スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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3話 巨人が降り立つ地

 

「ハリウッド!ゴールド!」

 

「忍法、地鳴!」

 

零時と小牟、そして天地丸が浅草に現れたダイダル兵を次々と倒していく。

 

「この浅草で俺に勝とうなんざ100年早えぜ!」

 

ファイターロアが鉄球でダイダル兵を殴り飛ばしながらそうつぶやく。

 

「ショウコたちにとっては100年後もまだ40年前だけどね・・・忍法花霞の術!」

 

ファイターエミィもロアにそんなツッコミを入れつつ攻撃に参加する。しかし金の属性を持つダイダル兵がそれをものともせずに襲い掛かる。

 

「・・・ライトパンチ」

 

「きゃあ!?」

 

殴り飛ばされたエミィを巨大な男が受け止める。サングラスで目元を隠し、バンプレストのロゴマークが入ったシャツに、下半身にはなぜか相撲のまわしが占められている。

 

「どすこーい!」

 

大男は体躯から強烈な張り手を繰り出しダイダル兵を突き飛ばす。

 

「無事か、ショウコ?」

 

男はサングラスをずらしながらショウコに声を掛ける

 

「ありがとうございます、グレート雷門!」

 

「俺の名は守天だ。誰だよグレート雷門ってのは!?」

 

守天はそう言ってショウコの言葉を否定する。

 

「だって小牟ちゃんが・・・」

 

守天に否定されショウコが小牟を見る。

 

「守天よ、その姿こそわしらバンプレストオリジナルキャラクターの大先輩にして元祖の一人、グレート雷門の姿じゃ!」

 

小牟が先達にメタ的な敬意を払いながら守天を窘める。

 

「はん!そんな奴は知らねえな・・・・タミネサンダー!」

 

守天は小牟を無視し、ダイダル兵に電撃を繰り出した。

 

「いや絶対知っとるじゃろ・・・。」

 

そんなやり取りをしているうちに守天の身体が光始める。

 

「なんじゃなんじゃ、もう電撃は要らんぞ、張り切り過ぎじゃろ?」

 

「違えよ!・・・なんなんだこりゃ・・・・!?」

 

そう言い残して守天は一瞬でその場から姿を消した。

 

「ゆらぎ・・・!?いや、守天だけがどこかへ転移したのか!?」

 

「グレート雷門・・・。」

 

零児の言葉にショウコが不安そうな顔を見せる。

 

「そんなに心配しなくても、エンドレスフロンティアに帰ったって可能性もあるんじゃねえか?もともといきなり現れたし。」

 

「ここはワシに任せておけい・・・グローバル・ポジショニング・システム起動!」

 

小牟が携帯端末で位置情報アプリを見ながら語る。

 

「ただのGPSに大げさだな・・・」

 

零児はあきれ顔でそう呟いた。

 

 

▽▽▽▽▽

 

 

「がおー!」

 

漢緋藍の前に巨大な熊が立ちはだかる。

 

「ふむ、熊の日本妖怪[鬼熊]か、熊なんぞ妖怪でなくとも人にとっては脅威じゃが・・・武をもって野獣を制するのもまた一興よ。」

 

緋藍はそう呟きながら鬼熊にトリッキーな動きで打撃を加えていく。

 

「わわわ・・・生身で熊の怪物と戦ってる!?」

 

「すごいな・・・。武術は本来対人を想定した戦闘技術、それを熊相手にあんなにも自然に戦えるなんて・・・!?」

 

緋藍の戦闘を見てランとエイジが驚く。

ダイダル兵も緋藍に続くように村の老人や子供たちを守りながら妖怪と交戦する。

しかし巨大な河童や雪女と言った多種多様な妖怪がダイダル兵を撃退していく。

 

「あん・・・ダイダル兵の弱点は割れてるわよ。」

 

逢魔の沙夜が后暁、3本の刀と拳銃、そして手刀を用いてダイダル兵を破壊していく。

 

「五行による攻撃は専売特許なの。」

 

「ならば先にお主を始末させてもらうかの!」

 

間髪入れずに緋藍が沙夜に接近し、踏み込みながら当身を繰り出す。沙夜はそれをすんなり交わし、銃口を向ける。

 

「あまり調子には乗らないでちょうだいね、おじいちゃん?貴方以上の異常な格闘家は今までもわんさか居たわよ・・・。」

 

