スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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第三章 ニューヨークドミニオン
1話 落ちてきた男


 

「またしても別の世界か・・・」

 

アシュセイバーのコックピット内でアクセル・アルマ―がつぶやく。目の前にはアシュセイバーの倍以上のサイズがある起動兵器、メディウス・ロクスの姿がある。

 

「応答しろヒューゴ!」

 

『無駄だ・・・乗り手の意識は既に特殊な金属細胞に浸食され消えかかっている・・・』

 

複数の人間が同時に喋っているかのような不気味な音ともに、謎の怪人ダグブールが姿を現す。

 

『自然界に存在する5つ目の力、ターミナスエナジー。時流子の代替品として用いたが、どうやらうまくいったようだ。』

 

「貴様がダグブールか・・・?」

 

アクセルはそう訊ねると同時にガンレイピアで攻撃する。しかしその閃光はダグブールを避けるように歪曲する。

間髪入れずにレーザーブレードを叩きつけるがダグブールはそれを触手で受け止めた。

 

「このサイズ差で・・・コイツも規格外の化け物か・・・。」

 

『フッフッフ、ヘルザークが気に入るわけだ。まさか挨拶も無しに仕掛けてくるとはな・・・判断力、戦闘力、闘争心、どれをとっても一級品・・・変異した監視者の因子ごと取り込んでみるのも一興だが・・・・まずは』

 

ダグブールはメディウス・ロクスの胸の球体に沈むように入っていく。するとメディウス・ロクスは更に巨大化し、その姿を変えていく。

 

「・・・またこの手の現象か、だがその変化を大人しく待つつもりは無い!ソードブレイカー!!」

 

アクセルはメディウス・ロクスが変貌する途中でソードブレイカーで牽制する。

 

「こいつは返してもらうぞ!」

 

それと同時に接近し、メディウス・ロクスのコックピットブロックを引き抜いた。

 

『構わぬ。その人間はすでに用済みだ。』

 

メディウス・ロクスが完全に変貌を遂げると共に、纏わりついたソードブレイカーが爆散する。

 

「まだだ、ハルバードランチャー!!」

 

間髪入れずにハルバードランチャーで砲撃するも、その閃光はTEスフィアによって阻まれる。

 

『ランページMX・・・』

 

メディウス・ロクスの腕から触手が伸び、アシュセイバーに襲い掛かる。

しかし両者の間に突如50Mほどの歪で生物的な甲冑を纏った巨人が現れ、メディウス・ロクスの触手を切り払った。

 

『むう・・・システムのエージェントか・・・!?』

 

ダグブールは現れた巨人の事をそう呼んだ。

 

「うっ!!?・・・なんだ!?」

 

アクセルが強烈な頭痛に見舞われる。

 

「滅びよ・・・・。」

 

巨人がそう口にすると同時に、周囲に突如転移現象が発生し見覚えのある異形の化け物が現れる。

 

「こいつ等は・・・アインスト!?まさか貴様が呼び出したのか!?」

 

「肯定・・・私もこやつ等も同じ[システム]に同様の役割を与えられている[プログラム]の一部だ・・・」

 

アインストの群れは一斉にメディウス・ロクスに襲い掛かる。

 

『ふむ、このメディウス・ロクスの能力を試すに丁度良い・・・出でよ、シニストラ、デクストラ』

 

メディウス・ロクスから二体の人型兵器が生み出され、アインストと交戦を始める。

 

「メディウス・ロクスにあんな能力が備わるとはな・・・」

 

アクセルはメディウス・ロクスを見ながらそうつぶやく。

メディウス・ロクス、シニストラ、デクストラはダメージを負うたびにラズナニウムで回復し次々とアインストを撃破していく。しかしアインストの出現もやむ気配はない。

 

「逃げるのは性に合わんがこの機を逃す手はない。ここはヴィンデルを見習わせてもらう、これがな!」

 

