スーパーロボット大戦OG Time Dive Fighters   作:舟太郎

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5話 弧応爛劇

 

「まったく、とんだ誤算だったわね・・・。」

 

沙夜がどさくさに紛れて村を離れ、逃亡を試みる。

 

「それはこちらのセリフよ、見込みのない計画に付き合わされるのはごめんだわ・・・。」

 

沙夜はまるで誰かと会話するように一人で呟いている。

 

「何処へ行くつもりだ、妲己!」

 

その逃走を遮るように天地丸が立ちはだかる。

 

「あん、見つかっちゃった?」

 

「ここで会ったが百年目、鬼雷石を返してもらうぞ!」

 

『「妾の恨みは100年どころではないがのう・・・。」』

 

沙夜の口調が変わる。その頭上に日本古来の絢爛豪華な衣装をまとった美しい女性の幻影が現れる。

 

「妲己・・・!」

 

『久しぶりじゃのう、天地丸よ。ここで会うたが700年目、積年の恨み晴らしてくれようぞ!』

 

辺りに稲妻が降り注ぎ、空間が歪み始める。

 

「アレが天地丸さんの宿敵・・・妲己!?」

 

「・・・ゆらぎを操っているのか!?」

 

追いついてきた高野丸、零児、小牟が沙夜の頭上に浮かぶ妲己の姿を見て動揺を見せる。

 

「・・・・・」

 

「なんじゃ沙夜の奴、自分の怨霊に憑りつかれとるんか!?器用なマネしおってからに!」

 

無言の沙夜を見て小牟が推測を述べる。

 

『出でよ、我が僕たちよ!』

 

辺りにはぬらりひょんや邪骨婆といった妲己配下の妖怪たちが大量に現れ、更には沙夜と揉めていた遠野の妖怪たちも虚ろな様子で襲い掛かってくる。

 

「ちっ・・・ここに来てこんな連中を呼び寄せるとは、往生際が悪いようだな!」

 

「遠野の妖怪たちもあの妲己とやらに操られているようですね・・・。」

 

妖怪の群れが零児たちに襲い掛かる。

 

「必殺技1!」「ソニックバスター!」「スパークボンバー!」

 

闘竜王と魔傀、そして空中から黒い雲に乗ったグレート雷門が現れ、妖怪たちを攻撃し始める。

 

「天地丸、零児さん、ここは俺達に任せてアンタらは沙夜に一発かましてやれ!」

 

コウタが闘竜王の上から零児にそう促す。

 

「くっ・・・もう霊力が・・・」

 

戦いに加わろうとした高野丸が限界を迎える。

 

「任せろ・・・有栖流、天地神命!」

 

零児がハリウッドとゴールドで空を撃つとその弾丸が光の紋様を描き、味方のSPを回復させる。

 

「高野丸と言ったか?先ほどから気になっておったが・・・ひょっとしてお主、妖狐の類かの?」

 

小牟が高野丸に尋ねる。

 

「分りますか?父は人間ですが母は狐の妖です。」

 

「それでか・・・ふむ・・・どうやらまだ自分の力に目覚めておらんようじゃが、今はわしが力を貸してやろう・・・ほれ!」

 

小牟が自らの霊力を高野丸に送り込む。すると高野丸は美しい毛並みを持つ半人半弧の戦士へと姿を変えた。

 

「力が湧いてくる、この姿は一体・・・。」

 

「それこそが狐の化身、黄牙太子の姿じゃ!」

 

黄牙太子が錫杖を一振りすると、辺りの妖怪が吹き飛ばされる。

 

「すごい、これなら行ける・・・土豪烈波!」

 

黄牙太子が錫杖を大地に立てると地面が裂け、無数の光が敵を襲う。そして残りの妖怪を薙ぎ払いながら沙夜に接近する。

 

「秘剣、暗黒!」

 

黄牙太子が刀を振るうと、黒い衣をまとった死神が現れ沙夜と妲己を分断した。

 

『「ううぅ・・・・うおおおおお!」』

 

それと同時に沙夜から鬼雷石を奪いとる。

 

「天地丸さん!」

 

黄牙太子が鬼雷石を天地丸に向けて放り投げ、天地丸はそれをキャッチする。

 

「高野丸、よくやってくれた・・・転身!」

 

天地丸に雷が降り注ぎ、その姿を鬼へと変化させる。

 

