スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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3話 バトルクラッシャー

「くそっ!なんだこの化け物は・・・!?」

 

グランドクリスマスの研究施設内に突如現れた侵入者に、警備兵たちが次々となぎ倒されていく。

 

「どうした人間共、もっと抵抗してみろよ!」

 

前身を鎧に身を包んだ3m程の怪人が兵士たちを煽る。

兵士たちがその巨人に銃弾を浴びせる。

 

「効かねえよ、そんな玩具は・・・」

 

怪人は再び兵士たちに襲いかかる。

 

「さあ、教えてくれよ、メディウス・ロクスとやら何処にあるんだ?」

 

怪人が兵士の首を締めあげながら訪ねる。

 

「がはっ!!」

 

「ファイター・ビームガン!!」

 

突如ヘルザークにビームが浴びせられる。それを撃ったのはコウタ・アズマことファイター・ロアだった。

 

「ファイター・ロア!助かった!」

 

兵士の一人がロアの姿を見て安堵する。

 

「ここは俺が引き受けた!!アンタたちは下がってくれ!」

 

「しかし、キミ一人では・・・」

 

「ショウコもいるよ!」

 

コウタの妹、ショウコ・アズマことファイター・エミィが遅れて現れる。

 

「兵隊さんたちは博士たちや職員さんたちを避難させてください!」

 

「・・・・了解しました。」

 

「カっ!貴様はバトルフォースの戦士ロアか?それに・・・会いたかったぜ、エミィ!」

 

「誰よアンタ!」

 

『奴は・・・ヘルザーク!?』

 

「あの羅刹機を知ってんのか、ロア?」

 

ヘルザークの姿にコウタはかつてエンドレスフロンティアで戦った羅刹機という戦闘マシンを思い浮かべる。

 

『ああ、俺がかつていた世界で行われていたバトルクラッシュと呼ばれる格闘技大会のチャンピオンだ!』

 

「格闘技大会って・・・なんか緊張感の抜ける情報だな。」

 

『そんなことは無い、デビルクラッシャーの異名を持つ強くて残酷な男だ。げんに奴と戦った選手はそのほとんどが再起不能に陥っている。』

 

「・・・たちは悪そうだな。」

 

ヘルザークは一瞬でエミィに距離を詰め、その腕をつかむ。

 

「俺を覚えていねえだと・・・?酷いじゃないか、相棒だろ?・・・エミィ!」

 

「てめえ!ショウコを放しやがれ!」

 

「ダークレッグキャノン!」

 

「ぐああ!」

 

ヘルザークの脚部から光弾が発射されロアに直撃した。

 

「お兄ちゃん!この・・ハインドスレイヤー!」

 

エミィはヘルザークの腕を振り払い、身の丈ほどの巨大な剣[ハインドスレイヤー]を手にする。

 

「ええい!!」

 

「ダーククローサーベル!」

 

エミィはヘルザークに斬りかかるが、ヘルザークのバックルから爪が伸び、ハインドスレイヤーの刃を受け止める。

 

「・・・弱い・・・てめえ、本当にエミィか?」

 

「残念だけど、人違いよ!」

 

「カっ!つまり別人がエミィの鎧を身にまとっているのか・・・実に不愉快だな。」

 

ヘルザークは顔に手を当てながらショウコを睨む。

 

「ファイターブーメラン!」

 

コウタがヘルザークに向けて巨大なブーメランを投げる。

ヘルザークはそれをものともせずコウタに向けて歩を進める。

 

「くそっ!おいロア、何とかならねえのかよ!!」

 

『とにかく頑張れ!格闘技で勝つにはそれしかない!』

 

「なんだそりゃ!?」

 

「光刃閃!!」「ライジングメテオ、生身版!」

 

コウタに迫るヘルザークの横合いから、その腹部に刃が叩きつけられ、同時にトウマの蹴りが頭部に直撃する。しかしヘルザークは微動だにしない。

 

