スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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7話 疾風迅雷(中編)

 

「ぬう・・・分身体がやられたか。おのれファイターロア・・・妹を間者として潜ませるとは卑怯なり!」

 

「ああ?何の話だよ?」

 

ヴィレッタを追って地下に突入してきたコウタ、ラミア、零児と小牟は紫電と遭遇し、戦闘を開始していた。

 

「忍者のくせに卑怯も何もないじゃろう?卑怯卑劣こそが忍者の性分と卍谷で教わらんかったんか?」

 

「その甲賀じゃない。」

 

小牟が紫電に物申し、零児がツッコむ。

 

(コウタの妹、ひょっとしてショウコがこの時代に・・・?)

 

ラミアは紫電の言動からそう推測する。

 

「何にせよ、さっさと終わらせるぜ・・・ファイタービームガン!」

 

「ハリウッド!ゴールド!」「シルバーとプラチナじゃ!」

 

コウタ、零児、小牟が紫電配下の下忍たちを銃撃していく。

 

「悪くない距離だ、ニードルノーズ!」

 

ラミアも二丁の96式自動小銃[ニードルノーズ]を両手で取り扱い、乱射する。

 

「ふん、調子に乗りおって。ならば目に物を見せてくれるわ!」

 

紫電は懐から黒い石を取り出す。

 

「あれは天地丸の鬼雷石!?一体どうするつもりだ!?」

 

鬼雷石を見たコウタが反応する。

 

「変身、魔封童子!」

 

紫電は鬼雷石を高く掲げ叫んだ。

 

「・・・さあ、伝説の鬼の力を見せてやろう!」

 

紫電は自信に満ちた態度でゆっくりと距離を詰めてくる。

 

(・・・なんだ?・・・いったい何が起こっていると言うのだ?)

 

ラミアは目の前で起こった現象を理解できずにいる。

 

「まずは貴様からだ・・・ファイターロア・・・ぶへぇっ!!?」

 

コウタは迫る紫電の顔面に蹴りを叩きこむ。

 

「・・・一応言っとくけどお前、変身出来てねえからな!」

 

「な・・・何だと!?」

 

言われて紫電は自分の姿を確認する。

 

「本当だ、変身しておらぬ!?」

 

「紛らわしいマネをしおって・・・とんだ叙述トリックじゃ。文章だけだと一瞬、本気で変身したのかと思ったぞ・・・。」

 

小牟が呆れた様子でメタ的なツッコミを入れる。

 

「何故だ・・・なぜ変身出来ぬ!!?」

 

「・・・・うっ!?」

 

紫電が悔しそうに激昂する中、零児が突然頭痛に襲われ、額の傷を抑える。

 

「零児、もしや・・・!?」

 

「ああ・・・ヤツだ!」

 

そこへ突然、一人の女と3Mほどの起動兵器が現れる。

 

「沙夜!?」

 

「ご無沙汰ね、坊や。それにコウタくんも元気そうでなにより・・・。」

 

「てめえ、どの面下げて言ってやがる!?」

 

沙夜と百夜の登場にコウタや零児が警戒する。

 

「むう、逢魔の沙夜・・・何しに来おった!?」

 

「連れないわね紫電様、せっかく手助けに来たって言うのに・・・。」

 

沙夜はそう言って紫電から鬼雷石を取り上げる。

 

「ぬう、何をする!?」

 

「そもそもサイボーグ義体であるあなたが魔封童子なれるはずが無いでしょう?・・・・けれどこの鬼雷石があれば[物質界]と[魍魎界]を繋げやすくなる・・・。」

 

沙夜はそう言いながら鬼雷石を百夜に組み込む。

 

「鬼門解放・・・出でよ、酒吞童子!」

 

沙夜の術と百夜の機能で空間にゆらぎが発生する。

 

「酒吞童子だと!?」

 

「知ってんのか、零児さん!?」

 

酒吞童子、その名を聞いた零児が驚き、コウタが尋ねる。

 

「酒吞童子・・・源頼光によって討たれたと言う話もあるが、数ある日本の鬼伝説の中でも最も強く有名な鬼だ・・・。」

 

「そ、かつて私と一緒に天地丸と戦った最強の鬼。野心が強すぎるのが難点だったけど、その力は絶大。この世界に混乱をもたらす事は必至よ・・・。」

 

沙夜がそう言うと百夜の周囲の空間にひびが入り、空間が割れる。

 

「まずい、出てくるぞ零児!?全員気をつけい!」

 

小牟が周囲に警戒を促す。

 

「うおおおお!!!」

 

そう言っているうちに次元の裂け目から一体の人影が現れる。筋肉質な巨躯に無骨な鎖を巻き、額には一本の大きな角が生えている。

 

「うおおおお!スズカ―!!スズカは何処だー!!!」

 

「・・・・・。」「・・・・・。」「・・・・・。」

 

零児、小牟、そして沙夜が見覚えのある鬼の姿に沈黙する。

 

「ん?なんだここは?スズカは何処だ?」

 

現れた鬼は混乱している。

 

「あの人って確か・・・」

 

