スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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12話 オペレーション・ゴーストチェイサー(後編)

 

「どうやらこっちが優勢みたいだな!観念しろ、ルシファード!」

 

傾いたオフィスでヴォルテックスがルシファードに降伏を迫る。

 

「何故だ!?何故ニューヨークドミニオンが奴らの味方に!?アプファロンは何をしている!!?」

 

ナガーと組んでいたはずのニューヨークドミニオンが敵として現れ、ルシファードが混乱している。

 

「004、こうなれば貴様だけでも始末してやる!」

 

ルシファードは床に落ちていた魔傀の拳銃、二丁のノーチラスを拾い上げる。すると二丁の銃は融機鋼の影響で形状を変えていく。

 

「くらえ、ツインリニアガン!」

 

強化された拳銃はヴォルテックスに向けて強力なエネルギーの弾丸を放つ。

 

「くっ!?まだこんな力を・・・!?」

 

ヴォルテックスがそう言ってツインリニアガンを避けながらヴォルカノンで反撃する。しかしそれはルシファードのバリアによって阻まれる。

 

「こうなったら!」

 

ヴォルカノンが効果なしと判断したヴォルテックスは、真正面からルシファードに突撃していく。

 

「苦し紛れの特攻、馬鹿めが・・・!くらえ、メーザービット!」

 

ルシファードのウイングが切り離され、ヴォルテックスに飛来する。

 

「うおおお!」

 

ヴォルテックスはヴォルブレードでメーザービットを切り払いながらルシファードの懐に入り込む。

 

「見よう見まね、一宮流[零]もどき!」

 

そこからヴォルブレードを展開した腕でアッパーカットを繰り出す。

 

「くっ!?」

 

ヴォルテックスは零の動作でヴォルブレードを振るい、ルシファードはそれをガードするもその身体は宙に浮かぶ。

 

「こいつで止めだ、[ヴォルテックスクライ]!」

 

ヴォルテックスは胸部装甲を開き、ヴォル細胞による高エネルギー砲を発射する。

 

「舐めるなよ・・・喰らえ、重力子の弾丸[グラビティナパーム]!!」

 

ヴォルテックスとルシファード、互いの最強技がぶつかり合う。

 

「エイジ!?」

 

その傍らでファディータと戦っていたヴェルベットが叫ぶ。

 

「いけない・・・融機鋼最大出力、フィフス・シャイン発動!」

 

「えっ!?・・・ちょっと!!?」

 

ファディータの身体が激しく発光し、超高速でヴォルテックスクライとグラビティナパームの中心へと突入していく。

 

「タクマ・・・貴方は私が守る!」

 

次の瞬間その二つのエネルギーが半壊していたオフィスを完全に吹き飛ばした。

 

 

▽▽

 

 

ビルの外に投げ出された魔傀が身体を引きずり歩いている。

 

「ヒャッハー!いたぞ、電神魔傀だ!」「へっへっへ!かなり弱ってるようだな?」「だったら俺たちで止めを刺してやろうぜ!」

 

残っていたサイボーグ兵士たちに見つかる。

 

「・・・ちっ!こんな奴らに・・・!?」

 

上空に大型の輸送ヘリが現れ、そこから二つの人影が落下してくる。

 

「やるぞタルクス君、タイミングを合わせたまえ!」

 

「分ってるぜ、レイモンド大佐!」

 

「アースブレイカー!」「セクシーダイナマイトボム!」

 

二人が同時に地面に拳を叩きつけると、辺りが爆散し、集まってきた兵士たちを一掃した。

 

「レイモンド大佐、それにタルクスか・・・!?」

 

「へ、良い様だな魔傀。」

 

「無事で何よりだ。」

 

「ええ、ですが口惜しいです。ここまで来て奴との決着をヴィレッタ達に任せることになるとは・・・。」

 

魔傀が遠くで行われている戦闘を見ながら嘆く。

 

「そんなお前にプレゼントだぜ。」

 

そこで上空のヘリが下降し、そこから一人の少女が降りてくる。

 

「ノーヴル・ディラン博士!?何故アンタまでこの島に・・・!?」

 

「この子をこの場で調整する必要があるからよ。魔傀捜査官、準備を・・・。」

 

「この子?」

 

輸送ヘリのコンテナが開き、中から一体の人型起動兵器が現れる。

 

「こいつはベルヴァ!?しかし色が・・・?」

 

コンテナから出てきたのは赤い色のベルヴァだった。

 

「AC‐01[プロトベルヴァ]、人工知能はオミットされているけど、代わりに貴方のゴーストを宿せば起動できるように設定してあるわ。」

 

ノーヴル・ディランはそう説明しながら、この場での作業準備を進めていく。

 

「俺にゴーストに身を落とせと?」

 

「別に犯罪者になれと言っているわけじゃないわ。嫌なら後はヴィレッタ少尉達に託すのね、あの三人ならギルリアン・エルダインは問題なく討てるでしょうから・・・。」

 

「・・・やってくれ。」

 