沙夜は以前戦った流浪の格闘家や全米格闘王、ICPOの女刑事、国語教師に保険教諭に女子高生、それにとある財閥の一族を思い返しながら述べる。

緋藍の足下に土属性の銃弾を撃ち込むと地面が隆起しその足を拘束する。

 

「妖狐霊術、奪氣の型!」

 

「むう・・・面妖な・・・!?」

 

「がおー!」

 

沙夜が緋藍の体力を吸い取ると、そこへ再び鬼熊が襲い掛かる。

 

「やらせない!」

 

エイジがヴォルテックスへと変身し、鬼熊の前に割って入る。

 

「ほら魔傀刑事!幽霊課の頑張りどころだよ!」

 

「幽霊と妖怪は別物だ。」

 

ランの言葉に魔傀が妙な反論を示す。

 

「どっちもお化けじゃん!」

 

「なら貴方の相手はアレね・・・?」

 

ヴィレッタが魔傀に促した先から落ち武者の亡霊が湧いてくる。

 

「どちらにせよやるしかないな、行くぞ!」

 

巨大な獣のような雲の妖怪、赤舌がヴィレッタ達に豪雨を浴びせ、そこへ複数雪女が現れ吹雪を巻き起こす。

 

「ううぅ・・・寒いよ~・・・こうなったら、変身!」

 

寒さに耐えかねたランもヴェルベットへと変身する。

 

「ヴェルスライサー!」

 

「バーニングソバット!」

 

ランが巨大な赤舌を切り裂き、魔傀が燃える蹴りで雪女を砕く。しかし赤舌は身体を雨雲に変化させ斬撃を交わし、雪女は凍気の壁でバーニングソバットを防ぐ。

 

「・・・普通の人間じゃない?」

 

雪女がエイジやラン、魔傀を見て難色を示す。

 

「お前達は考えなくていい、沙夜様の命に従え。」

 

上空から逢魔の仮面をつけた悪天狗と業天狗が現れる。

 

「調子に乗るなよ逢魔共、ワシら遠野勢はお前達に下ったわけじゃねえ!」

 

「だったら帰ってくれないかな?」

 

巨大な河童が天狗に怒鳴るのを見てランがそう述べる。

 

「そうはいかないわ。私たち妖怪は生物ではなく現象、ただそこに居るだけの存在・・・私たちを退けたいならこの岩手山脈を吹き飛ばすつもりでかかってきなさい!」

 

そう述べる雪女を中心に吹雪が発生する。

 

「言ってる事がめちゃくちゃだよ!?別に戦う理由は無いんでしょ!?」

 

「理由はある、人間を怖がらせるのがワシら妖怪の性。人間の恐怖の感情こそが妖怪の力の源だからな!」

 

(負の感情をエネルギーに・・・それではまるで・・・・)

 

ヴィレッタは河童の言葉にルイーナを連想する。

混戦の中、ヴィレッタの前に人間大の猿の怪物が現れる。

 

「キキキ・・・」

 

ヴィレッタを見た猿は歪んだ笑みを浮かべるが、その金色の瞳は感情のない無機質ななものだった。ヴィレッタは拳銃で応戦するが、その弾丸は猿の体毛で止まる。

 

「その子は経立、長く生きた動物が怪異化した存在よ。中でも猿の経立は人間の女を好む傾向があるの。どうやらあなた、気に入られたみたいね?」

 

雪女がヴィレッタにそう説明する。ヴィレッタは再度弾丸を撃ち込むも効果はなく、経立はヴィレッタに迫る。

 

「ッ!?」

 

ヴィレッタは経立に組み敷かれ、身動きが取れなくなる。

 

「キャキャキャキャキャ!!」

 

経立はその猿の顔を更に歪めて近づけて大口を開けて笑う。ヴィレッタはその乾いた笑みに嫌悪を感じる。

 

「水連!」

 

突如、経立の頭部が水の花に包まれ爆ぜる。経立はそのまま倒れて動かなくなった。

 

「今のは一体・・・!?」

 

ヴィレッタは状況がつかめないまま身を起こす。

 

「大丈夫ですか?」

 

目の前に長い髪を後でまとめた見覚えのある少年が現れる。

 

「あなたは天地丸?どうしてここへ!?」

 

「天地丸さんを知ってるんですか!?」

 

目の前に現れた天地丸と同じ顔をした少年からはそんな問いが返ってくる。よく見ると天地丸の忍び装束ではなく、法衣に袈裟といった僧のような姿をしている。

 

「ボクの名前は高野丸、天地丸さんの従弟に当ります。」

 

「天地丸の従弟・・・ではあなたも戦国時代の忍びなのかしら?」

 

「いえ、僕は忍ではなく退魔師です・・・風牙!火炎車!」

 

高野丸は印を結び、風の刃で赤舌を引き裂き、炎の輪で雪女を迎撃する。

 

「これが僕の法術です!」

 

(天地丸の忍術と何か違うのかしら?)

