スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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4話 邪王窮奇

 

『そろそろ岩手県に入りますよ・・・。』

 

ファイターエミィがGサンダーゲートを操縦しながら居住用コンテナのコウタたちに話しかける。

 

「速いし快適じゃしいい景色じゃ。零児、ワシらにも飛行機が欲しい!」

 

小牟は下に広がる山々を見てテンションを上げている。

 

「確かに移動手段としては便利だな、こんど裏嶋博士に相談してみるか・・・。とは言え、女子高生に操縦させて自分たちは休憩室でくつろぐのは抵抗があるが・・・。」

 

「というか違法とちゃうんか?操縦士の資格とかどうなっとるんじゃ?」

 

小牟と零児がコタツに足を入れてそんな会話をしている。

 

「今更怖いこと言うなよ。一応俺たちの時代じゃ政府の軍に協力してるし、問題ねえと思うんだが・・・。」

 

コウタとショウコは元の時代で起こった事件、[修羅の乱]の折に成り行きで鋼龍戦隊に参加するようになったが、今まで曖昧していた部分をツッコまれ少し動揺する。

その隣では天地丸が茶をすすっている。

 

「しかし凄いなこのコタツと言う机は、暖かくて抜け出せなくなる。」

 

「いやもっとGサンダーゲートに驚いてくれよ、戦国時代には飛行機なんて無えだろ?」

 

「確かにこの形の乗り物は初めてだが、高速で移動する気球を移動手段として使っていた。」

 

「戦国時代に気球なんてねえだろ!」

 

「フランスのモンゴルフィエ兄弟が気球による人類初の有人飛行を成功させたのが旧西暦1783年じゃから、戦国時代の日本にあるわけはないんじゃがのう。」

 

天地丸の発言にコウタと小牟が異を唱える。

 

「ひょっとするとそれも平行世界なのかもしれないな。」

 

「ん?どういうこった?」

 

零児の発言にコウタが疑問符を打つ。

 

「例えばコウタ、君が居た新西暦189年と、アクセルが本来いたはずの新西暦189年は別の世界なんだろう?それと同じような平行世界が過去の時代にも存在しているはずだ。」

 

零児は続けて推測を口に出していく。

 

「森羅のデータベースを使って鬼忍降魔録や穏忍伝説について調べたが、どうやら鎌倉時代や幕末にも魔封童子と似たような鬼神が活躍した事例があった。」

 

「しかし鎌倉時代と言えば・・・。」

 

零児の発言に小牟がなにか言いたげだ。

 

「ああ、源頼朝や義経を始めとする源氏は鬼の力を持ち妖怪と戦う一族だったらしいが、俺達がかつて戦った頼朝や義経、木曾義仲は鬼ではなく怨霊だった。」

 

『源頼朝や源義経と戦ったんですか!?』

 

話を聞いていたショウコが反応するが、コウタは頼朝や義経の名前を聞いてもピンと来ないようだ。

 

「つまり現時点で零児さんにとっては、鎌倉時代は二つ存在してるって事か・・・。婆さんはその時代は何をしてたんだ?」

 

コウタは小牟に尋ねる。

 

「コウタよ、わしを婆さんと呼ぶな・・・わしはまだピッチピチの765歳じゃから旧西暦1192年にできた鎌倉時代じゃとまだ生まれとらん。」

 

『小牟ちゃん、鎌倉幕府の成立は旧西暦1185年だよ?』

 

「なんじゃと!!?[良い国(1192)作ろう鎌倉幕府]と教わったぞ!!?」

 

「平成の中学生か?今は[いい箱(1185)作ろう鎌倉幕府]と教えているはずだ。」

 

「おのれ英雄め、嘘を教えおって!」

 

「島津先生は国語教師だし、そもそもお前はジャス学の生徒じゃない。」

 

『高エネルギー反応、皆つかまってて!!?』

 

突如、広範囲に広がる激しい光線が発生し、ショウコの操縦するGサンダーゲートは咄嗟にそれを回避する。

 

「なんだ今のは・・・・!!?」

 

一行が辺りを確認すると山々が破壊され、一つの村がギリギリの位置で残っていた。

 

「今は消えておるが、GPSの反応があったのはあの村じゃぞ!」

 

