スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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時系列は少し戻って[4話 バトル忍法帳(後編)]の後になります


7話 Rの系譜(前編)

 

「悪いなアクセルさん、積もる話もあるが今は天地丸を追わねえと・・・!」

 

コウタはバトルレーサーを吹かせながらアクセルに告げる。

天地丸は既に鬼雷石を奪い逃走した攻牙忍軍を追い、立ち去って行った後である。

 

「構わんさ、手伝ってやりたいが、こちらも今はそっちに協力してやる余裕はない」

 

「構わねえさ。んじゃ、お互い落ち着いたら合流しようぜ!」

 

コウタはそう言い残して飛び去って行った。

 

「忙しい奴だ、これがな。」

 

アクセルは特に心配するそぶりもなく見送った。

 

「一緒に行ってやらなくてよかったのかい?」

 

天斉小五郎がアクセルに尋ねる。

 

「最低限の情報交換はできた、コウタなら自分で何とかするさ。貴様こそ、攻牙忍軍やあの天地丸とやらにご執心のように見えたが・・・?」

 

「無論、気にならないわけじゃないが・・・今はまずは今受けてる依頼が優先かな?俺にも生活があるんでね・・・。」

 

アクセル達はその後、天斉からの情報により分かったギャングたちの潜伏先である渋谷に警備班と共に向かっている。

 

「あら小五郎、家庭教師としての報酬だけじゃ足りないのかしら?随分と払ってるはずだけど?」

 

黄龍寺美依が小五郎をネチネチと責め立てる。

 

「何!?だったら俺が変わってやるぜ、家庭教師!」

 

となりで聞いていたマークハンターがしゃしゃり出る。

 

「悪いけど遠慮しておくわ、マンハッタンさん」

 

「マークハンターだ!名前を間違えるとは失礼なヤツだ、慰謝料寄こせ!」

 

「軽口にしても酷いやり取りだな。」

 

小五郎が美依とマークハンターのやり取りを見て思わずツッコんだ。

 

「それで天斉、貴様が受けている依頼とやらが俺たちが追っている連中とどう絡んでいるんだ?」

 

アクセルが改めて尋ねる。。

 

「・・・アンタらはギャング共が盗んだのは[オリジナル]だけだと思ってるようだが、どうやらそれだけじゃないってことさ・・・なあ班長さん?」

 

「はい、少し前にTDFの研究所が襲撃され、研究中のある薬品が盗まれるという事件が発生しました。報告によれば犯人たちは大量の銃器を所持した集団で、その中にはナイフを使う凄腕の格闘家と、黒いアームド・ファイターが混ざっていたと・・・今考えると、アクセルさんたちが追っている連中と一致するのではないかと・・・。」

 

キタクラ班長が小五郎に促され、端末で犯行時の映像を見せながら説明する。

 

「・・・このナイフ使いの方はたぶんボビー・ロギンズね。」

 

映像を見てそう答えたのはハリーだった。

 

「昔はニューヨークのスラムでストリートファイトに明け暮れて荒稼ぎしてたんだけど、POSに出場してからは挑んでくる相手が居ないって嘆いてたわ。」

 

「つまり金のために悪党に手を貸してるって事か、気が合いそうだぜ!」

 

マークハンターがハリーの説明にそう納得する。

 

「合うな。・・・この黒いアームド・ファイターに関しては何も聞いてないな、これが。」

 

「そのアームド・ファイターの確保こそが俺の仕事なのさ、なあ依頼人さん?」

 

小五郎が依頼人と呼ぶフェイ・エムラにそう確認する。

 

「はい、映像を見る限り、顔が父に似ている気がするんです。目元は隠れてるし、体格は全然違いますけど・・・。それにあのマーク・・・。」

 

フェイは映像に写るアームズに施された[黒い山羊]、プロジェクト[GOAT]のマークを険しい顔で見つめる。

 

「エムラ博士と言えばアームズ開発の第一人者・・・仮に自分用の高性能なアームズを開発したとしてもギャングに加担する理由も見当たりませんが・・・。」

 

「そもそも貴様の父親とやらは戦える奴なのか?」

 

アクセルがフェイに尋ねる。

 

「いえ、戦うどころか身体を動かしてるところすらあまり見たことがありません。私の太極拳も母に教わったものですし・・・。」

 

「とにかく、連中の潜伏先は教える。ただし俺たちの目的はあくまでも黒いアームド・ファイターのみ、現地では別行動を取らせてもらう。」

 

「ああ、俺たちの邪魔にさえならなければそれで構わん、これがな。」

 

「よしなに、アクセル・アルマ―。」

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「さて、天斉からの情報によればこの先が連中の潜伏先か・・・」

