スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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4話 バトル忍法帖(後編)

「ここからはこの天斎流でお相手しようか、攻牙忍軍。」

 

「天斎流忍者だと?そんな流派は知らんわ、このモグリめが!」

 

「・・・ちょっと小五郎?」

 

まるで因縁の相手であるかのように登場した小五郎は相手に知られて要らず、場に妙な空気が漂う。

 

「・・・なにぶん、天斎流は個人経営なのでね・・・。」

 

「だから、そもそも忍者が有名でどうする・・・。」

 

目の前のやり取りを見ながらアクセルがそうツッコんだ。

 

「うわぁっ!?」

 

忍者たちが警備班の隊員を次々と攻撃していく。

 

「一人一人が下手なゴーストサイボーグよりも手練れね・・・各員警戒を!」

 

キタクラ班長が部下に告げるや否や、忍者たちは指揮官であるキタクラ班長に狙いを定め斬りかかる。

 

「平気かい、班長さん?」

 

寸前で小五郎が咄嗟に巨大な棒状の武器[如来刀]で割って入る。

 

「ええ、助かりました、天斉探偵。」

 

キタクラ班長が小五郎に礼を述べる。

 

「さてと、五柱砕き!」

 

小五郎はそれをよそに如来刀を振り回し、下忍たちを薙ぎ払う。

 

「忍者と言うには力技だな・・・」

 

「アンタらほどじゃないさ。」

 

小五郎の戦闘を見てアクセルがそう漏らすと、小五郎が他のメンバーを指さす。

 

「ストライクキック!」「ドリルヘッドバット!」「カタパルトスルー!」

 

マークハンター、ブラックマン、ハリーが三者三様に下忍たちを撃退していく。

 

「フェイちゃん、私たちも負けてらんないってね!」

 

「う、うん!」

 

マークハンターやブラックマンを見て美依やフェイも奮起する。

 

「タイガースタンツ!」「回踏脚!」

 

美依が下忍の一人を蹴り上げながらタイガーヒールの弾丸を浴びせ、そこからフェイが頭部を蹴り下ろすように上段回し蹴りを繰り出した。

相手が謎の忍者集団とは言え、手練れの前衛と警備班の援護により、戦況は徐々に押し始めていく。

 

「お嬢や依頼人も頑張ってるみたいだし、俺もやるかな?沙輪剣!」

 

「ふん、俺も後れを取るわけにはいかんな、烈火刃!」

 

小五郎が巨大手裏剣を、アクセルが燃える苦無を同時に紫電に向けて投擲する。

紫電は沙輪剣を避けながら烈火刃を切り払う。

 

「巨大手裏剣に燃える苦無・・・フハハハハ、忍者グッズで吾輩に挑むとはなかなかやるではないか!さてはお主ら、相当な忍者好きだな?」

 

「・・・違う!」

 

「俺は本物の忍びなんだがね・・・。」

 

アクセルと小五郎は紫電のテンションに負けそうになる。

 

「特別サービスだ、我が忍術の究極奥義を見せてやろう!」

 

紫電はそう言うと印を結び、8人に増えた。

 

「分身の術だ!」「ブラボー!」

 

ブラックマンとハリーが再びテンションを上げる。

 

「どうやら忍者好きは居るみたいだな・・・俺もすこしは忍者らしくした方が良いかな?」

 

「喜んでいる場合か・・・下忍たちだけでも厄介だというのに・・・」

 

そうこうしているうちにアクセルは紫電に取り囲まれる。

 

「ファイター・ビームボウ!」

 

「ぬわぁ!?」

 

アクセルがぼやいた瞬間、光の矢が紫電を貫く。上空にはバトルレーサーで駆け付けたファイターロアの姿があった。

 

「あれは、ファイターロア・・・コウタくんが来てくれたの!?」

 

キタクラ班長がファイターロアの姿を確認し声を掛ける。

 

「遅くなっちまったなキタクラ班長、それに・・・」

 

ファイターロアはバトルレーサーから飛び降り、アクセルを見る。

 

「無事だったみてえで何よりだぜ、アクセルさん。」

 

「お互いにな・・・コウタ。」

 

アクセルとファイターロアは軽く挨拶をかわし、紫電に対峙する。

 

「珍妙な輩が現れおったな、だが!」「一人増えたところで!」「我が忍術の!」「敵ではないわ!」

 

紫電の分身が四方向からコウタに迫る。

 

