スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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8話 Rの系譜(中編)

 

「おい、どうするよアーサー、ビフとゲイリーがやられたみたいだぜ?」

 

渋谷の地下鉄乗り場で、銀髪をオールバックにまとめたジャケット姿の男がギャングのリーダーであるアーサーに語り掛ける。

 

「あわてるなよボビー、さっさとこの盗み出したブツをこの電車に運びこむんだ・・・」

 

アーサーのがボビーと他の手下たちに指示し、動いていないはずの地下鉄列車に大量のオリジナルとソウルタブを詰め込んでいく。しかしそこへ侵入者が現れる。

 

「やはり使われていない地下鉄を利用していたか、俺の推理も捨てたもんじゃないな・・・。」

 

「小五郎先生は名探偵ってね!」

 

「美依ちゃん、それ伝わらないと思うよ。」

 

天斉小五郎、黄龍寺美依、フェイ・エムラの三名が現れ、臨戦態勢を取る。

 

「なんだテメエらは!?邪魔すんじゃねえよ!」

 

ギャングの下っ端が食って掛かる。

 

「輝く未来を抱きしめて!愛のお嬢様、黄龍寺美依ってね!」

 

「あ、それは結構伝わるかも・・・!」

 

「お嬢、こういうならず者に対してはあまり堂々と名乗らないでほしいんだがね・・・。」

 

三人はそんな軽口を叩きながらギャングたちを倒していく。

 

「なあ、アンタら、仕事の邪魔しねえでくれるか?」

 

ボビー・ロギンズが三人の前に立ちはだかる。

 

「どこが仕事よ!この日本で銃を売りさばこうなんて、この私が許さないんだから!」

 

「どの口が言ってんだ?お嬢ちゃん!」

 

銃を振り回す美依にツッコみながら、ボビー・ロギンズはナイフによる近接戦闘を仕掛ける。

 

「ドラゴンバトラー、ちぇりおー!」

 

ボビーはドラゴンジュエルを蹴りで止める。

 

「なんだそのへんな掛け声は?」

 

「ふふん、これは示現流の達人が相手を斬り伏せる際に気合を入れる掛け声よ!」

 

言うまでもないが示現流の達人が使う掛け声は「チェスト」である。

 

「なるほどな、相手に止めを刺す際には別れの言葉って事か、なかなか洒落てんじゃねえか・・・だったら俺も使わせてもらうぜ、cherio!」

 

ボビーが何故か納得しながらナイフで斬りかかる。それは割って入った小五郎によって止められた。

 

「てめえだな、俺たちをコソコソと嗅ぎまわってたやつは・・・こっちも少しは調べてんだぜ、私立探偵の天斉小五郎!」

 

「知ってくれていて光栄だね、P.O.Sの参加者、ボビー・ロギンズ。しかし感心しないな、アンタほどの男がこんなつまらない事に手を貸すとはね・・・」

 

「うるせえよ、ロッポンギのど真ん中にオフィスを構えるほど稼いでるアンタと違って、俺には金が必要なんだよ!」

 

「あら、あのオフィスは黄龍寺財閥が用意したもので、小五郎が自分で稼いで構えた物件じゃないわよ?」

 

「そうだったんですか!?」

 

美依の言葉にフェイが驚く。

 

「・・・お嬢。」

 

「てめえ、ヒモのくせに偉そうに説教垂れようとしやがったのか!?」

 

ボビーが怒りながら小五郎に斬りかかり、小五郎は如来刀でそれを止める。

 

「火遁!八双刃!」

 

小五郎は指先から炎を放ち、続けて足に仕込んだワイヤー付きの刃で攻撃する。

ボビーはナイフで炎と八双刃を順に切り払う。

 

「キラージャイロ!」

 

その後、小五郎に向けてジャイロ回転の空中体当りを繰り出すが、その攻撃は小五郎すり抜け、次の瞬間にはボビーの後ろを取っていた。。

 

「何だと!?」

 

「終わりだ、ボビー・ロギンズ・・・。」

 

小五郎は如来刀を抜き、斬りかかる。

 

「ちっ!ブラディアクシス!」

 

ボビーもそれを防ぐように両手でナイフを持ち、回転しながら舞い上がり、小五郎を弾き飛ばした。

 