「俺たちは村に降りよう・・・。ショウコ、Gサンダーゲートは何時でも動けるようにこのまま待機していてくれ。」

 

零児がショウコにそう促すと、居住コンテナが切り離され地上に降りていった。

 

 

 

 

「なんだ・・・何が起こっているんだ!?」

 

「そんな・・・エイジは・・・エイジとヴィレッタ少尉は無事なの!?」

 

魔傀とヴェルベットがそれぞれ動揺している。突如発生した激しい光によって今自分が居る村から少しそれた山がえぐられ、地形が変わり、森が燃えている。

 

「状況は見えんが、急いで村人を避難させなければ・・・」

 

「儂に任せろ!」

 

三浦博士が現れそう述べると、村の奥からダイダルタンクとダイダルホバーが姿を現す。

 

「ダイダル軍の起動兵器!?こんな物まで・・・!?」

 

「一体だけじゃが、コイツならば消火活動ができるはずじゃ。いけ、ダイダルタンク!」

 

ダイダルタンクは燃え広がる山々に向かって放水し、ダイダルホバーは村人を乗せ避難を開始した。

 

 

 

 

「まさかあんなものが現れるなんて・・・直接的には一人も始末できなかったけど、EATER試験体とパーソナル・トルーパーが消えてくれたのはラッキューだったわね・・・。」

 

「おのれ逢魔!我ら遠野を巻き込みやがって!」

 

沙夜が状況を確認しながら撤退しようとすると、妖怪の一味だった赤舌や雪女が一転して沙夜に食って掛かる。

 

「私のせいじゃなくてよ?あなた達にとってはアンラッキューと言わざるを得ないでしょうけど・・・。」

 

「ふざけるな!」

 

赤舌が雨を降らせ雪女が冷気を飛ばす、そして猿や鶏、魚の経立が沙夜に襲い掛かる。

しかしその正面に白夜と数体の片那が現れる、空中には逢魔の業天狗と悪天狗、かまいたちが集まってくる。

片那が雪女に斬りかかろうとした瞬間、高野丸が割って入った。

 

「高野ちゃんだったわね、退魔師が妖怪を庇うなんてどういうつもりかしら?」

 

「別に僕は妖怪をせん滅したいわけじゃない!」

 

高野丸がそう言うと、召喚した水虎が沙夜に攻撃をしかける。

 

「山の霊力が尽きかけている以上、貴様ら遠野の野良妖怪などわれら逢魔の敵ではないわ!」

 

天狗やかまいたちが上空の赤舌に攻撃をしかけ、経立や雪女も次々と片那に斬られる。

 

「獄炎・・・」

 

そして百夜によって水虎が撃退された。

 

「大人しく見逃してくれればこんな目に合わなかったのにね?」

 

沙夜がそう言いながらゆっくりと歩き、高野丸に距離を詰めていく。

 

「晴嵐!」

 

突如、無数の手裏剣が飛来し、沙夜は咄嗟にそれを避ける。

 

「見つけたぞ妲己!」

 

「天地丸さん!?やっと会えた!」

 

突然現れた忍びに高野丸が声を掛ける。

 

「高野丸、お前もこの時代に・・・!?」

 

「話は後です。今はこいつ等を・・・・!?」

 

従兄弟同士の再会を喜ぶ暇もなく、百夜が二人に迫る。しかしその正面に更に別の3M級のロボットが現れる。

 

『闘竜王、推参!』

 

現れた闘竜王の頭部が前方にスライドし、人ひとりが乗れるスペースが現れる。

 

『クラッシャーモード、起動!乗れ、コウタ!』

 

「よっしゃー!行くぜロア!」

 

ファイターロアが現れ闘竜王に飛び乗る。するとその四肢が分離し、腕と胴体が浮遊し始める。

 

「おりゃあああ!」

 

闘竜王と百夜の拳がぶつかり合い、闘竜王が押し切る。

 

『「くらえ、必殺技2!!」』

 

飛翔する闘竜王の腕が雷を纏い百夜に鉄槌を下した。

 

「・・・しろがね」

 

間髪入れずに片那達が斬りかかってくる。

 

