スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters 作:舟太郎
「ワシントン支部?」
TDF極東支部の指令室でUCMA特殊部隊班のサワケンジ隊長がシュワルツ・V・ブランシュタインに尋ねる。
「ああ・・・ハンドガンナーズからオリジナルを購入する半グレや暴力団はジェイスワットによって次々と逮捕されている。彼らの働きは目覚ましいが、最近では別のルートで一般人にまでオリジナルが出回っているのは知っているな?」
「はい、購入者は一般の会社員や主婦、学生など、そのため銃の所持による逮捕者が後を絶たないと・・・」
「ワシントン支部の報告によれば、それらを売りさばいているのはニューヨークのギャング共だという話だ。それでそのギャング共を捕縛するためのチームがワシントン支部から派遣されてくる手はずになっている。」
「ワシントン支部はあの悪名高いプレジデント・マークの傀儡です。その情報もどこまで信用できるか・・・自分はむしろオリジナルを売りさばいているのはそのプレジデント・マーク本人である考えています!」
サワ隊長が話している途中でキタクラ班長が入室する。
「緊急事態です!現在、太平洋沖にてワシントン支部の輸送艦が正体不明の敵生体に襲われているとの情報が入りました!」
「・・・特殊部隊班は直ちに出動、と言いたいところだが、ここからでは間に合わんな。・・・彼女たち[同盟]に頼むとするか。」
シュワルツはそう言って通信機を手に取った。
△△△
「白虎絞」「パワーパンチ!」
アクセルがブラックマンに気を纏った掌底を喰らわせ、その後マークハンターが渾身の一撃を叩きこむ。
「ぐっ!・・・正気かてめえら!コレはてめえらの仲間の身体だぞ!」
ダメージを負ったブラックマンがアクセルたちに怒鳴る。
「操られた奴はとにかく殴る。」「それがエンドレスフロンティアの流儀だ、これがな」
「アンタたち結構仲良しなのね。」
ハリーがアクセルとマークハンターをそう評した。
「そろそろ遊びの時間がおしまいにいたしましょうか!」
プシュケルがそう言うと取り囲んでいたメカ魚類が船に突撃をはじめ、船が揺れる。
「きゃあ!?」
「・・・ハリー、マークハンター、こいつ等の相手は任せるぞ!」
「引き受けてもいいが、有料だぜ!」「アタシもご褒美が欲しいわね!」
「・・・。」
アクセルが無言で艦に積まれているコンテナに向かって走る。
「あら、連れませんのね。私の目当ても貴方だというのに、アクセル・アルマ―?・・・・ニュークレオン・パラライズ!」
プシュケルが高出力のエネルギー砲をアクセルに向けて発射する。アクセルが真横に飛びそれを避けるとニュークレオン・パラライズはコンテナに直撃した。
「ふん、開ける手間が省けた、これがな!」
コンテナは破壊され、その跡からアシュセイヴァーの姿が現れ、アクセルはすぐさま乗り込む。
「たしか遊びの時間は終りだったな?プシュケル!」
アクセルはそう言ってプシュケルにアシュセイヴァーで迫る。
「ええ、その通りでしてよ・・・おいで、デスタ!」
プシュケルがそう言うと、メカチョウチンアンコウから巨大な球体が飛来し、アシュセイヴァーを弾き飛ばした。
「ぐっ!?なんだコイツは!?」
球体は壺や土偶を思わせる歪なフォルムの人型メカに変形する。
「特機か・・・だが!!」
アシュセイヴァーは即座にシシオウブレードを構えディスタに斬りかかも、その刃は分厚い装甲に弾かれる。
「くっ!?見た目通りの耐久力か・・・!」
アシュセイヴァーは再び突撃していく。しかし海中からメカ魚類の群れがアシュセイヴァーを襲う。