 

人気のない渋谷の街を見てアクセルがつぶやく。小五郎、美依、フェイの三人は既に別行動を取っている。

 

「盲点でしたね、まさか特別閉鎖都市である渋谷に例のギャングたちが潜伏してるなんて・・・。」

 

それに答えたのはキタクラ班長だった。

 

「仕方あるまい、担当している特務機関は深刻な人手不足だそうだからな。」

 

「アクセル、なんでアンタがそんなことを知っているのよ?」

 

ハリーはこれまで世間の事をまるで把握していなかったアクセルが初めて自分から情報をほのめかしたことに疑問を持つ。

 

「少しな・・・。ひょっとすると知り合いかもしれんというだけの話だ。」

 

アクセルが言葉を濁す。とそこで多数の銃声が聞こえてくる。

 

「ひょっとして既にこの近くで既に戦闘が・・・?」

 

 

▽▽

 

 

「こやつらが報告にあったニューヨークのギャング共じゃな?」

 

「この渋谷に立てこもるとはな・・・閉鎖区域の危険性を理解できていないらしいな。」

 

頭部に傷を持つ赤いジャケットの大男と、まるで狐の尾のようなポニーテールをなびかせたチャイナドレスの少女が銃を構えギャングたちに応戦している。

 

「それにしても今時ギャングとはのう・・・現れるなら渋谷より池袋じゃろ。」

 

「それも今時じゃないがな。」

 

「ブクロサイコ~!」

 

ポニーテールの少女、小牟は飛び跳ねながらそう叫ぶ。

 

「少しはやる気を出せ、小牟!」

 

「とは言ってもの、零児・・・わしらこないだまでやれアインストだの修羅だのアグラッドヘイムだのを相手しておったんじゃぞ・・・今更こんな人間の小僧共の相手など拍子抜けもいいところじゃ。」

 

「普通の人間にも数多くの猛者が存在することは十分に知っているだろう?」

 

大柄の男、有栖零児はかつて共に戦った教師やサラリーマンを引き合いに出す。

 

「いやそれ全然〈普通の人間〉ではないじゃろ・・・。まあ、最近じゃ神室町の方でもやたら強いヤクザ関係の連中や無敗の弁護士が幅を利かせとるらしいし、ギャングと言っても侮れんかもしれんがの・・・。」

 

「ああ、それに・・・・」

 

零児はギャングたちの奥のスクランブル交差点の中央を見る。

 

「渋谷の真ん中にあんなものはなかったはずだ・・・」

 

そこにはあるはずのない、巨大な謎のオブジェクトが設置されていた。

 

「なんの変哲もないデザインだが、ゆらぎに似た不気味な気配を感じる。」

 

そんな話をしている間もギャングたちは二人に発砲し続ける。

 

「しかし調べるにしても、こやつ等が邪魔じゃの。数も多いし、明日でよくない?」

 

「明日こいつ等が居ないんならな・・・仕掛けるぞ、銃の型!」

 

零児は木属性のショットガン[ 柊樹(ハリウッド)] と金属性の大型拳銃[金(ゴールド)]で、小牟は二丁の拳銃[シルバー][プラチナ]で応戦した。

 

 

「クソっ!なんなんだアイツらは!?」

 

ギャングの男が苛立ちながら叫ぶ。

 

「落ち着けよ、ビフ。手練れとは言え相手は立った二人だ、数で押し切ればなんとかなる!」

 

「悪いが、そうはならん、これがな!」

 

零児と小牟を相手取るギャングたちの背後からアクセル達が現れる。

 

「なんだお前たちは・・・!!?」

 

ギャングたちがアクセルや警備班に向けて発砲してくる。

 

「おっと、やらせねえぜ!」

 

マークハンターがマンホールのフタを盾にして銃弾を防ぐ。

 

「思っていたよりも敵の数が多いが・・・。」

 

「例の黒いアームズやボビー・ロギンズは見当たらないな。」

 

アクセルとブラックマンが戦況を見て呟く。

 

「二手に分かれるぞ、ここは俺とマークハンターで引き受ける。ブラックマンとハリーは周囲の捜索に当れ。キタクラ班長、警備班の隊員も二人ほどそっちに回したいが・・・」

 

「なに偉そうに仕切ってんのよ、アクセル。」

 

ハリーがアクセルに物申す。

 

「いえ、了解しました、私もそれがベストな布陣だと思います。・・・あの、アクセルさんは部隊を指揮した経験がおありで?」

 

「まあ、多少はな・・・。ただ、俺は自分でやる方がいい!」

 

アクセルはそう言って戦闘を開始する。

 