「朱雀刀・波乗りの型!」「二刀一迅・樹金の型!」

 

そこへ小牟と零児が割って入り、片那を撃退する。

 

「坊や・・・そう、天地丸と手を組んだのね?相変わらず誰とでも仲良くなるわね・・・。」

 

「お前に敵が多いだけだ・・・。」

 

「言ってくれるわね・・・けどその言葉はそのまま返させてもらおうかしら?」

 

零児と沙夜が互いにけん制し合う。しかしそれを遮るように上空から50M級の巨人、Uキラーが降り立つ。

 

「なんじゃあ!?なんかとんでもないのが現れたぞ!!?」

 

『コイツは・・・まさか!?』

 

現れた巨人の姿に闘竜王こと、戦士ロアが驚く。

 

「知ってんのか、ロア!?」

 

『いや・・・だがかつて共に戦った光の国の一族によく似ている。』

 

「光の国?」

 

『ああ、数々の超能力を持ち、強靭な肉体に永遠とも言える命を宿した究極の生命体。そしてあらゆる多元宇宙を守る戦士の一族だ。』

 

「なんじゃそのウルトラヤバい設定は!?しかし、って事は良い奴なんか?」

 

ロアの説明に小牟が反応する。

 

「奴は敵だ・・・!」

 

そこへ魔魁元聖が合流する。

 

「幽霊課の電神魔魁か・・・簡潔に状況を教えてもらえるか?」

 

零児が魔魁に尋ねる。

 

「奴は紅いストーンサークルから現れた、おそらくSYSTEMの一員だ・・・現にRーGUNとヴォルテックスは奴の放った光で消滅した。」

 

「マジかよ・・・!?」

 

「ランは村人と一緒に避難させた、戦える状態じゃなかったからな・・・・ちなみにこの村のダイダル兵は味方だ。」

 

一同のやり取りをよそに、Uキラーが巨大な足で一歩を踏み出す。

 

「うひゃあ!?・・・どうすりゃいいんじゃこんな奴!?」

 

「おいロア!なんか対抗する方法はねえのかよ!?」

 

『無理だ・・・俺の居た世界、[コンパチネイション]ではどんな存在も調和され、同じような体格と能力に等一される。だから格闘技や球技での勝負でもほぼ互角に戦えたが、本来の力を取り戻したあの一族は無敵だ。』

 

ロアがそう断言する。しかし次の瞬間、辺りに複数の巨大な怪物が現れUキラーに襲い掛かる。

 

「こいつ等はアイドネウス島に現れた化け物・・・!?」

 

「バラルの妖機人じゃねえか!?なんでこの時代に・・・って、居てもいいのか。」

 

魔魁とコウタが現れた妖機人を見て反応する。

 

「・・・抱鴞、孟槐、帝江、サイズはともかく見たところ山海経に登場する連中じゃのう。」

 

小牟がUキラーと戦う妖気人の形状を既知の妖怪と照らし合わせ解説する。

 

「その通りです、小牟様。」

 

巨大な数珠を首にかけた金髪の少年が現れ、無表情で小牟に語り掛ける。

 

「お主は・・・蓬瓜尊?お主がこやつ等を操っとるんか?」

 

「知り合いなのか?」

 

零児が小牟に尋ねる。

 

「同じ大陸出身の仙弧と言う程度じゃ。」

 

「今はバラルに身を寄せております。」

 

「バラル・・・たしか旧西暦に暗躍していたカルト教団がそんな名称だったはずだが・・・こんな怪物を運用していたとはな。」

 

バラルの名を聞いて魔傀が警戒を示す。

 

《ヘアッ!》

 

Uキラーが孟槐、帝江を左腕の爪を駆使して撃退していく。

 

《ダイナマイトショット!》

 

Uキラーは紅い光弾を発射する。その球体は妖機人たちの中央で炸裂し、妖機人群を粉砕した。

 

「強い・・・これまでに出会ったどの百邪よりも・・・。」

 

「おい蓬瓜尊!もっと頑張らんか!!」

 

「我が功夫で使役するのは困難ですが・・・向吾者死、留吾者亡、亡神再妖、機人転生、急々如律令・・・勅!出でよ、四凶の一、窮奇王!」

 