「大したナイフ捌きだが・・・ただそのナイフ捌き、日本じゃ二番目だ・・・。」

 

小五郎が探偵らしいセリフを口にする。

 

「俺はアメリカ人だっての・・・。」

 

 

「すごい・・・。」

 

小五郎とボビー、両者の戦闘を見てフェイが驚く。

 

「ほらほらフェイちゃん、驚いてる暇はないわよ。」

 

「うん、そうだね。私たちも・・・・」

 

美依に促され、フェイがファイティングポーズをとるが、しかし・・・

 

「小五郎が頑張ってるんだから私たちも応援しなくちゃ・・・フレー!フレー!こ・ご・ろ・お!!」

 

美依はそう言ってチアリーディングの動きで応援し始めた。

 

「ええぇ?・・・えっと、ふ・・・ふれー、ふれー・・・・」

 

「有難いね、全く・・・。」

 

声援を聞き、小五郎がまんざらでもない態度を取る。

 

「ケッ!ヤングガールをはべらせてご満悦かよビーコック!ニッポンじゃそう言うの、パパ活ってんだろ?」

 

「人聞きが悪すぎるかな・・・羨ましいからって拗ねないでもらいたいね。」

 

小五郎が挑発するようにそう返す。

 

「クソ!おい野郎ども俺たちも負けずにボビーの応援だ!GO Boby!」

 

「Boo!」「Go to hell!」「Eat dog shit and die!」

 

ギャングたちがドスの効いた声を上げる。

 

「酷いな・・・特に最後の・・・。」

 

それはボビーへの応援ではなく、小五郎に対する罵倒だった。ちなみに最後のヤジは「犬のクソ食って死ね!」である。

 

「このままこいつ等に時間をとられるわけにはいかねえか・・・ダスタードの準備だ!」

 

アーサーがそう言うと、電車の中から巨大な黒い男が現れる。

 

「映像に写っていた、黒いアームド・ファイター!?」

 

「・・・お父さんなの!?」

 

フェイが黒いアームド・ファイター、ダスタードを見てそう声を掛ける。

 

「アームズノ反応ヲ確認、排除開始」

 

ダスタードから機械的な音声が発せられ、フェイに襲い掛かる。

 

「これは・・・お父さんじゃない!?」

 

フェイはそう言って咄嗟にダスタードの拳を避ける。

 

「フェイちゃんのパパどころか、人間ですらなさそうってね!」

 

美依はそう言いながらダスタードに向けて発砲する。

 

「フォースフィールド・・・展開。」

 

しかし銃弾はダスタードのバリアによって阻まれる。

 

「HA,HA,HA!どうだ驚いたか!コイツはオリジナルと一緒に手に入れたアームズ内蔵型戦闘用アンドロイド、[ダスタード]だ!」

 

アーサーが得意げにダスタードを紹介する。

 

「戦闘用機動強化服であるアームズをアンドロイドに組み込むなんて本末転倒もいいところだな。」

 

小五郎が嫌な指摘を口にする。

 

「けどその性能はかなりの物だ。アンタが俺に手間取ってる間にパトロンがやられちまうぜ、ヒモ野郎!」

 

「それは困るかな・・・」

 

「だったら、そいつの相手は俺が引き受けるぜ!」

 

ブラックマンが地下鉄乗り場に現れ、そう告げる。

 

「テンザイ、お前さんは当初の予定通りアームズの相手に専念しろよ!」

 

「ブラックマン・・・プレジデントに買われてるレスラーがこんなところまで追ってくるとは、ご苦労なこった・・・。」

 

「それだけじゃないわよ!」

 

更に反対の階段からハリーと警備班が現れる。

 

「全く、ニッポンの地下はまるでラビリンスね。・・・Hay、久しぶり、ボビー?」

 

「なんでお前まで居るんだ、ブンヤのネーちゃん。それもよりにもよってTDFの隊員を引き連れてよ!」

 

「ちょっとした縁でね、今はプレジデントに付いてるのよ。アナタも一緒にどうかしら、お金に困ってんでしょ?」

 

ハリーはとりあえず説得を試みる。

 

「見損なうんじゃねえよ、金に釣られて雇い主をホイホイと変えられるかよ!」

 