ノーヴル・ディランは中継器を経由し、魔傀とプロトベルヴァとをケーブルで繋ぐ。

 

「有線なのか?」

 

「オフラインですもの、そうしないと別のゴーストに乗っ取られるでしょ?・・・準備は良いかしら?」

 

「ああ、やってくれ・・・・・」

 

魔傀が沈黙し、プロトベルヴァが起動する。

 

「どうだ、魔傀?」

 

タルクスが魔傀に尋ねる。

 

『問題ない、行ってくる。俺の身体は頼んだぞ、タルクス!』

 

プロトベルヴァはそう言い残してその場を後にした。

 

 

 

 

「ガンレイピアを使う!」「Gレールガン、アクティブ!」「ライフル、ダブルファイア!」

 

アシュセイバー、アルブレード、RーGUNは次々とパーフェクトギルリアンに攻撃を繰り出していく。

 

『馬鹿めが、その程度の攻撃でこのパーフェクトギルリアンを落とせると思うな!』

 

パーフェクトギルリアンの両腕のブレードが黄金に光り、エネルギーの光輪を飛ばす。

 

「格闘主体と見せかけて、意外とバランスのいい機体のようね・・・。」

 

「ええ・・・それに耐久力、運動性はもちろん、ゴーストが乗り移っている反応速度は起動兵器としては一級品です。」

 

「だがそれだけだ。これまで俺たちが戦ってきた相手には遠く及ばん。」

 

ヴィレッタ、ライ、アクセルが順にパーフェクトギルリアンを評する。

 

『このパーフェクトギルリアンだけが私の力ではないぞ!』

 

ギルリアンがそう叫ぶと、残っていた無人砲台やミサイルが起動し始める。

 

「ジャミングが効かんだと!?」

 

アクセルがアシュセイバーのジャマ―でミサイルの無効化を試みるが、効果が無い。

 

『今の私はこの島の全ての管制を掌握しているのだ!貴様の電波妨害など無意味だ!・・・出ろ、フローティングマイン!』

 

敷地の地下が開き、そこから巨大なドローンが無数に現れ、アシュセイバーやRーGUNに向けて飛来する。

 

「何かは分からないが、動きは速くない!」

 

ヴィレッタは瞬時にバルカンを斉射するが、フローティングマインはそれをものともせずRーGUNに接近し、そして爆発した。

 

「くっ・・・!!?重装甲の誘導爆弾・・・また訳の分からない兵器を・・・!!」

 

ヴィレッタは合理性の無い敵兵器に戸惑うが、フローティングマインは次々と迫ってくる。

 

『重装甲なら奴にはじき返してやればいい。』

 

横合いから赤い人型起動兵器が現れ、フローティングマインをパーフェクトギルリアンに向けて蹴り飛ばし、直撃した。

 

「赤いベルヴァ!?」

 

『俺だ、ヴィレッタ。』

 

「俺だと言われても・・・誰?」

 

ヴィレッタは当然の戸惑いを見せる。

 

『・・・魔傀だ。』

 

魔傀はばつが悪そうに改めて名乗る。

 

「そう、じゃあ早く手伝ってちょうだい。」

 

『・・・ああ。』 

 

魔傀としてはもう少しリアクションが欲しかったが、ヴィレッタはあっさり受け入れ戦闘を再開する。

 

『ほう、貴様もゴーストに身を落としたか、電神魔傀!』

 

『一緒にするな・・・ダブルナックル!!』

 

プロトベルヴァはパーフェクトギルリアンに接近し、格闘戦を仕掛ける。

 

「電神魔傀、いつぞやのサイボーグか・・・この機は逃さん、ソードブレイカー!」

 

アシュセイバーはソードブレイカーを展開しつつ、それよりも速く突撃していく。

 

「シシオウブレード、切り裂け!」

 

アシュセイバーは接近と同時に抜刀し、パーフェクトギルリアンに斬りつける。それに追従するようにソードブレイカーがパーフェクトギルリアンを襲った。

 

『舐めるなー!!!』

 

パーフェクトギルリアンから赤い光が立ち上り、ソードブレイカーを吹き飛ばす。そのエネルギーは無数の火球となって辺り一面に降り注いだ。

 

『全て破壊しつくしてやる!』

 

「MAPW!?各機、距離を・・・!」

 

パーフェクトギルリアンの放つ広範囲攻撃に対し、各機が距離を取る。

 

『奴め、まだこんな力を・・・!?』

 

「だったらまずはその攻撃を封じる!」

 

ヴィレッタはそう言ってパーフェクトギルリアンに弾丸を発射する。

 

『フハハハハ、なんのつもりだヴィレッタ・バディム!』

 

パーフェクトギルリアンにダメージは無い。

ギルリアンは腹部のエネルギー砲をRーGUNに発射しようとする。

 

『なんだ・・・ビームが出ないだと!?・・・貴様、何をした!!?』

 

「パーフェクトギルリアン、優秀な起動兵器ではあるみたいだけど、未知のエネルギーや特殊な防御フィールドを持っているわけじゃない。エナジーテイカー+はどうやら効果的だったみたいね。」

