スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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3話 バトル忍法帖(前編)

 

 

「TDFワシントン支部、外部スタッフのアクセル・アルマ―さんですね?TDF極東支部、UCMA警備班の北倉麻耶です。」

 

アクセルたちが同盟と分れ、TDFワシントン支部の輸送船で横浜ノース・ドックに入港すると、そこでは同じくTDF極東支部のキタクラ班長が出迎えていた。

 

「挨拶は結構だ。さっそくオリジナル密売に関する捜査資料を開示してもらいたい。」

 

「ホントにぶっきらぼうねアクセル。初対面の相手にその態度はないんじゃない?」

 

ハリーがアクセルの態度に苦言を呈する。

 

「それに関してはお前にだけは言われたくない・・・これがな。」

 

アクセルは初対面で蹴りを寸止めされたことを思い出しハリーに注意されたことに不満を感じる。

 

「・・・案内します。」

 

一行はキタクラ班長に連れられ、横浜ノース・ドックの施設内の資料室を訪れる。アクセル、ブラックマン、マークハンターに続いてハリーが室内に入ろうとした瞬間、キタクラ班長がそれを遮る。

 

「ここから先はマスコミの方はご遠慮ください。」

 

「ウソでしょ!?あの二人が良くてアタシがダメなの!!?」

 

ハリーとしてはマスコミNGは理解できるが、常時アーマー男と常時海パン男・・・特に後者が当然のように入室していることを考えると納得できるものではない。

 

「駄々をこねるなよハリー、仕方がないだろ?大人しく待ってな。」

 

この場にもっとも似つかわしくない海パン男がハリーをなだめ、扉を閉めた。

 

 

「これが今横浜で出回っているオリジナルです。」

 

キタクラ班長がアクセルに一丁の拳銃を見せる。

 

「確かに同じものだな。」

 

アクセルもプレジデントに渡されたオリジナルを一丁取り出し、その2つを見比べる。

 

「先日ニューヨークドミニオンで大量のオリジナルが盗み出された事件はこちらでも把握しています。そしてその犯行グループがこの日本に逃亡したことも・・・。しかしこの横浜では既にハンドガンナーズによって大量のオリジナルが出回っています。あなた方の追っているギャングが新たに販路を開拓するのは難しいかと・・・。」

 

アクセルはキタクラ班長の話を聞きながら捜査資料に目を通している。

 

「逆に考えればそのハンドガンナーズとやらを追っていけばギャング共とブッキングする可能性はあるんじゃねえか?」

 

ブラックマンが意見を言う。

 

「しかし専門の捜査機関ですらハンドガンナーズの詳細はつかめていません。この横浜を中心にオリジナルは確実に広がっているにも関わらず取引の実態が存在しないのです。」

 

「存在しない犯罪者、まるでゴーストだな。」

 

ブラックマンがキタクラ班長の話からゴースト犯罪者を連想する。

 

「・・・この加輪上重工というのは?」

 

アクセルが資料を見ながら訪ねる。

 

「我々TDFに協力してくれている日本の銃器メーカーです。TDF極東支部や日本の捜査機関に銃器を提供してくれている企業です。」

 

「銃器メーカーだと?日本でか?」

 

「はい、銃器のバリエーションやその生産能力はハバン社にも引けを取りませんよ。」

 

キタクラ班長は含みのある言い方でそう説明する。まるでオリジナルを製造しているのがハバン社であると言わんばかりの物言いである。

 

(ハバン社、盗まれたオリジナルを管理していた会社か・・・単なるペーパー会社かと思ったが・・・)

 

「オリジナルを製造しているのはハバン社なのか?」

 

アクセルは率直に尋ねる。

 

「えっと・・・、それを確認するために少しカマを掛けたつもりだったのですが・・・。」

 

「悪いが、つまらん腹芸に付き合うつもりは無い・・・。」

 

もはや己の立場というものを持たないアクセルはキタクラ班長に対して無遠慮に対応する。

 

「お前は何か知らないか?」

 

アクセルは制御体連合国家の内通者であろうブラックマンに目を向ける。

 

「俺にわかるわけないだろ?」

 

ブラックマンが開き直るようにとぼける。

 

「そうだな、当てにして悪かった・・・。という訳だキタクラ班長、俺たちは何も知らない。」

 

アクセルたちのやり取りに対し、キタクラ班長が怪訝な顔を見せたところで通信が入る。

 

「・・・了解しました。直ちに出動の準備を・・・!」

 

