【皆が気付かなかったのも無理ないよ。魔力出力は低く,ランクもC級以下のものだからね。

 一見するとただの魔力を帯びたアイテム,今回のケースだとデバイスに見えるだろうね。

 特徴としては認識障害の魔法と,知性を持っていることになる。】

 

 

「デバイスとしての能力はないの?」

 

 

【持っていない。ロストロギアが言ってたみたいだけど,

 認識障害でバリアジャケットを着せてるように見せてただけだと思う。

 彼本人と周りにいる人にね。】

 

 

「…彼への影響を考えると,C級ってのは低すぎる気がするんだけど…」

 

 

【それは,効果範囲が狭いからだよ。】

 

 

【ジュエルシードのように次元振動を起こして世界を消滅させるような力はないし,

 狭い範囲で認識障害をかけるだけだからね。

 AIじゃない完全な知性を持っているからロストロギア認定されているけど,

 持っている魔力の大きさだけで見れば,いたずらアイテム程度のものなんだよ。】

 

 

「で,でもルル君は……」

 

 

【記録によると知性を持っている上で性格は様々らしい。

 持つだけで本人がポジティブになるようになることが多いらしく,

 所有者を助ける性格のことの方が多かったみたいだね。】

 

 

「じゃ,じゃああのユダって奴だけが特別悪い奴だったって…こと?」

 

 

【とりあえずそう思うしかないね。

 あと,ここまで事が大きくなったのは,彼が力を持っていたからだね。】

 

 

「…そうやな。ユダがデバイスでなかったということは,

 ルル君の能力は…レアスキルってことになるやろうな。」

 

 

【その通り。彼の能力は,おそらく魔力を具現化する力】

 

 

「魔力の具現化?」

 

 

【プロテクションや魔力弾の魔法を使ってるわけじゃないんだ。

 自分の魔力をそのままあの形に形成している。】

 

 

「えっと,なにが違うのかな?」

 

 

【そうだね。魔力を魔力として使っている今の彼の使い方だとほとんど変わりはない。

 違いというと,練習はいると思うけど,このペンとか机も魔力で形成できるようになる。

 イメージしたものをそのまま形にできるというところかな。】

 

【これは想像だけど,彼は魔導師の魔法の練習として,プロテクションをはじめに練習した。

 そして彼が覚えたプロテクションは,本当のプロテクションではなく,魔力の具現化だった。

 その他の魔法をしてもプロテクションを発生させるやり方と全部同じになる。

 そういったところじゃないかな。】

 

【話が逸れたね。彼がこのレアスキルを持っていたため,

 ロストロギアの言うことを全面的に信じてしまったことが,

 ここまで事態が大きくなった原因の一つだよ。】

 

【普通は信じないんだよ。ユダのように悪い性格をしている場合,

 「この指輪持ってると,何かおかしい」…と思うことの方が多い。

 持つ人に不幸が訪れる呪いのアイテム,とかそういう扱いになるんだ。

 魔導師に関係がなければ,指輪がしゃべるだけで気味が悪いだろうしね】

 

 

「それは…そうかもしれないね。」

 

 

【ただ…彼には特殊な力があった。

 だから自分は「魔導師」,そしてユダは「デバイス」と信じてしまった。

 そうすると常に身に着けるようになる。】

 

 

「そうか…一回信じてしまったら…」

 

 

【彼が経験してきたことは少し聞いたよ…

 辛い経験をしてきたみたいだね…

 ところでロストロギアはどこに?】

 

「厳重に保管しとる。あれは…壊してもええんやろ?」

 

【うん。壊して周りに影響が出たという記録はないね。

 元々大した魔力もないし,問題ないと思うよ。】

 

「そうか,わざわざありがとうな。」

 

【いや,いいよ。なのはとフェイトもまたね】

 

「またね。ユーノ君」

 

「またね。ユーノ」

 

ユーノとの通信が終わる。

 

 

 

 

 

「………皆,あのロストロギアこのまま壊すのがええんかな?」

はやてが深刻な顔で皆に問う。

 

 

「え?…だって壊しても大丈夫なんでしょ?だったら…」

なのは深刻なはやての様子には気付いているが,感じるままの疑問をはやてにぶつける。

 

