スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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第六章 ダイダルの野望
1話 帝王ダイダス


 

「これはいったい何者だ!?」

 

極東支部の指令室でシュワルツ・V・ブランシュタインが、モニターに映し出された巨人を見てそう口にする。

 

「ニューヨーク、凱旋門、東京タワー、万里の長城に巨人の影が出現!全世界、あらゆる場所で確認されています!」

 

「同時に何かのメッセージがあらゆる周波数、あらゆる言語で発進されています!」

 

指令室のオペレーターが次々と状況を報告していく。

 

『人類に次ぐ、私は真帝国ダイダルの帝王ダイダスである。争いと破壊を繰り返すだけの人類は地球にとって、いや宇宙にとって不要なものである。私は、宇宙の意志に従い人類をこの地上から消去する。真帝国ダイダルにそれだけの力があることをこれからお目に掛けよう。』

 

ダイダスがそう述べると、世界各地の小康状態にあったダイダルゲートが次々と起動していく。

 

「日本でも東京を中心にゲートから大量のダイダル兵が出現しています!」

 

『これでお判りいただけたかな?貴様たち人類には二つの道しかない。絶望に怯え終わりを待つもよし、怒りに任せて抗うもよし、それらの負の感情は我に力を与える、いずれにせよ貴様らに未来はない。我がダイダル帝国はこれより全世界に対して総攻撃を開始する。』

 

ダイダスの放送が終わる。

 

「キタクラ班長、警備班は直ちに出動!ファイターロアと合流し、森羅やジェイスワットと連携して対応に当ってくれ!」

 

「セイセイセイバーヒーローファイト!」

 

キタクラ班長はそう言って指令室を後にする。

 

「アイドネウス島は・・・ガイアセイバーズはどうなっている?」

 

「今繋ぎます!」

 

オペレーターが魁龍改の艦長と通信を繋ぐ。

 

『突入部隊も起動兵器部隊もゴーストとの連戦で消耗しております。このままダイダル帝国との戦闘を継続すれば全滅は必至かと・・・』

 

『シュワルツ、今すぐガイアセイバーズを撤退させたまえ・・・』

 

別のモニターに通信が入る。映し出されたのはニューヨークドミニオンのプレジデント・マークである。

 

「プレジデント、だが今ダイダル帝国の首魁を倒さねば世界中に混乱を招くことになるぞ。ニューヨークドミニオンとて侵攻をうけているのだろう?」

 

『だからこそだよシュワルツ、アイドネウス島に向けて[ミレニアムアタッカー]を発射する。』

 

プレジデントは超広域破壊ミサイルの使用を提案する。

 

『ミレニアムアタッカーですと!?島ごと破壊するつもりですか!?あんな物を使えばマーケザス諸島全域にも影響が出ますぞ!?』

 

魁龍改の艦長が動揺を見せる。

 

「・・・ニューヨークドミニオンは世界中から非難されることになるかもしれんぞ?」

 

『そうはならんさ、民衆はお前や連邦評議会の連中が思っているほど愚かではない。ダイダル帝国は既に全人類に宣戦布告を行い、現状全世界が奴らの侵攻を受けているのだ。一刻をを争うこの状況は私にとっては好機だよ。』

 

プレジデントはそう言いながら口髭を撫でる。

 

『この一撃で私は英雄となるだろう・・・ポチっとな』

 

プレジデントはそう言ってデスクのボタンを押した。

 

 

▽▽▽

 

 

「かなりまずい状況ね・・・!?」

 

ヴィレッタは敵と交戦しながらつぶやく。

デルタ7の出現後、ダイダルゲートからは更に20M級のダイダルロボ[重ダイダル兵]、重戦車型の[ダイダルタンク]、飛行ユニットの[ダイダルホバー]と言ったのダイダル兵の大群が現れ、戦闘を仕掛けてきた。

 

「爆裂パンチ!」「氷結キック!」「雷電パンチ!」「白光キック!」「岩石逆落とし!」「火炎放射!」「高圧水流!」「電撃砲弾!」「レーザー砲!」「徹甲弾乱れ撃ち!」「炎の頭突き!」「氷結瓶!」「雷の頭突き!」「閃光ガス!」「礫瓶!」

 

ヴィレッタ達はその物量と、炎や電撃、氷や閃光を纏った攻撃に翻弄され、ワシントン支部の戦闘機も次々と落とされ、ヴィレッタたちも徐々に押し込まれていく。

 