『アクセル隊長、後退を・・・!』
そこへアシュセイヴァーに既存の回線から通信が入る。すると再び海面が波打ち、海中から戦車のような人型ロボット、ラーズアングリフが現れた。
「ラーズアングリフ、W17か!?それに、なんだソレは!?」
ラーズアングリフに続きその足元には更に巨大な潜水艦が浮上する。
「獅子王を持つ機人・・・・アレに乗っている男がお前の仲間か?ラミア・・・。」
潜水艦のブリッジで車椅子に座る高齢の女性がラミアに尋ねる。
「その通りでございますです、アリッサ・グリムズ会長。これよりアンノウン共に目にもの見せてくれてやりまするので魁龍改は私と同時に砲撃を!」
ラミアはオープンチャンネルに切り替え、車椅子の女性、アリッサ・グリムズにそう伝える。
「了解した・・・。各員、主砲発射シーケンス開始!朧天明、魂力砲の準備を。」
アリッサが発射管室に指示を出す。発射管室ではおよそ潜水艦に似つかわしくない黒い胡服の男、朧天明が指示を受ける。
「やれやれ、我が仙術をこのような無粋な兵器に使う事になろうとはな・・・小生は此方の部下ではないのだが・・・。」
朧天明はそうぼやきながら弾倉に張られた呪符に念を送る。
「魂力砲・・・撃―!!」
「リニアミサイルランチャー、マトリクスミサイル、ファランクスミサイル、全弾発射!」
アリッサの合図で魁龍改は主砲を発射し、それに合わせてラーズアングリフが全ミサイルを一斉にディスタとその後方のメカチョウチンアンコウに向けて発射する。
「続けて仕掛けるぞ!!」
そこへアシュセイヴァーがハルバードランチャーでデスタを追撃した。
▽
「派手にやってるわね~、近くにいると身体に害がありそうだわ。」
起動兵器の戦闘にシャッターを切りながらハリーがそう述べる。
「この俺を前にして随分と余裕じゃねえか?」
ブラックマンに乗り移ったヘルザークがハリーに襲い掛かる。
「わわ!?・・・ちょっとマークハンター、ちゃんと抑えときなさいよ!」
ハリーはメカ魚類の群れと交戦中のマークハンターに文句を言う。
「悪いがこっちも取り込み中だ!助けてほしけりゃ金を払え!」
「嫌よ!」
支払いを拒否するハリーに迫るヘルザークの前に、とつじょ魁龍改のデッキから紫髪黒づくめの女性が飛び移ってくる。
「アンタは・・・!?」
「タルクス、全くなにやってんだか・・・・ライトニングタックル!」
黒づくめの女はヘルザークに一瞬で踏みながら拳を叩きこむ。
「スピニングキック!」
その後、空中で回転しながら蹴りを繰り出す。
「ルナエクリプス!」「サマーソルトキック!」
黒づくめの女に続き、更に二人の金髪女性が現れ、のけぞるヘルザークに対し弧を描くような蹴りをそれぞれが繰り出した。
「マリー・・・、なんでアンタがこんなところに?」
ハリーが自分と同じ技を使う金髪の女性に話しかける。
「だらしないぞ、ハリー・ホプキンス!それでもP.O.Sを戦い抜いた参加者か!?」
「なんだ知り合いか?」
マークハンターがハリーに尋ねる。
「マリー・フィリップス、フィリップス・コンツェルンの現当主でアタシが以前参加した格闘技大会P.O.Sの主催者よ。それに制御体連合国家情報部の[黒騎士]、ミラ・ロマノア。環境保護団体ピースキーパーの工作員にして[レディ・ナイト]の異名を持つアームド・ファイター、ドミヌラ。そしてグリムズ商会会長、アリッサ・グリムズ。」
「それにあの戦車みてえな人型に乗ってるのはアクセルの部下か?・・・なんかあの声、聞き覚えがあるぜ。」
マークハンターはラミアの声を懐かしむように語る。
「援軍だとしたら助かるけど、一体どういう集団なのかしら?興味深いわね。」