「やっぱりアナタはその程度って事ね・・・。」

 

「どういう意味だ!?」

 

ボビーはハリーの言いぐさに腹を立てて聞き返す。

 

「一流の銭ゲバはお金に釣られて雇い主をホイホイと変えられるのよ!」

 

「・・・俺の方が正しいじゃねえかよ。」

 

「・・・・・・」

 

ハリーが無言でギャングの下っ端を蹴り飛ばす。

 

「マナカ、電車の確保!」

 

「了解です!」

 

ハリーの合図で警備班の隊員たちが鉄道の中に突入する。

 

「いろいろと誤魔化しやがったな!・・・そうそう好きにさせるかよ!」

 

「そりゃこっちのセリフだぜ!」

 

ボビーが鉄道の防衛に回ろうとするもブラックマンがそれを阻む。

 

「これで俺たちはこっちに集中できるかな。」

 

「はい、このロボットを倒せば父の手がかりが手に入るかも・・・!」

 

「小五郎、ファイト!」

 

「できれば、お嬢にも手伝ってもらいたいんだがね。」

 

三人は改めてダスタードと対峙した。

 

 

▽▽▽

 

 

「結局なんなんだ、このオブジェは?」

 

警備班がギャングたちを連行する中、アクセルや零児たちはスクランブル交差点中央のオブジェクトを調べていた。

 

「分からん、こんな物以前の渋谷には無かったはずだ・・・ギャング共が置いたとも考えられんが。」

 

「それにそもそもわしらの世界は新西暦じゃなかったはずじゃ・・・。」

 

「にもかかわらずこの世界には特務機関[森羅]が存在し、俺たちは当然の様にそこに属している・・・。」

 

「つまりここはお前達の世界ではなく、俺にとって過去の時代でもなく、この時代の平行世界という事になるのか・・・?」

 

『それは違うな、アクセル・アルマ―・・・』

 

オブジェクトを取り囲む一同を更に取り囲むように三人の怪人が現れる。

 

『平行世界、異世界、タイムスリップ、それがお前たちの想像力の限界・・・・』

 

「ダグブールにプシュケル。それにヘルザーク・・・いや、ダークブレインか。またその身体に戻ったようだな・・・。」

 

「ヘルザークで構わねえぜ、普段使いにゃ便利なんでな・・・。」

 

「だったらさっさと始めるぞ」

 

アクセルがミズチブレードを構える。

 

「せっかちはおよしになって、アクセル・アルマ―。これから面白いセレモニーが始まりますの。さあ、ダグブール様。」

 

『さあ・・・開け。新たなる混沌への扉よ!』

 

オブジェクトが黒く光り、そこから鉄仮面の集団が現れた。

 

「なに!?・・・人間・・・いや、アンドロイドの類か?」

 

「ダイダル兵だけか、どうやらこのシブヤですら王サマは呼べないみてえだな?」

 

『だがここが特殊な地であることは確かだ・・・これほど容易くゲートが開くとはな・・・』

 

「ゲートだと、そいつらはなんだ?そのオブジェクトは転移装置なのか?」

 

アクセルがいま偶然目にした元の時代に戻る可能性に食いつく。

 

「彼らは[真帝国ダイダル]の尖兵、その名も[ダイダル兵]でございましてよ!」

 

プシュケルが増え続ける鉄仮面の集団をそう紹介した。

 

「真帝国ダイダル、それが貴様たちの所属でいいんだな・・・?」

 

「ま、とりあえずはな・・・」

 

アクセルが尋ね、ヘルザークが曖昧に答える。

その間にアクセルたちはダイダル兵に取り囲まれた。

 

『さあ・・・新たなる混沌を始めよう・・・』

 





【キャラクター出典紹介】

ダスタード(cv:石塚運昇)  [アームド・ファイター(PS)]

ダイダル兵  [スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望(PS)]


【ちょっと語らせて】

そこまで気にする必要もないとは思うんですが、小五郎と零児が出会わないように一応は気を付けてます。
ボビー・ロギンズ、ハリー・ホプキンス、そして以前登場したマリー・フィリップス。みんな幻影闘技の登場人物なのですが、一つの作品に似たフレーズの名前を使い過ぎだと思うんです。紛らわしい。
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