普段のアクセルであればあるいはアシュセイバーが朽ち果てるまで戦い続けていたかもしれない。しかし現在アシュセイバーの手にはヒューゴが入ったメディウス・ロクスのコックピットブロックがある。

 

「振り切るぜ!」

 

アクセルはそう言って戦線から離脱する。

 

『ふむ・・・闘争ではなく逃走を選ぶか・・・思っていたより冷静だな・・・我も目的は果たした・・・退くとしよう・・・さらばだシステムのエージェントよ・・・』

 

そう言い残してダグブールとメディウス・ロクスは転移していった。

 

 

 

 

高速で移動するアシュセイバーの前に再びエージェントとアインストが現れる。

 

「やはり距離も速度も意味をなさんか・・・空間転移の戦術的応用、自分がやられると厄介極まりないな、コイツは!」

 

アクセルがぼやくと背後にもアインストが現れ、アシュセイバーは完全に取り囲まれる。

 

「アクセル・アルマ―・・・今の貴様はシステムのバグによって生かされているイレギュラーに過ぎぬ・・・デバックか・・・デリートか・・・選べ・・・」

 

「随分と流暢に喋るな?本当にアインストと同種の存在か疑わしいが。どちらもごめんだ・・・!」

 

アクセルが撤退を諦め交戦を決意した瞬間、アインストの群れに砲弾が撃ち込まれる。

 

「今度はなんだ!?」

 

戦車や戦闘機で構成された軍勢が押し寄せてくる。

 

「この世界の軍隊・・・?ごく普通の兵器、それも随分と旧式のようだが・・・ならば!」

 

アシュセイバーがガンレイピアを発射し、エージェントはそれを盾で防ぐ。

 

「行きがけの駄賃だ、受け取れ!」

 

その隙にエージェントを飛び越えるように通り過ぎ、その際にファイアダガーを浴びせる。その後全速でアインストの一群から距離を取り、あえて現れた軍隊とは別の方向に位置を取り、アインストを挟撃する形をとる。

 

「まさかあのアンノウン共がアレ以外を狙ってくるとはな・・・あの人型起動兵器、何かあるのか?」

 

派手なパワードスーツを纏った男が部隊の指揮官やとなりの科学者らしき男に尋ねる。

 

「該当なし、あちらもアンノウンです、プレジデント。」

 

指揮官がプレジデントに気を使うように報告する。

 

「ふむ、しかし機械であるだけあの連中よりは解りやすい。アンノウン共とは敵対している様子だが・・・単騎であの連中を相手取れる起動兵器、実に興味深い。」

 

「いかがいたしますか?」

 

黒いマスクで口元を隠した科学者らしき男がプレジデントの指示を仰ぐ。

 

「援護してやろう、とは言え通常兵器では限界がある、キミの商品を見せてもらおうか、アプファロン君」

 

科学者らしき男、アプファロンにそう伝える。

 

「仰せのままに、プレジデント。とくとご覧あれ!これがこの私、武装船団国家ナガーの邪学者アプファロンが生み出した起動兵器、ケルバーンとギガントでございます。」

 

戦車部隊の後ろからギガントが、上空からは無数の歪な大型戦闘機、ケルバーンが飛来する。

ケルバーンとギガントはアインストを次々と撃破していく。

 

「ふむ、ケルバーンにギガント・・・見事だ!」

 

プレジデントがケルバーンとギガントに感心していると、兵隊たちの後ろから武器商人のネプチュ~ンとバイオロイドのアンディ・ブラッドが現れる。

 

「プレジデント、次はこのアンディ・ブラッドをお試しください。」

 

ネプチュ~ンは自分の商品であるアンディをプレジデントに売り込む。

 

「アームズを内蔵したバイオロイド、人狼のアンディか・・・いいだろう。」

 

ネプチュ~ンはアンディの拘束を解く。アンディは指先をパキパキと鳴らす。

 

「さあ、アンディよ!貴様の実力を見せてやれ!」

 