「魔封童子、推参!・・・さあ、決着をつけるぞ、妲己!」

 

『おのれ天地丸・・・調子に乗るでないわ!かつて黒の女神にこの身をささげた折に得た力、受けて見よ・・・・邪教波!』

 

妲己の掌から黒いエネルギーが連続で放たれ、怨霊と化し魔封童子を襲う。

 

「ふん!」

 

魔封童子はその装甲で妲己の攻撃に耐え、その後電光石火で妲己に接近し攻撃してく。

 

「うおぉぉっ!!」

 

『くっ・・・舐めるでない・・・六道烈波!』

 

「ぐぅ!!?」

 

無数の黒い怨霊が現れ、闇となり魔封童子を包み込む。それと同時に妲己もまた闇の中に姿をくらませた。

 

『ふはははは、このまま嬲り殺してくれようぞ!』

 

「くっ・・・強い、以前よりも力を増しているのか!?」

 

「お邪魔させてもらおうかの!シャオムウウェーブ!!」

 

小牟が霊気の力場を発生させ六道烈波ごと妲己を拘束し、零児が火燐、地雷、ハリウッド、ゴールドで次々に攻撃していく。

 

「護行抜刀法奥義、森羅」「万象!!」

 

最後に小牟が水蓮で妲己を斬り裂いた。

 

『ぐわあああ・・・おのれ・・・人間と子狐が!!?』

 

「今だ・・・破邪の気合、おりゃあああ!!」

 

魔封童子が左足に力を溜め、その足を振りぬくと破邪の光がエネルギーの球体となって妲己に迫る。

 

『おのれ・・・こんなもの・・・こんなもので・・・!!?』

 

妲己は破邪のエネルギーを両手で受け止め、その場で耐える。

 

『こんなところで終われぬわ!!』

 

妲己が破邪の気合を打ち消す。しかしその瞬間、魔封童子は刀を構え接近する。

 

「日光剣よ、闇を切り裂け・・・破邪!」

 

日光剣による一閃が妲己を切り裂いた。

 

『ああああああ・・・・!!?おのれ天地丸・・・じゃがこれで終わりと思わぬことだ・・・妾は何度でも蘇って見せる!そして必ずはこの星を我が物に・・・!』

 

妲己は恨み言を残し、光の中へと消えていった。

 

 

▽▽▽

 

 

「後はお前だけだ、沙夜!」

 

「観念しろ!」

 

天地丸が目を覚ました沙夜に詰め寄る。

 

「・・・・・」

 

「そもそもあの妲己なんなんだ!?お前と妲己は同一の存在ではないのか!?」

 

零児と天地丸が沙夜に尋ねる。

 

「そうね、さっきの妲己ちゃんはこれまで移り変わってきた者たちの意識の集合体・・・沙夜、妲己、探女・・・いろいろと名乗っては来たけれど今のベースはあくまでも逢魔の沙夜よ。」

 

沙夜は珍しく少し疲れた様子を見せながら語る。

 

「だから無害と言うわけでもないんだろう?」

 

零児がそう言いながら沙夜の額に銃口を向け、沙夜もそれに応じるように銃口を向ける。

 

「このやり取りももう何度目かしらね・・・そう邪険にしないで、坊や。私も今回はこれで退場させてもらうわ、一応この後本編が控えているものね・・・。」

 

「本編だと?」

 

「ええそうよ・・・。次は『交域計画(プロジェクトクロスゾーン)』で会いましょう?」

 

沙夜はそう言って零児たちの前から姿を消した。

 

 

▽▽

 

 

「湖底にエネルギー反応あり あり」

 

竜が森湖の周囲でRーGUNとヴォルテックスの捜索に当たっていた水属性のダイダル兵がそう報告する。

 

「RーGUNが見つかったのか!?」

 

コウタと魔傀、合流したショウコとランが集まってくる。

 

「ワイヤー取付完了 完了」

 

湖底で発見されたRーGUNにフックを掛け、ダイダルタンクがワイヤーを牽引する。

 

「エイジ・・・エイジは一緒じゃないの!?」

 

「落ち着けよラン・・・ショウコ、もう一回行けるか?」

 

「うん、任せてお兄ちゃん・・・エミィアーマー、マーメイドモード!」

 

