スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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8話 疾風迅雷(後編)

 

「なんとか脱出できたみたいね・・・・」

 

ヴィレッタがマンホールから地上に脱出する。天地丸とショウコも後から続いて登ってくる。

 

「ここまで来れば一安心ですね。」

 

「ええ、極東支部に増援を呼んでこの地下施設の調査を・・・」

 

「二人はこのまま避難しろ、俺は戻る。」

 

ヴィレッタとショウコの安全を確認した天地丸が、再び地下に潜ろうとする。

 

「一人で戻ってどうするつもりだ?」

 

「俺は攻牙忍軍と決着をつける・・・取り戻さなければならない物もあるけらな。」

 

天地丸が悔しそうにそうつぶやく。

 

「あなた一人では無理ね・・・増援を呼ぶからそれまでは我慢してもらえるかしら?」

 

ヴィレッタは焦る天地丸にそう語り掛ける。

 

「そんな悠長にしている暇はない!」

 

(随分と余裕のない子共ね。旧西暦の中頃の人物らしいけれど・・・)

 

戦国時代の人間である天地丸。平均寿命は今よりも短く、常に働いていなければ食事もままならない、決して豊かではない時代に生まれた天地丸にとって、時間をかけて物事を考える習慣はない。

それがヴィレッタとの考え方に隔離を生んでいる。

 

「落ち着いてください・・・・きゃ!?」

 

突然地震が起こり、地面が割れ、50M級の巨大な機械の忍者が現れる。

 

「これは・・・ジンライ!?」

 

現れたのは転移前にアイドネウス島で戦った量産型ジンライだった。

 

『フハハハハ!ギルリアン殿には感謝せねばな・・・この身体は吾輩にこそ相応しい!!』

 

「ジンライが喋った!?」

 

「この口調、紫電か!?」

 

「これは・・・自らのゴーストをジンライに宿したという事か・・・。ロバート・ゴードン、東亜錬金技研がジンライも回収していたのか?」

 

ヴィレッタはロバート・ゴードンこと、ギルリアン・エルダインの言葉を思い出す。

 

『ほう、ジンライと言うのか、この機忍は・・・良き名だ!これが新たなる伝説、機忍降魔録の始まりである!』

 

紫電は喜びでテンションが上がっている。

 

「R-GUNは伊豆基地、どうすれば・・・!?」

 

そうこうしているうちにジンライがその巨大な足で歩を進め、踏み潰そうとする。

 

「ブレードトンファー!」

 

そこへ20M級の人型起動兵器が割って入る。

 

「アルブレード、ライか!?」

 

現れたのはライが乗るアルブレードだった。

 

「大尉、よくぞご無事で!それに天地丸と・・・ショウコ!?」

 

「話はあとよ・・・今は目の前の敵に集中しなさい!」

 

「了解しました!」

 

「私も行きます・・・カムヒア、Gサンダーゲート!」

 

ショウコが叫ぶと紅の大型戦闘機が飛来する。

アルブレードとGサンダーゲートはジンライと交戦を始めた。

 

 

 

 

「この距離なら・・・Gリボルバー!」

 

『フハハハハ、効かぬわ、その程度の攻撃!』

 

ライは町の建物に当てないように、確実にジンライに命中させるも、火力不足でジンライが怯むことは無い。

 

『くらえ、ペイレンス・ダガ―!』

 

逆に紫電は町を気にすることなく苦無を投擲してくる。

 

「格闘戦は向こうに分がある、しかし出力の高い銃器は街中で使えない・・・どうすれば」

 

「Gサンダーゲートで郊外に運びます!ライ少尉は相手の足を止めてください!」

 

「・・・了解した、スパイダーネット射出!」

 

ライはスパイダーネットでジンライの足を止める。そこへGサンダーゲートが突撃し、アームでジンライを掴む。

 

『おのれ小癪な!?離せ、離さぬか!?』

 

「このまま移動します!アルブレードもついて来てください!」

 

Gサンダーゲートはジンライを吊るしながら郊外の山林地帯に移動し、その場でジンライを切り離す。

 

『ぬお!?』

 