「くらえ!四本鉄球!!」

 

ファイターロアは前後左右に向けて同時に鉄球を発射し、紫電の分身を撃破した。

 

「フハハハハハ!それで終わりと思うなよ!」

 

上空から更に紫電の分身体がファイターロアに向けて刃を突き立てる。

 

「雷刃閃!」

 

次の瞬間、アクセルがミズチブレードを展開し、拳と蹴り、刃の連携で紫電を撃退する。

 

「なにぃっ!?・・・だがまだ分身は残っておるぞ!」

 

「それはこいつの事かい?」

 

そう声を掛ける小五郎の足元には七体目の分身が倒れていた。

 

「おのれ、こうなれば・・・刃零!刃零は居るか!?」

 

紫電がそう叫ぶと、突如その傍らに金髪を逆立てた忍びが現れる。

 

「殿は貴様に任せる、吾輩は退くのである!」

 

「・・・・御意。」

 

紫電は煙幕と共に姿を消した。

 

「おいおい、逃げちまったぞ!?」

 

「問題はない。それより気をつけろ、どうやら文字通り他の下忍共とは毛色が違う、これがな。」

 

アクセルはそう言って刃零と対峙した。

 

 

 

 

「逃げられると思ってんのか?」

 

逃げようとする紫電の前にブラックマンが立ちはだかる。

 

「むう、下忍どもはどうした?」

 

「アンタの手下なら全員倒しちゃったわよ。」

「もっと部下に給料を払うべきだな、奪う金が無かったぜ?」

 

反対からハリーやマークハンターも現れる。

 

「残ってるのはアナタだけってね!」

「美依ちゃん、小五郎さんたちもまだ向こうで戦ってるよ?」

 

美依とフェイ、警備班のメンバーも集まり、紫電を取り囲む。

 

「皆さん、彼らの目的や組織構成は謎のままです、出来る事なら捕えて・・・」

 

「ゴースト犯罪者を捉えることはできねえよ・・・ぶっ壊すだけだ!」

 

キタクラ班長が促すと、ブラックマンが異を唱える。

 

「その口ぶり・・・貴様さては幽霊課の人間か?」

 

「え?・・・幽霊課!?」

 

ブラックマンをTDFワシントン支部のスタッフだと思っていたキタクラ班長が幽霊課と聞いて驚く。

 

「フハハハハ、プレジデントに加担する者どもを消すよう言われておったが、それが制御体の回し者であれば吾輩が出向く必要もなかったな!」

 

「制御体連合国家?プレジデント?ブラックマン、あなたは一体・・・?」

 

次々と出てくるキーワードにキタクラ班長は困惑する。

 

「俺は・・・ただのセクシー魔中年だ。」

 

ブラックマンは苦しい誤魔化しを口にする。

 

「ちょっとお二人さん、話は後にしてくれない?」

 

ブラックマンが口を詰まらせているとハリーが割って入る。

 

「ハリーの言う通りだ、せっかく目的をゲロってくれたんだ、このまま雇い主も吐かせてやろうぜ?できりゃ金持ちであることを望むぜ。」

 

マークハンターも続けて戦闘を促す。

 

「フハハハハ、舐められたものだな!」

 

紫電は再び8人に分身した。

 

「まだ分身できるの?キリがないじゃない!?」

 

増えた紫電を見てハリーが項垂れる。

 

「ひょっとして金を持たせて分身させたら、金が増えるんじゃねえか?」

 

「せこっ!!」

 

マークハンターがせこいアイディアを口にし、美依が思わずツッコむ。

 

「(いいアイディアだと思っちゃったわね・・・。)」

 

ハリーは口には出さずにそう思った。

 

 

 

 

「玄武剛弾!」「ファイタートルネード」

 

アクセルとファイターロアが同時に拳から竜巻を発生させる。

 

「・・・・!」

 

刃零はその竜巻を引き裂くように回転しながら突撃してくる。

 

「やべえ!」

 

「地張忍法、火走り!」

 

突如、刃零に向かって炎が襲い掛かる。刃零は攻撃を中断し、後ろに退く。

 

「無事か、コウタ?遅くなって済まない。」

 

そこ現れたのは地張流の忍者、天地丸だった。

 

「いや、いいタイミングだぜ天地丸!」

 

コウタは天地丸に声を掛ける。

 

「・・・仲間か?」

 