突如上空に暗雲が広がり、中から紺碧の翼を生やした巨大な紅の虎が現れる。

 

「なんだ、あの巨大な窮奇は!?」

 

「僕たちが対峙していた魔物とは全くの別物ですね・・・」

 

「読んで字のごとく、虎の威を借る狐といったところだな。」

 

窮奇王の姿を見て天地丸と高野丸、そして魔傀が驚く。

 

「ふむ、窮奇か・・・たしか昔そんな曲があったのう・・・陰陽座じゃったか・・・。」

 

「そんな旧西暦のバンドの曲を持ち出す暇があったら窮奇の説明をしろ・・・。うっ・・・なんだ!?」

 

窮奇王の[四凶邪視]によって辺り一帯に居た者たちの気力が下がる。

 

「グオオオおお!!!」

 

窮奇王の放つ咆哮がエネルギーとなってUキラーを吹き飛ばし、尾の先端から連続でビーム砲を放つ。

Uキラーは空中で態勢を立て直し、バリアでビームを防ぐ。

 

《ハイパーウルトラスラッシュ!》

 

Uキラーは周囲に赤い光輪を複数発生させる。

 

「反撃が来るぞ!?」

 

「ご心配には及びません、窮奇王の超音牙砕によって彼奴の攻撃力は低下しています。」

 

赤い光輪が窮奇王に向かって飛来する。窮奇王は尾から光の刃を発生させそれを切り払うと高速でUキラーに接近し噛みつく。そしてそのまま引きずり回し露になった山肌に叩きつけた。

 

「そして今度は防御力を奪う・・・凶砕牙。」

 

窮奇王の爪が鋭く伸び、Uキラーに振り下ろされる。

 

《Uブレスレット、ウィップ》

 

Uキラーの右腕の腕輪から二本の触手が伸び、窮奇王を絡めとる。そして身体を回転させ振り回し投げ飛ばす。

 

《ウルトラランス》

 

ブレスレットが槍状に変化する。Uキラーはそれを投擲し、窮奇王を貫いた。

 

「むう・・・やはり私では・・・。しかしいま窮奇王を失うわけにはいかない・・・」

 

蓬瓜尊が印を結ぶと、ダメージを負った窮奇王はその場から姿を消した。

Uキラーが再び村に向けて歩を進め始める。

 

「こっちに来る!ヤバいぜ、どうするんだよロア!?」

 

『こうなったら・・・自分のパワーを信じて飛び込むしかない!』

 

「それで得られるのは勇気の光だけじゃぞ・・・。」

 

一同が改めて警戒を示すと、Uキラーの胸の4つの宝石が警告音を立て赤く点滅し始める。

 

《シュゥッワッチ!》

 

「なんだ?見逃してもらえたのか!?」

 

『いや、そうじゃない』

 

突如空の彼方に飛び立っていったUキラーを見てコウタが呟くと、ロアがそれを否定する。

 

『彼らは地球上では3分間しか活動できないんだ』

 

「そういう事は先に言わんか!」

 

「知っていたとしても俺達だけじゃどうにもならなかっただろうがな・・・。」

 

小牟が不満を漏らし、零児が最後にそうぼやいた。

 





【ちょっと語らせて】

Uキラーの技はRキラーと同様に主にバトルドッジボールでのウルトラチームの必殺技を流用しています。
ウルトラブレスレットは原作「帰ってきたウルトラマン」でウルトラマンジャックがセブンから貰ったチートアイテムですが、スーパー特撮大戦2001ではゾフィーから貰う展開に変更されているんです。つまりUキラーが持っててもOK!(ここだけの話、実はウルトラキラーの正体はゾフィーなんです!)
私見ですがトレギアのデザインはウルトラキラーを流用しているんじゃないかと勝手に思ってます。

そしてウルトラマンと戦う相手はやはり怪獣が良いと思い、四凶コンビの地味な方にお出ましいただきました。(ちなみに窮奇はONIシリーズではフィールドモンスターの一匹に過ぎません)
蓬瓜尊に関してはOG本編でコウタとは会ったことが無いので外見をショタに変更しつつ、初めて見たときから何となく小牟を連想してしまう外見だったので勝手に顔見知りという事にしました。
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