「カッカッカッ、いい攻撃だ。特に腹への一撃は多少効いたぜ!」

 

土煙の中でヘルザークは再び立ち上がる。

 

「ただの人間・・・いや、若干だが監視者の気配もするな、混ざり者か・・・だが今のが限界だろう・・・もう不意打ちは効かねえぜ。」

 

ヘルザークはそう言って首を鳴らしながら笑う。アクセルとトウマは咄嗟に距離を取り体制を立て直す。

 

「くそっ!やっぱり俺の蹴りよりアクセルさんの攻撃の方が強いのか・・・!」

 

トウマが現状とはズレたポイントで悔しがる。

 

「いや、悪くない攻撃だった。相手が異常なだけだ、これがな。」

 

アクセルとトウマは明らかに人外の化け物を前にしてどことなく呑気なやり取りを展開しながらも警戒心を高める。

 

「アクセルさん!」

 

「苦戦しているようだな、コウタ。この手の相手はあの世界にもいただろうに。」

 

「いや、アクセルさん。あの敵、見た目は羅刹機に似てるけどかなり強いぜ・・・アンタとトウマの攻撃もたいして効いてねえじゃねえか。」

 

コウタとアクセルはヘルザークに視線を移す。

 

「ああ、確かに今のが全力の一撃だ・・・俺はな。今だ!やれ、W17!」

 

アクセルがそう合図を出すと、施設内の隔壁が破壊され、そこからキャニスが現れる。キャニスはそのままヘルザークを踏み潰した。

 

「ご無事ですか、アクセル隊長。」

 

ラミア・ラブレス少尉がキャニスの中からオープンチャンネルで話しかける。

 

「俺を隊長と呼ぶな、W17。」

 

「了解です、赤ワカメ」

 

「何の影響を受けているんだ、お前は?」

 

アクセルは呆れた顔を見せる。

 

「これで勝ったつもりかよ?不意打ちは効かねえと言ったはずだが?」

 

キャニスの足の下から聞こえたその言葉と共に、その足が持ち上がる。ヘルザークはそのままダーククローサーベルでキャニスを斬り裂いた。

 

「あのサイズ差で・・・マジかよ!?」

 

「何時までを遊んでいらっしゃるのです、ヘルザーク様。」

 

突如、ヘルザークの後ろに六枚の羽根を生やした女性型の怪人が出現する。

 

「ちっ、増援か・・・あのレベルの怪物が増えたとなるとかなりヤバいぜ!」

 

新たに現れた怪人がコウタの懸念通りヘルザークと同等の力の持ち主ならば今いるメンバーではとても太刀打ちできない。

 

「プシュケルか・・・。なに、ちょいと懐かしい顔にあったもんでな、俺も少しは楽しもうと思ってよ。・・・心配するなお前の欲しがっていた物はちゃんと手に入れてやるさ!」

 

「・・・メディウス・ロクスはダグブール様によって確保されました。後は好きにするがいいとの仰せでしてよ。くれぐれも足元を救われませんように・・・」

 

「カっ、誰に言ってやがる。」

 

施設内に地響きが鳴り始めた。

 

「何これ・・・地震!?」

 

「大変です!」

 

そこへ研究所員が現れる。

 

「・・・何があった?」

 

「グランドクリスマス近海にてデルタ7が出現!それと同時に停止していた量産型ジンライが一斉に起動、メディウス・ロクス運び始めました!現在ヒューゴ少尉がキャニスで応戦しています!」

 

「なんだって・・・!?こんな時にいったい何が起こっているんだ・・・!?」

 

「どうやらこちらが優勢のようだな?」

 

ヘルザークが口を開く。

 

「貴様たちの差し金か・・・?」

 

「さあ、俺は知らねえな。」

 

「あなた方が気にする必要はございませんわ、ここで消えゆく命なのですから。」

 

(ならば他にもいるという事か・・・手が足りんな)

 