ジンライは投げ捨てられ、態勢を崩す。

 

「ターゲット、量産型ジンライ!グラビトンランチャー、シュー!」

 

追ってきたアルブレードが隙をついて手持ちの装備で最も威力のあるグラビトンランチャーを発射する。

 

『甘いわ!』

 

ジンライはすぐさま体制を立て直し、ジャンプでそれを躱す。

 

「回避モーションでジャンプだと!?」

 

ライは普段の機動戦では見ない敵の動きに戸惑う。

 

『マルチプライ・ブレードを喰らえぇい!』

 

その隙にジンライは忍者走りで距離を詰めながら十字手裏剣を投げつけてくる。アルブレードはそれを回避するも、ジンライはアルブレードの背後を取り、短刀で斬りかかってくる。

 

「強い・・・!?」

 

アルブレードは咄嗟にブレードトンファーで斬撃を防ぐも、ジンライとの体格差で押し負ける。

 

『フハハハハ!どうしたTDFよ、その程度か!?』

 

「あんなに近くちゃ援護できない・・・いったいどうしたら・・・。」

 

ショウコが攻めあぐねていると、突如、高出力のエネルギー砲がジンライだけを撃ち抜く。

そこへGサンダーゲートとは別の赤い戦闘機が現れた。その後に追従するようにF-15XX[ミッドナイト・イーグル]とF/A-18G[キラー・ホーネット]が編隊を組んでいる。

 

『また戦闘機だと!?なんだこの威力は!?』

 

「アレはTDFが開発した特殊攻撃機[槌雷]・・・サワ隊長か!?」

 

「こちらはUCMA特殊部隊班のサワだ!!これよりフジワラ参謀の援護行動に移る!」

 

槌雷は再びジンライに向けて重粒子砲を発射するも、分身でそれを回避する。

 

「各機、ガトリングファイア!」

 

槌雷に続くようにミッドナイト・イーグルとキラー・ホーネットが機銃を浴びせていく。

 

『ぬう、小癪な!?』

 

「ネオチャクラムシューター、仕掛ける!」「Gサンダーゲート、GO!ゲートブレイカー!!」

 

ネオチャクラムシューターの光輪がジンライの腕を切り落とし、そこへGサンダーゲートが突撃する。

 

『しまった!?』

 

「さあ、最後の仕上げだ!」

 

槌雷の機首がスライドし、巨大なドリルが露になる。

 

「ホーミングドリルアタック!」

 

その巨大なドリルが射出されジンライに直撃する。

 

『ぬわ!?馬鹿な、この吾輩が敗れるだと!?おのれ・・おのれ~!!?』

 

紫電のゴーストを宿したジンライは爆散した。

 

 

▽▽▽

 

 

「そうか、なら鬼雷石はいま、妲己の手にあるんだな?」

 

「ああ、すまねえな天地丸。取り戻すチャンスだったんだが・・・。」

 

一同は合流し、喫茶店内でこれまでの話をまとめる。

 

「気にするな、今すぐ取り返してくる!」

 

「まてって、ホントに短気なヤツだな・・・沙夜の野郎を追うんならこの人たちと連携した方が良い。」

 

コウタはそう言って天地丸に零児と小牟を紹介する。

 

「キミが天地丸か・・・・沙夜と因縁があるようだが?」

 

「この時代の退魔師、それと使い魔か・・・。」

 

「誰が使い魔じゃ!年長者を敬わんか地張流!」

 

小牟は使い魔扱いに憤慨する。

 

「小牟婆ちゃんは地張流を知ってんのか?」

 

「まあ多少はの、なんせその頃から生きとるからのう。ほっほっほ、あの頃が懐かしいですじゃ・・・」

 

「ババア度が増した!?」

 

「誰がババアじゃ!?ちゃんと婆ちゃんと呼ばんか!」

 

「それならいいのか?」

 

(話が進まないわね・・・)

 

ヴィレッタは一同のやり取りをみてそんな感想を抱く。

 

「紫電はアレで倒せたのかしら?」

 

ネットワーク上を移動するゴースト犯罪者、媒介となっていたジンライを破壊したからと言って仕留めきれたという確証はない。

 