「さしずめ、キャラ被り高飛車美女軍団ってところか・・・ぐわ!?」
マークハンターの言葉を聞いたマリー・フィリップスがケリを入れる。
「誰が高飛車だというのだ?」
「まあまあ、いいじゃないマリー。美女だって言ってくれてるんだから。」
黒騎士ミラ・ロマノアが髪をかき上げながらマリーをなだめる。
「我々は[同盟]。TDF極東支部司令官シュワルツ・V・ブランシュタインが立ち上げたGS構想の賛同者による組織です。」
それまで黙っていたドミヌラが口を開き、説明を始める。
「Gaia Save(ガイアセイヴ)・・・地球防衛か、大層な名前だぜ。」
マークハンターがガイアセイヴという言葉に反応する。
「その名の通り、地球圏に混乱をもたらすゴーストやテロリスト、それにこいつ等のようなアンノウンの討伐が現状の主な任務となります。貴方方が仕えるプレジデント・マークもグレーゾーンですが、シュワルツ指令は彼をこちら側に引き入れようと考え、同盟への参加を打診している最中です。」
「そこの銭ゲバはともかく、アタシは別にプレジデントに仕えては無いわよ。」
ハリーはそう言って三人の女性にシャッターを切る。
「そんなに褒めるなよ。」
マークハンターが銭ゲバ呼ばわりされ喜ぶ。
「そろそろいいか?」
ブラックマンの身体でヘルザークがそう述べると、崩れたヘルザークの身体の破片が組み合わさり、元に近い形に形成される。
「ヘルザーク、クラッシャーモード!」
ブラックマンが変形したヘルザークのボディーの上に乗ると、ヘルザークの四肢が切り離され、胴体と腕部が浮遊する。
「タルク・・・コイツは私たちが引き受けるわ。あなたたち二人は飛んでる奴をお願い。」
黒騎士ミラ・ロマノアがマークハンターとハリーに提案する。
「いいだろう、お前の提案を受けてやるぜ。だから金を払え。」
「アタシも、後で取材させてよ!」
ハリーとマークハンターはそう言って、再びプシュケルと対峙する。
「さて、こっちも始めますか・・・。」
黒騎士ミラもそう言ってヘルザークを見る。ヘルザークが浮遊する巨大な両腕を飛ばす。
「ソニックバスター!」
ミラの片腕が変形し、高出力のエネルギー砲がヘルザークの腕を打ち落とす。
「何だと!?」
ヘルザークが驚く。
「流石はあの電神魔魁と同型のサイボーグ義体だな。」
ミラの腕を見てマリーが感心する。
「マリー、私たちも攻撃を・・・!」
ドミヌラがマリーにそう促す。
「ウェーブシザーズ!」「ルナブレードスライサー!」
ドミヌラとマリーが蹴りによる衝撃波でヘルザークを攻撃する。その衝撃でヘルザークの上に乗っていたブラックマンの身体が投げ出される。
「タルクス、いい加減に目を覚ましなさい・・・マシンガンキック!」
無防備となったブラックマンに連続で蹴りを叩きこみ、最後はエネルギーを纏った拳でアッパーを繰り出した。
「ぐわーッ!?」
ブラックマンはその場に倒れ、その身体から再び脳が露出した怪人の姿が浮かび上がる。
『見事だぜ、お前ら。ここは負けといてやるぜ。』
「これは・・・まさか本物のゴーストが現れるなんてね・・・。私は幽霊課じゃないけど、あなたを逃がす理由が無いわ!」
ミラは再び腕を変形させソニックバスターを発射する。しかしその砲撃はダークブレインの幻影をすり抜ける。
『黒騎士、だったか?お前はいい女だが、サイボーグなのが残念だぜ・・・じゃあな。』
ダークブレインはそう言って姿を消した。
▽
巨大な球体が魁龍改に迫る。
「やらせるか!」「ブーストハンマー、アクティブ!」
アシュセイヴァーとラーズアングリフは巨大な球体、デスタを蹴りとブーストハンマーで攻撃しその軌道を反らす。
「・・・脚部への負担がでかいな。」