「嫌なこった!」

 

アンディは一瞬で戦車を飛び降り、逃走する。

 

「まっ、待て~!?」

 

ネプチュ~ンもアンディを追って去っていった。

 

「何だったのだアレは?」

 

その姿にプレジデントは呆れた顔を見せる。

 

「興が削がれたな、アプファロン君、終わりにしてくれ。」

 

「承知しました、融機鋼、発動。」

 

アプファロンは血のような赤い鎧を身にまとうと一機のケルバーンに飛び乗りアインストの群れの上空に位置を取る。

 

「其処の人型起動兵器よ、聞こえるか?死にたくなければ直ちに移動し、部隊に合流しろ。」

 

アプファロンはアシュセイバーに呼びかける。

 

「何をするつもりか知らんが・・・他に選択肢がないな、コイツは。」

 

アクセルはアプファロンの指示に従い、戦車隊の方に移動を開始する。

 

「アシッドミスト」

 

アプファロンは腕のギミックにカートリッジを差し込み毒の霧を放射する。その霧は瞬く間に辺り包み込みアインストを溶かしていく。

 

「さて、そろそろアレの出番だ。期待させてもらうよ、中佐。」

 

指揮官がプレジデントの言葉にうなずき、部下に指示を出す。するとそこへ一機の戦闘機が飛来する。

 

「今度はF-15、それも一機だけだと・・・!?旧式にも限度がある、これがな。」

 

アクセルが旧西暦の戦闘機、F-15を見て怪訝な顔を見せる。

しかしそのF-15は通常の仕様とは違っていた。

 

「我がTDFワシントン支部が強化改修したF-15XX[ミッドナイト・イーグル]、単騎で戦況を覆すほどの火力を備えています。」

 

部隊の指揮官がプレジデントに説明する。

 

「エナジースパーク、発射!」

 

F-15XXのパイロットがトリガーを引くと、アインストの群れ全体を包み込むほどの爆撃が発生し、アインストを撃退した。

 

「単身でアインストを撃退するパワードスーツに異常な火力の旧型機、これがこの世界の軍隊なのか?」

 

アインストの出現が止み、アクセルはようやく一息ついた。

 

「ダグブールによって変貌したメディウス・ロクス、アインストを操るエージェント、そしてこの軍団・・・また派手な祭りになりそうだな、コイツは。」

 





【キャラクター出典紹介】

エージェント [ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦(SFC)]

【挿絵表示】


アプファロン [スーパー特撮大戦2001(PS)]

F-15XX ミッドナイトイーグル [アクウギャレット(AC)]

【ゲーム概要】

[ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]
1994年にスーパーファミコン発売されたRPG。
通常攻撃がランダムで変化する要素とか楽しいんですけど、問題はその攻撃が当たらないという点。体感で通常攻撃の半分くらい空振りしてる気がします。

[アクウギャレット]
1996年に稼働したアーケードゲームの縦スクロールのシューティングゲーム。私はクリアできません。
ゲーム本編内には一切描かれていないけど、デモ画面にチラッと映る主人公の二人にはちゃんと名前があって、ストーリーも存在するらしい。


【ちょっと語らせて】

スーパー特撮大戦において、自軍の戦力としてF-15をはじめとする実在の戦闘機や戦車が登場するのですが、どうせF-15を出すならならと思いアクウギャレットのミッドナイトイーグルを登場させました。
本当はUCMAの隊員で運用させたかったのですが、向こうはなんだかタイミングを逃してしまった。

エージェントについては、ガイアセイバーのラスボスであるシステムの設定がアインストと同じ過ぎて、こいつ等もう同種の存在でいいのではないかと思い、アクセルの前に登場させてみました。
カッコいいんですけど、戦闘スタイルが不明なので書きにくいんですよ。ガイアセイバーでは敵の攻撃はボスだろうとザコだろうと通常攻撃しかないので…。
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