コウタもまたその鬼の姿にうっすらと見覚えがあった。

 

「おい、沙夜・・・」

 

「あん・・・どうやら、シュテン違いだったみたいね・・・」

 

現れたのはエンドレスフロンティアの式鬼の棟梁、守天だった。

 

 

 

 

「ここは何処だ?俺は一体どうしたんだ?」

 

エンドレスフロンティアに存在する式鬼たちの居城[滅魏城]の城主[守天]は突然召喚され戸惑っていた。

 

「落ち着け守天。」

 

零児が守天に声を掛ける。

 

「ん?・・・お前らはたしか有栖零児と小牟だったか?ロストエレンシアのアシェン・ブレンデルも居るのか?」

 

人違いではあるが、守天は見覚えのあるラミアの顔を前に少し落ち着く。

 

「ここは[物質界]、お前の居たエンドレスフロンティアとは更に異なる別の世界だ。お前はそこの女に召喚されてここに居るんだ。」

 

零児はそう言って沙夜を差す。

 

「はあい、守天さまん・・・。今回は私があなたを召喚したマスターなの・・・。しばらくこちらの指示に従ってくれればちゃんと元の世界に返してあげるわよ?」

 

「そうかい・・・。」

 

守天はそう頷きながら巨大な偃月刀を沙夜に向けて振り下ろす。

 

「私の話、聞いてなかったのかしら?」

 

沙夜は守天の斬撃を受け止めながら問いかける。

 

「・・・・・冗談はよしな女狐!鈴鹿の仲間を差し置いて今更お前に付くと思うのかよ!?」

 

守天はそう言って沙夜に切っ先を向ける。

 

「守天、こちら側に付いてくれるのか!?」

 

「こりゃ頼もしい味方の登場じゃぜ!!」

 

零児と小牟は守天が味方に付いたことに安堵する。

 

「ぬう、どうするのだ沙夜よ!?お主のせいで敵が増えてしまったではないか!」

 

紫電が沙夜に食って掛かる。

 

「・・・・・当てが外れちゃったみたいね。けど収穫はあったことだし、ここは一旦退いておこうかしらね。」

 

「逃がすか、小牟!」

 

「合点承知の助・・・仙弧妖術、鬼門封じ!」

 

小牟が妖気の渦を発生させ、百夜を拘束する。

 

「有栖流究極奥義、五業抜刀法、森羅万象!」

 

「やらせると思って?后業抜刀法、瞬華終刀!」

 

沙夜が零児の五業抜刀法に対し后業抜刀法を用いて割って入る。

 

「ちぃ!?」

 

「せっかく手に入れた鬼雷石をむざむざ手放す訳が無いでしょう?・・・フフフ、いずれ忌々しき天地丸に一泡吹かせてやろうぞ・・・。」

 

沙夜は普段とは異なる口調でそう言い残し、百夜と共に姿を消した。その背後にはうっすらと平安貴族の女のような幻影が見え隠れしていた。

 

「ぬう、逢魔め、使えぬ奴らよ・・・だが!」

 

紫電は八人に分身する。

 

「鬼や妖の類に頼らずとも、我ら忍びは無敵よ!」

 

紫電は一斉に守天に襲い掛かる。守天は偃月刀を回転させ、紫電の一体を薙ぎ払う。

 

「あいにくだが、忍者の相手は慣れっこだぜ!」

 

エンドレスフロンティアで神楽天原の覇権を狙っていた守天は長年にわたって武酉城の楠舞家に仕える隠密部隊[裏玄武]の連中と小競り合いを続けてた。

 

「ほざけ!吾輩の速さに付いてこれるか!?」

 

紫電は縦横無尽に動き回り守天をかく乱する。

 

「電瞬!」

 

守天は稲妻のような速度で高速移動し、紫電の一体を背後から叩き伏せる。

 

「俺たちもいるぜ!ファイターブーメラン!」

 

「二刀一迅!」「竜虎連砲!」

 

コウタ、零児、小牟が残りの紫電を撃退していく。

 

「ディバイン・ランサー!」

 

ラミアもそれに続いて蹴り技を繰り出す。

 

「むほ♡」

 

紫電の分身が何故か喜びながら蹴り飛ばされる。

 

「・・・・消え去れ!」

 

そこへ二丁のニードルノーズで追撃を加えた。

 

「そんな恰好で蹴り技とか出すからそうなるんじゃ・・・・サービスし過ぎとちゃうんか?」

 

それを見ていた小牟がそう指摘する。

 

「ぬう、こうなればアレを使うしかないようだな!」

 

紫電はそう口にすると同時に動きを止め沈黙する。

 

「・・・何のつもりだ?」

 

「・・・・・」

 

零児が問いかけても紫電からは何の反応も帰ってこない。

 

「何の音だ!?」

 

施設内が音を立てて揺れ始める。

 

「まずい、崩れるぞ!?」

 

次の瞬間、通路が奥の方から崩れ始めた。

 

「皆の衆、退避じゃ!!」

 





【キャラクター出典紹介】

守天(CV:稲田徹) [無限のフロンティア(DS)]
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