 

RーGUNが放ったのは相手のエネルギーを低下させる特殊弾だった。

 

『おのれ・・・それがどうした!?私はパーフェクトギルリアンだぞ!』

 

ギルリアンはそう叫びながらRーGUNに攻撃を仕掛ける。

しかしその間にアルブレードが割って入る。

 

「俺がアルブレード用に作ったモーションだ・・・パターンGFE!」

 

アルブレードはGリボルバーを連射しながら接近し、その後ブレードトンファーと蹴りによる打突と斬撃を連続で繰り出していく。

 

「ギルリアン・エルダイン、俺に出会った不幸を呪え!ギャラクシーファントムエクスプロージョン!」

 

最後に両腕を交差させるようにパーフェクトギルリアンを切り裂き、渾身の右ストレートを叩きつけた。

 

『止めを譲るつもりは無い!』

 

プロトベルヴァの胸部装甲が開くとその躯体が雷を纏って発光する。

 

『うおおお!ブースターナックル!マッハパンチ!!二―スラッシャー!!!』

 

プロトベルヴァは突撃しながら右ストレートを繰り出し、その後連続パンチからの飛び膝蹴りを繰り出す。

 

『コイツで止めだ、サンダーブレイク!!』

 

プロトベルヴァはパーフェクトギルリアンに掴みかかり、エネルギーを放出する。

 

『おのれええええ・・・・電神魔傀!!?ぐわあああああ!!!?』

 

そのエネルギーはパーフェクトギルリアンの巨体を吹き飛ばし、爆散させた。

 

 

▽▽

 

 

「アルブレードのフジワラ参謀より入電!ゴーストの首魁、ギルリアン・エルダインを討ち取ったとのことです!」

 

魁龍改のブリッジでオペレーターが報告する。

 

「よくやってくれた・・・魁龍改はただちにアイドネウス島に接近、突入部隊を回収する。」

 

アリッサが光雀カスタムのコックピットの中で指示を出す。

 

「極東支部にも報告し、東亜錬金技研とゴーストに対す調査チームを派遣するように伝えるんだ。グズグズしていたらプレジデント・マークに根こそぎ持っていかれるぞ!」

 

「プレジデント・マークはガイアセイバーズに参加すると言っていましたが?」

 

ラミアがアリッサに問いかける。

 

「ヤツを信用するな。今回はゴースト討伐に参加することで連邦に対し義理を果たした形になったが、同時にニューヨークドミニオンの手柄を主張してくるだろう。あの男は自分の特になる事しかしない。」

 

グリムズ商会の長でもあるアリッサはプレジデントをそう評する。

 

「私はこのままラーズアングリフで上陸します・・・撃墜された味方機の回収もありますんで。」

 

「・・・私も行こう。」

 

二機は魁龍改に先行する形でアイドネウス島に上陸した。

 

 

▽▽

 

 

「なんとか全員脱出できたみたいね。」

 

ヴィレッタたちは今にも崩れそうな東亜錬金技研のビル内から突入チームを回収する。

 

「出来るだけ早く東亜錬金技研の技術をサルベージしたいところだが、この状態ではな・・・」

 

マリー・フィリップスが呟く。フィリップス財閥を預かる身としてもゴーストの技術は魅力的なものらしい。

 

「危ない!?」

 

そうこうしている間にとうとうビルが完全に崩れ落ちる。

 

「馬鹿な、これはまさか・・・!?」

 

崩れたビルの中からこれまで確認されていた物よりもはるかに巨大なダイダルゲートが現れる。

 

『フッフッフ・・・どうやらこのアイドネウス島こそが一つの特異点だったようだな・・・』

 

ゲートの前に黒い怪人が現れる。

 

「ダグブール・・・貴様!?」

 

『よくやった、タイムダイバー・・・そしてこの時代の人間共よ・・・』

 

それと同時にダイダルゲートが黒く光り始め、そこから巨大な腕が現れる。

 

『今、帝王が降り立つ・・・この島に集まった破壊エネルギーによってな!』

 

ダイダルゲートをこじ開けるように巨大な起動兵器が出現する。

 

『私はダイタス、新帝国ダイダルの帝王である。』

 

現れたのは元の時代のアイドネウス島で交戦した起動兵器、デルタ7だった。

 





【キャラクター出典紹介】

プロトベルヴァ [電神魔傀(AC)][ゴーストチェイサー電精(SFC)]


【ちょっと語らせて】

プロトベルヴァは電神魔傀のステージボスで電磁魔傀ではブラックマンと、ゴーストチェイサー電精ではタルクスと共に登場します。
本来はベルヴァと同じく人格があり、タルクスorブラックマンに付き従っているのですが、思い切って魔傀の乗機として登場させました。

ツインリニアガンは本来普通にルシファードの武装なのですが、「普通の武器が未知の力でパワーアップ」みたいなシチュエーションに憧れて取り入れてみました。
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