アクセルがコウタに訪ねる。

 

「ああ、地張流忍者、天地丸だ。」

 

「地張流・・・たしか戦国時代に滅んだはずの流派だが・・・?」

 

小五郎が地張流という言葉に反応する。

 

「・・・・燃!」

 

そこへ刃零が再び攻撃を仕掛けてくる。

 

「せっかちな御仁だな、いま、取り込み中なのが見てわからないのかねぇ?」

 

刃零の炎を纏った拳を小五郎は如来刀で防ぐ。

 

「・・・天斉流の如来刀。」

 

「ほお、棟梁さんとは違って、おたくは天斉流をご存じのようで?」

 

「・・・・影久。・・・・魔輝。」

 

刃零は背中に背負った二本の刀を抜き、小五郎に斬りかかる。小五郎の方も如来刀の両端をパージし二本の刃を取り出し、刃零の斬撃を受けた。

 

「会話にならないか、ちょっと苦手なタイプかな・・・。」

 

小五郎と刃零がそのまま高速で戦闘を開始する。

 

「コウタ、髪を逆立てた奴が敵でいいんだな?」

 

「ああ、俺も飛び入りだが、それであってるはずだぜ。」

 

「敵の集団は攻牙忍軍、あのチャラい男は天斉流忍者を名乗っていた。」

 

アクセルが二人に軽く説明する。

 

「速すぎて援護できねえ!っていうかアイツ強すぎねえか!?」

 

「ああ、明らかにあのデカい紫の奴より実力は上だな・・・だがいずれ仕掛けるタイミングは来る、その機を逃すなよ。」

 

「天斉流と攻牙流・・・。ならばその機は俺がつくろう。」

 

天地丸はそう言って鬼雷石を掲げ、魔封童子へと変身した。

 

 

 

 

「むう、アレは伝説の鬼、魔封童子!?」

 

「ドラゴンバトラー!」

 

紫電が魔封童子の登場に驚いていると、黄龍寺美依がその頭部をドラゴンジュエルで殴りつけると同時に発射された銃弾が紫電を貫いた。

 

「貴様!?このタイミングで攻撃するとは、どういう了見であるか!空気が読めぬにもほどがあるぞ!!」

 

美依の一撃で分身の一体が消え去り、紫電が怒る。

 

「なによう!勝負の最中によそ見する方が悪いんじゃなくって!?」

 

「いや、今のはお嬢ちゃんが悪いぜ。あんなのが現れたら普通は見蕩れるだろ?見ろよハリーなんてあの通りだぜ。」

 

ブラックマンが美依にそう促すと、ハリーが魔封童子に向けてシャッターを切りまくっていた。

 

「ジャパニーズオーガ!実在していたなんてスクープだわ!・・・・って、あれ?」

 

ハリーが写真を確認すると、そこに写っていたのは魔封童子ではなく天地丸の姿だった。

 

「こないだのオウマの連中といい、どうなってんのかしら。まああのニンジャボーイはニンジャボーイで良い被写体だけど・・・。」

 

「ハリーさん、そのカメラ貸してみてちょうだい?」

 

美依がハリーのカメラを借り、魔封童子を撮ると今度はしっかりと魔封童子の姿が収められた。

 

「・・・どうやったの?」

 

「ふふん♪昔から私が写真を撮るとだいたい心霊写真になるのよ!すごいでしょ?」

 

「心霊写真かそれ・・・?普通は逆に見えないものが写るんじゃねえか?」

 

様子を見ていたブラックマンがそうツッコむ。

 

「おいおい、まだ終わってねえのか?」

 

他の分身体を撃退したマークハンターやフェイ・エムラ、警備班のメンバーが集まってくる。

 

「どうやら、後はお前で終りみたいだな?観念しな、ゴースト犯罪者!」

 

「各員、集中砲火を・・・!」

 

キタクラ班長の合図で隊員たちが紫電に向けて砲撃する。

 

「フレイムブリット、やぁってやるぜ!」

「ドラゴンジュエル、エクステンションってね!」

「私もいきます、掌底烈波!」

「必殺、ゲタストライク!」

「アタシ、飛び道具なんて持ってないけど・・・」

「仕方ねえな、ゲタを片方貸してやるぜ!」

「要らないわ・・・。」

「そうか、だったらこっちも俺が使うぜ、ゲタフレイム!」

 

ブラックマンたちの一斉攻撃によって紫電は撃破された。

 