「数が違い過ぎるな・・・デルタ7さえ仕留めれ兵隊共は大人しくなるのでしょうけど・・・。」

 

「ダイダル軍どころか、デルタ7が単独であったとしてもこの戦力では無理だな・・・。」

 

ヴィレッタやアクセルがアイドネウス島での戦闘を思い返しながらそう口にする。

 

「これは・・・皆、もうすぐこのアイドネウス島に広域破壊ミサイルが飛来する、一旦退くんだ。」

 

湾岸から光雀カスタムが合流し、アリッサがそう言いながらラーズアングリフと共に砲撃を繰り返す。

 

「艦長、突入チームの回収はどうなっている!?」

 

ライが魁龍改に通信を入れる。

 

『叶エイジと日向ラン、それにミラ・ロマノア少佐がまだ確認できておりません!それ以外は撃墜された特殊部隊班のメンバーも含め全員収容しました!』

 

「エイジとランか・・・解った、その二人はこちらで捜索する、魁龍改は撤退を・・・」

 

「クエエエエェッ!!」

 

突如、アイドネウス島に超高速で飛来した火の鳥がダイダル軍の起動兵器を薙ぎ払う。

 

「なんだ!?」

 

続けてアイドネウス島の地面が揺れ、地中から巨大な亀の形をした起動兵器が現れ、甲羅から無数のミサイルを発射しダイダル軍を駆逐する。

 

「あの二機は・・・・雀王機と武王機!?」

 

ラミアが現れた起動兵器を見てその名を口にする。

 

「雀王機と武王機・・・ではアレがかつて曾祖父が私財を投じて発掘にあたっていた機体か?・・・資料でみた物とはやや異なるが、ラミアたちはアレを知っているのか?」

 

アリッサ・グリムズがラミアの発言に疑問符を打つ。

そこへさらに続けて量産型の妖機人が大量に出現し、ダイダル兵と交戦を始めた。

 

「バラルは地球の守護者を謳っていたはずだが・・・奴らがダイダルと敵対するならあるいは好機か・・・!?」

 

アクセルがバラルの軍勢の様子を見てそう述べる。妖機人たちは多種多様な攻撃方法でダイダル兵の属性に対応していく。

しかし次の瞬間、雀王機が光雀カスタムに砲撃を仕掛ける。

 

「こちらを襲ってきた!?狙いは私か!?」

 

アリッサが雀王機の攻撃をギリギリで回避しながらそう推察する。

 

「だが武王機の方はダイダルとの戦闘を続けている・・・意図が読めんな。」

 

「考えている暇はない、ヤツを止めるぞ!」

 

ライが各々にそう通達した。

 

 

▽▽

 

 

「善い仕上がりですな・・・あそこまで歪められ、破壊された雀王機と武王機をここまで見事に復元するのは骨が折れたであろう、公輸般殿。」

 

「当然の仕事だよ、墨子殿。雀王機は夏喃潤様が好んで使う機体ですからな。・・・ですがどうやら雀王機は怒っておるようだが・・・?」

 

武王機の上に青い仮面と黒いローブを纏った二人の人物が現れる。二人とも同年代の壮年の男性のようだ。

 

「雀王機は四神の中では最も気性が荒いですからな、どうやらあの雀王機を模した偽機人が気に入らぬ様子。」

 

「いや、問題は乗り手のほうだろう・・・かつて雀王機に屈辱を与えたジェイベズ・グリムズに連なる人間が乗っているようでございますな。」

 

「グリムズ・・・人の身でありながら超機人に触れた愚かな一族の末裔か・・・今はそんな小物に構ってる時ではないというのに。」

 

「雀王機の性格では仕方がありますまい。構いませんよ、どちらにせよ人界の兵器もあの新たな百邪と共に破壊する予定です。人の子に兵器など必要ありませんからね。」

 

「ダイダル帝国と言いましたかな、あの木偶は?これまでの百邪とは毛色が違いますが・・・修繕した超機人のならしには丁度いい相手でございますな。」

 

墨子と公輸般、二人の男が取り留めもなく会話を続ける。何気なく話す二人の姿は何処か不気味に見える。

次の瞬間、複数の呪符が飛来し、その身体を焼き払う。

 

「其処までだ、バラル共。」

 