アクセルがそう考えていると、資材用エレベータの扉が開き、一人の老人と小型のコンテナが姿を現す。

 

「じいちゃん!?何しに来やがったんだ、とっとと避難しやがれ!!」

 

現れたキサブローに対し、コウタが心配して悪態をつく。

 

「なんちゅう言いぐさじゃ!強力な助っ人を連れてきてやったというのに!」

 

『ひょっとしてアレが完成していたのか!?』

 

「あのコンテナ、来るときにGサンダーゲートで運んでたやつだよね?」

 

ロアとショウコがコンテナを機にした瞬間、その扉が開き赤と白を意匠とした3Mほどの小型ロボットが姿を見せた。

 

「バトルパンツァー[闘竜王]!ロア、お主のための義体じゃ!」

 

『助かる!』

 

ロアの意識がコウタから闘竜王に移ると、頭部のツインアイに瞳が宿る。

 

「調子はどうじゃ、ロア?」

 

『いい仕上がりだ、キサブロー。こうして話せるのは嬉しいが、そんな場合じゃないのが残念だ。』

 

ロアは闘竜王で身体の動きを確認しながらそう答える。

 

「ああ、解っておる。頼んだぞ、ロア」

 

「何かと思えば・・・無様な姿だな、ロア。そんなガラクタで俺に勝てると思ってんのか!」

 

ヘルザークが闘竜王に向かって拳を繰り出すと、闘竜王はそれをガードし殴り返した。

 

「スゲーぜ、ロア!キャニスに踏まれても平気だったヤツをぶっ飛ばしちまった!」

 

闘竜王の強さにコウタの声が高まる。

 

「喜ぶのは速いのではございませんか?」

 

「白虎咬!」

 

プシュケルが闘竜王の頭上から襲い掛かかろうとするも、それをアクセルに阻まれる。

 

「やりますわね貴方・・・それにお顔も素敵ですこと。お名前を伺っても?」

 

「俺に質問をするな。」

 

「かかかっ!盛り上がってきたじゃねえか!」

 

闘竜王に殴り飛ばされたヘルザークが笑いながら立ち上がる。

 

「へへ、まさかロアとこうして一緒に戦えるとは思わなかったぜ!」

 

『ショウコとアクセルたちは他の対応に当たってくれ、コイツらは俺とコウタが引き受けた!』

 

「直接話すのは初めてのはずだが、随分と馴れ馴れしい奴だな。まあいいだろう・・・烈火刃!」

 

アクセルが倒れたキャニスのコックピットに小型ナイフを投げつけると、刺さったナイフが爆発しコックピットの扉を破壊した。

 

「W17、お前も来い。」

 

「もう少しまともな救出方法があると思われますが・・・」

 

「ぜいたくを言うな、行くぞ!」

 

「ちなみに闘竜王はコウタから離れすぎると動けんからの。くれぐれも離れすぎるなよ。」

 

アクセルたちはキサブローや研究所員を連れてその場を後にした。

 





【キャラクター出典紹介】

ヘルザーク [バトルクラッシャー(GB)]
闘竜王   [バトルクラッシャー(GB)]
プシュケル [スーパーロボットピンボール(GBC)]


【ゲーム概要】

[バトルクラッシャー]
1995年にゲームボーイで発売された対戦型格闘ゲームです。
ヒーローがパンツァーと呼ばれる乗り物(人格はあるっぽい)にのって戦います。


[スーパーロボットピンボール]
2001年にゲームボーイカラーで発売されたゲームです。内容はピンボールです。
画面の演出に集中するとボールを落としてしまいます。



【ちょっと語らせて】

闘竜王、かなり勝手な設定で登場させました。すいません。

エミィのハインドスレイヤーはバトルコマンダーの立ち絵で所持している大剣です。(たしかそんな名前だった気がする)

プシュケルに関しては原作ゲームにおいてはステージボスとして登場するのみでキャラクターの描写は存在しないので、性格や口調は勝手なイメージでしゃべらせています。

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