ショウコはエミィアーマーを人魚の様に変化させ竜が森湖の捜索に当たる。

その間にRーGUNの引き上げが完了するも、機体はかなりのダメージを負い外装は歪んでいる。

魔傀がコックピットのハッチを無理やりこじ開けヴィレッタの生存を確認する。

 

「息はあるみてえだな・・・来てくれ高野丸!」

 

魔傀がヴィレッタを引きずり出すと、それを見てコウタが高野丸を呼ぶ。

 

「任せてください、天療!」

 

高野丸がヴィレッタに手をかざし治癒術を施す。

 

「・・・うぅ」

 

「反応がある・・・これなら大丈夫そうです!」

 

高野丸がヴィレッタの反応を見てそう判断する。

 

「こっちは一安心だな・・・けどRーGUNがこの様じゃいくら変身してたとは言えエイジは・・・」

 

コウタがRーGUNの有様を見てエイジを案じる。そこへエミィが水中でエイジを発見し、引っ張り上げてくる。

 

「エイジ!?」

 

ランとコウタがエイジに駆け寄る。気を失ってはいるもののその姿には傷一つない。

 

「マジか・・・いや、今はとにかく回復を・・・!」

 

今度はランがエイジの回復を行う。

 

「エイジ・・・お願い、目を覚まして!」

 

「また泣いてるのか?ラン・・・。」

 

目を覚ましたエイジがランにそう声を掛ける。

 

「誰のせいよ!?バカ・・・バカバカ!!」

 

ランはそう言って涙と共に笑みをこぼした。

 

 

▽▽

 

 

「・・・神農炎帝、来護我身、此刀一下、何鬼不走、何病不癒、救急如律令。」

 

蓬瓜尊が大量の呪符をばらまき祝詞を唱えると、半壊した山々が修復を始める。

 

「蓬瓜尊、お主そんな便利な札もっとるんか!?」

 

超機人用の回復術を応用した技に小牟が驚く。

 

「これは我が師が得意とする術を応用したものです。これだけの損害を私だけで完全に修復するのは難しいでしょうが、ある程度は・・・。」

 

「そう言わずにがんばれ。ほれ油揚げパワー!」

 

小牟は懐から分厚い油揚げを取り出し、蓬瓜尊の口に向かって放り投げる。

 

「・・・ッ!!?」

 

蓬瓜尊がそれを口でキャッチする。「サクッ」「フワッ」とした食感と同時に大豆の風味が鼻腔を通り抜け、香ばしい油が蓬瓜尊の口の中に広がる。

すると蓬瓜尊の霊力が増し、山々の修復が加速する。

 

「これは・・・一体・・・?」

 

「福井県の名物、ざぶとん揚げじゃ!・・・言っとくがもうやらんぞ、あと一枚しかないからのう。あ~ん・・・」

 

小牟が残りの一枚を摘まんで口の中に詰め込む。

 

「フム、ファイホウヒャ!」

 

「小牟様、今後も人界を守護するつもりであればバラルに参りませんか?」

 

岩手山脈の修復しながら蓬瓜尊が小牟をスカウトし始める。

 

「悪いがダブルワークは禁止じゃ、森羅は公務員なんでな。」

 

「そうですか、同族が加わってくれればと考えましたが・・・残念です。では私はこれにて・・・」

 

山の修復を終えた蓬瓜尊はそう言い残し、縮地法でその場から立ち去った。

 

 

▽▽▽

 

 

「ふう・・・・こっちの温泉も悪くねえな。」

 

グレート雷門こと守天が八幡平の温泉に浸かりながら項垂れる。

 

「そうか?ちょっとぬるくねえか?」

 

江戸っ子のコウタは温泉の温度にやや満足できないでいる。

 

「しかし守天はともかく、何気に零児さんもスゲエ体格してるよな・・・何喰ったらそんな体になれんだ?」

 

コウタが目の前の筋肉を眺めながらそうつぶやく。

 

「こればっかりは授かり物だ。自分で言うのもなんだが身長というのはそれそのものが才能でしかないからな。筋力だけならトレーニングを積めば誰でも今よりは強くなれるだろうが。」

 

「トレーニングか・・・柄じゃねえな。」

 

コウタが顔の半分まで湯に沈みながらブクブクと答える。

 

「高野丸、お前はどうやってこの時代にやってきたんだ?」

 