「全く、勝手なんだから・・・。」

 

「だが俺たちの目的があくまでオリジナルである以上、悪くない判断だぜ。ボビー・ロギンズは知り合いなんだろ?ハリー、お前次第ではこっちに引き込めるんじゃないか?」

 

「ま、話の通じない奴じゃないけど・・・仕方ないわね。行くわよ、オオムラ、マナカ。」

 

「よろしく頼むぜ!」

 

ハリーとブラックマンは隊員を引き連れてその場を後にした。

 

 

アクセルとマークハンター、キタクラ班長と残りの警備班はギャングを討伐していく。

 

「また会ったな、有栖零児、小牟。」

 

アクセルはかつてエンドレスフロンティアで共に戦っていた二人に声を掛ける。

 

「・・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

アクセルの振る舞いを見ていた零児と小牟が黙る。

 

「何を黙っている?」

 

「いや誰じゃよお主は?」

 

「・・・俺が解らないだと?まさか平行世界の同一人物なのか?・・・俺の知るお前達とは違う存在という事か・・・。」

 

二人を前にしてアクセルが一人で考え込む。

 

「逆じゃ逆!お主の方がわしらの知るお主と別人過ぎるじゃろ!?なんじゃそのキャラ変は!?アホに戻れ!」

 

アクセルが一人で何かを納得しようとしたところで小牟が怒涛のツッコミを入れる。

アクセルはエンドレスフロンティアから帰還する直前に記憶を取り戻し、元の人格に戻った。零児や小牟とはその前に別れているため、彼らの中でアクセル・アルマーは陽気な人間という認識になっていた。

 

「細かい話は後だぜ、お二人さんよ。今はこいつ等を叩くのが先決だ!」

 

「マークハンター、お前もいるのか・・・。」

 

零児がマークハンターを見て微妙な顔を見せる。

 

「なにやら面倒な事になっとるようじゃな?さっさと済ませるかのう!」

 

各自が現状を理解しギャング共を取り囲んだ。

 

 

「もう終わりです、大人しく投降しなさい!」

 

キタクラ班長がギャングたちに告げる。

 

「ニッポンのTDFか・・・おいゲイリー、こうなったらアレを使うぜ!」

 

「ちっ、せっかく奪ったのにこんなところで使う事になるとはな。」

 

ギャングたちはそれぞれに懐から錠剤を取り出し、一斉に飲み込んだ。

 

「アレは、研究所から盗まれた・・・!?」

 

ギャングの一人、ビフが一瞬で距離を詰め、警備班の一人をなぎ倒した。

 

「急に動きが・・・!キタクラ班長、あの薬はなんだ!?」

 

「気を付けてください!アレはソウルタブ、服用者の気力を上げることで戦闘力を上昇させる薬です!」

 

ソウルタブによって気力が上昇したギャングたちがアクセルや零児たちに迫る。

 

「皆さん警戒を!」

 

キタクラ班長がそう促す。

 

「いい気分だぜ、このまま潰れな!」

 

「気力を上昇させ戦闘力を高める薬品、それが本当ならば大した代物だが・・・ふん!」

 

アクセルは自らの気迫で気力を上昇させる。

 

「そもそも、気力を上昇させるのに薬など必要ない・・・これがな!」

 

「ぐあっ!?」

 

カウンターでビフを蹴り倒した。

 

「ビフ!?この野郎!!」

 

仲間のビフをやられたゲイリーがアクセルの方に振り返る。その隙に零児が背後から接近し、脇差の刃をゲイリーの肩にのせる。

 

「・・・地禮。」

 

土属性の脇差、[地禮]から発せられる電流によってゲイリーも気絶した。

 





【キャラクター出典紹介】

有栖零児(CV:井上和彦) [ナムコ✕カプコン(PS2)][無限のフロンティア(DS)][プロジェクトクロスゾーン(3DS)]


小牟(CV:南央美)    [ナムコ✕カプコン(PS2)][無限のフロンティア(DS)][プロジェクトクロスゾーン(3DS)]「勇現会社ブレイブカンパニー(3DS)」


ニューヨークのギャング  「ガイアセイバー(SFC)」


【アイテム紹介】

マンホールのフタ  ガイアセイバーに登場する装備品「盾」

ソウルタブ     スーパー特撮大戦の強化パーツ


【ちょっと語らせて】
ニューヨークのギャングですが、別に敵キャラとかではなく、ガイアセイバーにおけるニューヨークに住む村人でしかありません。プレジデント・マークを登場させた際にニューヨーク関連で絡めたかったのですが、タイミングを逸して日本で喧嘩することになってしましました。
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