 

 

 

「伝説の鬼神、魔封童子・・・まさか本当に地張忍者なのか?」

 

魔封童子の姿を見て小五郎が柄にもなく驚きを見せる。

 

「その通りだ、天斉流。攻牙流の相手は俺がする。」

 

魔封童子はそう言って刃零と対峙する。

 

「韋駄天の足袋!」

 

天地丸は目には見えない程の超高速で刃零に接近し、連続で打撃を喰らわせていく。

 

「・・・!?」

 

刃零はたまらず後ろに下がるが、その背後には既に魔封童子が回り込み、強烈な蹴りで地面に叩きつけられた。

 

「やれやれ、俺があれだけ苦戦していた相手をこうも容易く倒されると立つ瀬がないな・・・。」

 

小五郎が軽い口を叩きながら落ち込む。

 

「まだだ!」

 

アクセルが声を上げると刃零が土煙の中から立ち上がり、その周りに冷気の馬、炎の鳥、そして雷の龍が現れる。

 

「・・・・破!!」

 

馬、鳥、龍が連続でアクセルたちに迫る。

 

「・・・コウタ、いけるか!」

 

アクセルがコウタに合図を送る。

 

「やっと出番か、待ちくたびれたぜ!バーナウ・ファー・・・・ファングとドラグ!」

 

「青龍麟!」

 

ファイターロアが光の狼の群れと炎の龍を、アクセルが光の気砲を刃零の技にぶつけ、互いの技が相殺されたエネルギーが爆発した。

 

 

 

 

「こりゃ派手にやらかしたもんだな・・・?」

 

「六本木がボロボロね・・・。」

 

ブラックマンや美依が合流し、辺りを確認する。

辺りは広く損壊し、六本木広場中央の噴水が普段より大量に水を吐き出している。

 

「紫電は仕留めたのか?」

 

アクセルがブラックマンに尋ねる。

 

「ああ、けっきょく奴の雇い主は解らずじまいだったがな。」

 

「それよりもあなた達はワシントン支部のスタッフではないんですか?」

 

「アクセルさん、いろいろと話し合いてえんだけど・・・?」

 

「お、コウタじゃねえか?久しぶりだな、金くれ!」

 

「コウタくんは彼らと知り合いなの?それにそっちの彼は・・・?」

 

「そうそう、地張流忍者の天地丸だったかな?俺もあんたと話たいんだがね・・・?」

 

「あらあら小五郎?その前に救援が遅かったことについてこの私に言い訳をするべきじゃないかしら?」

 

「そもそもお嬢様たちが最初に戦ってた連中はニンジャたちと関係あるのかしらね?」

 

各々がそれぞれ疑問を口にし場が混乱する。

 

「えっと・・・あの、どうしたら・・・?」

 

フェイがその状況にオロオロしながらアクセルに問いかける。

 

「俺に質問をするな。」

 

アクセルは諦めた様子でそう答えた。

 

「とりあえず、戦闘は終りでよさそうだな・・・?」

 

「さもありなん。」

 

ファイターロアがそう言って変身を解除すると、魔封童子も鬼雷石を掲げ天地丸の姿に戻る。すると突如噴水が割れ、中から刃零が現れる。

 

「なに!?」

 

「・・・疾!」

 

刃零は手裏剣を投擲し、天地丸が持っていた鬼雷石を弾き飛ばした。

 

「しまった!?」

 

「よくやったぞ刃零!」

 

そこに紫電が現れ鬼雷石をキャッチする。

 

「あの野郎、まだ残ってやがったのか!?」

 

「こんなこともあろうかと本体はあらかじめ隠れておったのだ!鬼の力が封じられし石、この紫電がしかともらい受けた!さらばだ!」

 

紫電が煙幕で姿をくらまし、そして刃零もその姿を消していた。

 





【キャラクター出典紹介】

刃零  [電神魔魁2/ガーディアンズ(AC)]


【ちょっと語らせて】

刃零はガーディアンズでのプレイヤーキャラの一人で、本来は敵キャラではないのですが、味方キャラが渋滞しているのでとりあえず敵勢力として登場させてみました。
朧天明の時にも語りましたがガーディアンズには会話やストーリーが無く、刃零の性格や設定、技名などが不明なので、もう無口キャラでいいやと思いこんな感じになりました。(イメージ的には戦国無双の半蔵に引っ張られてます。)
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