ガメラ 星の戦士達   作:黒猫キッド

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03・廃墟の屋敷

「…迷ったね」

「…うん」

 山中に於いて、光莉が灯莉に対して言った。その近くには慎太郎、啓介、悟、桃華、理亜も居た。七人共活動用のカバンを所持している。

 事の始まりは、自然教室の間の宿泊に使う旅館に於いて、着いて直ぐに荷物を置くと、教師からオリエンテーリングの指示が出された。

 内容は地図を使って、目的地まで着くという、オーソドックスな内容であった。

 その際にスマホを預けるという制約が課された。理由はGPS等のナビの使用を禁じる為であった。

 スマホを提出後、出発前に決められた班ごとに分かれて、オリエンテーリングに出発した。

 オリエンテーリングはそんなに難易度の高い内容ではなかったが、どういう訳か光莉と灯莉達の班は、山中に於いて遭難してしまった。

「地図とコンパス渡されて、登山道や道案内が有って、普通迷うか? どんだけ方向音痴なんだよ、七人も居てよ」

 慎太郎が呆れる様に言った。

「自分も方向音痴って事になるぞ、慎太郎」

 啓介が落ち着いた口調でツッコむ。

「ってかさ、元々慎太郎がコッチだって言った結果、こういう状況になったよね?」

 悟が指摘したとおり、地図を持った慎太郎の指示で、今現在七人はこの状況に陥っている。

「しょうがないだろ! 本当にそう思ったんだよ!」

 半幅逆切れ気味に、慎太郎が返した。

「もう、喧嘩しないで! 今は下山する事を考えようよ!」

 灯莉に言われて、慎太郎達は落ち着く。

「光莉君、どうする?」

 灯莉が光莉の方へと顔を向けると、光莉は別の方角を見ていた。

「光莉君…?」

「…あっちに行ってみよう」

 そう言うと光莉は、何処かへと歩き出した。

「お、おい光莉!?」

 光莉の突然の行動に、慎太郎は戸惑う。

「どうしたんだろ光莉君。何か様子が変だったよ?」

 桃華が光莉の行動に心配する。

「…此処に居ても仕方がない。光莉が何故急にそういう事をしたのか分からないが、兎に角移動してみよう」

 理亜にそう言われて、灯莉達は光莉の後を追った。

 森の中を歩いている間、光莉はただ無言で歩き続けた。灯莉はその光莉の様子に不安を感じながらも、光莉を信じて付いて行く。

 それから十分程歩き続けると、森の中に建物が現れた。

「廃墟…?」

 それは古い和風の屋敷の様であった。

「古い日本家屋だな…」

「何だ光莉。お前此処の事を知っていたのか?」

 慎太郎の言葉に続く様に、啓介が尋ねる。すると光莉が振り向いて答える。その表情は戸惑いが混ざっている。

「知らないんだ」

「知らないって…僕達は光莉の案内で、此処まで来たんだよ?」

 光莉の答えに悟が戸惑って言い返す。

「分からないんだ…ただ何となく、誰かに呼ばれた様な気がして…」

「何だそれは…」

「……」

 理亜は光莉の回答に戸惑い、他のメンバーも同じ反応だったが、光莉の言葉を何となく理解出来たのは灯莉だった。

『光莉君…今朝見た夢の事から、ずっと変だった…』

 何となくだが灯莉は、光莉が見た夢と今の行動が、何か関係しているのではないかと感じた。

「…とりあえず入ってみよう。下山する方法が分かる物があるかも知れないし、少なくとも休める筈だ…」

 屋敷は見た感じ崩壊している様子も無く、とりあえず休む事は出来そうなので、啓介の提案に乗り、メンバーは屋敷に入る事にした。

 尚、悟が入る事を怖がったが、慎太郎に『じゃあ外で待ってろ』と言われ、置いて行かれるのは嫌だった為、結局入る事にした。

 

※         ※

 

 屋敷の中は外見同様に、特に崩れている様子もなかったが、少々奇妙な構造であった。何故なら行ける場所が玄関先しかなく、奥へと続く道は瓦礫で塞がっていたからだ。

「何だよこれ…入り口を入って終わりかよ」

 瓦礫で塞がれた道を見ながら、慎太郎がぼやいた。

「まあ良いんじゃない。元々休むのが目的だった訳だし」

 理亜が床に荷物を置きながら言った。確かに目的は屋敷の探索ではなく、下山方法を見つけるか、休息の為である。

 他の五人も床に座り、残った慎太郎も奥が気になりながらも、床に座るのだった。

「あっ!僕お菓子あるよ! 食べる?」

 悟がカバンの中から、幾つかのお菓子を取り出した。悟の親は大型スーパーを経営しており、その関係でお菓子を持ってきていた。

「おっ! 食べる食べる♪」

 我先に慎太郎が取りに行った。他のメンバーもお菓子を貰いに行く。

 灯莉は自分も取ろうとしたが、その前に光莉の方を向いた。

「ねえ光莉君! 光莉君はどれを食べる?」

 そう光莉に尋ねるが、光莉は瓦礫で封鎖された奥を見ている。

「どうしたの? 気になるの?」

「……うん」

 灯莉の言葉をから返事で返すと、カバンを持ったまま瓦礫へと近づいた。その時…

 

 ミシミシミシ…

 

 何かが軋む様な音がした。そして…

 

 バキッ!!!

 

「!!?」

 光莉が立っている場所の床が抜けた。

「うわぁ!?」

「光莉君!?」

 灯莉は慌てて光莉を助けようとするが、灯莉の手が届く前に、光莉は穴から落ちてしまった。

「光莉!」

「光莉!?」

 慎太郎と啓介が慌てて穴に駆け寄り覗くが、穴はかなり深くて暗く、光莉の姿は確認出来なかった。

「光莉~! 大丈夫か!?」

 慎太郎が穴の中に声をかけるが、光莉から返事は無い。

「これはかなり深いぞ…」

 啓介が穴を覗きながら呟く。

「そんな…光莉君…」

 まさかの事態に、灯莉は動揺する。

「皆、見てよ!」

 桃華が瓦礫の方を指差して叫んだ。瓦礫は光莉が落ちた穴が出来た衝撃で崩れたのか、その奥が見える様になっていた。

 そしてその奥は階段になっており、地下に降りられるようになっていた。

「…あの階段を下れば…光莉君の所に行けるかも…」

 灯莉の言葉に他の五人は頷いて、光莉を助け出す為に、階段を下る事にした。

 

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