ペルソナ 神器になった少年 作:織田
・・・・・・・文才が欲しい
デスの降臨とそれに伴うニュクスの顕現。其れがエルゴ研究所の目的となったのはいつからだろうか。シャドウの偉大な力に魅せられた研究員は等しく思うようになった、シャドウの力を限界まで調べたい、偉大な力を示したい。例え、世界を滅ぼすこととなったとしても。
一九九八年 ある「研究員」が桐条鴻悦のもとを去ったことをきっかけに、狂気は研究所全体に及ぶようになり、シャドウの単なる力の利用から「滅びの将来」へと移行することになる。
「二五号!実験開始だ」
頑強に施錠された密室で、『シャドウ』と呼ばれる怪物が死の運命を伴って、5歳になって間もない少年に眼前から迫り来る。『シャドウ』の力を人間という体を通して発現させた力であるペルソナ能力を初めて顕現させた少年であるショウタは貴重なサンプルとして、酷使されていた。ペルソナ能力の顕現を可能とするためには生命の危機という極限状態に追い込む必要がある。その為、『シャドウ』と同じ密室に入れることでペルソナを出させる実験をおこなうのだ。だが、ペルソナの発現はなく、迫り来るシャドウの魔の手から逃げ続けることが精一杯であった。
「ハァ、ハァ、フー」
「GYAA■■■■」
ペルソナ能力の顕現には幾つか条件がある一つ目は適正能力、二つ目は影時間のような特殊な空間、そして三つ目に必要とされるのが死を受け入れる程の覚悟である。一つ目や二つ目は現時点でもクリアしているが、三つ目の覚悟は難しい。将来ペルソナ使いが大量に量産されることになるのだが、彼らは召喚機を通して擬似的な死を経験させる方法でペルソナを召喚しているのである。言うなれば自転車の補助輪が付いているか、付いていないかという問題が例として挙げられる。ただその自転車がとんでもなく乗るのが難しい自転車であるという違いを除いては例として正しいだろう。
「いい見世物じゃな。目がまだ死んでおらぬようじゃ。美鶴より年下のはずじゃが大した精神力よ」
貴賓室でモニターを見ているのは桐条鴻悦。最近楽しみな娯楽として二五号と少年の戦いを見学している。感心する口調とは相反する獰猛な顔からは狂気がにじみ出ている。嗜虐心をくすぐる遊びなのだ、この少年を精神の極限状態に追い込むという実験は。ペルソナ能力が精神を根源とする力であることを考えた研究者達は、実験体の精神を追い込むことでペルソナ能力を発現させるという実験を繰り返していたのだ。。密室に捕獲したシャドウと薬物投与した実験体を閉じ込め、覚醒を促す。そんな作業が繰り返され多くの命が散る。
「!ぅ、ぺ・る・そ・な!!!!!」
だがそんな極限状態に行われる実験で生き残っているのが二五号ことショウタだった。
今回顕現したペルソナはイザナギである。黒い仮面ライダーのような形をしたぺルソナが顕現する。そして顕現したペルソナは瞬く間に少年を襲っていたシャドウを蹴散らして消える。同時に少年も崩れ落ちるかのように倒れた。
「今のがイザナギか、他にもペルソナを有しているとは本当か」
「はい、我々が目指しているニュクスの顕現に必要である12のアルカナのシャドウを体内に取り込ませることにより擬似的にデスを体内に取り込んでいるのと同じ状態です。その為死を内包することで強力なペルソナ能力をふるう精神力が向上されていると考えられています」
桐条鴻悦は少年が生き残ったという事に対してなんら感傷を見せることなく隣にいる研究員に尋ねる。
「フン、ペルソナを多数内包したもの「ワイルド」か、我々が目指していた「神器」にはできんのか」
「無理でしょう。実験体の生命力が著しく消耗しているので、寿命も短くなっていますしね」
少年の命を気に掛けるような研究員などここには一人を除いては誰もいないだろう。その一人である木下ヒカルは桐条鴻悦や研究員が交わす会話に冷ややかな視線を見せつつも、一つの覚悟を決める。このままでは世界が滅んでしまう。
ならば、せめてこの子だけでも生き残る方法を与えよう。例え自分自身が死ぬことになったとしても・・・。木下は自分の大学の先輩で気弱そうな主任研究員の岳羽詠一郎と連絡をとることを決める何をすべきなのかについて。
それから時は過ぎ屋久島のエルゴ研究所で五式ラビリスや七式アイギスのような対シャドウ戦闘機が非人道的な実験の元開発するようになり、ヒカルやショウタも実験は関与させられる日々が過ぎた。
終わりは必ず訪れる。
目を塞いでいても。
耳を閉じていても。
世界の破滅という、どうしようもないほど堕ちた道をいく人々の中で運命に逆らおうとする人々が現れ破滅は一時的には防がれることになるのだが、代償は大きく残ることになる。
代償としてタルタロスが残る。同時にエルゴ研究所内で「神器」となる少年以外生き残った者は誰もいないことになる。
分量が少ないです