コウタが高野丸に気兼ね無く尋ねる。

エイジは村の診療所、サイボーグである魔傀は温泉には入らずに帰還の準備を進めているため、この場にいるのは零児以外はコウタ、守天、天地丸、高野丸と言った異邦人だけである。

 

「分りません・・・異次元世界から京に帰ろうとしたはずなんですけど・・・。」

 

「異次元!?キミ達は異次元を行き来できるのか!?」

 

戦国時代の人間から出てきた予想外のワードに零児が驚きを見せる。

 

「ああ、異次元は妖怪たちが住む世界だ。俺の妹夫婦もそこで暮らしている。」

 

天地丸がそう答える。

 

「俺は行ったことねえけど、ラ・ギアスみたいなもんかもな。そもそも妖怪って何なんだ?未来・・・俺たちの時代にはいねえけど・・・?」

 

今更ながらコウタが尋ねる。

 

「人類が誕生するよりも遥か古来にこの星に移り住んだ種族だと聞いている。」

 

「・・・つまり妖怪は異星人って事か?それにしては見た目がバラバラじゃねえか?」

 

「ああ、普段目にしている妖怪たちは彼らが人や動物、自然と同化した末裔だと聞いています。かく言う僕や天地丸さんも人間と妖怪との混血ですし、他にも猫又や龍族の血を引く仲間もいます。」

 

「猫又か・・・。」「良い印象はねえな・・・。」

 

猫又と聞いて守天とコウタが知り合いを思い出してげんなりする。

 

「・・・・・。」

 

その隣では話を聞いていた零児が沈黙している。

 

「やっぱりおかしいと思いますか?」

 

「いや、俺にとっては嬉しい前例だ・・・。」

 

零児はそう言って珍しく穏やかな顔を見せる。

 

「妖怪たちの母星は突如現れた謎の敵生体に滅ぼされたらしいが・・・。」

 

「・・・その星にはでっけえ光の穴みてえなのは無かったか?」

 

「俺も聞きかじった程度の事しか知らない、なにせ人類史以前の話だからな・・・。」

 

「コウタよう、ひょっとして交鬼門・・・クロスゲートの事を言ってんのか?何処にあるかもわからねえようなよその星にエンドレスフロンティアと同じ物があるわけねえだろ?」

 

天地丸が言葉を詰まらせたところで守天が発言する。

 

「ところがどっこい、クロスゲートはこの地球にも存在してんだよ。」

 

「それは本当か!?」

 

今度は零児が反応を見せる。

 

「ああ、少なくとも未来の南極にはあったぜ。その時の戦いの後、何故か宇宙空間に転移して漂っているけどな。」

 

「話のスケールが大きすぎてよくわからんな・・・。」

 

零児はそう言っていつものように頭を抱える。

 

「巨大な光の穴ならこの時代に来た時に見ましたよ。」

 

話を聞いていた高野丸がそう発言する。

 

「マジか!?何処で見たんだ!?」

 

「ここより更に北に行った山中の遺跡です。」

 

「青森の十和利山かもしれんな。あそこにはたしか霊穴の存在が確認されている。」

 

「なんなんだその霊穴ってのは?」

 

「俺も資料でしか知らないが、その名の通りとてつもない霊力を帯びた大穴だ。過去には将軍家がその霊穴から吹き出る霊的エネルギーを独占しようとしたらしいが、およそ人の手におえるものではなかったらしい・・・。」

 

零児が森羅の記録をうろ覚えで説明する。

 

「・・・ちょっと気になるな、行ってみるか。」

 

コウタは間髪入れずにそう思い立った。

 

 

「せっかくの温泉じゃと言うのに男だけでくっちゃべって終りとか、何考えとるんじゃ!?」

 

男湯を出て合流するや否や小牟が不満を口にする。その後ろにはショウコの姿もある。

 

「いいだろ別に・・・。」「いったい誰に対して何を怒っているんだお前は?」

 

コウタがフルーツ牛乳を、零児がコーヒー牛乳をそれぞれ飲みながら小牟にツッコむ。その後ろでは天地丸たちもそれぞれ気になる牛乳を選んでいる。

 

「これが怒らずにいられるか!?温泉と言ったら覗きじゃろ!?何故誰一人女湯を覗きに来んのじゃ!?」

 

「それは普通に逮捕案件なんだがな・・・。」

 

喫煙コーナーから出てきた警察官がそうツッコむ。

 