 

ヴィレッタは高野丸の法術を見てそんな感想を抱く。

 

「あん、天地ちゃんの従弟ですって?けど術師の類なら直接叩き潰すだけよ・・・。」

 

高野丸の前に沙夜が対峙する。

 

「お前は・・・狐の妖か?出来れば傷つけたくはないけど・・・。」

 

「妙な事を言うのね・・・へえ、あなた・・・。」

 

沙夜は何かを思いながらも高野丸に斬りかかる。

 

「氷」「炎熱!」

 

高野丸は錫杖の仕込んだ刃を抜き、沙夜の持つ水の刃と高野丸の炎の剣技がぶつかり合う。

 

「剣の方も多少は使えるみたいね。けど・・・后暁抜刀法、百姫夜行!」

 

沙夜が一瞬で[禊][焔][氷]、3本の刀をすれ違いざまに抜刀する。

高野丸は防ぎきれずに斬撃を受けると、傷口が燃え、凍てつき、植物が生える。

 

「仙療!」

 

高野丸はすぐさま回復術で傷を癒す。

 

「妲己よ、高野丸はワシに任せろ!積年の恨みを晴らしてやるわ!」

 

巨大な河童が高野丸に迫る。

 

「あの大きな河童と知り合いなのかしら?」

 

「奴の名は水虎、かつて僕が[召喚術]で使役していた妖怪の一体です。」

 

「召喚術?」

 

「ええ、こんな感じで・・・出でよ、最強の鬼、酒呑童子!」

 

高野丸が再び印を結ぶと空間が歪み、そこからサングラスをかけたふんどし姿の鬼が現れる。

 

「・・・何処だここは!!?」

 

「・・・酒呑童子じゃない!?どうなってるんだ!?」

 

現れた鬼、守天は混乱し、高野丸もまた現れた鬼の姿に困惑する。

 

「沙夜、またお前かよ!?今度は何処なんだ!?」

 

守天は沙夜の姿を見てうんざりした様子を見せる。

 

「今回は私のせいじゃないわ・・・それよりその恰好、何のつもりかしら?」

 

沙夜の方も守天の出で立ちを見て呆れる。

 

「なんだ知らねえのかよ、グレート雷門って言うらしいぜ!」

 

守天は何故か少し自慢げににそう答える。

 

「貴方は味方という事でいいのかしら、グレート雷門?」

 

ヴィレッタがグレート雷門=守天とは気づかずに尋ねる。

 

「お前はヴィレッタとか言ったな・・・まあそう言うこった、タミネサンダー!」

 

「ぐわあああ!」

 

守天は電撃を放ち水虎を撃退する。

 

「今だ!」

 

高野丸が倒れた水虎に近づく。

 

「家出の時間は終りだ、もう一度枷を付けさせてもらうよ、水虎。」

 

「おのれ高野丸~!!!」

 

高野丸が印を結ぶと水虎は光の輪に拘束され、その場から消え去った。

 

「出でよ、[水虎]!」

 

高野丸がその場で再び水虎を召喚する。

 

「・・・・・」

 

水虎は先ほどまでとは打って変わって虚ろな雰囲気で再び現れる。

 

「さあ水虎、仕事の時間だ!」

 

高野丸と召喚された水虎、それにグレート雷門が沙夜を取り囲む。

 

「沙夜、観念しな!」

 

「残念・・・もう少し試したい事があるの。」

 

沙夜はそう言って懐から黒い石を取り出す。

 

「天地丸さんの鬼雷石!?なぜそれを貴様が・・・!?」

 

「出でよ、源五郎!」

 

沙夜が鬼雷石を抱えると、村の奥の大きな社が崩れ、中から人と爬虫類が混ざったような怪物が現れる。

 

「きしゃあああああ!!!」

 

「これは・・・巨大な鬼!?」

 