そこに現れたのは魁龍改に協力する道士、朧天明だった。

 

「ふむ・・・バラルの名を知っているのか・・・。それにこの戦場を生身で抜けてくるとは、まだ幼いが多少仙術の心得はあるようだな?」

 

炎に包まれた墨子と公輸般がそれを意にも介さず言葉を続け、次第に炎は収束していく。

 

「雀王機はともかく、我々はキミ達と事を構えるつもりは無かったが、仕方ない・・・。」

 

墨子がそう口にすると、その周りに首のない怪人や腹部に大きな穴の開いた怪人が複数現れる。

 

「・・・小機人、刑天と穿匈。」

 

「ほう、本当に詳しいのだね君は。・・・どうかね、仙術をかじっているのなら我らバラルに入らないかい?いずれは全人類に対し尸解を試すつもりだが、君であればその資質は十分だろうからね・・・。」

 

「邪仙が世迷言を・・・!」

 

朧天明は術と暗器で小機人を薙ぎ払いながら問う。

 

「世迷言ではないよ、君たちは知らないのだ、この世界の外にはこの星の人類など比べるべくもない高次元の生命体が存在していることを。それらに対抗するにはこの世界の人類もより徳の高い存在へと真化せねばならない。その第一歩こそ我らバラルがもたらす総人尸解計画なのだよ。」

 

「勝手な事を言ってくれるわね!」

 

そこへ黒騎士ミラ・ロマノアと攻牙忍軍の刃零が現れ、小機人を撃退していく。

 

「うちのメンバーを勝手に引き抜かないでもらえるかしら、仙人さん?」

 

「人の子の精鋭部隊か・・・尸解に成功すれば、そのかりそめの身体ではなく本来の生身の肉体を持つことも可能だよ。」

 

「・・・!!?」

 

墨子の言葉にミラが反応する。

 

「私としてははその機械の身体も興味深いものがあるがね?とりあえず捕らえるとしよう・・・・」

 

墨子とは相対的に公輸般はミラの義体に興味を示す。すると武王機の尾から伸びた巨大な蛇がミラに襲い掛かる。

ミラ、刃零、朧天明は玄武の尾に総攻撃を繰り出すが、その大蛇はものともせず向かってくる。

 

「これは・・・さすがに無理そうね。」

 

「こいつ等を仕留めれば済むことだ・・・」

 

刃零が一瞬で距離を詰め、墨子と公輸般に斬りかかる。

 

「ぐわっ!?」

 

斬られた墨子はその場に倒れる込む。

 

「おのれ・・・よくも我が命を奪ってくれたな?」

 

墨子はそう言って起き上がる。バラル教の仮面が割れ、その下からは何の変哲もない、特徴らしい特徴を持たない普通の男の顔が現れる。

 

「不死身か・・・!?」

 

「そんなわけが無いだろう?おかげで残機が減ってしまったよ!」

 

墨子はそう言いながら人とは思えない形相を浮かべた。

 

 

▽▽

 

 

「各機は光雀カスタムの援護を・・・!」

 

「フジワラ参謀、狙いが私だというのなら、このままこいつをあの帝王とやらの所まで誘導する!各機はフォローを!」

 

光雀カスタムが変形し、デルタ7に向かって飛び、雀王機はそれを追いながらダイダル軍を蹴散らしていく。

 

「アリッサ・グリムズ、無茶なマネを・・・フォローと言われてもこちらは陸戦用ばかりだというのに・・・!」

 

「けど道は開けた、このままデルタ7の所まで突っ切る!」

 

一行は光雀カスタム、雀王機に続いてデルタ7に接近する。

 

『蠅が・・・巨大ミサイル、ターンミサイル、フレアバーナー!』

 

デルタ7が搭載した火器で光雀を砲撃する。

光雀カスタムがそれを避けながらデルタ7の周りを旋回すると、そこに向かって炎を纏った雀王機が突撃していく。

 

「クエエエエェッ!!」

 

『ぬおおおお!!?』

 

雀王機の滑空炎斬はデルタ7の歪曲フィールドを切り裂き、ダメージを与える。

そして上空に飛翔し雀王火焔を放射する。

 

「今だ!80ミリ気弾砲、アクティブ!」

 

光雀カスタムはその手に持つ巨大なキャノン砲をデルタ7に向けて発射する。

 