「わかりませんが、崩れた地下施設を調べれば奴の乗り捨てた義体も発見されるはずです。それで動きが無ければ・・・」

 

「ショウコ、あの施設は一体・・・?」

 

ヴィレッタはショウコに尋ねる。

 

「東京の地下を調べていたみたいですけど、詳しくは・・・。」

 

「そもそも何故ショウコが攻牙忍軍に?」

 

今度はラミアが尋ねる。

 

「私もこの時代で右も左も分からない状況でにあの人たちに遭遇して・・・私がエミィに変身したとたん「なんだ忍者に憧れていたのか!さてはお主、吾輩のファンだな?」って言われて、何が何だかわからないまま連れてこられて・・・。」

 

(・・・攻牙忍軍の紫電・・・随分とユニークな男のようね。)

 

ヴィレッタはショウコが語る紫電のトークに面白みを見出す。

 

「何にせよ、地下施設に関しては調査待ちね。後は・・・」

 

「俺は一体どうしたらいいんだ!?鈴鹿~!!?」

 

ヴィレッタは情けなく項垂れる守天を見る。

 

「その声であまり情けない言葉を吐かないでもらいたいのだが・・・。」

 

ライが守天に告げる。

 

「いや、正直異世界から単身飛ばされて落ち着けってのは厳しいんじゃねえか?」

 

同じ経験をしたコウタがそうフォローする。

 

「とりあえず逢魔を追う上で今後は天地丸と守天は森羅と行動を共にした方が良さそうね?」

 

「ええ、TDFはそちらには集中できませんし、守天にとっては少しでも見知った相手と一緒の方が良いでしょう。」

 

ヴィレッタの案をライが肯定する。

 

「俺とショウコもそっちに協力するぜ。」

 

コウタがそう名乗りを上げる。

 

「こちらとしては助かるが、TDFの方はいいのか?」

 

「ああ、逢魔を追う事が元の時代に帰るヒントになるかもしねえからな。ヴィレッタ大尉、いいだろ?」

 

「ええ、それで構わないわ。」

 

ヴィレッタがコウタの提案を承諾する。

 

「ひゃっほう!一気に戦力増強じゃ!なんならずっと森羅で働いてもいいんじゃぞ、天地丸!」

 

小牟のテンションが上がる。

 

「なんで天地丸だけなんだよ。別にいいけど・・・」

 

「忍者は諜報員として重宝するからのう!常に求人募集中じゃ!」

 

コウタは余計なことを聞いてしまったと後悔した。

 

 

▼▼▼

 

 

崩れた地下施設から紫電が這い上がってくる。

 

「おのれTDF・・・このままでは終わらぬぞ・・・・!?」

 

「いや・・・お前はここで終わる・・・」

 

紫電がそう恨み言を口にする途中で、その脳天が刃で貫かれ、その後機能が完全に停止する。

 

「返してもらうぞ・・・俺の攻牙忍軍を・・・」

 

髪を逆立てた忍び、刃零が紫電の頭部を蹴り飛ばしながら刀を引き抜く。

 

「さて・・・ギルリアンに会いに行くか・・・」

 

刃零はそう呟いて夜の闇に消えていった。

 





【キャラクター出典紹介】

特殊攻撃機 槌雷[スーパー特撮大戦2001(PS)]

F/A-18G キラー・ホーネット[アクウギャレット(AC)]


【ちょっと語らせて】

特殊攻撃機[槌雷]、特撮大戦においてウルトラマンのイデさんを自軍で使い続けるか、博士として開発に回すかの選択肢で、博士を選ぶと手に入ります。
見た目も武装もやたらとカッコいい戦闘機なんですけど、使おうと思ってプレイしないと使う機会が全くない、ゲーム的には要らない子です。

キラー・ホーネットは以前紹介したアクウギャレットの2Pカラーみたいなものです。F15とは違い、元となったF/A-18という戦闘機は特撮大戦には登場しないので出そうか迷ったんですけどせっかくなので戦闘機部隊として登場させてみました。
そもそもアクウギャレットはEXA LABELてリメイクされてしまったけど気にしない。
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