「ウチらには…ルル君の過去を知る義務…

 いや,ウチらがルル君に何をしたか知っとかんといかんような気がしてな。」

 

「…………ユダに見せてもらうの?」

すぐに思惑を理解したなのはだったが確かめる為,はやてに問う。

 

 

「…そうなる。」

 

 

 

「……そうだね。知らないといけないのかも…。」

「私も…ちゃんと見ないと…。」

なのはとフェイトが自分に言い聞かせるように答える。

 

「我らも助けてもらっているのであれば確認したいと思います。」

シグナムが答え,ヴィータも無言でうなづく。

 

「そうか…でも彼の過去を覗き見ることになるからな。

 このメンバーだけで見よか。」

 

 

 

 

【保管庫】

 

『おや~お迎えが来ましたかね~』

 

「ルル君の過去を見せてください。」

 

『あれ~俺もう壊されるかと思ってたんだけど~

 ま~面白そうだし~断る理由は無いかな~はい~』

 

 

   「父さん!!痛い!!痛いよ!!」

 

   「うるせーな,黙れよ!!!」ポキッ

 

   「あぁあああぁああ!いたいいたい」

 

   「うるせーって言ってるだろ!!」ドコッ

 

   「グヘッ……うぅうぅううぅう…」

 

   「もう片方も折られたいみたいだな!!」ポキッ

 

   「うわああ,いたいいたいいたいいたい!!」

 

   「うるせーよ!!黙らねえと全部折るぞ!!」

 

   「グ……フゥ……うぅぅぅぅ……ごめん…なさい。」

 

 

 

   「なんであんたなんか生まれてきたのかねぇ」

 

   「ごめんなさい。母さん。」

 

   「しゃべるな!汚らわしい。あんたこれ飲みなさい。」

 

   「これ…何ですか……?」

 

   「飲めって言ったら早く飲めよ!!」バキッ

 

   「は,はい!

    ………ぐぅうぅぅ…へ、へんな味です。」

 

   「あぁそう?私からもらったのにそんな感想な訳?」ジュ

 

   「ああぁあぁあ,熱い熱い熱いよ!!」

 

   「あれ~なんで燃えないのかしら!!」バキッ

 

   「うぅ…ごめんなさいごめんなさい。」

 

 

 

   「なんでこんな魔法もできないんだよ!!」ドコッ

 

   「ごめんなさい。シオンさん。」

 

   「いいか?お前は盾なんだよ。どんな時も私を庇えばいいんだ!!

    お前が怪我しようが苦しもうが死のうがどうでもいいけどよ!!

    満足に魔法使えないんじゃゴミ以下じゃねえか!!」

 

   「大丈夫。絶対守るよ。何に変えても…」

 

   「当たり前のことほざいてんじゃねぇ!!」バキッ

 

   「…ごめんなさい。がんばります。」

 

 

 

 

   「これから頑張って二人で生きていこう,ユダ」

 

   『そうですね,御主人様』

 

   「まずは,寝床と食料かな…。

    山でいいかな…?」

 

   『そうですね。木の実を取ったりする分には人に迷惑かからないんじゃないですか?』

 

   「そうだね。頑張ろう…。」

 

 

 

   「また依頼人からお金貰えなかったね…。」

 

   『そうですね。御主人様』

 

   「まあ僕がまた余計なことをしたからしょうがないけど。」

 

   『次も頑張りましょう御主人様』

 

   「食料は…栗しかないか。

    冬に入る前にお金を少しでも稼がないと…。」

 

 

 

 

   「お腹すいた…ね…ユダ。」

 

   『私はデバイスですから大丈夫です。』

 

   「そ,そうか…それはよかった…。

    ユダ…きみは寒さ…を感じ…るのか?」

 

   『いいえ。私はデバイスですから』

 

   「そ…うか……よか…った…よ。」

 

 

 

 

   「何かいい案のある者はいるか?」

 

   「あ…あの…僕でよければ…なんとかできると思います…。」

 

   「そうなのか!? プランは!?」

 

   「えっと…少し時間を頂ければ解析して…

    保護プログラムの部分とそれ以外の部分で分けること自体はできます。」

 