巨大な怪物は社の屋根を背に乗せたまま動き始める。その巨大な腕を振り回し、ダイダル兵も妖怪も見境なく薙ぎ払う。

高野丸、水虎、グレート雷門がそれぞれ攻撃を仕掛けるが源五郎はものともせずに、三体を迎撃する。

 

「みんな退きなさい・・・こいつの相手はこちらで引き受けるわ!」

 

ヴィレッタがそう言いながら腕の端末を操作する。RーGUNが飛来し、着陸と同時に源五郎の頭を踏み砕いた。

 

「なんだこのでけえ戦術からくりは!!?」

 

「からくり巨人!?こんな物が存在するなんて・・・・」

 

守天と高野丸がRーGUNを見て驚く。

 

「あん、これが本来のパーソナル・トルーパー・・・まさか一撃で源五郎がやられるなんて、流石に手に負えないわね。」

 

沙夜がため息をつきながらそうつぶやく。

 

「高野丸、グレート雷門、今のうちにその女を・・・」

 

ヴィレッタがそう指示を出そうとしたところで、上空に赤いストーンサークルが現れる。

 

「あれはまさか・・・!!?」

 

ストーンサークルを見てヴィレッタが最大限に警戒を示す。

しかしストーンサークルから現れたのはアインストではなく直径50Mほどの見慣れぬ赤い球体だった。

 

「なんだアレは?アインスト・・・SYSTEMと無関係とは思えないが・・・?」

 

ヴィレッタの推察をよそに、赤い球体は森の中の湖へとゆっくりと移動していく。

 

「ヴィレッタ少尉、アレを追ってください!」

 

RーGUNの肩にヴォルテックスが飛び乗ってくる。

 

「エイジ!?あの物体に心当たりが・・・?」

 

「いえ・・・でも何か気になるんです・・・。どこかで見た事があるような・・・。」

 

(この感じ・・・まさかこの時代の人間であるエイジにも私と同じような虚億が?)

 

「了解したわ、この場は魔傀やグレート雷門たちに任せましょう。」

 

ヴィレッタはRーGUNの肩にヴォルテックスを乗せたまま赤い球体を追う。

赤い球体はゆっくりと近くの森へと向かっていく。しばらく追っていくと、球体は湖の上で停止する。

 

「ここは・・・龍ヶ森湖ですね。」

 

(龍ヶ森・・・そして赤い球体・・・私はこれを知っている?)

 

赤い球体は突然激しい光を放ち、中からは金色の仮面をつけた青い身体の巨人が現れる。

 

《私の名はUキラー、SYSTEMによって遣わされし光の使者。その意志に従い、宇宙の静寂を乱す人類を抹殺する。》

 

「なんだこの声は・・・!!?」

 

ヴィレッタとエイジの頭の中に直接声が聞こえてくる。

 

《M87光線・・・!!》

 

巨人はそう言って腕を伸ばし、指先を正面に向ける。

 

「・・・・え!?」

 

巨人から激しい光線が放たれ、RーGUNもろとも辺りの山々を吹き飛ばした。

 




【キャラクター出典紹介】

グレート雷門 [SD大相撲 ヒーロー場所(FC)][バトルドッジボール(SFC)]


高野丸 [ONIⅡ 隠忍伝説(GB)]

源五郎 [隠忍 ニンジャマスター(AC)]


Uキラー [ガイアセイバー(SFC)][バトルドッジボール2(SFC)]

【挿絵表示】

【ゲーム概要】

[ONIⅡ 隠忍伝説]
1992年に発売されたONIシリーズの二作目。変身要素がなくなり4人パーティとなった普通のRPG。ダンジョンは不必要なくらいに迷路と化しつつエンカウント率も高く、ハッキリ言って苦行です。その割にボス戦はチョロく、ゲームとして頑張りたいポイントがズレてると言わざるをえない。

[隠忍 ザ・ニンジャマスター]
1995年に稼働していたらしいのですが、完全にエアプです。遊ぶどころが媒体に出会ったことさえありません。
なんでもボス戦のみの横スクロールアクションという変則的なゲームらしいです。ロックマン・ザ・パワーバトルみたいな感じでしょうか。

【ちょっと語らせて】
グレート雷門を何らかの形で出したいと思ってたのですが、何故か守天がコスプレする形で無理矢理登場させてみました。

ニンジャマスターの源五郎は大きい敵が欲しくて引っ張り出しただけです。未プレイだけど他のボスキャラも使うかも・・・。
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