「続けて仕掛ける・・・スラッシュリッパー、リープスラッシャー、ネオチャクラムシューター!」

 

雀王機を追ってきたアルブレードが装備している武装を連続で繰り出し攻撃していく。

 

『舐めるな・・・ダイパンチ!』

 

「何!?」

 

アルブレードは咄嗟にブレードトンファーでダイパンチを受けるも、その質量で弾き飛ばされてしまう。

 

「こいつは借りるぞ!」

 

弾かれたブレードトンファーを後続のアシュセイバーがキャッチする。

 

「行くぞ、コード・・・キリン・嵐!」

 

アクセルはアシュセイバーのソードブレイカーを周りに纏いながらデルタ7に自身も接近しブレードトンファーで打撃と斬撃を繰り出し、それに追従するようにソードブレイカーが連続で切り裂いていく。

 

「各部ロック解除、Fソリッドカノン、発射!」

 

ラーズアングリフの放った高出力のエネルギー砲がデルタ7を直撃する。

 

「切り裂け!!」

 

その後、アシュセイバーアッパー状に渾身の斬撃を繰り出した。

 

『うおおおおお!!?』

 

デルタ7はダメージを負うも、そのたびにマシンセルで修復されていく。

 

「魔傀、準備は良いかしら?」

 

『何でもありだな、お前のロボットは。』

 

巨大な銃に変形したRーGUNを見て魔傀が呟く。

 

「いいから、早く持ちなさい!」

 

『無茶を言うな、ベルヴァのボディにはデカすぎるだろ!?』

 

「大体の方向さえ合っていればいい、照準が合ったタイミングでトリガーはこちらで引く。」

 

そう言われてプロトベルヴァが身体全体でメタルジェノサイダーモードのRーGUNを掴み、その銃身をデルタ7に向ける。

 

『それだけじゃ足りない・・・』

 

ヴィレッタの前に一人の青年が現れる。白いヘルメットをかぶり、デニムのジャケットとパンツ姿、その背には大きな白いアコースティックギターを背負っている。

 

「・・・今度は貴方が力を貸してくれるのかしら?」

 

『・・・・』

 

ヴィレッタが青年に尋ねると、青年は無言でうなずいた。

 

『なんだ!?プラズマフィールドが勝手に・・・!?』

 

プロトベルヴァの胸部装甲が開き、サンダーブレイクのエネルギーがRーGUNに流れていく。

 

「トロニウムエンジン、フルドライブ!メタルジェノサイダー、電磁エンドシュート!」

 

稲妻を纏ったトロニウムバスターキャノンがデルタ7に向けて発射される。

 

『うおおおお!!!!?』

 

その一撃は空へと続く一筋の光となってデルタ7こと帝王ダイダスを吹き飛ばした。

 





【キャラクター出典紹介】

重ダイダル兵、ダイダルタンク、ダイダルホバー [スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望]

墨子、公輸般 [スーパーロボット大戦α ロボット大図鑑]
形天、穿匈  [龍虎王伝奇]


【ちょっと語らせて】

ミレニアムアタッカーはバトルコマンダーに登場する一番高額なミサイルです。

ダイダルの野望にはダイダル兵とは別に重ダイダル兵という敵が居るのですけど、せっかくなのでダイダル兵は人間サイズ、重ダイダル兵は20M及として、ついでにタンクとホバーもMサイズユニットのイメージで登場させました。

墨子と公輸般は古代中国の哲学者と発明家で、春秋戦国時代が本格化するより少し前の時代(キングダムよりもっと昔)の人物らしいです。
スパロボの世界ではスパロボαのロボット大図鑑の龍虎王の説明の中に名前だけ登場し、龍虎王を修理した人達とのこと。なのでバラルの一員として登場させてみました。
形天は龍虎王伝奇に登場する首の無い怪物ですが、穿匈に関しては明確には登場していません。作中で小機人が作られているカプセルの中に胸に穴の開いた怪人の姿があり、その姿を形天と同じような中国の怪物に当てはめてみると穿匈人という生き物が該当するのではないかと登場させてみました。

キリン・嵐、ソードブレイカーをムゲフロの神夜の月輪に見立てて真似してみました。名前は楠部一刀流秘伝・阿羅刺から。

電磁エンドシュート、電磁エンドは本当はフライングクロスチョップで使いたかったんですけど、それだとどう頑張っても強い技にはならないのでこの形になりました。
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