   「了解だ。我々は君に邪魔が入らないようにする。君にまかせたぞ!」

 

   「まかせる……僕に…? うん!!がんばります!!絶対なんとかします!!」

 

   「じゃあ頼んだぞ。」

 

   「分かりました!!いってきます!!」

 

   ………

   ……

   …

 

   「皆!!できたよ!」

 

   「…え……?」

 

   「ど,どうして!?」

 

   「ちょっと待って!!」

 

 

   「ぐ………う………ぅ…」

 

   「み,みんな……」

 

   「話を…きいて……くれ!」

 

   「うわあああああああぁぁ!!」

 

 

 

   『気が付きましたか?大丈夫ですか?御主人様』

 

   「……う……ぁ…………」

 

   『動けますか?』

 

   「む……な……」

 

   『しばらく体力が戻るのを待ちましょうか』

 

   「ごめ……な」

 

 

 

 

   『もうあれから一週間経ちますね。』

 

   「少し……動ける……かな」

 

   『それでは戻りましょうか?』

 

   「うん……食…料を…山に…戻ろう…」

 

   『はい。頑張りましょう御主人様』

 

   「あり…がとう……」

 

 

 

   「もう大丈夫だよ!!怪我は無いかい?」

 

   「痛っ!!」

 

   「……ナイフ?」

 

   「…そっか。ごめんね。……余計なことしちゃったんだね。」

 

   「…でもここと危険だから…付いて来てもらえないかな?」

 

 

 

   「おい!!何こんなとこに寝床造ってんだよ!!」

 

   「えっ?…何?あの……すいません。ご迷惑でしたか?」

 

   「当たり前だろうが!山の下からでも見えるんだよ!!目障りだな!!」

 

   「すいません。もっと奥に行きますから…。」

 

   「はぁ!?まだここに住むつもりかよ!!ふざけてんじゃねーぞ!!」

 

   「っつ!すいません。すいません。すぐ出ていきますから…。」

 

   「あたりめーだろ!!二度と目の前に現れんな!!」

 

   「…すいません。」

 

 

 

 

   「…グスッ……どうしてっ……こんなに嫌われるのかな……」

 

   「…どこ直せばいいのかな……」

 

   「…誰かっ………教えてください……」

 

   『御主人様』

 

   「え?ユダ……起きてたのか?……ど,どうしたの?」

 

   『いえ,何か話してましたか?』

 

   「い,いや,何もないよ。大丈夫だよ。」

 

   『そうですか。』

 

   「うん。……だいじょうぶ。」

 

 

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   「お金……このくらいしかないんですが……

    許してもらえますか?………ごめんなさい。」

 

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   「すいません!!もう二度としません。許してください。」

 

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   「ごめんなさい。ごめんなっ……すいません。」

 

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   「痛く……ないです。痛がってません。

    ………口答えなんてつもりは…っ………ごめんなさい。」

 

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「……っ…。」

「こんな……っ……。」

目を逸らさずに見ていたが,途中から涙の止まらないなのはとフェイト,

シグナムとヴィータは怒りから手を握り締めて震えている。

 

 

「………もう…ええよ。」

 

 

『もういいんですか~自分らから言ってきたくせに~

 まぁ~だいたいずっと似たようなもんだけど~』

 

 

「もうええ。」

 

 

『そうですか~もうお役御免ですかね~』

 

 

「…ああ,そうやね。」

 

 

『まあやりたいことやれたし,見たいもの見れたし満足満足~』

 

 

「覚悟はしとったつもりなんやけど……全然分かってなかったわ…。

 なるほど……言葉が届くはずないか…もっともや…

 でも……絶対仲間になってもらうで…ルル君」

 

「本当に…あんな小さいころから…ずっと……

 一人で……命懸けで………なんであんな目に合わないといけないの…」

 

「絶対……友達になるんだ。」

 

 

はやてにシャマルから通信が入る。

 

【はやてちゃん,ルルくん目が覚めたみたいです。】

 

 

「了解!すぐ行くわ!!」

 

 

 

 




ユーノ君をいいように使ってしまった気がする。
きっと大丈夫。
次は仲良くなれるのかって回にする予定。
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