報告を聞いたキタクラ班長は相手にそう告げ、通信を切る。

 

「たった今、六本木でゴースト犯罪者が現れたとの報告が入りました!さらには大量の銃器を所持した民間人がゴースト犯罪者を相手に暴れているそうです!」

 

それを聞いたアクセルは口角を上げる。

 

「さっそく売りさばいているようだな。この仕事、意外と早く片が付きそうだ!」

 

 

▽▽▽

 

 

「パープル・ポット、いただき!」

 

チアリーディングの衣装を身につけた女子高生が2丁の拳銃でゴースト犯罪者を撃退していく。

 

「黄龍寺さん、危ない!」

 

後ろからチアリーダーの少女に迫る敵を別の少女が撃退する。その身体にはピンク色のアームズを身につけている。

 

「フォローありがとう。けど私の事は美依って呼ぶこと、いいわねフェイちゃん?」

 

銃を携えたチアリーダーの少女[黄龍寺美依]はアームド・ファイターであるフェイ・エムラにそう告げる。

 

「うん、美依・・・ちゃん」

 

フェイは少し照れた様子でそう呼ぶ。

 

「さあ、観念しなさいゴースト犯罪者!これが私達のお嬢様最強伝説の始まりってね!」

 

「私は別にお嬢様じゃないけど・・・。」

 

二人の女子高生はそれぞれゴースト犯罪者の討伐に当たる。

 

「調子に乗るなよ小娘が、俺たちを止められるか!」

 

「サイコ・アンプリファイア解放!柳仙打拳!」

 

フェイ・エムラは迫りくるゴースト犯罪者に向けてエネルギーを纏った拳を叩きこむ。

 

「やはり一筋縄ではいかないか・・・アームド・ファイターじゃない方を先に狙え!」

 

ゴーストたちは美依に狙いを定め取り囲む。

 

「何よそれ、私になら勝てるつもりかしら?だとしたら見当はずれってね!

 

黄龍寺美依は身の丈ほどのライフルを正面に構える。

 

「ドラゴン・ジュエル!」

 

「馬鹿め!挟み撃ちにされているのが解らないのか!?」

 

ゴーストは正面と背後から同時に近づいてくる。

 

「ふふん♪この可変式長銃ドラゴン・ジュエルを甘く見ない事ね!」

 

しかし美依が構えたライフルは前後同時に発砲し、それを撃退した。

 

「さあ!私のチアリーダ―殺法、見せちゃうから!」

 

女子高生はライフルをバトンの様にくるくる回転させながら乱射しゴースト犯罪者を次々と攻撃していく。

 

「ドラゴン・ジュエル、エクステンションモード!」

 

その後ドラゴン・ジュエルを折り曲げ二門の砲身から更に銃弾を発射していく。

 

「タイガー・ヒールもおまけしちゃう!」

 

更にはかかとに仕込んだ四連装銃で追撃を行った。

 

「なんだアレは・・・?アレもオリジナルなのか?」

 

現場に駆け付けたアクセルが女子高生をみて推測する。

 

「アレは黄龍寺財閥のご令嬢、黄龍寺美依・・・それにエムラ博士のご息女。なぜ彼女たちがゴースト犯罪者の相手を・・・?」

 

部下を連れて同行してきたキタクラ班長が女子高生を見てそう断言する。

 

「俺たちだけでよかったんだがな、これが。」

 

「そういうわけにはいきません、日本は我々極東支部の管轄ですので。」

 

UCMA警備班としては当たり前の出動ではあるが、自分たちだけでオリジナルの回収に当たりたいアクセルはやや迷惑そうな顔を見せる。

 

「彼女たちは知り合いか?」

 

「黄龍寺財閥はTDFをはじめとする数々の特殊機関のスポンサーでもありますので・・・。」

 

「となりで戦ってる娘のアームズもかなり高性能みたいだな。」

 

ブラックマンがフェイのアームズを見てそうつぶやく。

 

「つまり金持ちって事か・・・おいアクセル!早く助けるぞ!」

 

「ゴースト犯罪者相手に銃をとるお嬢様・・・隣のアームド・ファイターちゃんも絵になるし、いい記事が書けそうだわ!」

 

「・・・・お前ら。」

 

銭ゲバとハイエナがやる気を出すが、アクセルはその様子に呆れる。

 

「やるぞアクセル。ゴースト犯罪者を放っておくわけにはいかないだろ?」

 

ブラックマンも二人に続くように意見を述べる。

 