「幽霊課の魔魁幻聖捜査官だったな、サイボーグなのににタバコを吸うのか?」

 

今度は零児が魔傀に声を掛ける。

 

「この身体ならどれだけ吸っても害はないからな。お前も一本どうだ?新羅のエージェント。」

 

「いや、俺は止めた。少し羨ましい気もするが、その身体は喫煙でリラックスできるのか?」

 

禁煙中の零児が呟く。

 

「タバコによるリラックス効果は脳の錯覚じゃ。零児よ、今更また吸い始めるような事は許さんからな!」

 

零児の発言に小牟が釘をさす。

 

「ヴィレッタとエイジはTDF附属病院に搬送される予定だ。俺も一度極東支部に寄ってから制御体連合国家に戻ろうと思う、報告書が山積みだからな・・・。」

 

そう言って項垂れる魔傀。

 

「しかしGサンダーゲートは使いてえんだが・・・」

 

「迎えは手配してある。後は島崎博士も極東支部に同行する予定だ。」

 

魔魁がそう通達する。

 

「それで頼む、俺たちはこれから青森に行ってみるぜ!」

 

 

◇◇◇◇◇

 

~十和利山遺跡内~

 

 

「これは・・・!?」

 

遺跡の中で一人の男が苦々しい表情浮かべ光の大穴を見つめている。穴からはおびただしいエネルギーが溢れかえっている。

 

『これがかつてこの国に混乱をもたらした霊穴だ。権力者に悪用されぬよう隠忍の血を引く者たちによって封印されていたが、その封印も時を経て弱まりつつある。妖気老の孫がこの時代に転移してきたのもそのためだろう・・・。』

 

男の傍らの土偶がそう説明する。

 

「このエネルギー、規模は小さいが確かにヴォ―ダの門に酷似している。」

 

『ヴォ―ダの門、お前の母星を襲った悪魔たちを呼び寄せた扉だったな?』

 

「時空、君であればこの門を再び封じることは可能か?」

 

『ああ、そのためにここに来た。だが・・・』

 

「そうはさせぬぞ、裏切者の時空童子!」

 

突如、鬼の大群が現れ男と土偶を取り囲む。

 

『悪路王か・・・お前たちに裏切者呼ばわりされる覚えはない!人に仇をなすは妖怪の総意ではない、人との共存、同化計画こそ我ら妖怪の進むべき道だ!』

 

時空童子と呼ばれた土偶が妖怪たちのリーダーと思しき男に食って掛かる。

 

「ふん、鬼族の面汚しめが世迷い言を・・・目にものを見せてくれる!」

 

「時空よ、奴らの相手は私が引き受ける。キミは門の封印を・・・!」

 

『ああ、任せたぞ・・・わが古き友よ。』

 

遺跡の外壁が崩れ、20M級の薄紫色の機体が現れる。コックピットブロックのハッチが開き、男はその機体に乗り込み名乗った。

 

「ゆくぞ、クストウェル!エ=セルダ・シューン、推して参る!」

 

 





【キャラクター出典紹介】

時空  [鬼忍降魔録ONI(GB)]

悪路王 [ONI4鬼の血族(GB)、機神降臨ONI(SFC)]


【ちょっと語らせて】

時空、土偶に封じられた天地丸の父親です。作中では勝手に「時空童子」とさせてもらいましたが、原作ゲームでは「じくう」としか表記されていません。
GB版ONIシリーズにおける妖怪は「遥か昔に戦争で母星を失い地球に移住してきた異星人」という設定なのですが、ちょっと近いと思いヒューリーと絡めることにしました。(ブラキウムじゃないクストウェルも出したかった)

悪路王に関してはゲームボーイ版とスーファミ版で全然別のキャラクターなんですが、そもそも東北地方に存在したとされる伝説上の人物です。奈良時代~平安時代にかけて活躍した武人、坂上田村麻呂によって討伐されたとして「悪路王=蝦夷の長アテルイ」であるという説が一般的なようです。


黄牙太子はONI4での30歳を超えた高野丸が転身した姿であり今登場しているONI2版では変身能力は無いのですが、とりあえず狐キャラ集合回を書きたいと思って無理矢理登場させました。
今回のサブタイトルも最初は「狐たちの沈黙」とかにしようかと思いましたが、全然沈黙していないのでやめました。
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