ペルソナ 神器になった少年   作:織田

15 / 15
十三話 ストレガの面々

ストレガに居る面子の大体は、ショウタや桐条美鶴と同年代の孤児である。

これは、ペルソナ使いである二人が同年代という事もあり、年代がペルソナ覚醒の重要な要素ではないか、とエルゴ研究所が推測した事に基ずく。それと同時に親の居ない孤児というのは、社会との関わりが薄い為、居なくなっても分からないという冷徹な判断からも最適な被検体として選出したのである。

 

7歳から12歳まで様々な子供達が、日々の日常を人体実験とシャドウとの戦いに費やす。その異常な環境は、子供達に様々な影響を与えていた。ペルソナ使いの模擬戦闘場でも様々な反応を持つ者がいる。

 

「おい、ショウタ。オレと戦え」

 

「……刻か」

 

左右の色が違うオッドアイが特徴的で、金髪の少年はショウタに対して戦いを挑む。少年の眼には、狂気に近い強さへの渇望が見える。同時にショウタに対する苛立ちがある。

 

「ああ、弱ェ奴が力もないのに足掻くのもムカつくが、テメエみてぇに刃向わない奴もムカつくんだよ。だからテメエを越えなくちゃなんねぇ」

 

「……分かった」

 

「いくぜ!!ペル「やめえや、刻」ブフッ!!」

 

刻は召喚機に手を掛けて、戦闘態勢に入った所で横から赤毛の少年にぶっ飛ばされる。赤毛の少年はボンヤリとした独特の雰囲気を纏いながら、ノンビリと話しかける。

 

「仲良う。せんとアカンで~」

 

「テメエ…ナニをすんだ!!遊騎!!」

 

刻は倒された体を起こすと、赤毛の少年である遊騎に対してスゴイスピードで突っかかる。

 

「せやかて、先日のコトを忘れたん?」

 

「うっ…それは」

 

遊騎の指摘に対して、刻は言葉を詰まらせる。

先日の事だった。刻がショウタに戦いを仕掛けたのだが、ペルソナの扱いに関してショウタの方に一日の長がありあしらわれていた。実際ショウタは刻に対して碌に傷つける様な攻撃を仕掛けてこなかったのだが、刻はその事に苛立ちペルソナの制御向上の為の戦闘という目的から離れて殴り合いの喧嘩になったのだ。ショウタと刻がまだ、7歳の子供である為殴り合いの威力は無くお互いが傷つく事はなかったが、完全な泥試合になったのだ。

 

「問題ねェよ、今回はこの刻様がブチのめすからよ」

 

「……弱い犬程、よく吠える」

 

「なんだと!」

 

刻の勝利宣言に対して、ショウタはサラリと毒を吐く。が、その言葉には子供らしい負けず嫌いな一面が見え隠れしていた。親しみのないけれど気の置けない悪友。それが二人を表すのに適切な表現だった。

耐え忍ばなければならないという今の現状において、ショウタは自分の心を殺さなければならなかった。研究者達に対しては、非道に対する自分の中に渦巻く反抗心を隠し、協力の姿勢を見せなければならない。被検体の仲間達に対しては不信に耐えながらも、接する必要がある。心を殺して接する必要のある状況の中で、純粋な感情を真っ直ぐ向けてくれる相手は貴重だった。そういう意味では、二人は悪友なのだろう。

 

「落ち着きや~二人とも」

 

「……お前は、お前で変わらないな遊騎」

 

二人の睨み合いも遊騎のノンビリした声に遮られ、喧嘩しそうな状況が霧散する。研究所という環境においても自分のペースを崩すことの無い遊騎の在り方は、何処か異質である。他の人とは、また違う心の強さを持っているのだろうとショウタは呆れながらも声を掛ける。

 

「チッ!コイツとの戦いがねえんじゃ。つまんねぇヨ」

 

「まあ、お前みたいに戦闘狂のやつらは少ないしな」

 

ストレガの模擬戦闘場で周りの子供たちの様子を見ながら、返答を返す。大体の集団の傾向が見て取れる。

 

大まかに分類してストレガの子供達のグループは三つに分かれる。

 

一つ目のグループは「無気力組」

エルゴ研究所で行われる人体実験やシャドウとの戦闘に疲れて、現実と向き合うことが出来なくなり、無気力になった子供達である。実際この模擬戦闘場でも、自分のペルソナを磨くわけでもなくただ、ボーっとしている事が多い。チドリやエリナなど、女の子の多くがそのグループにいる。当然タルタロス探索では、シャドウとの戦闘で危機にさらされている事が多いのだがショウタの加入後、タルタロス探索での死者数は一気に減りなんとか生きている、という状態である。

 

二つ目のグループは「徒党組」

エルゴ研究所内で行われる実験に際し、被検体という同じ状況を体験しているという事で小さな集団を形成して現実に向き合おうという集団である。なぜ徒党組かと言われると、ペルソナ能力についてイマイチ差が生じない為確固たるリーダーが居ないこと。そして小さな集団内でのコミュニティを重視する為発展性がないのである。刻の言葉で言うと、「金魚のフン」みたいにへばりついている連中と言ったところだろう。主にショウタを疑っている連中は「徒党組」の連中である。内部のグループを重視するが故に排除性が高いという特徴がある。どちらかというと三つ目のグループに属するといえるが、敢えて言うならジンなどが「徒党組」のメンバーでもある。

 

そして三つ目のグループは「個性組」

シャドウとの戦闘を積み重ねて自分の力を高めていく戦闘狂になる者。

エルゴ研究所内に置いても、自分のペースを崩すことの無い者。

人体実験やシャドウとの戦闘に積極的に参加することで皆を守ろうとする者。

エルゴ研究所の非道を憎み、子供ながらに憎しみを培いながら戦う者。

 

そして、

 

「おや、浮かない顔ですね。どうかしましたか」

 

「……そういうお前は楽しそうだな。タカヤ」

 

子供とは思えない価値観を持ち、人の心の在り方を楽しむ者。

 

「ええ、エルゴ研究所という命を削る局面で魂の輝きは素晴らしい。その事は貴方が証明してくれたのですから」

 

「……本当にお前子供か?」

 

「貴方よりは年上ですよ」

 

ショウタはハァ、と疲れた様子で溜息を漏らす。

「個性組」の連中は良くも悪くも自分のペースで動く連中である。協調性は最低限あるが、どいつもコイツも一筋いかない連中だ。全くタチの悪い連中だと思う。

 

「個性組」のショウタが思った所で説得力皆無なわけであるが。

 

 

 

★★★★★★

 

 

「……幾月さん、本当にこのプランを勧めるのか」

 

「うん。幸い被検体の数は足りてるからね。もう少し減らした所で問題ないさ」

 

エルゴ研究所内でストレガの責任者となっている幾月は、部下に指示を出す。

 

「分かりました、では扉間にも伝えておきます」

 

「うん。任せたよ」

 

部下が部屋の外に出ると、自分の穏やかな仮面を外し狂気に満ちた面相で呟く。

 

「新世界の生贄は極上でなければね。七人いれば十分さ」

 




ストレガの面子として、どれだけのオリキャラを入れるのか迷っていました。
今の所、他の作品のキャラクターを登場させるつもりです。
出来ればクロスさせたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。