「なんでお前が一番まともなんだ・・・?」

 

アクセルたちは警備班と共にゴーストの掃討に当った。

 

 

▽▽

 

 

「防衛隊の皆さん、助けてくれてありがとうってね!」

 

ゴーストサイボーグをせん滅した後で黄龍寺美依が一同に礼を述べる。

 

「いえ、ゴーストへの対処は我々UCMAの職務ですので。」

 

キタクラ班長が美依にそう述べる。

 

「お前達の装備や動きを見る限り、余計な世話だったかもしれんがな。」

 

アクセルは美依とフェイを見てそう称賛する。

 

「ちょっとアクセル!相手は超VIPなんだから、もっと腰を低くへつらうように話なさい!ねえお嬢様!」

 

ハリーがアクセルを窘める。

 

「偉いのはあくまでもそいつの親だろう?」

 

「私は気にしないわよ、これでもお嬢様の中では寛大な方だから。」

 

美依は胸を張りそう主張する。

 

「そうか、それは助かる。ところでそれもオリジナルという銃器か?」

 

アクセルが美依の所持する銃器を見てそう訊ねる。

 

「あんな激安の量産品と一緒にしないで、これは超高級な特注品!」

 

「ちっ、ハズレか・・・やはり引きが悪いな、俺は・・・。」

 

「ハズレですって!?失礼しちゃう!むしろ大当たりでしょ!?」

 

ハズレ呼ばわりされた美依が不満げな態度をとる。

 

「こちらとしては金額はどうでもいいんだがな・・・。」

 

「どうでもいいだと?おいアクセル、聞き捨てならねえな!この世に金額より重要なことがあるってのか?」

 

アクセルの言葉にマークハンターが食って掛かる。

 

「お前は黙っていろ。話が進まん。」

 

「ふん、仕方がねえ、しばらくは黙っていてやる。ただし覚えておけ、俺の沈黙は有料だぜ!」

 

「いい加減にしろよお前・・・!」

 

アクセルはマークハンターに銃口を向け、発砲する。その弾丸はマークハンターではなく、その背後に居た影を撃ち抜いた。

 

「なんだ!?」

 

アクセルに撃たれた影がその場に倒れこむと、そこには丸太が転がっている。

 

「ぐわ!?」

 

警備班の隊員たちが次々に斬られていく。

 

「な、なに・・・!?」

 

突然の出来事にキタクラ班長が戸惑う。いつの間にか辺りは謎の忍者集団に囲まれていた。

その中から一際巨大な体格の忍者が現れる。

 

「フハハハハハ、我が名は攻牙忍軍棟梁、紫電!貴公らのお命、ワレが頂戴いたす!」

 

「ジャパニーズニンジャ!?」「ってことは今のが有名なウツセミって奴か!?」

 

突如現れた忍者にアメリカ人のハリーとブラックマンがテンションを上げる。

 

「・・・・忍者なら少しは忍んだらどうだ?」

 

そんな中、巨大な身体で堂々と名乗る紫電にアクセルがツッコむ。

 

「あらあら、アクセルさんだっけ?最近の忍者は割と派手なのよ、ねえ小五郎?」

 

美依がアクセルに告げ、誰となく呼びかけると同時に、紫電に向けて巨大な手裏剣が飛来し、下忍たちを一掃する。

 

「ぬう・・・何奴!?」

 

巨大手裏剣、[沙輪剣]が戻っていく先にあるビルの上に派手な若い男が立っている。

 

「よしなに、お嬢。」

 

そこに居たのは私立探偵にして天斉流忍術の使い手、天斉小五郎だった。

 

 




【キャラクター出典紹介】

黄龍寺美依 [プロジェクトクロスゾーン(3DS)]

紫電    [電神魔魁(AC)]


【ちょっと語らせて】

PXZのヒロイン、黄龍寺美依の登場です。正直言って美依にしろ小五郎にしろPXZを遊んでる限りでは「どんな動きをしているのかよくわからない」と言わざるを得ないのですが、せっかくなので限定版の設定資料集を元に装備を紹介しながら描写してみました。


紫電は電神魔魁のステージボスですが、SFC版である「ゴーストチェイサー電精」ではデータ容量の都合ででリストラされた可哀そうなキャラです。
部下の忍者たちは電神魔魁には存在しないのですが、ONIシリーズやムゲフロではフィールドモンスターとして忍者系の敵が現れるので、手下にちょうどいいと思い登場させてみました。

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