デスタを止めたアシュセイヴァーの脚部のダメージゲージが上昇する。
「艦首刀をつかう!魁龍改は一度潜航、両機は魁龍改のフォローを中断せよ・・・!」
アリッサがそう指示を出すと、魁龍改は艦首に搭載されている巨大な刃を展開する
「艦の先端に刃、まるでライノセラスだな・・・・単純な質量攻撃であの装甲を敗れるとは思えんが。」
「このままではらちが明かない。狙いは玉ではなく奴らの母艦、メカチョウチンアンコウ!」
「俺たちのフォロー無しでどうするつもりだ、デスタは明らかにその魁龍改を狙ってきてるぞ?」
「だからこそ反撃しやすい。」
再び球体となったデスタが海中の魁龍改に迫る。
「今だ!艦首急浮上!」
魁龍改は艦首から海面に現れ、艦首刀の峰でディスタを弾き返す。飛ばされたデスタはそのままメカチョウチンアンコウに直撃した。
「敵母艦の撃沈を確認しました。」
「・・・まるでピンボールだな・・・これが。」
▽
メカチョウチンアンコウの爆炎の中から無傷のディスタが姿を現す。
「チっ、まだ終わらないのか!?」
アクセルがそうぼやくとデスタのそばにプシュケルが飛来する。
「いいえ、ヘルザーク様もお引きになられたようですし、我々も今回はここまでにしておきますわ。」
「いいのか?この機を逃せば手痛いしっぺ返しが待っているぞ。」
アクセルは自身の経験からプシュケルに忠告する。
「フフフ、貴方にならしっぺをされるのも悪くありませんわ、アクセル・アルマ―。それでは皆様、ごきげんよう。」
プシュケルはそう言ってデスタと共に飛び去って行った。
「・・・助かりましたね、アクセル隊長。」
「ああ、奴らの行動原理は不可解だが、あのまま続けていればこちらが敗北していただろう。」
▽
「救援を感謝する、アリッサ・グリムズ艦長。」
「私の事は艦長ではなく会長と呼んでくれ、軍属ではないからな。」
アクセルはアリッサ・グリムズとあいさつを交わす。
「そろそろ収容作業が完了します。」
ブラックマンやハリー、輸送艦のスタッフと共に魁龍改に乗り移り、廃船同然の輸送艦もまるごと魁龍改に収容された。
「あなた達を極東支部へ送り届ければ私たちの任務は終了だ。しばらくは自由にしてくれ。」
「ああ、よろしく頼む、アリッサ・グリムズ会長。」
【キャラクター出典紹介】
ミラ・ロマノア [電神魔界(AC)/ゴーストチェイサー電精(SFC)][電神魔魁Ⅱ/ガーディアンズ(AC)]
朧天明 [電神魔魁Ⅱ/ガーディアンズ(AC)]
マリー・フィリップス(CV:石井直子)[幻影闘技(PS)][クリティカルブロウ(PS)]
ドミヌラ(CV:河原木志穂) [アームド・ファイター(PS)]
アリッサ・グリムズ [龍虎王伝記(漫画)]
デスタ [スーパーロボットピンボール(GBC)]
【ゲーム概要】
[電神魔魁Ⅱ/ガーディアンズ]
1995年に稼働したアーケードゲームのベルトスクロールのアクションゲームです。このゲーム、電神魔魁の続編であるらしいのですが、ゲーム中にテキストの類がほぼ皆無で、主人公たちも敵側の組織も一体どういう集団でなんで戦ってるのか謎です。ゲームタイトルが[電神魔魁Ⅱ]と[ガーディアンズ]の二種類存在することを考えると、設定が何も決まってない状態でとりあえず作り始めた可能性がありますね。当時のゲーム業界はかなりブラックですから。どちらにせよ現在ではこのゲームで遊べるところを見つけるのは困難ですが・・・田舎のゲーセンも潰れる一方だし。
黒騎士は1の見た目の方が好き。
【ちょっと語らせて】
スパロボユーザーからしたら、なんだか知らないキャラばっかり追加されてしまいましたね。たぶん今後もっと増えます。